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2023年4月3日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。
「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。
ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第58回を紐解いていく。
タキが寿恵子に勝負を挑む
寿恵子(浜辺美波)を連れて実家に帰った万太郎(神木隆之介)。すると峰屋は政府の税の取り立てに苦しんでいました。
大事な行事「甑倒し」(「らんまん」の初期から登場している行事です)に、税金の改めを行うという役人の横暴に、綾(佐久間由衣)たちが必死で対抗しているところに、万太郎が颯爽と助け舟を出します。
役人に「いまは東京大学に通うちょります」と自己紹介するところが、抜け目ありません。こんなふうに言ったら、相手は東大生かと思うでしょう。ただ通っているだけなのに。でもそれは嘘ではないのです。
そして、役人には「東大」というワードが効果的。万太郎はただの純粋ないい人ではない。生きる知恵に長けています。
竹雄(志尊淳)も進み出て、役人に、いまの日本の状況は理解していると、言います。「西南戦争」「地租改正」……社会人として、国民として、世の中の状況をちゃんと把握しているのだなとわかる瞬間です。たんに、万太郎とわちゃわちゃしているだけではないのです。
「金は取れるところから取る」と嫌味のひとつも言うのです。
こうして、いったん役人を追い払うことに成功し、峰屋の人々は、立派になって凱旋した万太郎と竹雄を笑顔で迎えます。
ところが、タキ(松坂慶子)が病気で臥せっていました。
心配した万太郎に、タキはしゃきんとして現れます。第57回ではかなり具合が悪そうだったので、相当無理しているのでしょう。明治(江戸生まれ)の女性はたくましいです。
挨拶に来た寿恵子に
「さあ、勝負じゃ」とタキは言い出します。
嫁は、その家の母と勝負をして、認めてもらわないと嫁げないらしく……。
勝負の内容は、百人一首!
峰屋の進退とタキの身体が心配ながら、嫁と義祖母との百人一首勝負という展開で、話が暗くならないように工夫されていて、楽しく見ることができます。
洋装がお似合いな竹雄に女性たちが注目して、店にのぞきに来ると、
「いらっしゃいませ」キラ〜ン☆ というサービスシーンもありました。
それにしても、国の借金を税金で回収しようとする政府。庶民ばかり苦しむようになっていることは昔も今も変わっていないようです。
(文:木俣冬)
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–{「らんまん」第12週あらすじ}–
「らんまん」第12週「マルバマンネングサ」あらすじ
長屋にいる万太郎(神木隆之介)のもとに現れたのは、舞踏会のドレスを着た寿恵子(浜辺美波)。寿恵子の登場に沸く長屋の仲間たちの前で、二人は気持ちを確かめ合い、永遠の愛を誓うのだった。それから半年後の春、万太郎、寿恵子、竹雄(志尊淳)の三人は故郷の佐川へと里帰りをする。その頃、峰屋では綾(佐久間由衣)と市蔵(小松利昌)が酒屋に課せられる税金の制度が変わったことで窮地に立たされていた。ある日、万太郎のもとへ、植物学の権威・マキシモヴィッチ博士からの手紙が届く。
–{「らんまん」作品情報}–
「らんまん」作品情報
放送予定
2023年4月3日(月)より放送開始
作
長田育恵
音楽
阿部海太郎
主題歌
あいみょん「愛の花」
語り
宮﨑あおい
出演
神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、笠松将、中村里帆、島崎和歌子、寺脇康文、広末涼子、松坂慶子、牧瀬里穂、宮澤エマ、池内万作、大東駿介、成海璃子、池田鉄洋、安藤玉恵、山谷花純、中村蒼、田辺誠一、いとうせいこう ほか
植物監修
田中伸幸
制作統括
松川博敬
プロデューサー
板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出
渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか