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2023年4月3日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。
「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。
ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第64回を紐解いていく。
竹雄との別れ
序盤からずっと万太郎(神木隆之介)を支えてきた献身的かつ優秀な竹雄(志尊淳)が綾(佐久間由衣)との結婚を決め、今度は綾を支えることになります。お別れを報告する竹雄に、万太郎は涙涙。もちろん竹雄も涙。
万太郎も竹雄もそれぞれ伴侶を持って、新しい生活へと進んでいきます。青春時代が終わって大人の時代になるのだなあと感じます。
竹雄は万太郎の使用人から対等になり、今度は義兄に。じつはどんどん出世していく感じです。
2組の結婚というおめでたい状況の一方で、タキ(松坂慶子)の死が刻一刻と迫っています。非日常の儀式の連なり。特別な時間です。
峰屋に、まつ(牧瀬里穂)と文太(池内万作)と、仲人の大畑夫妻(奥田瑛二、鶴田真由)がやってきます。
とても大きな酒蔵に驚く、まつや大畑。
まつは、こんなに恵まれた環境を捨てて貧乏な道を歩むであろう万太郎に嫁ぐ娘・寿恵子(浜辺美波)を心配します。まつの、恵まれすぎていてなくすことをわかっていないという万太郎観はなかなか鋭い。
万太郎と竹雄のそれぞれの旅立ちを描き、
祝言の前夜、母と娘の最後の夜を描き、
そして、祝言の日。とびきり美しく輝く白無垢の寿恵子。
さらに、お色直し。浜辺美波さん、とってもお美しいです。老若男女、眼福だったことでしょう。
分家の人たちもやって来ますが、彼らは相も変わらず、憎まれ役に徹しています。
何も知らず、嫁き遅れの綾をいよいよ嫁にもらってやる、みたいなことを調子に乗って語る分家の人たち。悪者が出てこない、勧善懲悪ではない物語かと思いきや、分家の人たちはずっと憎まれっ子で、それはそれでホッとします。
分家の息子・伸治役の坂口涼太郎さんが「あさイチ」にゲスト出演。衣裳が斬新でした。ダンサーだったりもする方なので個性的。朝ドラ出演もさりげにもうもう4作目。映画「ちはやふる」も代表作。筆者は木ノ下歌舞伎「勧進帳」の冨樫役が印象に残っています。
さて、大畑が祝言の日を「大安」と「一粒万倍日」と言っていました。「大安」は昔からよく聞きますが、「一粒万倍日」は最近、宝くじ購入を推奨するときによく使用されるようになった印象です。
とはいえ、昔からこの言葉はあったようで。古い言葉だったものが明治に新暦になってから復活したとか。大畑がそれを喜々として使用していてもおかしくなさそう。ただ、「らんまん」は時々、現代的な言葉をあえて取り入れているようなので、ここもあえて、現代人にピンと来そうな「一粒万倍日」を加えたような気がします。
「一粒万倍日」は一粒の種が万倍に増えるという意味。植物の種が万倍になるとは、植物の物語「らんまん」にはふさわしいでしょう。今日この婚姻の日の幸せが万倍になりますように。
(文:木俣冬)
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–{「らんまん」第13週あらすじ}–
「らんまん」第13週「ヤマザクラ」あらすじ
植物学者・マキシモヴィッチからの手紙は、万太郎(神木隆之介)の研究成果を高く評価する内容だった。タキ(松坂慶子)は早く東京へ戻った方がよいと、二人の祝言を急がせる。しかし、タキの病状も悪化していたのだった。祝言の準備が進む中、万太郎、竹雄(志尊淳)、寿恵子(浜辺美波)の三人は横倉山へと植物採集に出かける。竹雄は寿恵子に万太郎の植物採集の手助け方法を教える。それからしばらく後、万太郎の祝言を無事に見届けたタキは、満開の桜に見守られながらあの世へと旅立つのだった。
–{「らんまん」作品情報}–
「らんまん」作品情報
放送予定
2023年4月3日(月)より放送開始
作
長田育恵
音楽
阿部海太郎
主題歌
あいみょん「愛の花」
語り
宮﨑あおい
出演
神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、笠松将、中村里帆、島崎和歌子、寺脇康文、広末涼子、松坂慶子、牧瀬里穂、宮澤エマ、池内万作、大東駿介、成海璃子、池田鉄洋、安藤玉恵、山谷花純、中村蒼、田辺誠一、いとうせいこう ほか
植物監修
田中伸幸
制作統括
松川博敬
プロデューサー
板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出
渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか