「どうする家康」第45話:秀忠と秀頼、より平和を導くのはどちらなのか

国内ドラマ

2023年1月8日放送スタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」。

古沢良太が脚本を手がける本作は、弱小国の主として生まれた徳川家康が乱世を生きる姿を描いた波乱万丈エンターテイメント。大河ドラマ初主演となる松本潤が、従来のイメージとは異なる「ナイーブで頼りないプリンス」の家康に扮する。

本記事では、第45話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「どうする家康」第45話レビュー

嫁ぎ先に茶々がいるの、嫁としては荷が重すぎるな……と思ってしまったのだが、皆さまはいかがだろうか。

立派に成長した秀頼(作間龍斗)。
もともと秀吉の人気は高く、その息子である秀頼も多くの者たちの心を掴んでいた。

これ以上、豊臣に力を持たせるわけにはいかない……家康(松本潤)は秀頼を二条城に呼び、今の力関係を知らしめようとしたが、そんな思惑は豊臣側もお見通し。
家康と相対した秀頼はハツラツと挨拶をする。

ここで繰り広げられる、どちらが先に部屋に入るか、どちらが上座に座るかの駆け引き。
そんな……しょうもな……と思ってしまうが、現代でもこの辺りは重要視される場面はたくさんある。

秀頼は自分の妻の祖父である家康より先に入るわけにはいかない、という。
そして最終的には家康を上座に座らせる。長らく面会に来なかった無礼を詫びるが、その笑顔はさわやかで余裕が見られる。

この会見で秀頼の評判はうなぎのぼりに。当然、徳川家は礼儀知らずの無礼者とそしりを受ける。まんまと茶々(北川景子)と秀頼の思うつぼ、ということである。
秀頼について感想を求められ、「涼やかで様子のいい秀吉」と家康。
難敵であることは、間違いない。

 

そんな秀頼の様子にすっかり自信を無くしているのが秀忠(森崎ウィン)だ。

自分は凡庸である。
家康が死んだときのことを思うと夜も眠れない。

そう赤裸々に語り、さらには秀頼に「負ける自信がある!」と堂々と言う。

己の力を過信しているよりもいいのでは……と思うが、秀忠からすれば毎日が恐ろしくて仕方がないのだろう。

そんな秀忠に向かって、家康は以前の自分とよく似ている、と微笑む。
秀忠の弱いところは、かつての家康とそっくりだ。しかし、戦乱の世では許されなかったこと。
平和な世では、間違いなく秀忠の才は生きる。人を信頼し、託し、共に成功を喜ぶ。平和な世なら、確かにそんな人と働きたい。

秀忠のためにも、家康は再び戦乱を招くようなことがあってはならない、と思っているようだ。

 秀忠を力強く励ますことができたのは、今川氏真(溝端淳平)の存在も大きかったのだろう。
家康のもとに訪れた氏真は、今は妻と共に歌を詠んで過ごす穏やかな日々を送っている。だからか、氏真の表情はとても落ち着いたものだ。

戦のない世など来ないのかもしれない。そう弱音を吐く家康の想いを受け止め、優しく励ました。
かつてはライバル同士であった家康と氏真がこのような関係になるとは。

今回のサブタイトルは「二人のプリンス」。秀頼と秀忠、そして家康と氏真のことを指しているのかもしれない。

 
すでに時代の主役は秀忠、秀頼に移り始めている。
そんな中で、家康が成すのは自分たちの時代の後始末。
大切な者たちのために、家康はまだ休むことはできない。

(文:ふくだりょうこ)

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–{「どうする家康」第45話ストーリー}–

「どうする家康」第45話ストーリー

関ヶ原で敗れ、牢人となった武士が豊臣のもとに集結していた。憂慮した家康(松本潤)は、秀頼(作間龍斗)を二条城に呼び、豊臣が徳川に従うことを認めさせようとする。しかし、初めて世間に姿を見せた秀頼の麗しさに人々は熱狂。脅威を感じた家康は、秀忠(森崎ウィン)の世に憂いを残さぬためにも、自らの手で豊臣との問題を解決しようとする。そんな中、豊臣が大仏を再建した方広寺の鐘に刻まれた文言が、大きな火種になる!