<unknown>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

国内ドラマ

高畑充希と田中圭がW主演を務めるドラマ「unknown」が、2023年4月18日スタート。

妻は吸血鬼、夫は……?愛し合っているが、お互いに秘密(unknown)を抱えた夫婦。そして起こる連続殺人……すべてが明らかになったとき、2人はどうするーー? どちらに転ぶかわからない、先が気になる物語。

CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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  1. もくじ
  2. 第1話ストーリー&レビュー
    1. 第1話のストーリー
    2. 第1話のレビュー
    3. 「吸血鬼」要素を受け入れられる理由
    4. 田中圭の魅力が生きる”虎松”
    5. ”こことら”の甘いシーンがいい
    6. 突然ねじ込まれるエンタメネタが楽しい
    7. 今週の考察(予想)タイム
    8. ラストでわかった衝撃の事実
  3. 第2話ストーリー&レビュー
    1. 第2話のストーリー
    2. 第2話のレビュー
    3. 婚約解消!? 虎松、こころの実家へ
    4. ”コロ介”こと加賀美(町田啓太)が最高なんだが??
    5. 「おっさんずラブ」再来!? 田中圭と吉田鋼太郎のアドリブ合戦
    6. 田中圭の魅力が生きる”虎松”
    7. 更新されるラスト
  4. 第3話ストーリー&レビュー
    1. 第3話のストーリー
    2. 第3話のレビュー
    3. 過去の話をしたがらない虎松
    4. 加賀美の深い愛
    5. こころの虎松へのメッセージに泣きそう
    6. ついに明かされる虎松の秘密。彼の父親は……
    7. 今週の考察タイム
  5. 第4話ストーリー&レビュー
    1. 第4話のストーリー
    2. 第4話のレビュー
    3. 志尊淳、ポンコツカメラマン役で登場
    4. こころの言葉が素晴らしい
    5. 加賀美、ついに行動に出る
    6. 今週の考察タイム
    7. 次回、主要人物の中から犠牲者が
  6. 第5話ストーリー&レビュー
    1. 第5話のストーリー
    2. 第5話のレビュー
    3. まつりの息子、大五郎に疑いがかかる
    4. 悪びれない加賀美の真意は?
    5. 海造(吉田鋼太郎)の口から出た、いにしえのSNS
    6. 大五郎の疑いは晴れたが、第5の犠牲者が……
    7. 今週の考察タイム
  7. 第6話ストーリー&レビュー
    1. 第6話のストーリー
    2. 第6話のレビュー
    3. まつりの死を悲しむ仲間たち
    4. 加賀美の優しさがしみる
    5. こことらすれ違いからのトリプル(?)デート
    6. 結婚式当日、殺されたのは……そして
    7. 暁凛(MEGUMI)、虎松の元妻で刑事だった!
    8. 今週の考察タイム
  8. 第7話ストーリー&レビュー
    1. 第7話のストーリー
    2. 第7話のレビュー
    3. 連行されるこころ、虎松と漣は捜査から外され……
    4. 彪牙の遺体と対面する虎松。そこには……
    5. 田中圭&吉田鋼太郎のアドリブ劇場
    6. 彪牙は被害者家族に脅されていた?
    7. 彪牙からの手紙、闇原家危機一髪
    8. 血まみれのレインコート、世々塚の電話の相手は……
    9. こころは釈放されるが……
    10. ラスト1分の衝撃、新たな被害者が……
  9. 第8話ストーリー&レビュー
    1. 第8話のストーリー
    2. 第8話のレビュー
    3. 虎松は犯人を追い、現場から立ち去るこころ
    4. 世々塚から虎松への手紙に書かれていた“言えなかったこと”とは
    5. 連続殺人事件の被害者は全員、“吸血鬼”だった
    6. 「違うよね?」←こころと視聴者の総意
    7. 次回最終回、まだまだ残る謎
  10. 最終話ストーリー&レビュー
    1. 最終話のストーリー
    2. 最終話のレビュー
    3. 虎松、渾身の”パンダ”
    4. 梅ばあと加賀美の関係
    5. 最後の晩餐(?)でわかった、さらなる新事実
    6. 加賀美の本当の気持ちに救われた
    7. 叶わなかった幸せな光景がつらい
    8. これってどうなったの?
  11. 「unknown」作品情報

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・最終話ストーリー&レビュー

・「unknown」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

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 降りしきる雨、地面に広がる赤い血。
 そこに薬指に指輪をした、ウエディングドレス姿の女性が横たわっている――。

 夜明け前。路肩に停めた車の中で、あくびをする闇原こころ(高畑充希)。『週刊熱波』のエース記者である彼女は、相棒カメラマンの加賀美圭介(町田啓太)と共に、清純派女優のスクープつかむため張り込みをしている。こころは、恋人である交番勤務の警察官・朝田虎松(田中圭)と付き合い始めて1年。さらには次のデートがこころ30歳の誕生日のまさに当日だと知った加賀美は、「そろそろプロポーズ来るんじゃない?」と囃し立てるも、こころは複雑な表情を浮かべる。
 時は巻き戻り2年前。最悪の出会いを果たすこころと虎松。その後も、職質をかけられスクープを逃したり、泥棒に間違えられたところを救出されたり…しかし、喧嘩ばかりで犬猿の仲だった真逆な2人は、いつしか恋に落ちてゆく。しかし、こころには結婚に踏み切れない理由があった――。
 たどり着いたこころの実家。豪華な門が開き、お城のような屋敷に踏み入れていく。蝋燭の灯りが揺れる怪しげなリビング、ビンテージ物の棺桶が飾られ、キッチンにはブラッドサーバーが置かれている。彼女を出迎える、黒いマント姿の父・闇原海造(吉田鋼太郎)、そしてワイングラスで血を嗜む母・闇原伊織(麻生久美子)。そう、彼女の正体は、吸血鬼だ――。
 誕生日が近づくにつれ、「このまま秘密を隠して結婚することはできない…」と葛藤するこころ。普通ではない自分がコンプレックスで、これまでの恋愛もずっとうまくいかなかった。好きだからこそ、虎松に全て打ち明けたい。だけど、「秘密を知っても、彼は私を愛してくれるだろうか――?
 一方、恋人である虎松もまた、未だ誰にも伝えられていない“秘密”を抱えているようで…?
 時を同じくして、春陽町で“血を抜かれた遺体”が発見される。その犯行は、5年前から栄海街で巻き起こっている3件の未解決連続殺人事件と、同じ手口の犯行で…。

あなたは大切な人のすべてを本当に知っていますか――?
秘密を抱えた夫婦は、愛するがゆえに疑い合う。
これは、《秘密(unknown)》を抱えて生きる2人の《究極の愛》を描く物語。
果たして、こころは、虎松は、お互いを信じることができるのか…?

第1話のレビュー

ひとことで内容を説明できないドラマが始まった。

「unknown」とは秘密のこと。主人公の2人、こころ(高畑充希)と虎松(田中圭)にはお互いに言えない秘密がある。連続殺人事件が発生し、周りの人が巻き込まれていく。
一方で制作陣は「おっさんずラブ」スタッフで、ギャグ要素やアドリブもどんどん出てくる。そして、キスシーンをはじめとしたラブシーンも多い。さらに、2人とそのまわりと取り囲む人々の絆が垣間見える、人情味あふれるシーンもある。

「いつ事件が起こるんだろう?」と気になりながら、いや情報量多すぎだろとツッコみたくなった。でもそれらが不思議と余計に感じず、それぞれを楽しめる作品だ。

「吸血鬼」要素を受け入れられる理由

特に気がかりだったのは、観る前に「ただでさえ要素多いのに、その設定いる?」と思った、こころが実は吸血鬼だという設定。でも、実際に1話を観たらアリだなと思った。

吸血鬼の生活がわりと普通

吸血鬼だからといって誰彼構わず人を襲って血を吸うわけではなく、こころの母・伊織(麻生久美子)によると通販でまとめ買いしたりするらしい。でも国産にはこだわりたいらしい(日本人ってこと……?)。

こころはゼリー飲料らしきもの、飴、ポテト血ップスなど、ぱっと見人間も食べるような製品に血が入ったもので血液を摂取している模様。普通の食べ物も食べられる(ただしニンニクを食べると気持ち悪くなってしまう)。ただ、ぱっと見が普通の食べ物なために、周りの人が口にしようとしたら止めねばならず、「隠すのめんどくせー」と嘆く。日中は日焼け止めを塗って帽子にサングラス、日傘という重装備でないと外に出かけられず、これまた大変そう。夜の張り込みが多い週刊誌の記者の仕事は、ある意味天職かもしれない。

演じる高畑充希の演技が自然だからか、トンデモ設定も「吸血鬼じゃなくてもそれぞれめんどくさいこととかあるもんな~」「確かにこれはめんどくせーな」みたいなノリで共感できる。

母と父が面白い

母・伊織はアナウンサー、父・海造(吉田鋼太郎)はナイトドクターと、普通に仕事をしている。伊織は55歳とは思えない美貌の美魔女で、海造は吸血鬼の格好をし、棺桶で寝ちゃうクラシカルなタイプの吸血鬼。こころの恋を応援する伊織と大反対の父。

お母さんもいいキャラだけど、お父さんが吉田鋼太郎さん(しかも「おっさんずラブ」スタッフ)ということでもう大変。変な人だと思われるからそんな服を着るなというこころに「こころは!パパに!ポロシャツを着てほしいのか?」と食い気味に叫ぶし、親子が集まるとコントのような会話が始まる。

伊織「また(男の人に)振られた?」
こころ「振られたって(笑)」
海造「誰に振られたんだ(怒)!」

伊織「今回は本気なんだね」
海造「本気なのか!?」

という感じで、局は違うが吉田が昨年主演したドラマ「おいハンサム!!」のお父さんのような、娘のこととなると落ち着いてはいられないというテンションだ。

描きたいのはマイノリティーの苦しみ?

最近こそ「めんどくせー」と愚痴るこころだが、大きな心の傷があるようだ。
日に当たれないことでいじめられたり、中高生のときは仲良しな友達がいたが、ある日こころの飲み物(中身は血)を飲もうとした友達を突き飛ばしたことで、みんな離れていった。これはつらい……。

こころの誕生日、家に潜んでいた父・海造がハッピーバースデーを歌う。
例の吸血鬼衣装できた海造にツッコむこころだが、ここでの海造のセリフが泣ける。

「パパみたいな恰好をしろとは言わない、でもパパはこころに胸を張って生きていてほしい」
「一見普通でも、そうじゃない人間なんていっぱいいるはずだ」
「普通の何がえらいんだ」

全部その通りで胸に刺さる。でもこころは「パパはどんな私も愛してくれるけど……」と涙する。そして2人で一緒に声をあげて泣く。いい父娘……だが、こころの苦しみを思うと胸が痛む。
こころは、これまでの経験から「普通でない自分は愛されない」と思っているのだ。ドラマの吸血鬼という設定は奇抜だけれど、多数派、いわゆる”普通”からはみ出てしまう苦しみは、人間だとしてもたくさんある。でも、だいたい普通って何だよとも思う。

こころがいつか、そのままの自分に胸を張れるようになるといいな。

田中圭の魅力が生きる”虎松”

田中圭演じる虎松は、若干口が悪くて子供っぽい一面もあるが、優しいいい奴だ。
一人暮らしの梅ばあ(木野花)を気遣って家に寄り、ごはんを用意してあげたり電球を替えてあげる約束をしたりする。梅ばあは口が悪くて「ババア扱いするんじゃねーぞ」と憎まれ口を叩くけど、「クソババァだろ!」と笑顔で答えてまた翌日も様子を見にくるのだ。

田中圭のハマりパターンのひとつな気がして、こういう田中圭が好きな方は多いんじゃなかろうかと思う。
もしかしたらひとつの作品の中で、別のハマりパターンも観られるかもしれないと今からワクワクしてしまう。

虎松の秘密とは何なのだろう。彼の回想シーンで、人が刺されて倒れているようなシーンがあった。事前のSNS映像では「家族はいない、高校生から一人」と言っていた。離婚歴もあるようで、倒れていたのは家族か元妻なのだろうか……?

”こことら”の甘いシーンがいい

サスペンス寄りかと思いきや、恋愛要素もがっつりある。「っかー! いいなこの2人のやり取り!」と思ってしまうような、キュンとするシーンが続出だ。

付き合ってるか付き合ってないか曖昧な時期の会話で「彼女かよ」「違うの?」と言うのもいいし、満開の桜の木の下で追いかけっこしてキスするシーンも最高。
 

梅ばあの家が火事になり、助けに入った虎松が取り残されてしまい、こころが助けに入るシーン。吸血鬼であるこころは実はめちゃくちゃ力持ち。虎松を”逆お姫様抱っこ”で救出したのだ。キュンとするかどうかは人によるが、愛を感じる感動的な場面だった。そしてこころは、自分が吸血鬼であることを打ち明ける……

「私、吸血鬼なんだ。それでも好きでいてくれる?」

頭をなでてくれる虎松、いいな……!

いつもの居酒屋で「結婚しよっか」「しよっか」とさりげなくプロポーズ成立してるのも大変キュンとした。

突然ねじ込まれるエンタメネタが楽しい

この作品の楽しみのひとつにちょいちょいエンタメネタが入っていることがある。
まず公式HPの登場人物のプロフィールには、好きなドラマや芸能人などが書かれている。
伊織はARMY(BTSのファン)らしいし、海造の好きなドラマは「白い巨塔」。
楽しいので、時間のある時にぜひ見てみてほしい。

さらに海造は虎松からこころに電話がかかってきたとき、耳元で「別れましょうあなたから 消えましょう私から(大黒摩季)」を歌おうとするし、虎松の先輩・世々塚(小手伸也)は「相棒」の右京さんの真似をするし、「違う、そうじゃない(鈴木雅之)」と言うし、もうやりたい放題である。

小手伸也のツイートによるとアドリブだそうで、今後も大いに注目していきたい。

今週の考察(予想)タイム

物語のラスト、5年前の未解決事件と似た殺人事件が起こる。

放送前から、各人物の「事情聴取」映像を公開し、「連続殺人犯は誰だと思いますか?」という「犯人考察クイズ」を行っていたこの作品。本レビューでは、犯人らしき人やその回で出てきた疑問点について、毎回考察してみたいと思う。

いかんせんまだ要素が出ていなさ過ぎるので、消去法のざっくり予想だ。「犯人考察クイズ」予想で一番多かったのは田中圭演じる虎松だった。確かに過去が謎だし秘密もありそうだし、何より田中圭のやばい役は本当に怖い。でもあまりに予想通りだとつまらないから虎松以外だと思う。

こころの家族は吸血鬼で、連続殺人事件の手口は「首から体の血を抜く」というもの。一瞬犯人は吸血鬼の誰かかと思うが、それもまたあまりに安直なので、そこ以外で考えたい。主人公たちに近い人・意外性のある人のほうが可能性がありそうだから、今回のところは加賀美(町田啓太)か世々塚にしておこう。どっちも本当にそうだったら嫌だな……。

願わくば、二重人格オチとサイコパスオチ以外でお願いしたい。

ラストで殺された女性は、こころが駅前で忘れた傘を手渡した相手だった。
こころが関わったことは、殺人に関係あるのだろうか……?

ラストでわかった衝撃の事実

予告に出てきた、雨に濡れた地面に真っ赤な血が広がる映像。横たわっていたウェディングドレスの女性は、こころだった。これは今後起こることなのか、それとも……? 

※この記事は「unknown」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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 降りしきる雨、走ってくる男性。その姿は必死に誰かを探しているようで…。
 地面に倒れて動かないウエディングドレス姿の女性。血まみれの手には結婚指輪が光っている。その女性は、闇原こころである―。

 「あのね、私吸血鬼なんだ―。それでも、好きでいてくれる?」
 誰にも言えない自らの秘密を、恋人の朝田虎松(田中圭)に告白した闇原こころ(高畑充希)。すべてを理解し、受け入れて、深いキスを交わした2人は、ついに結婚への階段を駆け上がる―!

 …と思いきや、なんと虎松が「実は吸血鬼」というこころ決死の告白を、冗談だと思っていたことが発覚。「何の喩え?」「そういうキャラで行きたいってこと?」など軽く笑い飛ばされ、全然伝わってねえ!とこころは絶望。「婚約解消だよ!」と泣き叫び、こころはその場を後にする。

 翌朝、同僚の週刊誌カメラマン・加賀美圭介(町田啓太)に「結婚って難しい」と愚痴をこぼすこころ。一方、気まずい雰囲気のまま帰路についた虎松は、交番勤務中にネットの百科事典サイトで「吸血鬼」を検索し、頭を抱えていた。思い返せば日傘をいつも差していたし、ニンニクも嫌がっていたし、怪力だったような…いや、んなバカな!
 そんな混乱冷めやらぬ虎松のもとに、なんと突然、こころの母・闇原伊織(麻生久美子)から電話が。虎松は伊織に命じられるがままに、初めてこころの実家・闇原家を訪れることに…。

 たどり着いた闇原家。お城のような外観に、焚かれた松明。恐る恐る足を踏み入れると、そこには床に広がる血、ぶら下がる蜘蛛、鎮座する棺桶。あまりの恐怖に絶叫する虎松だが、更には棺桶から突然、クラシカルな吸血鬼スタイルのこころの父・闇原海造(吉田鋼太郎)が出現し…!?

 そんな中、平和なはずの春陽町で不可解な殺人事件が発生。 公園で首筋から血を抜かれた女性の遺体が発見されたのだ。現場に駆けつけた虎松に、先輩警察官・世々塚幸雄(小手伸也)は「5年前の未解決連続殺人事件と手口が似ている」と告げる。遺体を見つめるうち、虎松は徐々に息が荒くなってゆき―。

「夫婦になるとは、違いを受け入れること―?」
そういえば彼女に会うのはいつだって夜で、
そういえば十字架のネックレスあげた時は、即投げ捨てられて、
そういえばニンニク料理を作ったときも、即投げ捨てられて、
君は吸血鬼で、僕は警察官で、今追っているのは“血を抜かれた連続殺人事件”で。
ねえこころ、あまりにも違う君と僕は、“夫婦”になることなんて、できるのだろうか?

 知らない事(unknown)に溢れたこの世界で、果たして虎松とこころは分かり合えるのか―?

第2話のレビュー

前回ラストで、雨の夜地面に横たわっている、血に濡れた女性はこころ(高畑充希)だと判明。
これは先に起こる出来事なのだろうか。

シリアスに始まったが、何度も声を出して笑ったし、あたたかい気持ちになれる回だった。

婚約解消!? 虎松、こころの実家へ

映像も前回起こった殺人事件も気になるところだが、謎を残しつつ物語は本編へ。
虎松(田中圭)のプロポーズをこころが受け、結婚に向けて動き出す2人。
だが虎松は、こころが勇気を出して伝えた告白「私、吸血鬼なの」を冗談だと思っていたことが判明。
ショックを受け「婚約解消だよ!」と泣き叫ぶ。

「吸血鬼」を検索してちょっと怖いなと思ってしまう虎松に、こころの母・伊織(麻生久美子)から電話が。
突如こころの実家に行くことになる。洋館の中が暗く、床には血だまりが。びっくりして転んだのは棺桶の上。そして棺桶からでてきたのは……こころの父・闇原海造(吉田鋼太郎)。視聴者にとっては予想通りだが、虎松は驚いて叫ぶ。海造も「出ていけ~!」と叫ぶ。

「ポツンと一軒家の出演依頼なら断ったはずだ。なんだポツンて、うちはドーンと一軒家だ」棺桶をフリマアプリに出した話をした伊織に「そいつにこう言ってやれ、ノークレームノーリターンだとな」など、もう勢いが止まらない。

逃げ出した虎松は伊織に連れられ、彼女の職場へ。どうやら吸血鬼だという話は本当らしいことと、こころが今まで秘密を言えないがために自ら彼氏と別れ、傷ついていたことを知る。

”コロ介”こと加賀美(町田啓太)が最高なんだが??

こころを優しく見守る相棒、カメラマンの加賀美(町田啓太)がめちゃくちゃよかった。
「プロポーズされた?」「泣いた?」とこころのことなら何でもすぐ気づくし、気さくだし声がとんでもなく優しい。電話の声で「泣いた? 泣いたあと甘えた声になるから」ってわかるの何……?


女友達のような親密な距離感で、チューペットを半分くれる。こころが言っていたが、虎松は話を聞いていないけど加賀美は聞いてくれる。おまけに顔がびっくりするほどいい。どうしてこの2人付き合ってないんだろう? とちょっと思うくらい信頼関係がある。でもここまで親しくなれる男友達もうらやましい。

加賀美はこころのこと好きなのではと思うけれど、あくまで”何でも分かってくれる気のいい相棒、男友達”の座を死守しているように見える(そしてこころは全く気付いていない)。まだまだ秘めているものがありそうで、気になる。ちなみに次回予告でこころをバックハグしていた。

「おっさんずラブ」再来!? 田中圭と吉田鋼太郎のアドリブ合戦

伊織と話したことで自分の態度を反省し、こころに謝った虎松は、再度実家へ。

「帰らないなら、私が去る!」と最初は激しかった海造だが、虎松はお父さんと話がしたいと彼の部屋へ。
DIYをしたいがうまく組み立てられない海造を手伝う。話をするうちに打ち解けてゆく。

指を切ってしまった虎松を心配するが、指から血が流れるのを見てゴクリ……となってしまうのが吸血鬼あるあるすぎて笑った。

2人のやり取り、ノリツッコミというのかアドリブ合戦というのが面白すぎて、「おっさんずラブ」を思い出した人も多かったのではないだろうか。田中圭、たまに素で笑っちゃってるし。

「いわゆる不老不死っていうのは?」
「fantasy」
「鏡に自分の姿が映らないっていうのは」
「fantasy」
「血を飲まないと死ぬっていうのは」
「reality」
「空を自由に飛べ…」
「romantic!!」

「完成ですね」「イェーイ!」
「私はね? (飲み物が)血ユウハイだけどね」
などなど、今後も絡みが楽しみだ。そのうちはるたんって言いだしかねない空気だ。

田中圭の魅力が生きる”虎松”

前回は口は悪いが優しい一面を見せた虎松、今回は恋人やその家族にまっすぐ向き合う魅力を見せてくれた。

「はじめは怖いなと思いました」
「吸血鬼とか人間とか、そんなのは関係なくて、俺はみなさんと家族になりたいです。こころさんと、結婚させてください」

めっちゃいい挨拶~!

しかしこれに対する海造の答えが
「いやだ いーやーだー」
「ヤダヤダヤダヤダ〜」
で笑った。「おっさんずラブ」で観たような。

”こことら”も相変わらず最高
ラストの青空の下でのキスシーン、最高だった。

「あたしと結婚したらさ、天気のいい日に海も行けないよ?」
「じゃあ屋内プール行こう」
「ハワイに新婚旅行も行けないよ」
「じゃあヨーロッパにオーロラ見に行こう」
「夜しかデートできないよ」
「共働きだしそんなもんだろ」
「にんにくマシマシのラーメン食べられないよ」
「キスしない日に食べるわ」

全部ポジティブに変えてくれる虎松、好き~!
こんなに素敵だし、周りの人たちもあたたかいのに、悲劇的な展開になってしまうのだろうか。嫌だなぁ。

虎松の回想がまた出てくる。お父さんと2人で過ごした記憶。父子家庭だったようだ。
殺人現場でもフラッシュバックしていて、また過去が気になる。事件らしきシーン、もしかして加害者なのでは? という気もしてきた。でも今警察官だしなぁ……。

更新されるラスト

雨に濡れた地面に横たわるこころの先には、横たわる男性らしき手が。これは虎松なのか……?
虎松の言えない秘密とは何なのだろう。次回の展開も楽しみだ。
ちなみに世々塚(小手伸也)のアドリブ、「どこに行こうというのかね」がラピュタのムスカだった。

※この記事は「unknown」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

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降りしきる雨、走ってくる男性。その姿は必死に誰かを探しているようで…。
 地面に倒れて動かないウエディングドレス姿の女性。血まみれの手には結婚指輪が光っている。その女性は、闇原こころである―。
 やがて、こころが目を覚ますと、視線の先には指輪をした男性が倒れていて――。

 吸血鬼ハウスへの実家訪問を経て、改めて“夫婦”となることを決意した、闇原こころ(高畑充希)と朝田虎松(田中圭)。早速2人は、指輪選び、式場の予約、新居探し…など、新生活に向けて動き出す!
そんな中、「虎松の親に挨拶したい」とこころの母・闇原伊織(麻生久美子)と父・闇原海造(吉田鋼太郎)が言い出すも、虎松はなぜかそれを拒否。こころに「しつこいな」と声を荒げてしまい、2人は気まずい空気になってしまう…。

 考えてみれば、虎松の父親のことも、前妻との離婚の理由も、なにも知らない…。その一方で、自分は全てを告白したのに、 秘密を抱えたままなにも教えてくれない虎松に、不満を募らせてゆくこころ。そんな様子を見た相棒のカメラマン・加賀美圭介(町田啓太)は、こころに「じゃぁ別れちゃえば?」と言い放ち――。

 一方、春陽町で発生した殺人事件のことで本庁捜査一課の警部・南十字初(新納慎也)に呼び出された虎松は、捜査会議に出席することに。会議では、2018年から栄海町で発生している3件の事件と、先日の事件は《遺体から血を抜く》という手口が同じだったことから、同一犯による連続殺人事件として捜査することが決定。事件後、「わっしょいクリーニング」に持ち込まれた血のついたハンカチを分析した結果、被害者の血液であることが判明したため、虎松は南十字から若手刑事・闇原漣(井上祐貴)とペアを組んで、ハンカチを預けた人物を特定するよう命じられる。2人は町で聞き込みを始めるのだが、漣はまつりの息子・五十嵐大五郎(曽田陵介)が描いた落書きが気になるようで……?

動き出す三角関係。
ついに明かされる夫の秘密―。
そしてこころに忍び寄る、怪しい影の正体とは…?

第3話のレビュー

こころ(高畑充希)の実家への挨拶も済み、いよいよ結婚へと動き出すこころと虎松(田中圭)。
虎松の抱える秘密の正体と、加賀美(町田啓太)のこころへの愛の深さが明らかになった回だった。

過去の話をしたがらない虎松

同棲を開始した2人。ガサツすぎるこころと、几帳面できれい好きな虎松。
決めた冷蔵庫の配置を守らず、リモコンはソファの隙間にはさまり、玄関には靴が散乱。
さすがに耐えかねた虎松は寝ているこころを起こすが(起こすのはちょっと嫌だな……)、「こういう私も受け入れて!」と叫ぶこころ。両極端すぎる2人は「トラちゃんが細かすぎる!」「普通はこうするだろ」とお互い職場で愚痴る。

ここで虎松をたしなめる世々塚(小手伸也)の言葉がよかった。
「止まらないね愚痴松。お前の普通が他人にとっても普通とは限らないからな
それな。

そしてここで「あの事、まだ言えてないのか?」という話になる。
虎松の秘密とは、どんなことなのだろうか。

結婚式の準備にあたり、両親に挨拶したいと言われたこともあり、虎松の家族や過去のことが気になり始めるこころ。だが、家族や過去の話になると消極的になる虎松は、父は死んだと言う。こころが「せめてお墓参りを」と言うと「しつこいな」と怒り出してしまう。
これまでの虎松の雰囲気からすると意外な言い方に、こころだけでなく観ているこちらもびっくりする。
余程重い事情がありそうだ。

ちなみに、ウェディングプランナーとして登場したのは「おっさんずラブ-in the sky-」(シーズン2)に出演していた千葉雄大だ。登場期間は短かったがアクが強い。また、こころの母・伊織(麻生久美子)の大ファンである世々塚は、結婚式の準備とかこつけて直接会えるのを楽しみにするが、実物を前にして真横にぶっ倒れる姿が漫画のようだった。

加賀美の深い愛

今回もコロ介こと加賀美のファインプレーが光った。
血を忘れてふらつくこころを抱き止め、虎松とケンカをして落ち込むこころを励ます。
励ますというのは、こころを噴水に引っ張って自分も入るという激しめなやり方。人によってはキレそうだが、こころは笑顔になったのでよかった。濡れて座り込んで「やっと笑った」と笑う加賀美が美しい。

「財布を忘れた」という加賀美は虎松の勤める交番へ。
こころと加賀美の仲の良さを警戒していた虎松だったが、
「俺も昔警察官になりたかったな」「警察官は立派な人しかなれないから」と言う加賀美に
「そんな事ないと思うけど。大事なのは今じゃない?」と励まそうとする。いい人だ。

「虎さん」「こころさんを泣かせたら」とすごむかと思えば、かわいい困り顔で「俺も泣きますからね」と言って去っていく加賀美。自動販売機の前で財布を出す。財布を忘れたわけではなく、あえて虎松に会いにいったのだろうか。飲み物を買うと、また笑顔を作って歩いていった。

町田啓太の顔がいいのはもちろんわかっているのだが、それにしても加賀美は妙に美しすぎるというか、色気があるというか、何かを秘めたような切実な表情に感じられて、どうにも気になる。

加賀美が警察官になりたかったと言ったとき、虎松が「踊る(大走査線)」?「時効警察」(のどちらに影響を受けたのか)? と聞き、加賀美が「逮捕しちゃうぞ」と答えるとすかさず「名作アニメ!」と反応するやりとりにクスっときた(世代)。

ちなみに「虎さん」と呼ばれた虎松は「俺はフーテン(の寅さん)じゃねーよ」というツッコミを入れていた(こちらは世代ではない)。



予告から気になっていた、加賀美のバックハグ。でも実際は違った。
こころが刺されそうになったところを身を挺して守ったのだった。コロ介、あんたって奴は……!
幸いケガは大したことなく済んだようでよかった。

こころの虎松へのメッセージに泣きそう

刺されそうになる前、会社で結婚式の作業をしていたこころ。
こころが寝てしまった後、虎松は彼女のメッセージに気づく。

「最初の出会いは最悪でした」

「いつも心配性のトラちゃんだけど、私は怪力だから大丈夫。私がずっとトラちゃんを守ってあげる」
「家族にだって言えないことはあるよね。それでも、私と家族になること、大事に思ってくれているのがわかったから、私は大丈夫。無理しなくていいからね。 こころ」

ついに明かされる虎松の秘密。彼の父親は……

こころからのメッセージを読んだ虎松は、寝顔を見ながら告白する。

「あのさ、俺のさ……」

彼が思い出すのは、以前も出てきた事件の光景。
高校生当時の虎松らしき少年が見たのは、血の海に倒れる人と、血に濡れた刃物を持ち、返り血を浴びる父親の姿だった。この父親、井浦新だった。血まみれで静かに微笑む井浦新、怖い。怖いけどこういう役、似合いすぎる(ちなみに映画『光』の彼も怖いのでおすすめである)。
 



「俺の親父は……殺人犯なんだ」

そう告げた虎松は部屋を飛び出し、泣いていた。その瞬間、こころはハッとした表情で目を開けた。おそらく、すべて聞いていたのだ。

田中圭の子どものような泣き顔が切ない。これまでどんなに苦しんできたのだろうか。
彼が悪いわけではないのに。加賀美に言った「大事なのは今じゃない?」という言葉は、自分自身にも言い聞かせてきたことなのかもしれない。

以前の回想では父親と仲が良かった様子もあったので、より衝撃的な出来事だったのだろう。
父親はなぜ、そんな事件を起こしたのだろうか。なぜ、笑っていたのだろうか。

今週の考察タイム

MEGUMIが危ない? 

結婚式に向け、ジムに入会したこころが親しくなった女性(MEGUMI)。なんと、実年齢は45歳だが彼氏には28歳と偽っているのだという。さすがにサバを読みすぎだろう……(笑)。井浦新とMEGUMIは、「unknown」と同じく貴島彩理がプロデューサーを務めた「あのときキスしておけば」で夫婦を演じていた2人だ。麻生久美子も出ていたので、かなり主要メンバーが揃っている。主演だった松坂桃李もこの後出てきたりするのだろうか。

前回殺された女性は、こころが忘れそうになった傘を渡した相手だった。
今回MEGUMIはこころが落とした紙を拾ってくれた。殺されないか少し心配になってしまう。

そしてもし”こころが触れたもの”が原因だとしたら、こころに執着している人=加賀美、触れたものがわかる=匂いがわかる=鼻が利く……加賀美は狼男だったりして。吸血鬼と狼男は天敵という設定になっていることも多いが、だから友達としてそばにいるに留めている……? などと想像してしまった。

こころの弟・漣が気にする”絵”

こころの弟・漣(井上祐貴)は、こころと違って日中外にいても平気そう。同じ吸血鬼でも体質が多少違うのか、理由あって吸血鬼ではないのに弟として育てられたのか……。彼はまつり(ファーストサマーウイカ)を見たときに目の色を変えた。好意なのか、それとも何かを知っているのか……。そして漣はクリーニング店に描かれていたまつりの息子・大五郎(曽田陵介)の絵のことも気にしていた。殺人現場に残された絵と関係があるのだろうか。

「アガサ・クリスティの小説だったら、最後みんな死んでるよね」
居酒屋での会話で出てきたセリフ、フラグにならないといいのだが……。

毎回恒例、例の映像

血の付いたウェディングドレスを着たこころは起き上がり悲鳴をあげたので、無事なようだ。
彼女が見ているのは、指輪をした男性が倒れている姿。相手は虎松なのだろうか……?
そしてこころの後ろには、色の濃いスーツを着た男性が。首の下までは映されたが、顔は映らなかった。

多分これは、こころと虎松の結婚式で起こった出来事なのではないだろうか。
こころの元に現れたのは、参列者の男性の中の誰か。細身だったから、加賀美なのか、漣なのか、それとも……?

※この記事は「unknown」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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「俺の親父は、殺人犯なんだ…」 

   ついに明かされた“夫の秘密”。
 眠るこころ(高畑充希)に、つぶやくように真実を告げた虎松(田中圭)は
 部屋を飛び出し、ひとり涙する。
 まさか、こころが実は目を醒ましていたとも露知らず――。

 翌朝、あまりに重い秘密を知ってしまい動揺するこころだが、いつも通りに朝食を食べる虎松の様子を見て、「実は寝てませんでした!あなたの告白、聞いちゃってました!」など言えるはずもなく…。
 悩んだ末に、昔から虎松を知る先輩警察官・世々塚(小手伸也)を呼び出したこころは、虎松の父・一条彪牙(井浦新)が20年前に巻き起こった一家惨殺事件の犯人で、その第一発見者が当時中学生だった虎松だった…という衝撃の真相を知る。

 自分の知らなかった“虎松の素顔”に、葛藤するこころ。時を同じくして、父親の海造(吉田鋼太郎)にも、虎松が「殺人犯の息子」であるという真実を知られてしまい、「婚約は破棄だ!」と大反対されてしまい…。

 一方、春陽町で起こった「血を抜かれた連続殺人事件」に新展開が訪れる。現場に残された「吸血鬼の落書き」と「413」という数字は、殺害予告ではないか…と、闇原漣(井上祐貴)が主張しはじめたのだ。捜査本部の南十字初(新納慎也)と虎松は、落書きをした人物の特定を急ぎ始める。更に漣は、「虎松の父親の事件も、まだ解決したとは思っていない」と意味深な発言を残し…。

 そんな中、こころは自分をかばって刺され、仕事を休んでいる加賀美圭介(町田啓太)の様子を見に自宅へ――。熱にうなされる加賀美を心配して、看病しようとするこころだが、ついつい自分の抱えた悩みを相談し始めてしまう。いつも加賀美の優しさに甘えてばかりだ―そう思ったこころは、ふと加賀美に「ありがとう」と言葉を投げかける。すると加賀美は突然、こころを荒々しく引き寄せて…?

夫の壮絶な秘密を知ってしまった時、妻は――。
婚約破棄の危機の中、加速していく三角関係。
そして、繋がりはじめた連続殺人事件の謎――。
こころ、虎松、そして平和なはずの春陽町に、殺人鬼の足音が忍び寄る…。

第4話のレビュー

「俺の親父は殺人犯なんだ」

ついに明かされた、虎松(田中圭)の秘密。
虎松は寝ているこころ(高畑充希)に向かって話したつもりだったが、こころは起きていた。
このため虎松は打ち明けねばならないと悩み、聞いてしまったこころは虎松に打ち明けられたらどう反応するべきか悩む。

虎松の父・彪牙(井浦新)が起こした一家惨殺事件について調べ始めたこころ。そうこうするうちに父・海造(吉田鋼太郎)に、虎松の父のことがバレてしまう。

衝撃の受け方も独特なパパ。「オーエムジー(おそらくOMG)」と叫ぶ。
そして激怒し、婚約破棄だ! と言い出す。
海造とこころが「むりむりむりむり」と早口で言い合っているのに笑ってしまう。

海造は虎松の父が殺人犯だったことに怒っているのではなく、そんな大切なことを結婚が決まっても隠していることに怒っていたのだった。確かに、それはそうだ。

志尊淳、ポンコツカメラマン役で登場

こころをかばって刺され、ケガをした加賀美(町田啓太)のピンチヒッターとして表れた座山道男(ドーダン)として登場したのは、制作陣が同じ映画『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』にも登場した志尊淳。高畑充希とは、ドラマ「ムチャブリ! わたしが社長になるなんて」で、反発し合いながらも惹かれ合う社長と部下を演じていた。

加賀美と分け合っているチューペットを片方渡そうとしたこころに「8時以降は食わないんで」とキッパリと断り、撮りたい相手が店から出てきたら大声を出し、カメラはバッテリー切れで使えない。仕方なくこころがスマホを貸すと、フラッシュを光らせ、追いかけるものの相手を撮らず自撮りしてしまった。まじで想像以上に使えねぇ……。

「まじでイライラする、なんの時間だったんだよ」とキレるこころ。もっともな怒りだ。

こころの言葉が素晴らしい

こころは、自分の気持ちを海造に話す。

「トラちゃんは、私のことも受け入れてくれた」
「婚約は破棄しない。私は虎松さんを愛してるから」

実は虎松は、真実を話そうとこころの実家に来ていたのだ。
こころのあたたかく強い言葉を聞き、廊下に座って号泣する虎松。
その言葉を聞いた海造が虎松を見てびっくりした後

「娘を傷つけたら許さないからな」
「それと一人で抱え込むのはやめなさい。こういうとき頼りになるのが家族なんじゃないのか」

パパ~!!
つまりそれは、虎松を家族として認めるということでもあり……。
「私も虎ちゃん大好き」と言う伊織(麻生久美子)。
この一家はいつも愛にあふれている。

加賀美、ついに行動に出る

居酒屋「どんぞこ」の源治(酒向芳)と聖夜(長田成哉)は、実は親子ではなく、恋愛関係にあるパートナーだった。こころと虎松がたまたまウェディングドレスを試着していると、記念写真を撮ろうとしていた2人がケンカしていて判明したのだ。そして後日、聖夜は「源治が加賀美と浮気している」とこころに相談。加賀美の気持ちを確かめてほしいと言う。

断れなかったこころは、加賀美の家に行き「好きな人いるの?」と聞く。いや、こころ、いくらなんでも鈍感すぎィ!! っていうか結婚前後なのに仕事相手とはいえ男性の家に一人で入るの、迂闊といえば迂闊だな。
加賀美はこころのパーカーの紐をつかんで引き寄せ、キスできそうな距離に。ドキッとしたところでフードをかぶせて紐を引っ張り、ギャグっぽい空気になる。ごまかしたけど、ちょっと本気だったと思う。



そしてラスト、こころにキスしようとしたがニンニクを食べていて止められた虎松は、持参した歯磨きセットを持って公衆トイレに。一人で待つこころの前に現れた加賀美は、こころにキスするのだった。

め、めちゃくちゃ顔がいい~! ……じゃなくて、なぜ今~!!? だってこれまであんなに我慢してきたのに、こころと虎松が結婚したここで崩してしまうの……? それとも、何かトリガーがあったのだろうか。

今週の考察タイム

イラストを描いたとしてまつり(ファーストサマーウイカ)の息子・大五郎(曽田陵介)が疑われたが、彼は犯人ではない気がする。本当にそうだったら隠さなすぎだし、本編にそこまで関わってきていないからだ。というわけで、今週もあやしいポイントを考えていきたい。

加賀美の正体は……

今まで我慢していたのに、ついにこころに対して行動を起こした加賀美。なぜこのタイミングだったのだろう。そして、彼の発言に怪しいところがあった。コロッケが好きなのは母親が作ってくれたから、と言ったのに、こころが聞くと「俺、施設育ちなんだ」と言い出した。施設育ちが嘘だとは思わないけど、話の流れ的になんだかおかしい。母親や実家の話をそれ以上聞かれることを避けたように感じてしまった。
そして、美味しい料理を作ってくれる親がいたけれど何らかの出来事があって施設育ちになった、と考えられる。

もしかして、加賀美は虎松の父が起こしたとされる一家惨殺事件の生き残りだったりはしないだろうか。
そう思って現場にあった家族写真を見ると、男の子と見られる子の目鼻立ちがくっきりしているところが加賀美っぽい気もしてくる。そうだとすると、犯人の息子である虎松を憎んでいて、彼の大切なものを奪おうとしているのか……。でも、こころに対して特別な感情を抱いていたのも嘘のようには見えない。

世々塚(小手伸也)もあやしい

世々塚もあやしかった。押しかけた虎松が気にしないからいいだろと言っても聞かず、片付けるからと虎松を外で待たせた。「見られるとまずいものがあった」もしくは「いると気づかれたらまずい人がいた」?
でも、虎松を支えてきた人の言動が嘘だったら嫌だなぁ。

今回は事件当時の虎松を思い出し、「父親でいさせてくれ」と抱き合う場面もあった。その言葉は嘘でないと思いたい。そして個人的にスルーできなかったのは、世々塚の部屋に相川七瀬のポスターが貼られていたことだ。アルバム「Red」と「paradox」のものだった。筆者、当時CDを買ったので勝手に興奮した。

でも、バツ5なのにずっと一人暮らしに見えるこの家に住み、リビングに趣味のポスターを貼りっぱなしなんてこと、あるのだろうか……?

虎松の父は、本当に犯人?

虎松の父親は、本当に犯人なのだろうか。確かに返り血を浴び、凶器を持っていたことは確かだが、実際に殺している映像は流れていない。それに、殺した後にあんなに優しい顔で笑えるだろうか。いや、殺人に快楽を覚えるタイプの人間ならありうる話だが、あの笑顔は誰かに向けて「もう大丈夫だよ」と言っているような、優しく微笑んでいる顔に見えた。笑いかけた相手は位置的に虎松に見えるが……。

誰かをかばった、というような可能性はないのだろうか……。
投身自殺をはかったと書かれているが、本当に亡くなったのだろうか。
公式サイトのプロフィールには、元高校教師という情報も追加されていた。

虎松以外に、彼に関係していた人がいるのではないだろうか。

毎回恒例、例の映像
血の付いたウェディングドレスを着て倒れていたが起き上がり、悲鳴をあげたこころ。
彼女が見ているのは、指輪をした男性が倒れている姿。
そしてこころの後ろにいた色の濃いスーツを着た男性は、弟の漣(井上祐貴)と、加賀美だった。
つまりこの2人は、終盤まで無事なようだ。

次回、主要人物の中から犠牲者が


次回予告、映った人物の中の誰かが連続殺人の犠牲になることが明かされる。
い、嫌だよーー!! もう彼らのことをかなり好きになっているのに、そんなのつらすぎる。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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「……ダメだった?」
 雨が降り注ぐバス停で、朝田虎松(田中圭)が目撃したのは、突然現れた加賀美圭介(町田啓太)が妻・闇原こころ(高畑充希)にキスをする姿だった―。
 衝撃の場面を目撃した虎松は、激しく動揺しながらも加賀美に詰め寄る。しかし加賀美はまったく悪びれる様子がないどころか、なぜか虎松に好意的。要領を得ない加賀美の反応に、思わず拍子抜けするも納得のいかない虎松。そんな中、いまだ未解決の“遺体から血が抜かれる連続殺人事件“の捜査本部から呼び出しの電話が掛かってくる。

 4人目の被害者の殺害現場の近くで見つかった吸血鬼と「413」という数字の落書きは、犯行日以前に描かれたもので、なんと“殺害予告”だと判明。更に、この落書きをした人物を「わっしょいクリーニング」の五十嵐まつり(ファーストサマーウイカ)の18歳のひとり息子・五十嵐大五郎(曽田陵介)だと特定される――。驚きを隠せない虎松と漣(井上祐貴)を横目に、捜査本部では大五郎を事情聴取することになる。

 時を同じくして、新たな殺害予告―“吸血鬼の落書きと「514」という数字”の落書きが見つかる。つまり“第5の殺人”まであと3日――。
 被疑者である大五郎にアリバイはなく、そしてなぜか本人は頑なに黙秘を貫いて―。

 一方、加賀美にキスされた理由がわからずモヤモヤするこころ。職場で顔を合わせても相変わらず飄々としている加賀美に、2人きりになった車の中で、真意を探ろうとする。しかし、加賀美は不安げな表情を浮かべ「嫌いになった…?」と呟いて…。そんな2人の姿を、車の外から目撃した虎松は、思わず嫉妬心が燃え上がり―。

 世間が18歳の少年のセンセーショナルな犯罪に盛り上がり、あらぬ憶測や誹謗中傷が飛び交う中、無情にも“殺害予告”の当日がやってくる。

ついに訪れる“第5の殺人”。
物語は予想もつかぬ悲劇へ。
連続殺人鬼の犠牲になるのは、果たして誰―?

第5話のレビュー

虎松(田中圭)の見ているところで、こころ(高畑充希)にキスをした加賀美(町田啓太)は、「ダメだった?」とキョトンとする。ダメかダメじゃないかで言ったらダメだろう、観ているこちら的には眼福だったのでダメじゃないけど。

まつりの息子、大五郎に疑いがかかる

”吸血鬼殺人事件”の現場に残されていた落書きが殺人予告だと判明し、五十嵐まつり(ファーストサマーウイカ)の息子・大五郎(曽田陵介)だと特定され、事情聴取を受けることに。虎松と世々塚(小手伸也)、漣(井上祐貴)はまつりの働くクリーニング店へ。まつりは取り乱し、ネットには根も葉もない噂が書かれる。

虎松と漣がさらに聞き込みを続けると、聞けば聞くほど大五郎はいい奴だった。だがアリバイはなく、黙秘を続けている。頑なに何も話さないのはなぜだろうか。犯人のことを、何か知っているのだろうか。ちなみに漣はまつりに一目ぼれしていた模様。

悪びれない加賀美の真意は?

こころにキスをしたところを虎松に見られたが、全く悪びれない加賀美。虎松に笑いかけ、けん制されても笑顔でじゃれ返す。よくわからないけどいちいち反応がかわいい。あと顔がいい。気になったのは、いつかと違い、こころと虎松の姿が見えなくなっても笑顔を崩さなかったこと。作り笑いではなかったということなのか? こころに何らかの親愛の念があるのは本当だろうし、以前虎松と直接話したことで何らかの疑念が晴れたということなのか。でも何でキス……? 引き続き動向が気になる。

海造(吉田鋼太郎)の口から出た、いにしえのSNS

これまで吸血鬼っぽいところがわからなかった漣だったが、聞き込み捜査中に倒れる。こころに比べると軽そうではあるものの、やはり日中長時間の外出は厳しかったのだろうか。時を同じくして、伊織(麻生久美子)もぐったりしていた。お偉いさんの前で断れず、にんにくの丸焼きを食べたというのだ。伊織ならかわいく食べられないと言って切り抜けたりできそうな気もするけど、意外と気を遣うのだなぁ。でも命に関わりそうで心配だ。

少し気になったのは海造はずっと伊織の名を呼んでいるが、漣に対しては名前を呼ばず、そこまで必死ではないこと。もちろん伊織ラブな海造なのでわかるのだが、子供なのでもう少し心配してもいいような。仮にこれがこころだったら、もっと騒ぎそうだからだ。男女の差なのだろうか。

そしてSNSの恐ろしさについて語る海造。彼の口から出たのはなんと「mixi」ミクシィ~!! 懐かし~!!! 「吸血鬼大好き」というコミュニティも、足あとをたくさんつけられたことも恐ろしいと言っているが、こころと虎松に「それは人気ってことだよ」と言われてなんだか嬉しそう。mixiのコミュニティ、プロフィールページにアイコンが並ぶのがうれしかったなぁ……とちょっとうれしくなってしまった元ヘビーユーザーだった。

大五郎の疑いは晴れたが、第5の犠牲者が……

大五郎が口を割らなかったのは、母の日に向けてこっそりまつりの絵を描いていたからだった。
つづりは間違っているが、ありがとうとごめんねと入った素敵な絵だった。
海造が提供したレントゲン写真により大五郎は無事釈放となり、虎松はまつりにそのことを電話。みんなで居酒屋「どんぞこ」で落ち合おうと約束する。

虎松と漣と一緒に、絵を取りに行って花束を買う大五郎。このあたりでBGMが少なくなる。
ああもう何かこれ、絶対何か起こるフラグじゃん。
そう、前回ラストで主要人物の中から連続殺人の犠牲者が出ることが予告されていた。
大五郎は一人じゃないから大丈夫そうだし、「どんぞこ」にもいつものメンツがほぼ揃っている。

一方クリーニング店で、大五郎の描いた絵を見ながら安堵の表情を浮かべるまつり。
ああもうこれ、そういうことじゃん……お願いだからやめてほしい。
まつりの背後で引き戸の音がし、振り返ったまつりの笑顔が消える。

そしてーー「どんぞこ」に現れないまつりを心配し、大五郎とこころが様子を見に行くことに。
花を持って店頭にいないまつりを探す大五郎。ああ……。
店の奥で倒れているまつり。血だまりができ、首には一連の事件と同じ傷が。
明らかにもう生きていない。
血だまりの上に落ちる、大五郎の花。
大五郎、かわいそうすぎる……。

今週の考察タイム

まつりが犠牲となってしまった。

まつりの表情

振り返ったまつりは、笑顔から真顔になっていた。

考えられるのは、面識のない人物・面識はあるが望ましくない人物・面識の有無はわからないが、すでに相手が凶器を持っているのがわかった、などだろうか。でもまつりは客商売、面識がないというだけではあんな顔にならないかもしれない。少なくとも、あのとき居酒屋にいた人たちは犯人ではないということか。

虎松の父、やっぱり生きていた

虎松はある人物と目が合って愕然とする。何とそれは、死んだと思っていた虎松の父で一家惨殺事件を起こした彪牙(井浦新)だった。虎松に会いに来たのだろうか。でも明らかにあやしい彪牙が犯人というのは意外性がなさすぎて、ない気もする……。

暁凛(MEGUMI)の嘘(?)と表情

ついに名前が明らかになったこころのジム友、暁凛。「人の人生に足を突っ込む仕事」をしていると言ったが、こころに聞き返されて占い師と言ったのが何かをごまかしているよう見えた。そしてこころが週刊誌の記者で犯人を捕まえたいと言い去った後、複雑な表情をしていた。何か知っているのか、もしくはこころにわざと近づいてきたのか(探偵とか……?)。

モノクロシーン、世々塚の真顔

恒例のモノクロシーン、漣と加賀美のほかに世々塚も登場。だが彼は他の2人とは違い、動揺していなさそうだった。どういうことだろうか……?

こことら仲直りのキス、誰かが見ていた?

こころと加賀美のキスを見ていた虎松は怒っていたが、こころと仲直り。家でキスする2人に、外からの目線が。誰かが見ていたのか……? 何階だっけ。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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“血を抜かれた殺人事件”の5番目の犠牲者は、なんと「わっしょいクリーニング」の店主・五十嵐まつり(ファーストサマーウイカ)だった――。
 悲嘆にくれる春陽町の面々。当初、犯人だと疑われていた息子の大五郎(曽田陵介)は葬儀場で、南十字初(新納慎也)ら警察関係者に詰め寄る。「お前らのせいで…母ちゃんを返せよ!」。

 一方、まつりの死が発覚する直前、20年前に殺人事件を起こし、自殺したはずの父親・一条彪牙(井浦新)の姿を目撃した朝田虎松(田中圭)は、恐怖に怯え始める。あれは現実なのか、はたまた自分が見た幻影なのか。もし父親が生きていたのだとすれば、何の目的でいま現れたのか…自分を殺しに来た?それともこころを…?これまでの事件も全て彼の犯行なのか?真相を確かめるため、世々塚幸雄(小手伸也)と共に一条を探し始める虎松だが、「もしアイツに会ったら俺、何するかわからないです」と震えが止まらなくなる。

 そんな夫の異変に気付きながらも、自分が虎松を支えねばと明るく振る舞っていた闇原こころ(高畑充希)だが、親友の死を抱え切れるはずもなく、加賀美圭介(町田啓太)のふとした優しさに張り詰めていた糸が切れ、会社でボロボロ泣き出してしまう…。
 まもなく結婚式だというのに、すれ違ってしまう2人の様子を見た加賀美は、ある朝突然、こころと虎松を車に乗せ、なぜかさくらんぼ狩りに連れ出して…?

そして迎えた“運命の結婚式”、
奇しくもその日、新たな殺害予告が発見される。
参列者に紛れて現れる殺人鬼。
無情にも式場には雨が降り注ぎ…。

ついに血塗られたウェディングの真相が明かされる―!
次なる殺人鬼の犠牲は、誰だ…!?

第6話のレビュー

ついに仲間内から犠牲者が出てしまった。こころ(高畑充希)が釈放された大五郎(曽田陵介)とともにクリーニング店に行くと、そこには変わり果てたまつり(ファーストサマーウイカ)の姿が。

まつりの死を悲しむ仲間たち

まつりの葬式に訪れる南十字(新納慎也)に、「お前たちが大五郎を逮捕しなければまつりは死なずに済んだ」と怒りをあらわにする梅ばあ(木野花)と大五郎。怒るのも無理はない。遺影のいい笑顔も、母の日に渡すはずだった大五郎の絵も、まつりの明るい人柄を思わせる笑顔で悲しい。

葬式後、「どんぞこ」で、まつりがいつも飲んでいたレモンサワーをみんなで飲む。父・一条彪牙(ひゅうが・井浦新)の姿を見ていた虎松(田中圭)は、同じく悲しんでいるこころから見ても異様なほど落ち込み心配されていた。だが、父親の姿を見たことをなかなか言い出せない。

加賀美の優しさがしみる

職場で加賀美(町田啓太)に気遣われ、「いちばんつらいのはトラちゃんだから」「私は大丈夫」と笑顔を見せるこころ。だが、加賀美にいつものチューペットアイス半分をもらってかじると、涙が止まらなくなる。そんなこころを見てさりげなく他の人から見えないように、かつ泣いているこころを見ないように背を向けて机に座る加賀美。コロ介お前ってやつは……!!! さらに直接的な励ましの言葉をかけるのではなく、白いチューペットを見て「白って何味なんだろ。雪?」と関係ないどうでもいい話をしてこころを笑わせる。

うーんやっぱりいいやつだなぁ加賀美。疑わしいところもあるけれど、こころへの優しさは本物に見えるしそう思いたい。

こことらすれ違いからのトリプル(?)デート

結婚式を延期したいという虎松。理由としてついに彪牙を見たことを打ち明けるが、こころは「何で黙ってたの? 嘘ついてたってこと?」「お父さんが生きててよかったじゃん」などとまくし立て、怒ってしまう。父親が殺人犯だったことをなかなか打ち明けられなかった虎松に、あんなに優しく声をかけたこころらしからぬ発言と態度だが、親しかったまつりが殺され、結婚式直前というタイミングでこころも気持ちが不安定なのかもしれない。

走り去るこころを追いかけられない虎松。追いかける加賀美に「あんたはいいんだよ」と言う梅ばあ(それはそう)。加賀美はこころを実家に送り、虎松はひとり家に帰る。目覚めると加賀美がやってきてやや強引に車の後部座席へ。助手席にはこころが乗っているが、怒っているのでめちゃくちゃ冷たい。加賀美に「トリプルデートで帰れま10」というしおりをもらい、3人でデートすることに(なぜ)。

「トリプルデートは本来3組のカップルでするものなのでは?」とツッコむ虎松に続く「そうか、じゃあ3ショットデート?」「バチェラーみたい」「こころさん、ファーストローズです」のここコロ(こころと加賀美)のやり取りが息ピッタリだし、「渡すな」「受け取るな」という虎松のツッコミの瞬発力もすごい。

加賀美に飴をあーんして食べさせてあげ、虎松には袋ごと投げつけ、さくらんぼ狩りの間も2人でキャッキャするのをジト目で見つめる虎松……と面白いけど虎松がかわいそうな展開に。でも結局仲良く盛り上がる3人がめちゃくちゃ可愛くて、しんどいシーンが続いていたので癒された。

結婚式当日、殺されたのは……そして

ついに結婚式当日。おめでたい日ではあるが、毎回冒頭とラストで見せられてきた血まみれ事件の映像はおそらく結婚式のものなので、観ているこちらは気が気じゃない。

ついにあのシーン。こころの傍らに倒れていたのは、彪牙だった。ああ……。驚く漣(井上祐貴)と加賀美、真顔の世々塚(小手伸也)の後に現れたのは、虎松だった。そしてこころの手には、血まみれのアイスピックが。

「違うの」と言うこころだが、虎松の顔は完全に疑いの目を向けているように見える。この状況、昔一家惨殺事件を虎松が目撃したときと同じ「現場に駆け付けたら親しい人が血まみれの凶器を持っていた」状況なのだ。こころが起き上がるところから見ていれば、倒れている彪牙を見て悲鳴を上げた彼女が犯人ではないと思うが、他の人が駆け付けたのはその後。こころはどうなるーー?

次回予告で、こころは捕まり取り調べを受けているようだ。そしてこころもまた、確かな疑いを向ける相手がいた様子。

暁凛(MEGUMI)、虎松の元妻で刑事だった!

以前から正体が気になっていたMEGUMI演じるこころのジム友だが、前回放送後に名前が公開された。今回、虎松に「久しぶり」と声をかけたところから、元妻か? と思ったが、次回予告でそうであることが確定。

さらに、次回のストーリーとプロフィールにより、警視庁捜査一課未解決事件捜査班の刑事であることが判明した。このドラマ、プロフィールや次回のストーリーにサラッと大事なことが書かれているから要注意だ。

今週の考察タイム

彪牙が殺され、明らかになるかもしれなかった真実がわからなくなってしまった。だが彼が殺されたということは、彼が連続殺人犯ではないということだろうか。

20年前の事件の犯人は本当に彪牙なのだろうか。彼は凶器を持っていだが、実際に殺しているシーンは今のところ出ていない。虎松に発見されたときに何か言っていたのが気になる。本当に犯人なのだろうか……? 誰かをかばっているのではないのだろうか。でも彼がそこまでしてかばいそうなのって、虎松か世々塚か、生徒想いの先生だったことから生徒くらいしか思いつかない。

彼が虎松の前に現れようとしていたのは、何か伝えたいことがあったのではないだろうか。20年姿をくらませていたのに現れたということは、虎松の身に危険がおよぶような何かとか。

彪牙が刺されていたのは首ではないように見えた。また、犯行予告ではコウモリのような絵は4つ。4人同時に殺す予定だったのかもしれない。そう考えると、この殺人は連続事件とは別、もしくは犯人にとって予定外の殺人だったということか。

別だとすると、彪牙は20年前の事件の犯人ではなく、彼が生きていることを知った真犯人が口封じのために殺した可能性がある。そうであれば、今回の犯人は、彪牙が生きているのを知っている人間になる。彪牙が倒れて驚いている人物の中に、連続殺人犯がいる可能性もあるのか……。そしてもし4人同時に殺す予定だったのだとすると、狙われたのは誰なのだろう。

虎松の回想シーンで、いちばんはじめに倒れていた「カズマ兄」はやはり加賀美に似て見えた。年齢的に合わないからあれは加賀美ではないとして、やはり加賀美は一家惨殺の生き残りだったりするのだろうか。

伊織(麻生久美子)から日傘を預けられた際に加賀美が言った「日焼けしたらやばいですもんね」も気になる。こころは加賀美に吸血鬼だということまでは言っていないからだ(日光に弱いという話をしているのかもしれないが)。事件と関係あるかどうかは置いておいても、やはり何かを隠している。

とにもかくにも、次回捕まってしまうこころ。どうにかして疑いを晴らしてほしいし、本当の犯人は誰なの……?

※この記事は「unknown」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

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降りしきる雨、地面に広がる赤い血。血に塗れたウエディングドレス姿で倒れていた闇原こころ(高畑充希)が目を覚まし、悲鳴を上げる。次々に駆けつける目撃者たち、そして最後に現れた人物は、朝田虎松(田中圭)だった―。
 目の前の惨劇に絶句する虎松。その視線の先には、血を流して死んでいる虎松の父親・一条彪牙(井浦新)と、血に濡れたアイスピックを握りしめる妻・こころの姿が。虎松を見上げてこころは呟く。
「私じゃない、信じて―?」

 無数に焚かれるフラッシュの中、警察に連行されていくこころ――。一体、結婚式で何があったのか。真相を確かめようとする虎松だが、被疑者の身内ゆえに捜査を外されてしまう。そんな中、死亡した一条と霊安室で対面する虎松。なぜ20年前に一家惨殺事件を起こしたのか、なぜ今になって姿を現し、なぜ結婚式場で死んだのか…わからないことだらけの状況に憤りと憎悪を噛みしめていると、ふと居酒屋どんぞこの店主・庭月源治(酒向芳)に声をかけられ―?

 一方、取調室のこころは、なぜか黙秘を貫いていた―。

 こころの取り調べを担当する、警視庁捜査一課未解決事件捜査班・暁凛(MEGUMI)が鋭い視線を送る中、世間では、結婚式が新たな殺害予告当日だったことから、まつり(ファーストサマーウイカ)の事件も含めた“血を抜かれた連続殺人事件”の犯人もこころである、と報道が始まる。娘が逮捕されたことが未だ信じられないこころの母・闇原伊織(麻生久美子)はキャスター降板の危機に…。父・闇原海造(吉田鋼太郎)は、虎松に“正当防衛の可能性はないか”と訴え始めて…!?

 やがて…沈黙を貫いていたこころが、ついに口を開く。
 「私は、夫を疑っている」

容疑者は最愛の妻―?
謎に包まれた“血を抜かれた”連続殺人事件、そして父親の死の謎―。
この街では誰も信じてはいけない。
秘密の中に潜む、もう1つの秘密とは…?

秘密を抱えた夫婦は、愛するがゆえに、疑い合う―。
犯人は妻?それとも夫…?

第7話のレビュー

ついに結婚式のあのシーン。血まみれのこころ(高畑充希)が目覚めると、傍らに倒れていたのは虎松(田中圭)の父・彪牙(井浦新)だった。驚く漣(井上祐貴)と加賀美(町田啓太)、真顔の世々塚(小手伸也)。そして虎松が駆け付けると、こころの手には、血まみれのアイスピックが。「違うの」と言うこころだったが……。

連行されるこころ、虎松と漣は捜査から外され……

凶器を持っていたこころは銃刀法違反となり連行される。被疑者の身内である虎松と漣は、捜査から外されてしまう。こころの取り調べを担当することになったのは、こころのジム友であり、虎松の元妻であることが判明した暁凛(MEGUMI)だった。
「占い師じゃなくて、警察官でした〜♡びっくりしたぁ?」
おどけて自己紹介する凛だが、そりゃびっくりするわ。ちなみに凛は、南十字(新納慎也)と同期だったらしい。まさか「真面目くん」というあだ名エピソードがここで出てくるとは……。

こころは一言も話さず、黙秘を貫いていた。誰かのことをかばっているようにしか思えないが……。
前回こころを呼び出したのは、誰だったのだろう。
そしてこころの首にはスタンガンと思われる傷があった。ちょうど、連続殺人事件の被害者たちの首にあったような傷だった。

彪牙の遺体と対面する虎松。そこには……

病院の霊安室で彪牙の遺体と対面する虎松。直前まで拒否していたが、世々塚に「なら警察官として会え」と説得されてきたのだ。死に顔を見ると、優しい父親だった頃の姿、事件現場で振り返ったとき、崖から飛び降りたとき……いろんなことを思い出す。

気持ちの行き場がなく「何なんだよ……」と言う虎松が視線を外すと、そこには源治(酒向芳)が。驚く虎松だが、なんと源治は高校教師時代、彪牙と同僚だったというのだ。

そして、前回気になっていた彪牙が事件の際、虎松のほうを振り返って発した言葉は「もう大丈夫だよ」だった。

田中圭&吉田鋼太郎のアドリブ劇場

家族はもちろん、加賀美や「どんぞこ」に集まる仲間たちは予想外の事態に戸惑い、こころを心配していた。「なぜこころが一条を刺したのか」「こころがそんなことをするはずがない」と、さまざまな思いの中で葛藤する。

こころの父・海造(吉田鋼太郎)は、彪牙がこころを襲い、正当防衛で刺してしまったのではと推測する。
そして虎松に実際の状況を再現するため、こころ役をやれと言う。ここで始まってしまう、「おっさんずラブ」を彷彿させる田中圭&吉田鋼太郎のアドリブ劇場。スタンガンを当てられた様子や悲鳴など「もっと!」と激しいリアクションを要求する。エスカレートし大変なことになる2人に、こんな状況なのに笑いが止まらない。そこへ血相を変えて止めに来る世々塚と源治。なんと2人が再現していたのは病院の通路だったのだ。とんでもねぇ。

海造がこころを心配する→わかる
虎松がこころを心配する→わかる
病院の通路でダイナミックな再現をする→わからない

待てよ、なぜ海造はスタンガンが使われたことを知っていたんだ……?
捜査関係者しか知らないはずでは?

彪牙は被害者家族に脅されていた?

源治が虎松に話したのは、一家惨殺事件で殺された宗像家の両親が、事件前に彪牙を脅していたこと。顧問を務めていた部活で息子がケガしたのを理由に、彪牙のことを責め続けていたと明かす。いわゆるモンスターペアレントだ。最終的には「家族をぐちゃぐちゃにしてやる」と言っていたらしい。

だとすると、彪牙は惨殺事件の犯人ではないのかもしれないと思っていたが、家族=虎松を守るために殺したのだろうか? そう考えると「もう大丈夫だよ」と言うセリフにも納得がいく。

一方で、実は犯人は虎松で事件の記憶が曖昧になっており、「(殺したのは自分だから)もう大丈夫だよ」という可能性もまだある気がしている。



そこへ現れる加賀美。こころがご飯を食べているか、風邪をひいていないか心配する加賀美に「それは俺のセリフだろ」「こころって呼ぶな」とツッコミを入れる虎松だった。すると「俺は虎さんのことも心配ですよ」と抱きしめられる。

彪牙からの手紙、闇原家危機一髪

虎松が帰宅すると、居ても立っても居られない海造と伊織(麻生久美子)がいた。梅ばあ(木野花)に預かってもらっていたご祝儀袋の中で、ひとつだけ名前が書かれていなかったものを開けると
「虎松 結婚おめでとう どうか幸せになってほしい」
と書かれていた。

いろいろな感情でぐちゃぐちゃになる虎松に、優しく寄り添う海造と伊織。
「無理に許そうとしなくたっていいんだよ」と慰める伊織と、「君のお父さんがどんな問題を起こしたのか私は詳しく知らないが、少なくとも私には、それはお父さんの本音のように思えるがな」と言う海造。
海造は当初虎松に敵意むき出しだったが、今はこころがいないところでも虎松への温かさがあり、ほほえましかった。

そんな折、漣から電話が。家の周りに警察が来ており、家宅捜索されるのではないかと知らせる。

数々の血を摂取するためのアイテムを見られたら疑いをかけられてしまうと焦った虎松、海造、伊織は、闇原家へと急ぐ。だが突然大声をあげ、吸血鬼の服ではなくカジュアルな服をと言われて、映画『ジョーカー』の衣装とメイクで登場してセリフもそれっぽいことを叫び、今度は吸血鬼の姿で現れる海造、マジでどういうつもりなのか……。

振り返ったら吸血鬼の服だったときの虎松の後姿の脱力感に笑ってしまった。ちなみに家宅捜索ではなく、こころが黙秘しているため当日の様子を知っている人はいないかないか聞きに来たのだった。

夜、虎松がマンションに入ろうとすると、加賀美の車が停まっていた。いつもこころと分けているチューペットアイスを虎松に片方くれるが、虎松は「じゃあ俺そっちがいい」と先っぽがついたほうを所望する。小学生の頃、確かにそっちのほうがちょっとだけ入ってる量が多い気がしていたな(笑)。加賀美もこころを心配していた。

血まみれのレインコート、世々塚の電話の相手は……

大五郎(曽田陵介)が虎松の元に持ってきたのは、血まみれのレインコート。以前わっしょいクリーニングに血のついたハンカチが持ち込まれたことがあったが、今回も店の前で袋に入れられて置かれていた。警察で調べたところ、彪牙の血液がついていたのだという。

そして虎松がレインコートを渡された頃、世々塚は誰かに電話をしていた。結婚式のとき、血まみれのレインコートを着て走り去る奴を見たこと。だから「一度2人で話せませんか」と言うのだ。

事件の際、世々塚が微妙な顔をしていたのはこのためだったのだろうか。だが警官の彼がなぜ、警察に伝えず個人で会おうとしているのだろうか。世々塚が電話を切った後に、ツーツーと鳴る電話を持った伊織が映ったが、電話の相手が伊織とは限らない。

また、世々塚が見た相手が「レインコートを着ているが誰かはわからない」のか、「レインコートを着ていたのが誰なのかわかっている」のかも気になるところだ。

こころは釈放されるが……

レインコートが見つかったことにより、釈放されたこころ。その際に凛が虎松の元妻だったことを知らされる。

こころが黙秘を貫いていたのは、虎松を疑っていたからだった。結婚式の日、こころを呼び出したのは虎松。そこでこころは何者かにスタンガンで襲われ、起きたらあんなことになっていた。虎松を守ると決めていたこころは、本人からまず聞きたいと思って黙っていたのだ。

職場に行ったこころに、加賀美は心配でカニクリームコロッケしか食べられなかったと話し、こころはあの日自分を呼び出したのは虎松だったということを伝えた。本人と話すよう、優しく助言する加賀美。背中を押されて、こころは虎松のもとへ向かう。

ただちょっと気になることも。加賀美が「どんぞこ」で「かぼちゃコロッケ2つ」を頼んでいたのに、カニクリームコロッケしか食べられなかったと嘘をついたのはなぜなのだろう。買ったけど食べられなかった可能性もなくはないが……でも、嘘をついて何かが変わるような内容だとも思えないが……。

一方虎松は、凛に呼び出されていた。こころには「あなたのことまだ疑ってるから」と言った彼女だったが、「こころちゃんいい子だよね」「あの子は誰かをかばってる」と話し、誰をかばっているのか、虎松に探ってほしいと頼む。こころと虎松は「お互い信頼し合ってるみたいだから」と。

虎松と凛は、憎み合って別れたわけではないが、信頼し合うことができなかったらしい。凛は彪牙の事件を20年追っているそうなので、その関連だろうか。

虎松と話そうと覚悟を決め、町を歩いていたこころは、虎松と凛がお茶しているところを目撃してしまう。何でよりによってガラス張りのお店でお茶するのか……。立ち去ろうとするこころを追いかける虎松。2人とも「殺人犯の息子だから」「吸血鬼だから」疑われるのではないかと恐れていた。
結婚式の日になぜ呼び出したのか聞くこころに、虎松は覚えがないと言う。

ラスト1分の衝撃、新たな被害者が……

呼び出したのが虎松ではないことがわかり、お互いの誤解が解けたこころと虎松。
次の瞬間、並んでスマホをのぞき込んでいた後ろに人が落ちてきた。
常に気が抜けない物語とはいえ、ここでこんな形で事件が起こるとは思わず、ものすごくびっくりしたし、ドラマ終了後もしばらくドキドキした……。

2人が振り返ると、なんと落ちてきたのは世々塚だった。少なくとも5階以上はありそうなビルの高いところから転落しており、とても助からない状況に見える。最後の力を振り絞って話そうとする世々塚。
「犯人は…吸血鬼…を狙ってる…」
そう言って力尽きた。そんな……。

一部の方の考察で言われていたが、殺害予告のコウモリ=吸血鬼だったということか。つまり今まで殺された人々とまつりも吸血鬼だったということだろうか。

結婚式の殺害予告のコウモリが4つだったのは、やはり4人殺すつもりだったのだろう。だとしたらこころの家族を狙っていたのかと思うし、こころが狙われていたのは間違いなさそうだが、闇原家以外にも吸血鬼がいる可能性があるとなるとわからない。

彪牙はやはり、こころをかばって殺された可能性が高そうだ。聖夜(長田成哉)がそう言った際、話をやめさせようとした梅ばあも若干あやしい気がしてしまう。先ほど触れたように、加賀美も海造も不審なところがある。

彪牙の殺人はイレギュラーだったとして、世々塚はどっちなのだろう。彼も吸血鬼だったのか(だとすると、以前虎松が突然押し掛けた際に何かを片付けていた説明もつく)、もしくはレインコートを着た奴のことを知ったから殺されたのか。彼が電話を掛けた相手があやしいが……? 世々塚が敬語で話す相手だ。

ビルから巨体の世々塚を突き落とせる(持ち上げて落とした?)ということは、犯人は男性なのか、もしくは力持ちな吸血鬼なのか。

世々塚はあやしくもあったが、虎松のよき理解者であり恩人だった。そしてお茶目な言動で視聴者を和ませてくれた。悲しすぎるし、こんなことがこれからも続くのかと思うと耐えられない。何より2話連続で実の父と育ての父を亡くしてしまった虎松、大丈夫なのだろうか……。

次回予告、犯人らしき人を知って虎松も海造もこころも愕然としている。いったい誰なのだろうか。
早く来週が来てほしいような、そんなつらいこと知りたくないような……。

※この記事は「unknown」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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結婚式当日に起こった血塗られた殺人―。
 愛するがゆえに、お互いを疑い合う闇原こころ(高畑充希)と朝田虎松(田中圭)。
 そんな2人の前に、更なる悲劇が舞い降りる。
 突然、屋上から落ちてきたのは、虎松の父親代わりの先輩警察官・世々塚幸雄(小手伸也)。ビルの屋上には、吸血鬼のイラストと今日の日付を示す殺害予告が描き残されていた…。慟哭する虎松とこころに、世々塚は“謎の言葉”を残したまま息絶える。
 「犯人は、吸血鬼を狙ってる―。」

 奇しくも7人目の犠牲者となった世々塚が残した“最期の言葉”の意味を知るべく、相棒の加賀美圭介(町田啓太)と共に動き始めるこころ。そんな中、元報道記者でもあるこころの母・闇原伊織(麻生久美子)は、密かに事件を調べていたことを告白する。彼女が辿りついた衝撃の真実に、闇原海造(吉田鋼太郎)は絶叫。“血を抜かれた”連続殺人事件の謎が、ひとつひとつ繋がりはじめる…!?
 一方、虎松は闇原漣(井上祐貴)とともに、世々塚の自宅へ向かう。すると、そこには虎松に宛てた手紙が残されていて――。

 “次の犠牲者が出るまでに何とかしないと…”―父親の代わりに自分を育ててくれた、最愛の先輩の死を背負いながら、警察官として奔走する虎松。一方こころは、なぜか「ごめん、私行かなきゃいけないところがあって」という言葉を残し、虎松の前から姿を消してしまう。

物語はついに最終章へ。
“血を抜かれた連続殺人事件”に隠された、予測不能な衝撃の真相とは?

ついに、殺人鬼の正体が明かされる――!

第8話のレビュー

結婚式で虎松(田中圭)の父・彪牙(井浦新)が殺され、一瞬疑い合ってしまったこころと虎松だったが、こころを呼び出したのは虎松ではなかった。お互いの誤解が解けた瞬間、ビルの屋上から2人の背後に転落してきたのは世々塚(小手伸也)だった……。

「犯人は…吸血鬼を狙ってる…」そう言い残し、世々塚は力尽きた。

虎松は犯人を追い、現場から立ち去るこころ

犯人が上から覗いていたのがわかり、ビルを駆け上がる虎松。そこには世々塚の帽子と、金属のキーホルダーのついた鍵があった。救急車が到着する中呆然とするこころだったが、暁凛(MEGUMI)たちがこちらへ来るのを見て逃げる。虎松と一緒にいるときのことだから説明すればいいのに、なぜ逃げる……? 

ビルの隙間を逃げるこころの前に加賀美(町田啓太)が登場、2人で車で逃げる。加賀美……お前なぜここにいる。いや、そもそも虎松と話しなよと送り出してくれたのは加賀美だし、心配して見にきた説もあるけれど……。

世々塚から虎松への手紙に書かれていた“言えなかったこと”とは

漣(井上祐貴)とともに世々塚の家に向かった虎松は、世々塚から自分への手紙を読む。“DEAR TIGER PINE(虎松)”という独特な宛名に「いや日本語でいいだろ!」とツッコみたくなるが、そんなおどけた世々塚がもうこの世にいないと思うと悲しい。

彪牙が事件を起こしてから、虎松の面倒を父親のように見てきた世々塚。何でも話した虎松にひとつだけ言えなかったことがあるという。

「実は俺、吸血鬼なんだ!」

以前虎松が世々塚の家を訪れた際、家の前で待たされたことがあった。あやしいと思っていたが、あれは血関連のグッズを片付けていたからだった。よく待たされていた虎松はエロいものを隠していると思っていたらしい(実際そういうものもあった)。

世々塚はこころが吸血鬼だということに気づいており、虎松がこころと結婚すると知り、自分のことも受け入れてもらえたような気がしてうれしかったのだという。

よよさん、ちょっと疑ってごめんよ。でも日中特に日差しを避けている様子もなかった気がするけれど、どうしていたのだろう?

連続殺人事件の被害者は全員、“吸血鬼”だった

犯人じゃないとしても話を聞くため、現場から立ち去ったこころを「今すぐナウ!」呼び出せと凛に言われた虎松。電話に出たこころに「私行かなきゃいけないところがあるんだ。必ず戻ってくるから」と切られてしまう。

こころが向かったのは実家。こころの母・伊織(麻生久美子)は、仕事を休んでいる間、独自に事件を調べていた(彼女のまとめたホワイトボードがすごい)。そして、連続殺人事件の犯人がみんな吸血鬼だったことを突き止めたという。(彪牙が犠牲となった6つ目の事件については、もともとはこころを狙ったものとして判断)。吸血鬼が犯人と見せかけた、吸血鬼を狙った事件だったのだ。

献血センターのボスに通販サイトで血を買った人のリストを見せてもらったとか、ネットワークがすごい(セキュリティーとは)。

実は伊織は、たこパの際に世々塚が吸血鬼だということに気づいていたという。世々塚と酔いつぶれたまつり(ファーストサマーウイカ)と3人になったタイミングで聞いたのだった。突然起きたまつりも自分が吸血鬼であることを告白し判明。2人とも他の人には知られたくなさそうだったので、家族にも黙っていたらしい。そして、世々塚が前回レインコートを着た男を見たことを伝えた相手が伊織だったことも判明。

吸血鬼が狙われていると知った海造は、危ない調査を一人で行った伊織に心配するとともに「パパはもうキレた! キレちゃいましたよ!」と叫ぶ。こんなにも自分がキレたことを高らかに宣言する人、初めて見た。自分がおとりになる! と、吸血鬼の服を着て出て行ってしまう海造。

吸血鬼が狙われていたと知った虎松と漣は、大五郎(曽田陵介)のもとへ。自分が夜に出歩いたのも、まつりが水商売をしていたのも日焼けできないからだったのに、不良だあばずれだと誤解されてきたという大五郎。でも漣と苦労を分かち合えてちょっとうれしそう。

世々塚が伊織のファンだったのも、漣がまつりを好きになったのも、吸血鬼同士だから惹かれたのもあるんだろうか。いや伊織みたいなキャスターがいたら、そうでなくてもファンになってしまうだろうけど。

「違うよね?」←こころと視聴者の総意

そう、筆者以外にも、いや多くの視聴者が薄々感じていた気がするが、世々塚が亡くなった今、圧倒的にあやしい人がいる。結婚式の場にいて、吸血鬼ではなくて、今までの言動に疑問があって、あとこれは邪道かもしれないが、判明したときに視聴者に大きな衝撃を与えられる人。世々塚の事件現場でも近くにいた人。

ーー加賀美だ。

実家から出てきたこころは、加賀美に「人のいないところ」に連れていくように言う。大丈夫なのだろうか……。何より加賀美は、こころが家に行っている間、こころの鞄に手を伸ばしていた。

でも、あんなにこころのことを気にかけて守ってくれていた加賀美が、こころが落ち込んでいるときにはいつもそばでさりげなく励ましてくれた加賀美が、そんなことするだろうか?

加賀美がこころを連れて向かったのは、彼が高校生まで過ごした施設。もう廃墟となっているそこに入り、歩いていく2人。階段を登る加賀美を見て今までのことを思い出し、小さく「違うよね?」と口にするこころ。


視聴者であるこちらも同じように思っていた。いや、「こころ逃げてーー!!」という気持ちと、「嘘だよね、加賀美じゃないよね」という気持ちが混ざって心がぐちゃぐちゃだ。

加賀美の今までの優しさが、嘘だったなんて思いたくないよーー!! 序盤からあやしいと思っていたのに、回を追うごとにこの人の優しさを信じたいと思う魅力が彼にはあった。

「まぶしいよね?」とカーテンを閉める加賀美。吸血鬼を悪く描いた絵本を見せてくる。その絵を見て、殺害予告のイラストを思い出すこころ。そしてフラフラしてしまう。車に忘れ物を取りに行っていいか聞くこころに鍵を渡す加賀美。いいということは、犯人ではない……? でもさっき、こころのかばんに手を伸ばしていた加賀美を思い出してしまう。血にまつわる何かを加賀美が取ったのだとしたら。

絵本をこころが読んだことないというと乱暴に投げ捨て、こころがふらつくと「血がほしい?」と聞いてくる加賀美。彼の手には、こころが探していた血のタブレットが。やはり加賀美が盗んだのだった。

その辺にあるものを蹴りながらこころに近づいてくる加賀美。吸血鬼は害だから殺したという。いつかこころをかばって刺されたのは、まだこころが吸血鬼かどうかわからなかったから。確信したのはキスをしたとき血の味がしたから。あのキスはそういう意味だったのか……?

こころが吸血鬼だとわかって「裏切られた気がしたわ」と言う加賀美。同じように綺麗な顔なのに、笑顔なのに、今まで見たことがない顔をしている。満面の笑みで「俺が全員殺した」というところ、怖すぎた。
すごくショックだし怖いけど、怖い町田啓太、いい……と思う素晴らしい演技だった。

これまでの犯行を告白する加賀美。吸血鬼たちを殺したことは何とも思っていないが、吸血鬼ではない彪牙を殺してしまったことには罪悪感を感じ、虎さんに悪いことをしたと悔やんでいる。吸血鬼は殺して当然と思っている……。

「大丈夫、今度は失敗しないから」

そう言ってこころにアイスピックを振り上げた加賀美を、現れた虎松が止める。

信じられないとショックを受けるこころと虎松。
加賀美がもう一度こころに振り上げようとした瞬間、加賀美の様子がおかしくなる。
力を失い、そのままふらついた加賀美の口から血が噴き出した。

倒れた加賀美に駆け寄るこころ。先週虎松を疑っていたときより、加賀美が犯人かもしれないと思いはじめてからのほうがショックを受けていそうな気もするのは気のせいだろうか。付き合いは加賀美のほうが長いし、恋や愛ではなかったとしても、こころにとって大切な人だったのは間違いない。

でも、あんなにいつでも自分の味方でいてくれた人が、そばにいてくれた人が、その前まで信頼関係を築いてきたのに自分が吸血鬼だと知った時点で自分を憎み、敵意を向け、殺そうとしてくるなんてつらすぎるよなぁ。少しだけほぐれたこころのトラウマが、またぶり返してしまいそう。

渋谷の駅前で吸血鬼として撮影会を開催し、犯人をあぶり出そうとした海造。それを見て見なかった振りをしようとした源治(酒向芳)と聖夜(長田成哉)、ペアルックっぽくてかわいい。そして少し離れたところで見つめる黒い服の人物。

帰宅し空振りだったという海造。来客が訪れ、出た伊織は何者かに鉄パイプで殴られる。海造が犯人をつかむと、それは梅ばあ(木野花)だった。「私が全部やりました」という梅ばあ。どういうこと……?

次回最終回、まだまだ残る謎

加賀美が連続殺人犯なのは、少なくとも彪牙と世々塚を殺した犯人なのはほぼ確定のようだ。
だが、まだまだ解決されていない疑問がたくさんある。

加賀美がこれほどまでに吸血鬼を憎む理由は何だろうか。
殺された両親に関係している気がする。家族を殺したのが吸血鬼だったのだろうか。
個人的には加賀美は、彪牙の起こした事件の被害者一家と関係あるのかと思っていたが、彪牙が吸血鬼でないから違うのか、もしくはやはり別の人物が犯人なのか。そもそも一家惨殺事件の動機もわかっていない。

そして、加賀美が血を噴き出したのは、おそらく食べたコロッケに毒を盛られたのではと思う。
コロッケを持ってきたのは、加賀美に頼まれた梅ばあだった。だが作ったのは、梅ばあに「こころと加賀美の2人分」と頼まれた源治だ。
2人のどちらかが、毒を仕込んだのだろうか。次週予告で加賀美が元気そうだということは、致死にはいたらないよう調整したのだろうか……? 
そして確か、このコロッケは2人分だった。毒を入れた人が狙ったのは加賀美なのか、それともこころなのか……?

梅ばあは自分がやったことにしたところを見ると、加賀美をかばっているのだろうか。
加賀美の何かを知っていて、関係があるのか……? そういえば前回、「彪牙はこころをかばって殺されたのでは」と聖夜が言ったときに話を遮った。予告の「わざとつかまりたかったのか」という言葉を聞くと、梅ばあも吸血鬼で身を守りたいがためにつかまろうとした可能性もなくはないが……。

毒を梅ばあが入れたのだとすると、加賀美にこれ以上罪を重ねてほしくなかったから……?

源治だったとすると、こころを守りたかったのか、加賀美に恨みがあったのか、何か加賀美がいては都合の悪いことがあるから……?

加賀美が「虎さんを守るためにやった」的なことを言っていたのも気になる。虎松にこだわる理由が、何かあるのだろうか。世々塚が落とされた屋上にあった鍵はどこのものだろう。

次週1回ですべての謎は回収しきれるのか、それより何よりこころは、虎松は、加賀美はどうなってしまうのか。

※この記事は「unknown」の各話を1つにまとめたものです。

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–{最終話ストーリー&レビュー}–

最終話ストーリー&レビュー

最終話のストーリー

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「そうだよ、俺が全員殺した―」
 ついに正体を現した殺人鬼。7人もの犠牲者を出した“血を抜かれた連続殺人事件“の犯人はなんと、加賀美圭介(町田啓太)だった――。
 突如豹変し、冷たい瞳で自らに襲い掛かる親友の姿に、闇原こころ(高畑充希)は思わず問いかける。「ねぇ私、何か悪いことした…?」―しかし加賀美は淡々と告げる。「吸血鬼なら殺さないといけないよね、だって人間にとって害だから」
 信じがたい真実に愕然とするこころを、追い詰めてゆく加賀美。駆け付けた夫・朝田虎松(田中圭)の制止を薙ぎ倒し、ついにアイスピックを振りかざした手にしたその瞬間…なぜか突然、加賀美は血を吐き、倒れてしまう。

 時を同じくして、闇原家ではこころの母・闇原伊織(麻生久美子)が何者かに襲われ昏倒。闇原海造(吉田鋼太郎)が必死で捕まえた犯人は、なんと今福梅(木野花)。
 まさかの人物に慟哭する海造に梅は無表情で告白する―。
 「…私が全部、やりました」

 なにが本当で、なにが嘘なのかー。
 血を吐いたまま緊急搬送された加賀美の目は覚めず、警察で取り調べを受ける梅の証言にもどこか一貫性がない。
 未だ隠された“秘密”を解き明かそうと、こころと虎松は加賀美の自宅を訪れ、手がかりを探すことに。そこに、未解決事件捜査班の刑事かつ虎松の元嫁でもある暁凛(MEGUMI)が現れて…!?

 そんな中、街には新たな吸血鬼のイラストと日付が記された殺害予告が――。
 そして、こころに1本の電話がかかってくる。
 「……今から、殺しに行っていい?」

物語はついに完結―。
愛しているからこそ、人は間違った道を選ぶことがある。
“血を抜かれた連続殺人事件”に張り巡らされた伏線。
なぜ殺したのか?
明かされる衝撃の真相と、秘められた悲しき過去とは…?

人を愛するとは、“unknown”を受け入れること―?
この世界に存在する≪すべて≫を、我々はまだ知らない。

これは「愛」の物語。
果たして、こころと虎松の運命は――?

最終話のレビュー

「俺が全員殺した」
連続殺人事件の犯人は、加賀美(町田啓太)だった。吸血鬼だから殺したのだという。
こころ(高畑充希)を殺そうとするが、おそらく毒により吐血して倒れる。

「私が全部やりました」
こころの母・伊織(麻生久美子)を襲った梅ばあ(木野花)もまた、自分が犯人だと言う。
真相はいかにーー

虎松、渾身の”パンダ”

毒を盛られた加賀美は一命をとりとめ、集中治療室で治療を受けていた。見守っていたこころが帰宅すると、虎松(田中圭)はエプロンをして食事の準備をしていた。「まつりちゃん(ファーストサマーウイカ)も世々塚さん(小手伸也)もいなくなっちゃった、さみしい」「私が吸血鬼だからいけなかったのかな」と泣くこころを「まだ加賀美も梅ばあも言ってること本当かわかんねーから」「こころのせいじゃないから」と励ます虎松。

真っ黒に焦がしてしまったパンを目に当てて「パンダ! あっつ!」と芸人ばりの捨て身の逆で励まそうとする虎松、いいやつだな……(焦げたパンを目に当てるのは危険だけど)。

梅ばあと加賀美の関係

どう見ても加賀美をかばっている梅ばあ。警察の取り調べで殺された人たちの血を抜いたことや、大柄な世々塚を突き落とすのは体格的に無理ではと言われても、「自分が一人で全部やった」の一点張り。そんな折、加賀美が病院から脱走。梅ばあも証拠不十分で釈放となる。

梅ばあは、加賀美がいた養護施設の職員だった。25年前、両親が突然の事故で亡くなりふさぎこんだ当時5歳の加賀美を何とか励まそうと、絵本を見せながら「あんたの両親を殺したのは吸血鬼」「いつか一緒に退治しよう」と話しかけていたのだ。吸血鬼じゃなくても、鬼でも狼でも何でもよかったのだという。

まさかの、嘘から起こってしまったことだったとは……。実は「うめぼし堂」が焼けた日、加賀美が梅ばあを訪ねてきていた。「親友が吸血鬼だってわかってさ、びっくりして殺しちゃった」とサラッと白状する加賀美。梅ばあがあれはおとぎ話だと言うと、加賀美は涙を流して「また来るよ」と去っていった。

加賀美が犯人なことはわかっていたが、被害者の人数が増え、どうしていいかわからなくなってしまったという。まじか……

最後の晩餐(?)でわかった、さらなる新事実

「こころ、今から殺しに行っていい?」

加賀美からの電話、甘えた声ですごいことを言ってくる。こころの希望によりなぜかフルコースの食事を用意し実家でお迎え。料理を作ったものの、怒りを抑えきれない虎松だが、こころに制止されてなんとか我慢する(えらい)。

吸血鬼はゴキブリやハエと同じこの世の悪だから、殺されて当然という加賀美。彼は殺人のたびに、自分の両親を殺したやつを知らないか問いかけていたが答える者はいなかったという。そもそも嘘なので知っている人(吸血鬼)がいるわけもないのだが。

加賀美がワインのおかわりを頼むと、梅ばあが持ってくる。そして吸血鬼が両親を殺したというのは嘘で、あれは事故だったと話す。「じゃあ両親を殺したのは誰なんだよ、事故なわけない」と詰め寄る加賀美に、梅ばあはこう言った。

「あんたの両親を殺したのは、お前だよ」

!!??? どういうことなのか。
両親とピクニックに出かけた加賀美は、「おいしくなーれ」と摘んできたスズランの花を、ままごとの一環で刻んで紅茶に入れ、また遊びに行ってしまった。それを知らなかった両親は、スズランの毒で死んだのだった。幼い加賀美が壊れてしまうと思い、誰も真実を言えなかったのだ……。

なんと残酷な真実か……。加賀美がずっと憎んで殺したかった相手は、加賀美(鏡)という名前のとおり、そこに映った自分自身だったのだ。

加賀美の本当の気持ちに救われた

家を飛び出し、裏山にかけていく加賀美。追う虎松とこころ。
先に加賀美を見つけたこころの前で、自分を刺そうとする加賀美。
止めようとするこころを刺そうとするが、ここで葛藤が見える。

「吸血鬼は悪くないといけないのに……そうじゃないと俺は生きていけないのに……」

本当は結婚式のとき、加賀美はこころのことをすぐに殺せなかったのだ。
刺そうとしたらこころとの会話や笑顔がよみがえってきてアイスピックを振り下ろせず、そこへ彪牙(井浦新)が止めに入ったのだった。

あんなにこころのことを好きなように見えたのに全部嘘だったの? というのがショックだったのだが、加賀美、やっぱりこころのことを好きでよかった。

虎松がやってきて、加賀美に銃を向ける。こころは止めるが、加賀美は「じゃあね」とわざとこころを襲っているように見せた。銃声が響き渡る。

叶わなかった幸せな光景がつらい

こころと虎松の朝、TVでは加賀美のニュースが。知った風に話すコメンテーターに「本当のことなんてわからないのに」と切り返す伊織。すっかり朝の顔になっていた。
加賀美、どうやら死んではいなさそうだ。殺した人数的に死刑は免れない気もするが……。番組中のSNSコメントは加賀美を非難するものばかりだったが、加賀美のビジュアルだったら「犯人イケメン」という人がいそうな気もする。

漣(井上祐貴)は交番勤務になり、机には世々塚の笑顔の写真が。加賀美に面会を拒否され、差し入れも受け取ってもらえなかった梅ばあを、外で待っていて「アンチョビコロッケでも駄目だったか~」と食べるのは大五郎(曽田陵介)。まつりを殺したのは加賀美だし、仕方なかったとはいえ加賀美に吸血鬼の嘘を伝えて原因を作ったのは梅ばあなのに、いいやつすぎるな……。

そして、ラストに流れたのは、1か月前の結婚式の余興の練習映像。叶わなかった幸せな光景だ。



みんなこんなに楽しそうなのに、悲しい……。

これってどうなったの?

そういえば、彪牙が起こした事件の真相、結局わからないまま終わったな……。
若干の消化不良はあるし、あまりにやるせない真相だが、シリアスとギャグがいい感じに混ざったいいドラマだった。暁凛(MEGUMI)とこことら3人のシーンで「アラフォーなのに少年感出してくるじゃない?」と虎松をディスっているシーン、わりと田中圭本人のことのようで笑った。そしてなんだかんだ、町田啓太が裏主人公というか、いろんな演技が見られて圧巻だった。

「unknown」の吸血鬼という設定は突飛ではあるが、もっとちょっとした違いは実際の私たちと周りの人たちの間にありうることだ。自分と人とは”違う”ことを前提に、認めたり受け入れあえる社会を作っていく、そんな気持ちをあらためて感じさせてくれた。このスタッフが世に出す次回作もすでに楽しみになってしまう自分がいる。

※この記事は「unknown」の各話を1つにまとめたものです。

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–{「unknown」作品情報}–

「unknown」作品情報

放送日時
2023年4月18日スタート。毎週火曜21:00~

出演
高畑充希/田中圭/町田啓太/小手伸也/ファーストサマーウイカ/井上祐貴/曽田陵介/長田成哉/新納慎也/石川禅/酒向芳/木野花/麻生久美子/吉田鋼太郎

脚本
徳尾浩司

音楽
河野 伸

ゼネラルプロデューサー
大江達樹(テレビ朝日)

プロデューサー
貴島彩理(テレビ朝日)
岡 美鶴(アズバーズ)

監督
瑠東東一郎
金井 紘

制作協力
アズバーズ

制作著作
テレビ朝日