「ブギウギ」草彅剛(羽鳥善一)、再び<第19回>

続・朝ドライフ

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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。

「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。小さい頃から歌って踊るのが大好き、後に戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる。

ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第19回を紐解いていく。

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スズ子の推理

桃色争議からの哀しい別れを経て、1年。スズ子(趣里)に心配の種が再び。サブタイトルの「ワテ、香川に行くで」らしくなってきました。

スズ子がいよいよ香川に行くことに。そこにはスズ子と六郎(黒崎煌代)との秘密が隠されていそうです。

香川とは、ツヤ(水川あさみ)の実家です。スズ子が生まれたとき、里帰りしていました。

あるとき、実家の妹からツヤに手紙が来て、お得意先の白壁の次郎丸家の法事にスズ子に来てほしいとあります。

その頃、六郎が、幼い頃、アホのおっちゃん(岡部たかし)が言っていた、六郎がカッパの子で、スズ子がクジラの子、という話を蒸し返しはじめます。

かなり昔の話を「こないだ」という独特の回路をもっている六郎を、
スズ子は「あほ」と言いますが、

「たいていはそういうところが大嫌いになるはずやけどそういうところが好きやねん」
(スズ子)

とも言うのです。

あほなところを無理に好きになろうとしているわけではなく、ほんとうに好きなんだろうと思います。そこが「ブギウギ」の良さであります。

六郎のあほなところは好きですが、スズ子と六郎はほんまのきょうだいじゃないと言いはるのことには辟易。六郎の突き抜けたあほさは、家族の誰にも似ていないと、スズ子は、六郎こそ、花田家のほんとうの子供ではないのではないかと疑いはじめます。

視聴者は、これはスズ子の大いなる勘違いだということがわかっています。

スズ子が自論を確信し、自分が実の子ではないと思いもよらず、六郎のことを心配すればするほど、可哀想でもあり、ちょっと滑稽でもあるという、ぜんざいに塩こぶ、のような酢豚にパイナップルのような、美味しくないと思う人と美味しいと思う人に分かれるような、不可思議な力が発動します。

ストレートに、スズ子がほんとうの子じゃない疑惑で話を進めず、スズ子に勘違いさせてひとひねりしているところがうまい。

ちょうど、スズ子は、争議による待遇改善で得られた一週間の休暇に、香川に行くことになります。

ツヤは法事に、スズ子だけでなく六郎も一緒に行かせます。ひとりで行かせることで秘密が発覚することをおそれたのでしょう。

ツヤと梅吉(柳葉敏郎)はお見送り。子供たちだけで行かせたら、絶対なにか起こると思うのですが……。ツヤが一緒に行って真相を誰かから語られないか目を光らせたほうがいいと思うのですが、ツヤが行くほうが問題になりそうと梅吉が子どもふたりで行かせることを発案します。弟がいれば、先方が気を使うという考えでしょうか。なかなか微妙なアイデアです。

「不安からは何も生まれへん」
(梅吉)

梅吉は相変わらず楽天的です。でも、この考え方は大事でもあります。

さて、冒頭に、東京編のキーマン・羽鳥善一(草彅剛)が登場しました。東京に向かっているところのようです。このひとも楽天的そうな印象です。

草彅さんが出てくると問答無用に画面が明るくなります。本格的な登場は、香川エピソードの後とおもいますが、待ち遠しい限りです。

(文:木俣冬)

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–{「ブギウギ」第4週あらすじ}–

「ブギウギ」第4週あらすじ

大和礼子(蒼井優)は、待遇改善を訴えて山寺にこもってストライキを始める。スズ子(趣里)たち多くの劇団員もそれに従った。会社と正面から対立し、「桃色争議」として世間に大きく取り上げられるが、その代償はとても大きなものだった…。  桃色争議から1年、スズ子は法事で本家がある香川へ行くことになる。久しぶりに会う香川の親戚たち、しかし、皆なにか様子がおかしい。そこで、スズ子はある衝撃の事実を知ることになる。

–{「ブギウギ」作品情報}–

「ブギウギ」作品情報

放送予定
2023年10月2日(月)より放送開始

出演
趣里、水上恒司 、草彅 剛、蒼井 優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎 ほか


足立紳、櫻井剛<オリジナル作品>

音楽
服部隆之

主題歌
中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」(作詞・作曲:服部隆之)

ロゴ・タイトル制作
牧野惇

歌劇音楽
甲斐正人

舞台演出
荻田浩一

メインビジュアル
浅田政志

語り
高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)

制作統括
福岡利武、櫻井壮一

プロデューサー
橋爪國臣

演出
福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠 ほか