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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。
「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。歌って踊るのが大好きで、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる
ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第31回を紐解いていく。
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恋するふたり
梅丸楽劇団旗揚げから1年、昭和14年、スズ子(趣里)はすっかりスターになっていました。起爆剤になったのは、羽鳥(草彅剛)の「ラッパと娘」です。レコードも売れ、スズ子は「スヰングの女王」と呼ばれていました。
この頃は、俳優たちは劇場の正面玄関から出入りするようで、そこにファンが集ってサイン攻めにします。想像ですがこうすることで、スター感を煽っていたのではないでしょうか。
そこへ、大阪から林部長(橋本じゅん)が訪ねて来て、梅丸少女歌劇団に戻ってくれないかと頼みます。が、スズ子も秋山美月(伊原六花)も今が充実しているのですんなりうんとは言えません。
ここでスズ子が「そらやっぱり わてらがおらな いうのはわかりますけど」とさりげなく自信満々であることが可笑しかった。
充実しているのは、仕事のみならず、恋も?
スズ子は松永(新納慎也)、秋山は中山(小栗基裕)に心揺らしているところです。
秋山は中山の踊りに男役として憧れを抱いたのがはじまりでしたが、中山は彼女に娘役に転向し、自分とペアを組むように助言します。先輩だからそういうものかもしれないと思いながら、なんでも決めてしまう独断的な態度に、少し疑問を感じています。
秋山の悩みを聞いたおでん屋の伝蔵(坂田聡)は、男は「女を自分の手のひらに乗っけておきたいんだよ」と言います。
第31回では、今の時代ではいろいろ問題になりそうな、男と女のあり方が描かれました。
中山は、秋山の男役としての可能性を閉ざし、自分を支えるというか、引き立て役にしようとしています。そのほうが輝くというのもひとつの案ではありますが、秋山はどうもすっきりしません。
また、羽鳥と旧知の作詞家・藤村薫(宮本亞門)は、スズ子に歌を書くために、初対面でぶしつけに恋人の存在や恋愛経験を聞き出そうとします。今だったらセクハラと言われてしまいそうな行為です。
中山もそうで、恋が、芸を輝かせると思っているのです。それは間違いではなく、真実とも言えますが、問題は、中山も藤村も、女性にそれを強要していることです。
中山が秋山に背中をかいて、と頼むことも、場合によっては、ふたりの情を感じるいい場面になるところですが、目下、単なる亭主関白的な印象しかありません。
藤村はスズ子に「とびっきりの笑顔を見せてみろ」と強要。これも、やる人によっては嫌悪感200%くらいになりそうですが、いつもソフトな宮本亞門さんが演じているので、粗野な印象が薄めで助かります。
宮本さんは演出家で、ミュージカルやオペラをたくさん演出しています。MCなど顔出しのお仕事も多いので、意外な気もしたのですが、俳優をやるのは今回、はじめてなのだそうです。
名監督が名選手だったとは限らないと言われるように、名演出家が名優であるとも限りません。はたして、宮本さんの演技はーー。
ともすれば、セクハラになりそうな下卑たセリフをソフトにし、藤村という人物を愛らしく見せる、すばらしい演技でした。
後ろにいる羽鳥に語りかけるときに羽鳥と逆のカメラ側に振り向く動きはさすが、舞台の演出家であります。
「おばんです」と現れる茨田りつ子(菊地凛子)や、朝ドラ常連の夙川アトムさんのことも書きたいけれど、また明日!
(文:木俣冬)
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–{「ブギウギ」第7週あらすじ}–
「ブギウギ」第7週あらすじ
東京に来て1年。スズ子(趣里)と秋山(伊原六花)は劇団の人気者になっていた。秋山はダンサーの中山(小栗基裕)と付き合っている。そして、スズ子も、恋心をいだいている松永(新納慎也)から内緒の話があると呼び出されるのだが…それがきっかけとなり、スズ子のために「センチメンタル・ダイナ」を作曲していた善一(草彅剛)も巻き込んだ大騒動へと発展する。仕事に、恋に、悩むスズ子たちの青春のセッション!
–{「ブギウギ」作品情報}–
「ブギウギ」作品情報
放送予定
2023年10月2日(月)より放送開始
出演
趣里、水上恒司 、草彅 剛、蒼井 優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎 ほか
作
足立紳、櫻井剛<オリジナル作品>
音楽
服部隆之
主題歌
中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」(作詞・作曲:服部隆之)
ロゴ・タイトル制作
牧野惇
歌劇音楽
甲斐正人
舞台演出
荻田浩一
メインビジュアル
浅田政志
語り
高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
制作統括
福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー
橋爪國臣
演出
福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠 ほか