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2023年4月3日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。
「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。
ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第57回を紐解いていく。
万太郎、故郷へ帰る
話はトントン拍子に進み、万太郎(神木隆之介)は寿恵子(浜辺美波)
の母・まつ(牧瀬里穂)に挨拶に。
万太郎の悲願の植物図鑑を”「八犬伝」方式”で分冊して出版することにしたと言います。
「名付けて『八犬伝』方式」
(万太郎)
すごい。早くも万太郎と寿恵子の共同作業がはじまっています。
万太郎の研究活動を寿恵子が支えるにあたり、白梅堂という働き口(?)があると思ったら、まつは、実家に戻る文太(池内万作)についていくことになりそうで、白梅堂はなくなりそう……。
ここは万太郎と寿恵子が経済的に苦労するための作劇上の準備でありましょう。
万太郎も寿恵子も元々はお金に困らない状況だったけれど、どちらも頼れる太い実家がなくなってしまうのです。
ゼロから冒険をはじめる夫婦と思えば、たのもしい。
まつは「どんなときもひたすら暮らしていかなければならないんだ」と心配し、
寿恵子は「暮らしていきます」ときっぱり応えます。
もともと、まつは生きることに貪欲なので、寿恵子もその血を継いでいます。
その後、部屋にこもって「夜通しかかる」ことをふたりではじめる寿恵子と万太郎。
文太は「やましいこと」が行われていないか心配しますが、ふたりがしていたことはーー
なんとも微笑ましい場面でありました。
季節はめぐり、万太郎と寿恵子はいよいよ峰屋に挨拶に行きます。
その旅路、何が印象的かといえば、竹雄(志尊淳)のスーツ姿。やっぱり足が長くてかっこいい。でもこの格好で長く険しい山道を歩いて帰るのはどうなのか……。到着してから着替えたほうがいいのでは?と余計なお世話ですが思ってしまいました。
万太郎の洋服はもうすっかり作業着のように見えていますが、竹雄の服はぴっかぴかのよそ行きに見えます。
ここで、竹雄が「万太郎の助手の役目」を引き継いでほしいと頼みます。第56回で、竹雄と寿恵子が万太郎のお世話係をバトンタッチしたような雰囲気が漂っていましたが、ここで正式にバトンタッチが行われたのです。助手というと聞こえがいいですが、経済的に支える役割(財布の役割)も託したということです。
寿恵子は今、幸福でにっこにこですが、”財布”としての人生には、かなり大変な道のりが待っていそうと思います。
竹雄に託される前、万太郎からマルバマンネングサを教わった寿恵子は語りかけます。
「あなたたちはこのお山が好きになって土佐の子になったのね」(寿恵子)
このセリフは、寿恵子が万太郎が好きになって万太郎の妻になるのね、というふうにも聞こえます。
バイカオウレンは母の象徴、
マルバマンネングサは寿恵子の象徴になるのでしょうか
(文:木俣冬)
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–{「らんまん」第12週あらすじ}–
「らんまん」第12週「マルバマンネングサ」あらすじ
長屋にいる万太郎(神木隆之介)のもとに現れたのは、舞踏会のドレスを着た寿恵子(浜辺美波)。寿恵子の登場に沸く長屋の仲間たちの前で、二人は気持ちを確かめ合い、永遠の愛を誓うのだった。それから半年後の春、万太郎、寿恵子、竹雄(志尊淳)の三人は故郷の佐川へと里帰りをする。その頃、峰屋では綾(佐久間由衣)と市蔵(小松利昌)が酒屋に課せられる税金の制度が変わったことで窮地に立たされていた。ある日、万太郎のもとへ、植物学の権威・マキシモヴィッチ博士からの手紙が届く。
–{「らんまん」作品情報}–
「らんまん」作品情報
放送予定
2023年4月3日(月)より放送開始
作
長田育恵
音楽
阿部海太郎
主題歌
あいみょん「愛の花」
語り
宮﨑あおい
出演
神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、笠松将、中村里帆、島崎和歌子、寺脇康文、広末涼子、松坂慶子、牧瀬里穂、宮澤エマ、池内万作、大東駿介、成海璃子、池田鉄洋、安藤玉恵、山谷花純、中村蒼、田辺誠一、いとうせいこう ほか
植物監修
田中伸幸
制作統括
松川博敬
プロデューサー
板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出
渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか