『ゴジラxコング 新たなる帝国』が4月26日から公開中。本作は世界観を共有する「モンスターバース」シリーズの通算5作目で、『ゴジラvsコング』の続編だ。
前置き1:お祭りに4DXを盛ることで、さらに爆笑できるアトラクションに
怪獣映画、それも日本が世界に誇る『ゴジラ』と、後年の創作物に多大な影響を与えた古典『キングコング』が「共闘」する映画が公開されるのは、一種の「お祭り」。
視界いっぱいに広がる大きな画面、耳だけでなく体にも伝わる迫力の音響、他の観客と一緒に見る一体感は映画館の特権。それでこそ、お祭りに参加する感覚をたっぷりと得られるだろう。
そして怪獣同士が戦う、シンプルな興奮が得られる映像作品は、ほぼアトラクションといえる。そのため、アトラクションそのものである4DX上映とは相性抜群だと思っていたが、実際はその予想をはるかに上回っていた。
今回の『ゴジラxコング 新たなる帝国』の4DXは、映画『トップガン マーヴェリック』と『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』にも匹敵する凄まじさ。
その演出の大盤振る舞いぶりは笑える勢いで、もはやコメディ映画、いやそれ以上の「何か」へと突き抜けた内容とのコンボにより、何度も爆笑できるのである。
前置き2:ワクドキなアドベンチャー×ヤンキー映画×はちゃめちゃギャグ路線が突き抜けた
『ゴジラ-1.0』©️2023 TOHO CO., LTD.
ところで、日本映画で初めてアカデミー賞視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』は、昨年11月からロングラン上映が続いている(Amazonプライムビデオでも5月3日より見放題)。
この『ゴジラxコング 新たなる帝国』とあわせて、今の映画館ではゴジラの映画が2本も上映されているという、とても珍しくめでたい状況になっているのだ。
そして、いい意味で『ゴジラxコング 新たなる帝国』は、それなりにシリアス&リアル路線だった『ゴジラ-1.0』とは作風が全く違う。端的に言えば以下のような特徴がある。
- (1)人間たちは地下世界に潜り込みいろいろな場所を冒険!ワクワクドキドキのアドベンチャー!
- (2)怪獣たちは「俺たちで一緒に戦うぜ!そして超強い奴らをぶっ飛ばすぜ!」というヤンキー映画的なノリ全開!
- (3)終盤はもはやはちゃめちゃ!その「ありえねー!」なシチュエーションも含めて笑えて楽しい!
お分かりいただけだろうか。とにかく「男の子ってこういうのが好きなんでしょ?」な詰め合わせセット(※女の子でも、もちろん世代を問わず楽しめます)なのである。
おかげでツッコミどころや勢い任せの作劇が『ゴジラvsコング』よりも加速している気もするが、もはやそれも欠点ではなく、「これは、こういうものだから!」とポジティブに捉えられるのである。
やはり、頭からっぽで夢いっぱい詰め込める映画というのも世の中にはあっていい。娯楽性特化の内容のため、予備知識なくいきなり見ても問題なく楽しめる。鑑賞中は自身の知能指数が低下していくことが実感でき、「イエーイ!」「ワヒョー!」「ゲラゲラ(爆笑)!」というテンションになって大満足で終わる。そんな映画に4DXを盛ればさらに幸せになれるってもんである。
ここからは、具体的な今回の4DXの見どころ(爆笑ポイント)を記していこう。本編のサプライズにはなるべく触れずに書いたつもりだが、4DXの演出は何も知らずに見たいという方は、先に4DXの劇場情報を確認して駆けつけてほしい。
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–{冒頭から4DXが大サービス}–
1:初っ端からゴジラ×コングの咆哮を体感!
本作はオープニングから、タイトル通りゴジラとコングの活躍が早速お目見えするという大サービスがある。
『ゴジラ-1.0』の4DXでは「ゴジラがそこにいる」感覚を座席の振動や風で伝えてくれたが、今回はゴジラとコングそれぞれが叫ぶ様、いや「咆哮」から来る空気の振動を、座席が激しく動く様で体感させてくれるのだ。
さらに4DXには、MX4Dにはない頭上から落ちる「雨」の演出があり、これが怪獣を引きちぎった時に飛び出る体液にシンクロしているという、なんともいい意味で悪趣味なサービスもある。
暴力の恐ろしさを示しているという真面目な語り方もできそうだが、それよりも「初めからここまでおもてなししてくれるの?」という驚きと笑いのほうがはるかに勝っていた。
2:地下世界に突入する時のライド感が半端じゃない!
今さらの忠告で恐縮だが、今回の4DXは演出のそれぞれがものすごく激しく、大きな振動で乗り物酔いをしてしまう方には積極的にはおすすめしにくいのも正直なところ。特にヤバかったのは、ワクワクドキドキのアドベンチャーが始まる部分だ。
人間チームが飛行機で地下世界に乗り込む場面で、ガクガクと激しく座席が揺れまくるのだ!その後も座席の動きや風の演出で、空を疾走していく様を表現。人間のキャラクターと共に、冒険を一緒に体験する楽しさもたっぷりなのだ。
3:荒っぽい戦いの連続!そんな武器もアリなの!?
言わずもがな、本作の大きな魅力はド迫力の怪獣同士のバトル。詳細はネタバレになるので伏せておくが、ポスターで明らかになっているコングの腕の武器の他にも、「え?そんな武器を使うの!?」「それ最近のヤンキー映画でも見ないよ?」と驚く、トンデモで楽しいアイデアを臆面もなく打ち出してきたので、それだけで笑ってしまった。
もちろんその武器を使う場面でも4DXはまったく遠慮はない、どころではない。
- 武器が「光る」場面では劇場での斜め上で「フラッシュ」
- ある理由で地面スレスレを動く場面では足下に「くすぐり」
- 地面に激しく叩きつけられる場面では背中を「ボコっ」と叩かれる
- 水面上のバトルでは前面から水がブシャッとかかる(座席横のボタンでOFFにもできる)
- もちろん座席はグワングワンと揺れまくる
という、荒っぽいバトルとシンクロしまくる4DXをすべて大放出してくれるのだ。
4:二段構え、いや三段構えのクライマックスのはちゃめちゃバトル!
そして、凄まじいのはクライマックス。もうこればっかりはネタバレになるので具体的には何も言えないし、そもそも内容を完全に言語化するのは不可能なレベルの「はちゃめちゃすぎて大爆笑」なバトルのシチュエーションがぶっ続くのである。
「もうこれ以上はないだろう」と高を括っていると、「ええ?そんなことにもなるの?」とさらに斜め上の展開が待ち受けている大サービス。
そして、これまた言うまでもなく4DXの演出も出し惜しみなし。もうすごすぎて爆笑を超えて何がなんだかわからなくなり、なんなら記憶が飛んでいきそうなかつてない体験が待ち受けていた。
おまけ:猫ちゃんみたいでかわいいゴジラに萌え萌え
今回の映画は、怪獣ではなくやんちゃな子どもたちがケンカというか、イチャイチャしているようにも見えて、かわいく思えてくるというレベルになっている。(※周りではいろんな建造物がめちゃくちゃに壊れています)(※筆者は感覚がマヒしています)
中でももっとも萌えたのは、ローマのコロッセオの中で丸まって眠っているゴジラ。なんなのそれ〜!かわいい〜!と身悶えしていたら、なんとこれはアダム・ウィンガード監督が飼っているネコが元ネタなのだとか!
何それ参照元もかわいい〜!イエーイ!ワヒョー!ゲラゲラ(爆笑)!4DXで大満足(知能指数低下)!
(文:ヒナタカ)
–{『ゴジラxコング 新たなる帝国』作品情報}–
『ゴジラxコング 新たなる帝国』作品情報
ストーリー
怪獣と人類が共生する世界で、未確認生物特務機関:モナークが察知した異常なシグナル。交錯する<地上世界/ゴジラテリトリー>と<地下空洞/コングテリトリー>。
ついに一線を越えるゴジラとコングの激突のその先には、我々人類が知る由もなかった未知なる脅威が待ち構えていた。
世界は今、目撃する―。
予告編
基本情報
出演:レベッカ・ホール/ブライアン・タイリー・ヘンリー/ダン・スティーヴンス/カイリー・ホットル/アレックス・ファーンズ/レイチェル・ハウス ファラ・チェン
監督:アダム・ウィンガード
公開日:2024年4月26日(金)