「虎に翼」裁判長が平田広明。いい声の俳優たちが集まっている。<第23回>

続・朝ドライフ

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2024年4月1日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。

日本史上で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。困難な時代に生まれながらも仲間たちと切磋琢磨し、日本初の女性弁護士となる“とらこ”こと猪爪寅子を伊藤沙莉が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第23回を紐解いていく。

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無実を信じる

穂高(小林薫)がベテラン弁護士たちを集め、直言(岡部たかし)たちの無実を証明しようと呼びかけました。
「法は正しい者を守るものだと私は信じたいんです」という寅子(伊藤沙莉)の言葉に、ベテランの弁護人たちも共鳴したようです。

寅子がさらに、自白の内容と相違のある記録を見つけ出してくると、強面の錦田(磯部勉)も「やってみる価値はありそうだ」と賛同してくれました。

涼子(桜井ユキ)の父のコネで若島大臣邸の訪問記録を手に入れたりして、決定的な大きな証拠は見つかりませんが、小さなことからコツコツと。

はる(石田ゆり子)の日記には14箇所の自白との相違点があったうえ、大臣邸の訪問記録にも訪問した記録がないとか、ちょっと調べたらわかることでも有罪にしてしまえる。権力の横暴さに暗澹たる気持ちになります。権力は白を黒にしてしまう。その逆もまた然り。

あることをないことのように、ないことをあることのように書くのは、マスコミもそうであります。寅子が女子部に入ったとき、恣意的な発言の切り取りを行って記事を書いた竹中(高橋努)に事件のことを書いてくれないかと頼みますが、「ガキが足つっこんでいい事件じゃない」と相手にしてくれません。

聞きつけた別の記者が、「父の無罪を信じる女子法学生」という小さな記事を書いてくれました。

が、署名活動などもしている寅子に反感を覚える人たちもいて、街で狙われます。
それを助けてくれたのは竹中。

共亜事件には大きな力が動いており、へたすると寅子の身に危険が及ぶと忠告します。
そして、内閣を総辞職させるためにこの事件が起きたのだと秘密を語ります。
誰が何のために? 貴族院議員・水沼(森次晃嗣)が影で操っているのではないかとまで竹中はしゃべってくれます。朝ドラにしてはシリアスな展開ですが、わりと簡単に謎が解けていくのは朝ドラらしい。

竹中は「この国はどんどん傾いていくぜ」と語ったあと、
タバコを吸おうとして箱が空っぽだったためいらっとして地面に投げ捨てます。
地面に叩きつけた音が竹中の苛立ちが伝わってきました。

裁判がはじまると、武井裁判長(平田広明)の横に、桂場(松山ケンイチ)が裁判官としていて、はるは顔をしかめます。以前、彼にひどいことを言ってしまったので、心象を悪くするのではないかと後悔したのではないでしょうか。

平田広明さんは「ONE PIECE」のサンジや「TIGER & BUNNY」の鏑木・T・虎徹などでおなじみの声優さん。弁護士・錦田といい、いい声の人たちが裁判所に集結してきました。

傍聴マニアの笹山(田中要次)も久しぶりに現れます。

直言は、日和田(堀部圭亮)が扇子を耳障りに叩く音が神経に触ったようで、倒れてしまい、裁判は一旦休止になりました。日和田はわざとそうやって精神的に攻撃することで、検察側に有利になるような作戦なのでしょう。いかにもいや〜な検察官を鮮やかに演じています。

取り調べでもさんざん暴力的に扱われたうえ、自分が認めないとほかの人達にも危害が及ぶとプレッシャーをかけられ直言は萎縮しています。こうやって罪が作られていくと思うとほんとうにおそろしい。

(文:木俣冬)

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–{「虎に翼」第5週あらすじ}–

「虎に翼」第5週あらすじ

父・直言(岡部たかし)らが贈収賄の容疑で逮捕された「共亜事件」が世間の注目を集めたことで大学に行けずにいた寅子(伊藤沙莉)だったが、花岡(岩田剛典)の助けにより、再び大学に戻る。穂高(小林薫)が直言の弁護を引き受けてくれることになり安どする猪爪家の面々。しかし肝心の直言が自身の無実を認めようとしない。直言の言葉を信じられない寅子は花岡たちと共に予審の膨大な資料を書き写し、調書内容をひとつずつ確認し始める。なかなか成果が上がらない中、寅子は証拠になりうる「重要なもの」の存在に気付く。

–{「虎に翼」作品情報}–

「虎に翼」作品情報

放送予定
2024年4月1日(月)より放送開始

出演
伊藤沙莉 、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、 松山ケンイチ、小林 薫ほか


吉田恵里香

音楽
森優太

主題歌
「さよーならまたいつか!」(米津玄師)

ロゴデザイン
三宅瑠人、岡崎由佳

語り
尾野真千子

法律考証
村上一博

制作統括
尾崎裕和

プロデューサー
石澤かおる、舟橋哲男、徳田祥子

取材
清永聡

演出
梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか