「ブギウギ」スズ子の留守宅で小田島父子が寛いで歌合戦を観ている謎<第121回>

続・朝ドライフ

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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。

「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。歌って踊るのが大好きで、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第121回を紐解いていく。

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鮫島(みのすけ)が、スズ子(趣里)と水城アユミ(吉柳咲良)の記事をまた書きました。「女の決闘」と相変わらず大げさな見出しをつけて。

「鮫野郎」と憤るタケシ(三浦獠太)に、スズ子はこれも仕事なのだから「おもしろおかしく書かなあかんのや」と鷹揚な態度をとります。すっかり、気持ちが落ち着いたようです。

大晦日、いよいよ「オールスター男女歌合戦」。
お留守番を小田島父子(水澤紳吾、井上一輝)に任せてでかけます。大野(木野花)はあとから愛子(このか)と会場に行くのです。

スズ子が楽屋でメイクをしていると、股野(森永悠希)とアユミが挨拶に来ます。
ここで、スズ子はわだかまりをすっかり流し、懐の大きさを見せました。歌を楽しもうという域に達しているのです。

アユミが「ラッパと娘」を披露。若くはつらつとして、パンチのある声と踊りを、スズ子は涙を流しながら見つめます。

ただ、アユミは終始挑むような態度でパフォーマンスをし、歌い終わったあとも、ものすごい形相です。彼女はいったいなぜこんなにも大先輩のスズ子をライバル視する? 若気の至りで、スズ子の歌が好き過ぎて勝つことに囚われてしまったのでしょうか。

それでもスズ子はアユミの歌に感動しています。
そして、出番。歌合戦のトリであります。
「わてもう爆発しそうや」と茨田りつ子(菊地凛子)に言って楽屋を出ていくスズ子。
「ヘイヘイブギー」を明るく楽しく歌います。客席には愛子が「マミー最高や」と大喜び。

スズ子の歌を楽しむ姿勢に会場は大盛りあがり。家でテレビを観ている小田島父子も立ち上がって踊りだしました。

小田島父子はすっかり、スズ子の家に居座っていますが、住み込みなのでしょうか。というか、スズ子は留守を任せて、泥棒される心配はまったくないのか。このへん、大阪のお風呂屋さん・はな湯時代の、誰でもウェルカム感を思わせます。
あんなに困窮していたのに、よかったね小田島父子。

深掘りすると、スズ子の粘着的な娘愛が、娘を喜ばしたい一心で、一をそばに置いているような気もしなくないのですが……。

「ブギウギ」は語らないことが多すぎて、視てるほうがいくらでも妄想を膨らませることができてしまいます。アユミの心情もミステリー過ぎて、いろいろ想像してしまいます。

スズ子の歌が皆の心に響くのは、愛子への愛が普遍的だからなのでしょうか。そのへんもしっかり語られないので、愛子への愛を貫いているのか、激しいライバル心で歌ったアユミよりも、包むような愛情で歌ったスズ子に軍配が上がったということなのか、なんなのかよくわからない。

しかも、若いとは言えミュージカルに出て歌や踊りが本職の吉柳さんと、バレエをやっていたとはいえ歌は本格的にやるのがはじめての趣里さんでは、何がスズ子が圧倒的なのかわかりづらいのです。

歌がうまければいいというものではなく、心であるということなのかもしれませんが、それも視た人の裁量に任されています。まったく押し付けがましくないドラマにもほどがある!

あと1週!

(文:木俣冬)

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–{「ブギウギ」第25週あらすじ}–

「ブギウギ」第25週あらすじ

スズ子(趣里)に「第7回オールスター男女歌合戦」のオファーが届く。もちろん大トリだ。しかし、丸の内テレビのディレクターの沼袋勉は、トリ前に新進気鋭の人気若手歌手・水城アユミ(吉柳咲良)を歌わせたいと言う。スズ子は雑誌で「ブギは終わり、これからは水城アユミの時代」と書かれたばかりだった。しかも、アユミからスズ子の「ラッパと娘」を歌わせてもらえないかとお願いをされる。迷うスズ子が出した結論とは?

–{「ブギウギ」作品情報}–

「ブギウギ」作品情報

放送予定
2023年10月2日(月)より放送開始

出演
趣里、水上恒司 、草彅 剛、蒼井 優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎 ほか


足立紳、櫻井剛<オリジナル作品>

音楽
服部隆之

主題歌
中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」(作詞・作曲:服部隆之)

ロゴ・タイトル制作
牧野惇

歌劇音楽
甲斐正人

舞台演出
荻田浩一

メインビジュアル
浅田政志

語り
高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)

制作統括
福岡利武、櫻井壮一

プロデューサー
橋爪國臣

演出
福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠 ほか