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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。
「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。小さい頃から歌って踊るのが大好き、後に戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる。
ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第12回を紐解いていく。
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才能もないのに書くのが偉い
演出をやることになった大和礼子(蒼井優)は妥協のない厳しい稽古を続け、スズ子(趣里)も追い詰められていきます。
先輩後輩関係なく、役のつくチャンス。だからこそ、才能の有無があらわになって誰もが悩みます。
花咲歌劇団から移ってきた美月(伊原六花)は礼子も一目置く才能の持ち主で、
稽古でも見本になって、同じ男役の桜庭和希(片山友希)は焦りを隠せません。
「才能ないならやめえ」と美月に発破をかけられた新人たちもすっかり萎縮してこのままでは辞めてしまいそうなので、スズ子は教育係として必死につなぎとめます。
そんなスズ子に、新人ちゃんたちは「なんで才能ないのに続けられるんですか」と率直な疑問をぶつけます。きつい。
「才能なかったら続けたらあかんのか」
スズ子だって崖っぷち。圧倒的な礼子や、やたらとかわいく、能天気で、食べても太らない”お宝体質”のリリー(清水くるみ)を見てると、自分の売りが見いだせず、悩みます。
美月もお宝体質で(それにしてもすごく食べてた)、才能ある人は、食べても太らない体質も合わせ持っているのでしょうか。まあスズ子の体型を見てると彼女もお宝体質だと思いますが。
劇団のピアノ奏者・股野(森永悠希)は、ほかにやりたい場所があったけれど、
梅丸でやっていて、片手間でやってることを悩んでいます。
才能とは何か。若者が悩んでいるなか、梅吉(柳葉敏郎)は映画の台本を懲りずに書いています。誰にも認められてないのに、「才能もないのに書くんが偉いやろ やめたらそこで終わりや 続けるんが一番むずかしい」という開き直りは清々しい。柳葉さんの無垢な笑顔に説得力があります。
続けることも才能のひとつ。これは、礼子の言葉「続けることが一番大変なんだけどね」と重なっています。
2015年から朝ドラレビューを毎日書いてる筆者も、続けることが大変なのはよーくわかります。いや、それよりも朝ドラ自体が、1961年からはじまって、ずっと続いているのだから、この言葉の説得力は絶大です。
頑張る才能
落ち込まない才能
続ける才能
食べても太らない才能
才能にもいろいろな才能があるということ、たとえ優秀と認められなくても努力を続けることの大切さを物語った第12回ですが、「お宝体質」というワードが強烈で、そればかり印象に残ってしまいました。こういうワードを思いつくのも才能としかいいようがありません。
さて。趣里さんに代わった途端に、盆踊りみたいなものを歌って踊ったり、「コラあ、先輩やぞ」と後輩をどやしつけたり、「やかましわ」と言ったり、ものすごーくコテコテの大阪ぽくなってきました。大阪ネイティブでない趣里さんが、頑張ってやってるのを感じるので、応援したい。
(文:木俣冬)
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–{「ブギウギ」第3週あらすじ}–
「ブギウギ」第3週あらすじ
昭和8年、18歳になったスズ子(趣里)は劇団を脇役として支えていた。同期のリリー白川(清水くるみ)や後輩の秋山美月(伊原六花)らが人気となる一方で、スズ子は自分自身の才能や売りは何なのか迷っていた。そんな折、同じく芽が出ない同期の桜庭和希(片山友希)が、劇団を辞めると言い出す。大和礼子(蒼井優)は必死にみんなをまとめようとするのだが…。さらに、会社からは人員削減や賃金削減が通告されてしまう。
–{「ブギウギ」作品情報}–
「ブギウギ」作品情報
放送予定
2023年10月2日(月)より放送開始
出演
趣里、水上恒司 、草彅 剛、蒼井 優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎 ほか
作
足立紳、櫻井剛<オリジナル作品>
音楽
服部隆之
主題歌
中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」(作詞・作曲:服部隆之)
ロゴ・タイトル制作
牧野惇
歌劇音楽
甲斐正人
舞台演出
荻田浩一
メインビジュアル
浅田政志
語り
高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
制作統括
福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー
橋爪國臣
演出
福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠 ほか