<ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

国内ドラマ

二宮和也、中谷美紀、大沢たかおのトリプル主演の月9ドラマ「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」が2023年10月9日(月)よりスタート。
全く関わりを持たない3人の男女が次第に運命の交錯へと導かれていく――。

CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第1話の予告をYouTubeで見る
2023年12月23日23時30分 横浜・クリングル号記念公園。勝呂寺誠司(二宮和也)が痛む頭を押えながら目を覚ますと、目の前には頭部を撃たれて倒れている男と、拳銃が転がっていた。その時、誠司のスマートフォンが鳴り、何者かが「今すぐその場から離れろ」と言う。さらに電話の相手は、1時間後にある場所まで来るよう誠司に告げ……。

横浜・関内界隈で愛されている、三代続く老舗レストラン『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)はクリスマスディナーの準備に追われていた。すると厨房に見知らぬ男が…。時生に気付かれた男は、カウンターを軽々と飛び越えて逃げ出す。時生も後を追ってカウンターを飛び越えようとするが、思い切りつまずき、代々受け継いできた秘伝のデミグラスソースが入った寸胴鍋を倒してしまう。
地方テレビ局『横浜テレビ』の報道キャスター・倉内桔梗(中谷美紀)は、銃殺事件の一報を受け現場へ急行する。理想の報道を追求し続け、自らの企画で立ち上げた報道番組『日曜NEWS11』のキャスターを5年間背負ってきた桔梗は、この事件を番組で扱う事を決めるが、突然番組降板を告げられてしまい…。

第1話のレビュー

2018年の聖夜、横浜(みなとみらい)。
物語は記憶を失ったまま殺人事件の容疑者となった勝呂寺誠司(二宮和也)、老舗レストラン「葵亭」のシェフ・立葵時生(大沢たかお)、地方テレビ局「横浜テレビ」の報道キャスター・倉内桔梗(中谷美紀)の3人が、誰かと別れを告げたところからはじまる。
そこにはサンタクロースに扮した真礼(佐藤浩市)という謎の男の姿も…。

そして舞台は、2023年の聖夜の横浜へ。
今回の「月9」は、この2023年の聖夜の出来事を1クールで描くという新たな試みのドラマだ。

第1話を観終えた感想は、主役級の登場人物の多さに目を奪われた。
また、「桔梗」や「立葵」、「ミズキ」など登場人物の名前に「植物」の名が散りばめられていることも気になる。
これはなにか意味があるのだろうか。

物語は、全体的にBGMが多め。
感情移入できそうなところで場面がコロコロと変わったり、流行りのぐるぐる回るカメラワークがあったりと視聴者にとって視覚、聴覚ともに忙しい。
筆者は、前クールで大きな話題となったドラマ「VIVANT」(TBS系)に夢中となった視聴者の一人。
「VIVANT」を何度も視聴した直後なので、場面転換の少なかった同ドラマに慣れてしまっているためか、追いつくのに苦労した。

しかし、トリプル主演者以外に、誠司を追うのは警視庁の蜜谷(江口洋介)と、神奈川県警の狩宮(松本若菜)。さらに謎の女、柚杏(中村アン)と国際犯罪組織の2代目ボス・ミズキ(中川大志)と、豪華なキャスト陣で脇を固めているため、安定した雰囲気で群像劇が同時進行していく。
3人の物語がオムニバス形式ではじまったが、きっと回を追うごとに同じ終着点に向かっていくと思うとワクワクする。

今回の作品も「考察系」だとは思うが第1話を観終わった感想は材料が少なく、考察は難しい。
しかし、サンタクロースのような白髪の佐藤浩市と、いなくなった愛犬のフランが3人を繋いでいく役目なのではないだろうか。

「月9」の愛称で親しまれているフジテレビ系の月曜9時のドラマ枠。
「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」は、どんな展開で私たち視聴者を魅了してくれるだろうか。
伏線に着目しながら考察を繰り返し、「月9」をおおいに楽しみたいと思う。

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第2話の予告をYouTubeで見る

記憶を失ったまま殺人事件の容疑者となった勝呂寺誠司(二宮和也)は、八幡柚杏(中村アン)から、警視庁組織犯罪対策部の管理官・蜜谷満作(江口洋介)なら自分のことを知っている、と教えられる。誠司は、無実を証明するために、蜜谷に会うことを決意し、彼がいるという横浜警察署へと向かった。
老舗レストラン『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)は、店内に拳銃が落ちていたことを警察に通報した。だが、犯人からの報復を恐れた時生は、店でひとりきりになることを避けるために一度は中止を決めたクリスマスディナーの営業を行う、とソムリエールの竹本梅雨美(桜井ユキ)たちスタッフに告げる。

料理番組のMCへの転身を迫られている地方テレビ局『横浜テレビ』の報道キャスター・倉内桔梗(中谷美紀)は、クリングル号記念公園で起きた殺人事件を追っていた。逃亡中の犯人が学生時代の知り合いであることをつかんだ桔梗は、上司の指示に逆らい、最後となる自分の番組で事件の特集を組もうと動き出す。
横浜警察署にやってきた誠司は、集まっている報道陣に紛れて署内に潜入する。一方、同署を訪れていた桔梗の部下で、時生の娘でもある横浜テレビの新人記者・立葵査子(福本莉子)は、『葵亭』で事件に使用されたと思われる拳銃が発見されたという情報を得る。報告を受けた桔梗は、どこの取材も受けないよう時生に連絡してほしいと査子に指示し……。

第2話のレビュー

記憶喪失な上に発砲事件の犯人にされた勝呂寺誠司(二宮和也)は、現場から逃げるよう助言してくれた警視庁組織犯罪対策部の管理官、蜜谷(江口洋介)を訪ねる。
しかし、また蜜谷は誠司を助けるような行動を取る。
なぜ蜜谷は、誠司を助けるのだろうか。

第2話では、二宮和也が街中を「走る」、ビルとビルの間を「飛ぶ」そして蜜谷を「殴る」など、アクティブで忙しい。
そして、ほとんど笑わない表情が誠司という人物を一層、謎のベールで包む。

『横浜テレビ』の報道キャスター・倉内桔梗(中谷美紀)もスクープを撮るために試行錯誤している。
キャスターとしての崖っぷち感が伝わり痛々しいが、大きな事件を目の前に、興奮している様子が中谷の演技からよくわかる。

一方、老舗レストラン『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)はレストランから動かない。
ストーリーもデミグラスソースのくだりからなかなか進展せず、もどかしさを感じる。
ソムリエール・梅雨美(桜井ユキ)が拳銃のことを何度も「チャカ」と発言するのは伏線なのか、単に笑いを誘っているシーンなのか、わからない。
梅雨美も事件に関わっているような展開であれば面白いのだが…。
とにかくレストラン編はまるで舞台を観ているようだ。

ここから桔梗を中心に誠司、時生がつながっていくことは予想できるが、着地点がまったくわからない。
また、佐藤浩市が演じる愛犬を探す謎の男、ジャーナリスト柚杏(中村アン)も3人にどう絡んでいくのだろうか。

第2話のラストでは、誠司の名前は「天樹勇太」だと話す桔梗。
誠司の本当の名前は勇太?
なぜ誠司と名乗っているのか?
運動神経の良さと蜜谷がかばうところから、誠司の正体は蜜谷の同僚のようにも思える。
アネモネの2代目ボス・笛花ミズキ(中川大志)を捜査するために偽名を使い、アネモネに潜入しているとも考えられるが、そんな単純な話だろうか。

大きな進展はなかったので3話以降、もう少し情報量が欲しいところだが、少しずつ登場人物の”過去“が浮き彫りになってきた。

最終回に向けてどんな”から騒ぎ”が展開されるのか、楽しみだ。

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第3話の予告をYouTubeで見る

殺人事件の容疑者となった記憶喪失の男・勝呂寺誠司(二宮和也)は、事件現場にいるときに「逃げろ!」と電話してきた男が、警視庁組織犯罪対策部の管理官・蜜谷満作(江口洋介)であることに気付く。ある場所で蜜谷と会う約束をする誠司。
『横浜テレビ』の報道キャスター・倉内桔梗(中谷美紀)は、殺人事件ではなく、クリスマス特集を放送するよう命じられるが、新人記者の立葵査子(福本莉子)と密かに事件の放送準備を進めていた。容疑者が大学時代の知人であることを掴んだ桔梗は、恩師を訪ね、大学を中退したその人物・天樹勇太が住んでいたマンションの住所を手に入れる。
老舗レストラン『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)は、店の命ともいえるデミグラスソースを失った状態でどうやってクリスマスディナーの営業を行うか頭を悩ませていた。すると、アルバイトの細野一(井之脇海)が、デミグラスソースを使うメニューを客に頼ませなければいいのでは、と言い出す。ギャルソンの蛇の目菊蔵(栗原英雄)ならそれが出来る、と言うのだ。
誠司は、アネモネの2代目ボス・笛花ミズキ(中川大志)とともに診療所を訪れる。誠司を知る医師は、彼の並外れた記憶力が健在であることを確認し、記憶を取り戻すには、思い出になるだけ多く触れることだと助言する。

一方、桔梗は、現在は更地になっていた天樹のマンションで、過去にある事件があったことを知るが……。

第3話のレビュー

ドラマの醍醐味とも言えるキャストの衣装。
スタイルの良い演者さんたちが、最新ファッションを身に纏い、スマートに着こます姿はほれぼれする。
今回のドラマでもスタート前からキャスト陣の衣装を楽しみにしていた。

ところが、第3話がスタートし、「あれ?」と思った。
中谷美紀の衣装が前回と同じだったからだ。
そうだ!このドラマは、
12月24日という“たった1日”の出来事を1クールかけて描く謎と愛と奇跡の物語
だった。
ということは、キャスト陣の衣装は最終回までほぼ同じなのか……。
これは完全に個人的な意見だが、少しがっかりしてしまった。
と、同時に何着も同じ衣装を用意したスタッフ、それを身につけて演じるキャストの皆さんに脱帽する。

さて、第3話――。

大沢たかおが演じるシェフ・時生の「レストラン編」がどう見たらいいものか戸惑ってしまう。
動きがない上に同じ議論(デミグラスソースをどうするか)をずっと繰り広げており、間延びした構成に最終回までついていけるか自信がない。
しかし、次週の予告を見ると、ようやく時生がレストランを飛び出したようなので今後に期待したいところだ。

一方で報道キャスターの桔梗(中谷美紀)は、動き回る。
「私はいつも自分の番組を観てくれている視聴者に何かプレゼントしたいと思って番組を作っている」という持論の通り、仕事に一直線だ。
過去の事件もノートにびっしりメモを取っていたお陰で、逃亡犯の勝呂寺誠司(二宮和也)の過去に少しずつ近づいていく。
刑事よりも頼りになる存在だ。

誠司も記憶を失っているわりには、国際犯罪組織の2代目ボス・ミズキ(中川大志)に嘘をつくなど闇がある。彼のストーリーにじっくり没頭したいのだが、場面転換が激しくなかなか集中できず、緊張感が切れてしまう。
うーん、見せ方がもったいない。

そして、謎の登場人物が多すぎるのもこのドラマの特徴かもしれない。

・佐藤浩市演じる、愛犬を探す男
・中村アン演じる、街中のいたるところに出没する美女
・江口洋介演じる、誠司を助ける警視庁管理官

謎の登場人物が多すぎると、逆にミステリアス感が薄れてしまう。
物語には、「謎の登場人物枠」は一人がベストだということをこのドラマで学んだ。

少し辛口にお送りした第3話だったが、まだまだドラマは序盤。
12月24日の午前10時04。
午後から聖夜に向けて物語がどんな風に進んでいくのか、最後まで見届けたい。

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第4話の予告をYouTubeで見る

殺人事件の現場となったクリングル号記念公園に戻った勝呂寺誠司(二宮和也)は、『横浜テレビ』の報道キャスター・倉内桔梗(中谷美紀)と遭遇する。桔梗は誠司のことを「天樹勇太」と呼び、大学の刑法ゼミで何度かあったことを伝える。それに対して誠司は、何も思い出せないと返し、自分のことを勝呂寺誠司と呼ぶ奴らもいる、と告げる。するとそこに、巡回中の警察官がやってきたため、逃げ出す誠司。桔梗は、誠司の後を追いかけ……。
一方、冷蔵庫の電源が入っておらず、食材をダメにしてしまったことに気付いた老舗レストラン『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)は、ソムリエールの竹本梅雨美(桜井ユキ)やギャルソンの蛇の目菊蔵(栗原英雄)、アルバイトの細野一(井之脇海)と手分けして、近所のスーパーから食材を集めようとする。ただ、メインとなるウチワエビだけはスーパーにないため、近くの老舗レストランに分けてもらわなければならなかった。だが時生は、その役目を頑なに拒否する。実はそのレストランのシェフとは先代のころに『葵亭』で一緒に修行をしていた仲だったが、ソリが合わなかったらしい。
桔梗は、他のスタッフには内緒で事件に関する放送の準備を進めていた立葵査子(福本莉子)に逃亡中の容疑者に会ったことを伝え、過去の事件などを洗って「スグロジセイジ」という名前がないかどうか調べるよう指示するが……。

第4話のレビュー

1話目からただひたすら逃げる逃亡犯、勝呂寺誠司(二宮和也)と、デミグラスソースの次は「ウチワエビ」を求める『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)。
そして、『横浜テレビ』のキャスター・倉内桔梗(中谷美紀)は、スクープを手にして満足そうな顔をしていたが……。

誠司が自分の大学時代のゼミで一緒だった天樹勇太だということを突き止め、接触することに成功した桔梗は「あなた…天樹君でしょ?覚えてないの?」と不思議顔。
「俺は勝呂寺誠司じゃないのか…」とつぶやくと警察の姿を見つけ、あっという間に逃げてしまった。
「待って!」と追う桔梗。
誠司の記憶喪失は「フリ」なのでは?と勘繰っているところがあったが、二宮の表情から本当に記憶喪失だということがわかる。

ぐっとストーリーに引き込まれそうになったところで、場面転換。
そうだった。
このドラマはすぐに場面が転換するんだった。

レストラン編では「ウチワエビ」を求めて時生や、スタッフたちがもめている。
冷蔵庫のコンセントが抜けていたことからレストラン内の食材、すべてをダメにしてしまったため、今から食材を集めなければならない。
その中の一つウチワエビは、時生の知り合いで共に働いたことがあるシェフの松木(髙嶋政宏)に頭を下げて、譲ってもらうことに。
クリスマスディナーにウチワエビは欠かせないものなのか?
七面鳥じゃなくて?
ウチワエビを連呼する時生がなんだか滑稽だ。

初回から大きな進展がなかったが、ここにきてストーリーが動いた。
誠司と警視庁の管理官・蜜谷(江口洋介)が出会う直前で、蜜谷が赤い車に引かれ重体に。
その場面に居合わせた桔梗は、携帯のカメラを回しながら蜜谷を介抱する。
そしてなんと時生も居合わせていたが、助けることはなくただ茫然と立ちつくしている。
ここで主演の3人が初めて同じ舞台に立った。

逃亡犯の誠司は立場上、蜜谷を助けることができない。
ウチワエビで頭がいっぱいの時生も桔梗と一緒に介抱しない。
目の前でひき逃げがあったら普通は介抱するだろうが、時生にとっては他人事なんだろうか。
時生というキャラクターに同情できないところは、そういう薄情なところかもしれない。

誠司と時生はその場で桔梗と絡むことはなく、場を後にした。

ひき逃げのスクープと前夜の殺人事件の逃亡犯について情報を手にいれた桔梗だが、番組では扱ってもらえず落胆。
しかし、時生はレストランスタッフの後押しもあり、松木に頭を下げ念願のウチワエビを手に入れることができた。
なかなか感情移入が難しいドラマだが、ここまでバラバラだったストーリーの点が少しずつ近づいてきた。

冒頭のナレーションで謎の男・真礼(佐藤浩市)が「時間とは有限だ。限られた時間をどう使うかが問題となる」と言っていたが、どうか視聴者の限られた時間を同ドラマで有意義な時間にしてほしい。

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第5話の予告をYouTubeで見る

記憶喪失のまま逃亡を続けていた勝呂寺誠司(二宮和也)は、警視庁組織犯罪対策部の管理官・蜜谷満作(江口洋介)と会う約束をしていた。だが、蜜谷は、誠司の目の前で車にはねられてしまう。

誠司の事件を報じることなく『日曜NEWS11』の最後の放送を終えた『横浜テレビ』のキャスター・倉内桔梗(中谷美紀)は、テレビ局の前で誠司と遭遇する。桔梗は、誠司が関わっている事件を取材していたことを打ち明けると、誠司には天樹勇太というもうひとつの名前があること、警察官だった誠司の父親が犯人を射殺してしまったことを苦に自ら命を絶ったことを伝える。そんな桔梗は、誠司に独占インタビューを申し込み……。
同じころ、『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)は、やっとの思いで手に入れたウチワエビを使ってソース作りを開始。そのソースを使ったクリスマスディナーのメインディッシュを決めるため、賄いがてらソムリエールの竹本梅雨美(桜井ユキ)らスタッフと試食するが……。
一方、蜜谷がひき逃げされた事件を追っていた神奈川県警警部補の狩宮カレン(松本若菜)は、蜜谷をひいた車が盗難車だったこと、そして事故現場の模様を撮影していた記者がいたことを掴む。

第5話のレビュー

第5話を観終わって思うことは、やはり不思議なドラマだということ。
何がどう不思議かと問われると、すっと答えられないが、とにかく不思議なドラマだと思えてならない。
そこがある意味このドラマの魅力なのかもしれない。

報道キャスターの桔梗(中谷美紀)は、「日曜NEWS11」で前夜の殺人事件のスクープを放送するつもりだったが、横浜テレビの社長・筒井(丸山智己)に阻まれてしまう。
意気消沈した桔梗の目の前に現れたのは、逃亡犯の勝呂寺誠司(二宮和也)だった。

「あなたもしかして記憶を失っている?」

勘の鋭い桔梗が局内の美術倉庫で誠司に問うと、誠司は、「あぁ」と小さくうなずいた。
さらに事件のことは何も覚えていない、俺は殺していないとはっきりと答えた。
「なぜそう言い切れるの?」と聞く桔梗。
誰かに殴られ、目を覚ますと目の前に死体があったという。

「俺はやっていない。信じてくれ」

と、いう誠司の言葉を信じた桔梗は、自分が知る“天樹勇太”について話した。
自殺をした父の天樹悟についても聞いた誠司。
今度は自分が“勝呂寺誠司”について語り出した。
そこで桔梗は「カメラの前で独占インタビューに答えてくれない?もし自分が犯人じゃないと思うならテレビを通してそう訴えたらいい」と、とんでもない提案をした。
これに失笑した誠司だったが、完全に否定はしなかった。

シリアスなこの2人のやり取りをずっと見ていたいところ、レストラン編が――。

『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)はじめ、レストラン編はおしゃべりばかりで緊迫感がないのが原因だろうか。
「ウチワエビ」探しが終り、ようやく料理にとりかかったが相変わらず支離滅裂で物語に没入できない。
とはいえ、従業員たちそれぞれも複雑な背景を抱えているようなので6話以降、このレストラン編が物語にスパイスを加えてくれるかもしれない。

横浜テレビのキャラクター、「よこテレちゃん」の着ぐるみの中に入って桔梗と移動する誠司。
カモメの着ぐるみを着ているので、番組のリハーサルに参加せざるを得ない状況になってしまったが、意外とノリノリでダンスを披露してくれた。
「よこテレちゃん姿のニノ、かわいい」
「桔梗さんとよこテレちゃんのやり取り、最高」
と、これにはファンも大きく反応。
しかし、「俺をここから出してくれ」とさすがの誠司もしびれを切らし、30分後に連絡することを桔梗に約束し、テレビ局を後にした。

一方、誠司の目の前で車にはねられた警視庁組織犯罪対策部の管理官・蜜谷満作(江口洋介)は、病院を抜け出し、国際犯罪組織アネモネの2代目ボス・ミズキ(中川大志)に会いに来ていた。
この蜜谷がすべての鍵を握る男のようでならないが、実態は不明。
誠司とどう関りがあるのかはまだ謎のままだ。

忘れたころに登場するのが佐藤浩市演じる真礼。
愛犬のフランを”まだ”探している真礼が、横浜テレビにやってきた。
今夜の生放送でフランを探していることを訴えたいという。
随分と無茶なお願いをしにきたもんだ。
居合わせた桔梗は、
「一個人のことで放送内容を変更することは難しいです」と断るが、さきほど誠司には独占インタビューを撮らせてほしいと懇願していた。これは一個人の問題ではないということか?

前回の放送で、時生と誠司がぶつかった際にどうやら携帯が入れ替わったようだ。
このことで、次週から物語が大きく動きそうな予感がする。

とにかくこの不思議なドラマは、だいぶ点と点が結ばれてきたがその風呂敷は大きく広がったままだ。
この大風呂敷をどうやって畳んでいくのか、後半戦も注目していきたい。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第6話の予告をYouTubeで見る

勝呂寺誠司(二宮和也)は、警視庁組織犯罪対策部の管理官・蜜谷満作(江口洋介)を連れてくることを条件に、『横浜テレビ』のキャスター・倉内桔梗(中谷美紀)のインタビューを受けることになっていた。だが、桔梗に連絡している最中に襲撃を受け、連れ去られてしまう。襲ったのは、誠司が裏切り者なのではないかと疑う『アネモネ』の幹部・安斎孝之(米本学仁)一派だった。
桔梗と立葵査子(福本莉子)は、ニュースデスク・黒種草二(大水洋介)の協力を得て蜜谷の連絡先を入手し、誠司が指定した取材場所まで来てもらう約束を取り付ける。一方、蜜谷を追っていた八幡柚杏(中村アン)は、彼が病院から逃げ出してひき逃げされた現場に現れたことを誠司に知らせようとした。だが、電話に出たのは何故か立葵時生(大沢たかお)だった。
そんな折、神奈川県警の警部補・狩宮カレン(松本若菜)らは、誠司と蜜谷がある墓地に現れるという匿名情報を得る。
同じころ、時生の店『葵亭』では、ギャルソンの蛇の目菊蔵(栗原英雄)が、手伝いに来てくれることになっていたシェフ見習いの武智倫太郎(小日向星一)を駅まで迎えに行っていた。武智の到着を待つ時生たち、しかし、扉が開いて入ってきたのは別の人物で・・・。

第6話のレビュー

ようやく物語が慌ただしく動き出した。

前回のラストシーンで桔梗(中谷美紀)との電話中に『アネモネ』の幹部・安斎(米本学仁)に拉致されてしまった誠司(二宮和也)。
「ホントはお前が裏切者なんじゃねぇのか?」
と、安斎に組の裏切り者だと勘違いされ、拳銃を向けられていた。安斎は仲間の榊原(ハルキ)を殺したのは誠司だと決めつけている。しかし、誠司は記憶喪失中で自分の名前すらわからない。
そこで「俺を拉致っている本当の理由はなんだ?」と逆に安斎に問う。
どうやら安斎は誠司の携帯が欲しいようだ。
しかし、誠司の携帯はシェフの時生(大沢たかお)とぶつかった時に入れ替わったので葵亭にある…。
絶体絶命の状態が続いていた誠司だが、ずば抜けた身体能力で安斎から逃れることができた。

相変わらずつっこみどころ満載のレストラン編。
今晩のクリスマスディナーのために仕込みをしている最中だが、呑気なおしゃべりは止まらない。
そして、今から手伝いに来てくれることになったシェフ見習いの武智(小日向星一)を待っている。
余談だが武智役の小日向星一の父は、俳優の小日向文世だ。言われてみれば、なんとなく父の面影があるように思う。
猫の手も借りたい状態の葵亭では、武智を今か今かと待っている。
そこへ、携帯の位置情報から誠司が「葵亭」にいると確信したアネモネの2代目ボス・ミズキ(中川大志)がやってきた。
当たり前のように時生たち、葵亭の人たちはミズキを武智と間違え「待ってたよ、武智君」と笑顔で迎え入れてしまった…。
もはやこのレストラン編は、完全に視聴者を和ませてくれるコントだ。

一方、桔梗は誠司に電話で指定された野毛山墓地で蜜谷(江口洋介)と接触していた。
そこには警察の人間と、蜜谷の命を狙うミズキの部下が桔梗と蜜谷の行動を見張っている。
どうやら警察の情報は、ミズキらに筒抜けのようだ。
警察内にも裏切者がいる?
緊張感が走るが、いつものごとくレストラン編が邪魔を…いや、柔和な空気で包んでくれる。

第6話では、これまで謎のジャーナリストだった柚杏(中村アン)が警視庁の一員だということがわかった。なぜ柚杏はジャーナリストと偽って、蜜谷のことを嗅ぎまわっているのか。さらに謎が深まる。

神奈川県警の警部補であるカレン(松本若菜)は、存在に裏表がないため、事件を一生懸命追っている姿が好印象だ。

ディナーまであと5時間。
葵亭は無事にお客様を迎えることができるのか?
すっかり忘れていたが、白髪の真礼(佐藤浩市)の愛犬・フランは見つかるのか?

“たった1日”の出来事を1クールかけて描いている同ドラマ。

まだまだいろんなことが中途半端な状態だが、聖夜にはまるっと収まることを期待したい。

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

第7話のレビュー

放送週に追記します。

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第8話の予告をYouTubeで見る

記憶を失ったまま逃亡を続けていた勝呂寺誠司(二宮和也)は、ついに警視庁組織犯罪対策部管理官・蜜谷満作(江口洋介)との対面を果たす。『アネモネ』や警察の手から逃れるために、路線バスに乗り込む誠司たち。そこで誠司は、「教えてくれ。勝呂寺誠司と天樹勇太、どっちが本当の俺なんだ?」と蜜谷に問いかける。
一方、『横浜テレビ』のキャスター・倉内桔梗(中谷美紀)は、誠司と蜜谷が合流する場所へと急いだが、すでにふたりの姿はなかった。同じころ、立葵時生(大沢たかお)の店『葵亭』では、時生の娘・査子(福本莉子)が、以前天樹勇太と交際していた竹本梅雨美(桜井ユキ)の取材準備を進めていた。時生は妻の墓参りをするため外出中だった。
蜜谷は誠司に、天樹勇太のことを話そうとする。その時、バス停でバスが停車する。そこに乗り込んで来たのが、アネモネの幹部・神林淳(一條恭輔)だった。神林は、証拠として誠司と蜜谷が一緒にいるところを写真に収めると、他の乗客に気付かれぬようにして誠司に拳銃を突きつけ、バスから降りるよう命じる。その時、バスが急停車した。その隙をついて拳銃を払う誠司。ふたりはもみ合いになり、拳銃が乗客の足下へ転がった。その乗客とは時生だった。時生が蹴り返した拳銃を拾った誠司は、笛花ミズキ(中川大志)がバイクで追いかけてきていることに気づき、非常ボタンを押してバスを出すよう運転手に指示するが……。

第8話のレビュー

相変わらず佐藤浩市演じる真礼はフランという白い犬を探しているが、3つの話がようやく一つの画面におさまるようになり、物語に没入できるようになった。

前話で葵亭のソムリエール・梅雨美(桜井ユキ)が待ち続けている恋人が、天樹勇太だということがわかり、いくつかの点が徐々に繋がりだした。

自分が何者なのかわからない誠司(二宮和也)は、警視庁の蜜谷(江口洋介)に再会したものの、アネモネの幹部に追われていたため2人は路線バスに乗り込む。
大学のゼミの先輩だという「横浜テレビ」のキャスター・桔梗(中谷美紀)から「天樹くんよね?」と言われ、戸惑っている誠司は蜜谷に「天樹勇太って誰なんだ?」と問う。

最初は2人でバスという密室で会話をしていたが、アネモネの幹部が乗り込んできたり、アネモネ2代目のミズキ(中川大志)がバイクで追いかけてきたことで誠司が”バスジャック“をしているような展開に。
しかもそのバスには偶然、葵亭のシェフ・時生(大沢たかお)も同乗。
こんな偶然はドラマだから実現する。

警察内部にもどうやらアネモネと繋がっている人物がいることもわかり、厳しい表情を浮かべる捜査一課長(遠山俊也)が無駄に映し出される。
あからさまに「この人が怪しいですよ」という演出だが、このまま課長がアネモネと繋がっているのだろうか。

誠司が不利な状況で話は進むが、刑事のカレン(松本若菜)は、誠司が殺人事件の犯人ではないのでは?と考え蜜谷に協力していく。
バスジャックなんてするつもりがなかった誠司と蜜谷だが、そこへ話をややこしくする時生が梅雨美とのことを誠司に問い詰めたり、ケチャップの歴史を語り出したりと相変わらず空気が読めない。

私たち視聴者は8週に渡って誠司と時生の“縁“を観てきたが、よく考えるとこれは1日の出来事をまとめた話。
誠司と時生の繋がりは異常ともいえる。

しかし、誠司、蜜谷、時生、そしてカレンはラストで見事な連携を見せる。
蜜谷が発砲した玉が誠司に当たり、誠司は倒れるが、明らかにケチャップを使って出血を演出?、その誠司を介抱するかのようにカレンが救急車に同乗。
これはバスを降りるための一芝居なのでは?
こんなところで時生のケチャップが役立つとは。
時生、グッジョブだ。

アネモネを潰すために誠司と蜜谷が動き出し、ストーリーはいよいよクライマックスへ。
はたして誠司の運命は?
真礼とフランの存在もお忘れなく!

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第9話の予告をYouTubeで見る

路線バスをジャックした勝呂寺誠司(二宮和也)は、蜜谷満作(江口洋介)から、天樹勇太が警察官であり、『アネモネ』を潰すために蜜谷が勝呂寺誠司として組織に送り込んだと聞かされる。警察に取り囲まれた誠司は、亡き妻の墓参りに行くためにバスに乗っていた『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)を残し、その他のバスの乗客たちを解放する。解放されていく人質たち、そのとき、バスの中で銃声が響いた。蜜谷が誠司を撃ったというのだ。誠司は、救急車で病院へと搬送される。狩宮カレン(松本若菜)は、誠司を乗せた救急車に同乗し……。
バスジャック事件を伝えるニュース映像を見ていた竹本梅雨美(桜井ユキ)は、いてもたってもいられずに店を飛び出す。心配になって梅雨美を追う細野一(井之脇海)。残された蛇の目菊蔵(栗原英雄)は、警察官の山田隆史(今井英二)に協力を求め、残された時間に出来ることを、と開店準備を進める。
蜜谷は、神奈川県警捜査一課長・一ノ瀬猛(遠山俊也)に、誠司が暴れ出したので仕方なく威嚇射撃をした、と説明する。「失態続きの神奈川県警の代わりに俺がやってやった」とうそぶく蜜谷。一ノ瀬は「この街で好き勝手なことは許さない」と蜜谷を非難する。
そんな中、バスジャックの現場で取材を続けていた『横浜テレビ』のキャスター・倉内桔梗(中谷美紀)は、事情聴取を終えた時生から重大な事実を聞かされ……。

第9話のレビュー

ドラマ前半時よりもだいぶテンポもよくなり、大沢たかおが演じる時生がメインの「レストラン編」もひとり一人に共感できるようになってきた。

バスジャックをした誠司(二宮和也)は、蜜谷(江口洋介)から自分の素性を聞き、警察に捕まることなくバスを降りるため、自分が撃たれ救急車で運ばれる案を思いつく。
警部補のカレン(松本若菜)とバスに居合わせたシェフの時生(大沢たかお)に協力をしてもらい、アネモネ二代目のボス・ミズキ(中川大志)の前に戻ることができた。

一方、蜜谷は捜査一課長の一ノ瀬(遠山俊也)に、誠司は潜入捜査官で自分がアネモネに潜入させたと暴露。
やはり「勝呂寺誠司」は仮の名で、本名は天樹勇太だった。
また、桔梗(中谷美紀)は桔梗で20時に行われるアネモネの密輸取引を中継するといいだし、横浜テレビのメンバーらを驚かせた。

第9話まできたが、これがたった1日のことだなんて、なんて忙しい日なんだろうか。
とくに誠司にとっては怒涛の一日だ。

ミズキとの会話からどうやら誠司は記憶が戻ったよう。
そして、犯罪組織のボスのミズキに同情しているようにも見える。
いくら情が湧いたとはいえ、麻薬の取引を成功させようとはしまい。
だって誠司は蜜谷の仲間で警察官。
しかし蜜谷は柚杏(中村アン)を使って、天樹勇太の情報を警察データベースから削除させている。
アネモネの取引の情報を仕入れた蜜谷にとって、今や誠司は“捨て駒”ということなのか?

たしかに5年も警察から離れ、ミズキの側で行動していれば情も湧くだろう。
とはいえ、それでも誠司は警察官だ。
ミズキと信頼関係を結ぶことも仕事のうち。
それを蜜谷もきっと評価してくれるはず。
データを削除したのは何らかの意図があると思いたい。

まだまだ疑問だらけの「逃亡編」だが、チーム「横浜テレビ」はスクープという名の目標に向かって、チーム「葵亭」はクリスマスディナーのために一致団結してきた。

そして第9話でも愛犬のフランを探している真礼(佐藤浩市)。
葵亭のギャルソン・菊蔵(栗原英雄)の妻が真礼のことを「犬を探しているおじいちゃん」と表現していたが、このおじいちゃんがこのドラマにとってどういう位置づけなのか、そろそろ教えてほしい。

予告によると次週は遠藤憲一が登場。
ミズキの父なのではと、想像に難くない。

時刻は17:48。

密輸取引とクリスマスディナーまであとわずか。
全員が笑顔でクリスマス・イブの夜を迎えることはできるのだろうか――。

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第10話ストーリー&レビュー}–

第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第10話の予告をYouTubeで見る

勝呂寺誠司(二宮和也)は、病院への搬送途中に逃げ出すと、『アネモネ』の2代目・笛花ミズキ(中川大志)に会いに行った。記憶を取り戻したことを打ち明け、「今夜の取引、成功させるぞ」とミズキに告げる誠司。

同じころ、開店まであと1時間と迫った『葵亭』では、シェフの立葵時生(大沢たかお)を中心に慌ただしくディナーの準備が進められていた。そこに、神奈川県警の警部補・狩宮カレン(松本若菜)がやってくる。蜜谷満作(江口洋介)に協力したものの裏切られ、捜査から外されたカレンは、バスを降りた後、『横浜テレビ』キャスター・倉内桔梗(中谷美紀)と何を話していたのか、と時生に尋ねる。
一方、桔梗たちは、生放送の大型音楽特番の準備が進められている中、アネモネとメキシコのロス・クエルボによる取引現場を生中継しようと密かに動き出していた。だが、蜜谷と連絡を取ることが出来ず、取引場所に関する情報は不明のままだった。ロス・クエルボ側に取引場所の変更を伝えた誠司は、ミズキとともに現場に向かおうとする。そんな誠司にミズキは、「もう俺を、裏切りませんよね?」と問いかけ……。

第10話のレビュー

潜入捜査官だった誠司(二宮和也)は国際犯罪組織・アネモネでどんな5年間を過ごしていたのだろうか。
恋人にも会えず、警察官であることをひたすら隠し、悪事に加担しなければいけなかった誠司。
挙げ句、殺人犯として逃げ回り、蜜谷(江口洋介)らによって警察官としてのデータも抹消されてしまう。
(これには裏がありそうだが、それでもいろいろと不憫だ)
しかもすでにアネモネ側には素性がばれてしまい、命まで危うい。

第10話はミズキ(中川大志)の父親・紫陽役で遠藤憲一が登場。

紫陽が「ミズキはだませてもこの俺はだまされねえぞ」と言えば誠司も「ひ弱なボンボンのケツ拭いてやるって言ってんだよ」と強気。
すると一変して「俺に何をさせたいんだ」と紫陽が答える。
誠司にはどうやら何か秘策があるようだが、それはまだわからない。

現在アネモネを仕切るミズキもミズキで、父の紫陽には頼りない存在だと思われている。
「誠司は潜入捜査官だった。あれだけそばにいて誠司の正体に気づかなかったくせに。下の連中はもうお前なんて眼中にねぇんだよ」
困惑するミズキ。
悪にも悪なりに苦労があるのか。
父親からも見放され、下の連中にもなめられているミズキはやはり誠司のことが頼りなのだろう。
「もう俺を裏切りませんよね?」と弱々しく確認する。
「あぁ」と短く答える誠司だが…。
この2人、いったいどうなるのだろうか。

誠司やミズキが登場する場面は画面がダークでゾクゾクさせてくれるが、一方でレストラン編は相変わらずコメディ要素満載だ。

ここからはあくまでも個人的な意見だが、やはりレストラン編のドタバタ感がこのドラマのバランスを欠いてしまっているように思う。
これまでずっと葵亭を見守ってきた警察官・山田(今井英二)においては謎すぎる。

殺人犯の容疑がかかっている誠司が再度、葵亭に来てしまった時のことを考え、護衛で配置されたまではいい。
しかし、任務が解かれた後もレストランの終わりを見届けたいということで、警察の制服姿にエプロンをして開店準備のお手伝い。
こんなレストランで食事をするのは絶対に落ち着かない。

また、時生(大沢たかお)や他の従業員は山田のことを「山田さん」と「さん」づけしているのに対して、恋人を5年待ち続ける梅雨美(桜井ユキ)だけがこの日会った警察官のことを何度も呼び捨てなことも気になる。
こうした小さな違和感がどうもひっかかってしまい、レストラン編に没頭できずにいる。

さて、女性陣はというと――。

警察の上層部の人間と犯罪組織がつながっているとにらんでいる桔梗(中谷美紀)は、カレン(松本若菜)に真実を知りたいと頭を下げた。
第10話では桔梗とカレンの対峙のシーンが見応えがある上に美しかった。
また蜜谷とタッグを組んだ柚杏(中村アン)の行動も謎が多いがカッコいい。

後半では榊原(ハルキ)を殺したのは自分だと告白したミズキが、いきなり誠司に拳銃を向けた。
蜜谷も桔梗もカレンも助けに来る気配はない。
誠司、絶体絶命か!?
 
次週で長い一日の幕がようやく閉じる。
はたして誠司、桔梗、時生は大切な人に「メリークリスマス」と言えるだろうか。
愛犬フランを探している真礼(佐藤浩市)の存在も忘れてはならない。

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第11話ストーリー&レビュー}–

第11話ストーリー&レビュー

第11話のストーリー

>>>「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」最終回の予告をYouTubeで見る

記憶を取り戻した勝呂寺誠司(二宮和也)は、『アネモネ』の2代目・笛花ミズキ(中川大志)とともにメキシコの犯罪組織『ロス・クエルボ』に接触。取引に向けて動き出した矢先、ミズキは誠司に銃を向けた。

『横浜テレビ』のキャスター・倉内桔梗(中谷美紀)は、アネモネとロス・クエルボの取引現場を生中継しようと密かに動き出していた。だが、取引現場が変更されたため、行き場を失ってしまう桔梗。そのころ横浜テレビでは、報道制作局長の折口康司(小手伸也)たちが生放送の大型音楽特番を中断し、この1日に横浜で起きた事件の報道を始めていた。

一方、『葵亭』ではクリスマスディナーが始まっていた。そこでシェフの立葵時生(大沢たかお)が用意したメインディッシュは、見たことのない、想像をはるか斜めからいくもので、竹本梅雨美(桜井ユキ)たちスタッフも戸惑いを隠せず…。

取引を終えたミズキは、「あんたはここで終わりだ」と誠司に告げる。そこに、ひとりの男が現れ、すぐにこの場所から離れるよう、ミズキに告げ……。

第11話のレビュー

前日の23時30分、クリングル号記念公園で起きた発砲事件がすべてのはじまりだった。

記憶を失ったまま殺人事件の容疑者となった勝呂寺誠司(二宮和也)と、先代から受け継いだ大事なデミグラスソースが入ったずん胴をひっくり返してしまった葵亭のシェフ・立葵時生(大沢たかお)。そして、スクープを探して横浜内を自転車で走り回っていた横浜テレビのキャスター・倉内桔梗(中谷美紀)のあまりにも目まぐるしい一日がようやく終わった。
 
(以下ネタバレがあります)

今回の「月9」は、二宮、中谷、大沢という演技派・主演クラスの3人がたった一日の物語を、1クールで描くという新たな試みのドラマだった。

サスペンスタッチだった逃亡犯編、クスっと笑えてしまうレストラン編、とにかく桔梗がかっこよかったテレビ局編の3つのストーリーが最後はシュッと見事にまとまった。

とはいえ、結末は予想通りすぎてどうしてもがっかり感が否めない。

佐藤浩市演じる真礼が、葵亭の先代だったという展開には驚いたが、最後まで犬を探す人で終わり、なんだかもったいない。

途中、葵亭に「テレビで葵亭が大変だと聞いて」とレストランに入ってきた時はビーフシチューを目当てに来ている客のために、さっとデミグラスソースを作ってくれるのかと思ったら作らず。結局、メインディッシュはゆで卵、一口ナポリタン、エビフライ、サラダ、ハンバーグ、チキン、そしておにぎり。

菊蔵(栗原英雄)の「おにぎりはそのまま手で食べていただいてもよろしいかと」というセリフにはずっこけた。シェフの時生の想いが詰まったメインディッシュだったかもしれないが、ビーフシチューの代わりがお弁当?

1話で真礼に頭を下げてデミグラスソースを作ってもらえばよかったのに。まさに”から騒ぎ”なレストラン編だった。

また、桔梗の仕事仲間、横浜テレビの黒種(大水洋介)が柚杏(中村アン)と繋がっていたところももう少し丁寧に描いてほしかった。蜜谷(江口洋介)やミズキ(中川大志)の父親・紫陽(遠藤憲一)の出番も少なく残念。

しかし、誠司とミズキの関係性や、2人だけのシーンはシビレた。逮捕されたミズキが「もう誠司さんを疑わなくて済みます」と言えば、誠司も「俺もこれからお前のことを裏切らないで済む」と答えた。

この2人のシーンだけは常に心地よい重い空気が流れており、見応えがあった。犯罪者と警察官という間なのでこの先、2人で大好きなハンバーガーを食べることはないだろうが、絆はずっと繋がっているように思う。

横浜テレビは完璧なスクープをすっぱ抜き、葵亭は愛情を込めたメインディッシュを客に振る舞い、警察は国際犯罪組織アネモネとメキシコの犯罪組織ロス・クエルボが麻薬密輸取引現場を押さえてすべてが解決した。

そして最後、フランは真礼の元に戻り、誠司と梅雨美(桜井ユキ)、時生と桔梗、査子(福本莉子)と葵亭・アルバイトの一(井之脇海)というカップルが成立し、笑顔でクリスマスを迎えることができた。

豪華な出演者の顔ぶれを見て勝手にハードルを上げてしまい、ストーリーの内容についていけない部分はあったが、役者個人個人の演技は素晴らしく、ドラマの構成が今までになく新しいもので楽しませてもらった。

どうしても「月9」という枠は、老舗旅館のように「完璧で当たり前」と、期待値を上げてしまいがちだが、そろそろこの「月9」という言い方も止めて、もっと気楽にドラマを楽しめる枠になるといいのかもしれない。

最後にふとそんなことを思った。

※この記事は「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」作品情報}–

「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」作品情報

放送日時
2023年10月9日スタート。 毎週月曜21:00~

出演
二宮和也、中谷美紀、大沢たかお、江口洋介、佐藤浩市

【逃亡編】
中川大志、松本若菜、中村アン

【地方テレビ局編】
福本莉子、小手伸也、加藤 諒、大水洋介、丸山智己、梶原 善

【レストラン編】
桜井ユキ、井之脇 海、今井英二、栗原英雄

脚本
徳永友一
(『翔んで埼玉』、『ルパンの娘』シリーズなど)

音楽
佐藤直紀

主題歌
ミイナ・オカベ「Flashback feat. Daichi Yamamoto」
(ユニバーサル インターナショナル)

プロデュース
成河広明

演出
鈴木雅之
三橋利行
柳沢凌介

制作・著作
フジテレビ