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2023年4月3日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。
「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。
ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第59回を紐解いていく。
「槙野姉弟が好き過ぎる」
鹿威しがカン!となって、タキ(松坂慶子)と寿恵子(浜辺美波)の百人一首勝負がはじまります。読み手は万太郎(神木隆之介)。
元気そうに見えて、いざ勝負となると、調子が悪くなってきます。
万太郎は、これまで部屋に花を絶やさなかったことに気づいていました。さすがの注意深さです。花好きでもあるからでしょうか。
タキの「切り花は枯れる」も含蓄あります。野に咲いてる花は、種をつけ、次の命に繋いでいますが、たしかに切って活けてしまうと、その先はありません。ドライフラワーという永遠に残す手もありますが。
そんなタキに、寿恵子は、時々、札をとることを譲ります。タキはその武士の情けに感じいり、万太郎の嫁として認めるのです。
タキは、「お寿恵さん、かわいらしゅうて元気ようてひたむきで」と寿恵子の魅力を端的に語ります。
「末永う、お頼もうします」とタキから託されて、寿恵子が槙野家の嫁を継ぐのです。
晴れて寿恵子が万太郎の嫁と認められ、峰屋の広間で宴会が行われます。いや、甑倒しの行事の宴会に、寿恵子の歓迎会がプラスされたのです。
その夜、ひとり庭先に佇む綾(佐久間由衣)の元へ竹雄(志尊淳)が。
「切り花は枯れる」には死のイメージもあります。
タキがもう長くないと考えて、この先、ひとりでどうしようと悩んでいる綾を竹雄が励まします。
そして、峰屋の従者ではなく、ひとりの井上竹雄として、「あなたをひとりっきりにはせん」告白。
今回の帰郷で、告白しようと思ってビシッとスーツを着てきたのかもしれません。
「草花が好き過ぎる」「酒が好き過ぎすぎる」「槙野姉弟が好き過ぎる」とちょっと令和的なおもしろい言い方をしたあとに、「あなたのことが好きなただの男じゃ」とここだけ「好き過ぎる」ではなく「好き」を使うことで、想いの本気度が伝わります。
長田脚本は明治時代を丁寧に描きながら、時々、令和の現代口調が混ざるのが魅力です。
志尊淳さんは、顔立ちが甘いですが、演技の端々に、骨のある、強さ、たくましさを感じます。内なるゴツゴツしたものに柔らかいベールをかぶっている、そこが不思議な魅力です。
万太郎を寿恵子が、
綾を竹雄が、
支えることになるのです。
綾は、広間に戻って、「酒〜 峰乃月 もってこいや〜」と威勢よく声をあげて、寿恵子と酒を酌み交わしますが、この「もってこいや〜」が
全然、腹から声が出てなくて、無理している感ありました。が、綾は男勝りなわけではなく、ただ酒が好きな女性なのだと思えて、それはそれで個性なのです。
(文:木俣冬)
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–{「らんまん」第12週あらすじ}–
「らんまん」第12週「マルバマンネングサ」あらすじ
長屋にいる万太郎(神木隆之介)のもとに現れたのは、舞踏会のドレスを着た寿恵子(浜辺美波)。寿恵子の登場に沸く長屋の仲間たちの前で、二人は気持ちを確かめ合い、永遠の愛を誓うのだった。それから半年後の春、万太郎、寿恵子、竹雄(志尊淳)の三人は故郷の佐川へと里帰りをする。その頃、峰屋では綾(佐久間由衣)と市蔵(小松利昌)が酒屋に課せられる税金の制度が変わったことで窮地に立たされていた。ある日、万太郎のもとへ、植物学の権威・マキシモヴィッチ博士からの手紙が届く。
–{「らんまん」作品情報}–
「らんまん」作品情報
放送予定
2023年4月3日(月)より放送開始
作
長田育恵
音楽
阿部海太郎
主題歌
あいみょん「愛の花」
語り
宮﨑あおい
出演
神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、笠松将、中村里帆、島崎和歌子、寺脇康文、広末涼子、松坂慶子、牧瀬里穂、宮澤エマ、池内万作、大東駿介、成海璃子、池田鉄洋、安藤玉恵、山谷花純、中村蒼、田辺誠一、いとうせいこう ほか
植物監修
田中伸幸
制作統括
松川博敬
プロデューサー
板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出
渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか