加藤 広大

映画コラム

『マルジェラが語る “マルタン・マルジェラ”』は被写体やファッションに興味がなくても楽しめる「職人」を捉えたドキュメンタリーである

「マルタン・マルジェラ」のドキュメンタリーと聞いて、「これは劇場のスクリーンで観ねばなるまい」と考え、オンラインチケット受付開始の10秒前からページをリロードしまくり一瞬で席の予約を済ませる、とまではいかなくとも、映画館に足を運ぶ人は現在の...
映画コラム

『アナザーラウンド』が描く酒と泪と男とおっさん 〜”酒は飲んでも飲まれるな”というが、飲まれてる人しか見たことない〜

「酒は飲んでも飲まれるな」と昔から言われているが、酒を飲んでいて「飲まれていない」人を見る機会はほとんどない。筆者は複業、というか趣味でバーテンダーとして年間100日ほど店に立っており、実測値(コロナ禍以前の)としても間違いないと思う。『ア...
映画コラム

『猫の恩返し』が公開された2002年、こんな時代だった

(C)2002 猫乃手堂・Studio Ghibli・NDHMT本コラムは『猫の恩返し』が公開された2002年に、どのような映画や音楽などがあったのかを掘り起こし、懐かしがってみようといった意図で書かれている。関連記事:『猫の恩返し』が明る...
デフォルト

怨霊が怖い、人が怖い、訳がわからなくて怖い、顔が怖い。方向性別「怖い映画」特集

夏といえば怪談だが、そもそもなぜ夏に怖い話をするのだろうか。民俗学者の折口信夫は『折口信夫全集 22』の『涼み芝居と怪談』で以下のように語っている。 『夏芝居に怪談物の出ることは、人の心をひいやりさせて清涼の気に触れさせようとするのだと言ふ...
アニメ

『もののけ姫』が公開された1997年、こんな<ヤバい>年だった

▶︎『もののけ姫』画像を全て見る1997年、あなたは何をしていただろうか?24歳の人ならば生まれたて、34歳の人であれば当時10歳で小学生、44歳だと成人式の年になる。1997年はけっこう激動の年だった。さらっと書いてみるだけでも凄い。 正...
デフォルト

『ジュゼップ 戦場の画家』レビュー:現在も過去も、未来でさえも蔑ろにしない。鮮やかな筆致でラストまで描ききる職人技

『ジュゼップ 戦場の画家』は、実在の画家ジュゼップ・バルトリの半生を描くアニメーション作品だ。彼はスペイン内戦時代に共和国軍サイドでフランコと戦い、1939年にはフランスの強制収容所で難民生活を経験。1942年にメキシコへ亡命し、フリーダ・...