「ブギウギ」新キャラ五木ひろきも気になるが、六郎が……<第46回>

続・朝ドライフ

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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。

「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。歌って踊るのが大好きで、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第46回を紐解いていく。

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福来スズ子とその楽団、誕生

「いっちょやったりましょう!」と勢いよくはじまった第10週「大空の弟」(脚本:櫻井剛、演出:盆子原誠)。でも、その勢いはみるみるしぼんでしまいます。

スズ子(趣里)は「福来スズ子とその楽団」を結成、トランペット(一井〈陰山泰)〉とピアノ(二村〈えなりかずき〉)とギター(三谷〈国木田かっぱ〉)とドラム(四条〈伊藤えん魔〉)と、やたら低音のいい声をしているマネージャーの五木ひろき(村上新悟)。最低単位の楽団ですが、少数精鋭と前向きに捉えます。

が、仕事はなかなか入ってきません。スズ子の人気だよりでしたが、梅丸楽劇団を出たうえ、派手な歌と踊りを禁止されている彼女には魅力がないと思われているようで……。さらに、敵性音楽を歌うという悪いイメージもついています。

どうしたものかと悩んでいる楽団の話を、朝ドラあるある「立ち聞き」してしまうスズ子。でも、にっこり微笑み、営業に励みます。そんな彼女を茨田りつ子(菊地凛子)は東北の言葉で「じょっぱり」と表します。羽鳥(草彅剛)もその言葉を気に入ってました。バドデジデジドダにも少し似ているからでしょうか(似ているのは濁点があるところだけですが)。ちなみに羽鳥も、警察で茨田の話を立ち聞きしていました。

さて。趣里さんの良さのひとつは、無駄に強気に見えないところです。小柄で華奢でちょっと弱そうにも見えて、でも必死に頑張っているふうに見えるので、応援したくなる。もともと、すごく精神的に強烈にタフに見える人だと、その圧に引いてしまうので、趣里さんは程よい気がします。

いま、そのタフさのバランスが危ういのが、小夜(富田望生)です。スズ子に追い出されたものの、楽団が結成されたと知るや、再び事務所(一井の家)に押しかけてきます。スズ子は複雑な表情をしながら受け入れ、また下宿に連れて帰ります。ガツガツ、食事をし、明るく元気にふるまう小夜。

そしてまた、梅吉(柳葉敏郎)と、暢気にカメを眺めてーー。

小夜のたくましさが、ともすれば、図々しいという悪印象一直線になりそうなところを、富田さんがギリギリのラインで演じています。

チズ(ふせえり)に食費を多めに入れますと気遣うスズ子。楽団の資本は五木が借りてきたようですが、おそらく、スズ子もいくらかは出しているのではないかと想像します。言い出しっぺだから。梅丸のスターだったから、相当貯金はしてあったのではないでしょうか。

梅吉と小夜が、亀を眺めていると、チズがやって来て。亀の顔真似をしているふたりと、それを素直に笑えないチズの対比に、いやな予感が……。

役場から届けられた六郎(黒崎煌代)の悲しい近況。月曜からのこの展開に、「あさイチ」でも言葉がない様子でした。

ところで、梅吉が、亀が狭いところにずっといるのは、「居心地ええねん。ぼーっとしてるだけでおまんま食えるんだから」と言うのは、自身のことを物語っているようにも思えます。とくになにもせず、家にいて、スズ子に食費を出してもらっている。人間にも亀のような人がいる。亀はダメとは言われないのだから、人間だって亀のような人がいてもいいのではないか。そんなことを思ったりもしました。

(文:木俣冬)

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–{「ブギウギ」第10週あらすじ}–

「ブギウギ」第10週あらすじ

スズ子(趣里)は自身の楽団を旗揚げする。しかし、ジャズは敵性音楽だと言われ公演の機会は全く無かった。一方、りつ子(菊地凛子)も何度も警察に捕まり、自由に歌える場所は減っていた。ある日、スズ子と梅吉(柳葉敏郎)のもとに六郎(黒崎煌代)に関する知らせが入る。スズ子は動揺し、歌をうまく歌えなくなってしまった。そんな状況を見た善一(草彅剛)は、スズ子とりつ子の合同音楽会を開こうと提案する。

–{「ブギウギ」作品情報}–

「ブギウギ」作品情報

放送予定
2023年10月2日(月)より放送開始

出演
趣里、水上恒司 、草彅 剛、蒼井 優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎 ほか


足立紳、櫻井剛<オリジナル作品>

音楽
服部隆之

主題歌
中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」(作詞・作曲:服部隆之)

ロゴ・タイトル制作
牧野惇

歌劇音楽
甲斐正人

舞台演出
荻田浩一

メインビジュアル
浅田政志

語り
高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)

制作統括
福岡利武、櫻井壮一

プロデューサー
橋爪國臣

演出
福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠 ほか