「虎に翼」寅子は新潟で生まれ変われるか 優未のスンッが心配<第75回>

続・朝ドライフ

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2024年4月1日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。

日本史上で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。困難な時代に生まれながらも仲間たちと切磋琢磨し、日本初の女性弁護士となる“とらこ”こと猪爪寅子を伊藤沙莉が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第75回を紐解いていく。

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よね、試験を受けていなかった

寅子(伊藤沙莉)が新潟に転勤をきっかけに生まれ変わろうとしています。
地方にいって生まれ変わるという考えは、大河ドラマ「光る君へ」のまひろ(吉高由里子)も越前に行くときそんなようなことを言っていました。越後と越前、奇しくもどちらも日本海側です。

いつの間にか偉そうになってしまったことを反省した寅子は、彼女を密着取材していた竹中(高橋努)に、子供たちの正直な寅子への評価を綴った文章を渡します。

この間、家族会議で出たような感想で、約束を守らない、忘れっぽい、理想を押し付けてくる、仕事の自慢ばかり、朝からお酒くさい、とか書いてあります。

竹中は「あんたの家族がうさんくさいのはわかってた」と言いつつ、なんだか戸惑ったふう。
寅子は、自分のだめなところをはっきりさせたうえで、新潟で土台を積み重ねると宣言し、「信頼とか経験とか絆とか」そういうのを得たときに記事を書いたらおもしろいものになるだろうと言います。

「信頼とか経験とか絆とか」も、大概うさんくさくないかと視ながら思っていたら、竹中が「あー」と大声を出して、思考を断ち切られました。
そして、「早目に頼むぜ、こっちのお迎えがくるまえにさ」と笑う竹中。
つまり、取材は、寅子の新潟行きに伴って中断ということでしょうか。ん? 子どもたちの正直な評価を記事に付け加えてほしいというお願いだったのではないのか。それとも、今回の記事のほかに、またゆくゆく生まれ変わったときの記事も書くという話になったのか。

いずれにしても、竹中には、いつか寅子が人間的に立派になってすごい仕事を成し遂げたときに、老記者としていい記事を書くことを期待します。

寅子が東京から新潟に行くに当たり、みんなとお別れします。

家庭裁判所の壮行会は、多岐川(滝藤賢一)の自宅で行われ、会の前に香淑こと香子(ハ・ヨンス)とゆっくり語ります。香子は日本人になったので過去の自分を知ってる者とは会いたくても会わないと固い決意をしています。

壮行会も、香子は外出していることになっていて、同級生の小橋(名村辰)や稲垣(松川尚瑠輝)は香子があの香淑だと気づかないまま、噂の香子に会えないことを残念がります。

寅子とだけは、たまたまだけど再会し、寅子とだけは会って本音を話す。ここは寅子の物語の主人公らしさです。
1952年といえば朝鮮戦争中で、日本は軍需景気で潤っていたとか。香子はどう思って生きているのでしょうか。

そして、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純貴)と梅子(平岩紙)とも、いったんお別れ。

寅子はよねに、試験をもう1度受けてみないかと助言します。よねは戦後のごたごたで弁護士の試験を諦めていたようです。相変わらず反抗的なよねに、「弁護士になったよねさんにしか救えない人がたくさんいる」と寅子。この彼女の言葉がよねに響いたような気もします。よねに一歩踏み出してほしい。

来週から新潟編! 新潟で母子ふたりになった優未(竹澤咲子)がスンッとしてしまっていて心配です。寅子の料理、おいしいのかな。花江(森田望智)の料理が恋しくないかな。寅子もはる(石田ゆり子)の甘口の味を継いでいるのでしょうか。

(文:木俣冬)

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–{「虎に翼」第15週あらすじ}–

「虎に翼」第15週あらすじ

昭和26年。視察のためにアメリカに行っていた寅子(伊藤沙莉)が帰国する。雑誌の取材を受け、多岐川(滝藤賢一)とラジオにも出演。それぞれ「家庭裁判所の父」「家庭裁判所の母」などと呼ばれ、後輩も出来て順風満帆。そんな中、寅子は福田慶太(中村無何有)・瞳(美山加恋)の離婚調停を担当することに。妻が不貞行為をしたことで夫が離婚を申し立てたのだ。どうやら瞳は寅子が担当することで自分に有利な判断をしてもらえると考えているようだった。

–{「虎に翼」作品情報}–

「虎に翼」作品情報

放送予定
2024年4月1日(月)より放送開始

出演
伊藤沙莉 、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、 松山ケンイチ、小林 薫ほか


吉田恵里香

音楽
森優太

主題歌
「さよーならまたいつか!」(米津玄師)

ロゴデザイン
三宅瑠人、岡崎由佳

語り
尾野真千子

法律考証
村上一博

制作統括
尾崎裕和

プロデューサー
石澤かおる、舟橋哲男、徳田祥子

取材
清永聡

演出
梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか