俳優の天海祐希が女探偵を演じる「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」(カンテレ・フジテレビ系)が2023年4月17日にスタート。松下洸平と初のタックを組む。
CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
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もくじ
※話数は随時更新します。
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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明晰(めいせき)な頭脳と大胆な行動力をあわせ持つ上水流涼子(天海祐希)は、かつて多くの事件を担当する敏腕弁護士だったが、ある傷害事件をきっかけに弁護士資格を剥奪された。
顧問弁護士を務めていた総合商社・諫間グループの社長、諫間慶介(仲村トオル)にも解雇され、現在はIQ140の相棒・貴山伸彦(松下洸平)とともに、自身が立ち上げた『探偵事務所 上水流エージェンシー』で探偵業を営んでいる。
そんなある日、事務所に、不動産ブローカーの神崎恭一郎(髙嶋政伸)から2000万円を取り返してほしいという女性がやって来る。依頼主の松下祥子によると、神崎は2年前、松下夫妻が所有する土地と工場を汚いやり口で奪い、祥子の夫・昭二を自殺に追い込んだという。
契約上何も問題がないことから、警察に相談しても取り合ってもらえなかった祥子は、涼子が提示する「依頼料だけで200万円」という破格のギャラを払ってでも夫の無念を晴らしたいと言い、その覚悟を知った涼子は、祥子に事務所を紹介した顔なじみの元刑事・丹波勝利(丸山智己)からも情報を得ながら、貴山とともに神崎の身辺調査を開始する。
妻・朱美と一人息子の克哉と暮らす神崎は、秘書の橘亜里沙をはじめ、複数の愛人を囲う生粋の遊び人。それを利用しようと考えた涼子は、つかんだ不倫の証拠を2000万円で神崎に買い取らせようとするも失敗。
そこで、ターゲットをある人物に変更し、貴山の友人で歌舞伎町の若きリーダー・有田浩次(中川大輔)にも協力を依頼する。
涼子と貴山が選んだ“あり得ない手段”とはー。
第1話のレビュー
天海祐希が主演を務めるドラマ「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」がはじまった。
原作は「孤狼の血」など多くのミステリーを手掛ける作家の柚月裕子。
天海と言えばこれまで「離婚弁護士」、「BOSS」、(ともにフジテレビ系)、「緊急取調室」(テレビ朝日系)など弁護士や警察官の役を多く演じてきている。
今回の役どころは元弁護士で現在は探偵をしている、上水流涼子。
涼子の助手、貴山伸彦を務めるのは俳優の松下洸平だ。
恋愛経験ゼロで少しとっつきにくい貴山だが、IQ140と涼子の相棒にはもってこいの存在。
この2人がさまざまな変装をしながら、難事件を解決していく。
「あり得ないことに満ちている。だからこの世は面白い」
と、あっけらかんと言うものの、10か月前にはある傷害事件がきっかけで弁護士資格をはく奪されている涼子。
過去にいったい何があったのかはまだわからない。
***
ある日、涼子の探偵事務所「上水流エージェンシー」に不動産ブローカーの神崎恭一郎(髙嶋政伸)に2000万円騙し取られたという女性が相談にくる。
涼子と貴山は神崎の妻、朱美(戸田菜穂)に近づき、神崎から2000万円を取り返すことができるか。
「思ってた通り、いやそれ以上に面白い」、「息する間がない展開」、「程よいコミカル具合がいいな」など、天海祐希の真骨頂と言えるべき内容に視聴者も大きく反応。
これまで天海が演じてきた役と少し似ているかもしれないが、正義感が強く、かっこいい天海を筆者も待っていた。
初回、天海と対峙した相手は髙嶋政伸。
髙嶋といえば、かつて「HOTEL」(TBS系)で「姉さん、事件です」と初々しいホテルマンを演じていたが、今ではすっかり悪役が板についている。
わなわなと体を震わせ怒る姿はどうしてもコント感があるが、痛快だ。
滑舌良い天海に対して、ぼそぼそと話す松下。
この2人のバディ、なかなか癖になりそう……。
次回はどんな変装姿を見せてくれるか、毎話楽しみだ。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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涼子(天海祐希)が弁護士資格を剥奪された傷害事件以来、関係を断絶された元顧問先の大企業・諫間グループの社長・諫間(仲村トオル)が、突然、「仕事を頼みたい」と連絡してくる。事件当時、涼子の主張に一切耳を貸さず、真っ先に手のひらを返した諫間は、涼子にとって殺したいリストナンバーワン。それでも、受話器越しの声から何かを悟った涼子は、ひとまず諫間の元へ。
諫間の依頼は、一週間前から行方不明になっている娘の久実(白石聖)を探してほしいというものだった。警察に届けて大ごとになれば、会社の株価に影響する——。娘の安否より会社の利益を優先して探偵を頼った諫間に、貴山(松下洸平)は心底あきれるが、涼子は「連れ戻せたら報酬はいくらでも払う」という諫間の言葉に不敵な笑みを浮かべる。
早速、名門女子大に通う久実の周辺を探ると、久実は六本木のクラブに出入りしていることが分かる。厳格な父に反発して家出した久実は、妖しい雰囲気で周囲を寄せ付けない謎の女・円谷エリ(早見あかり)と、彼女の幼なじみだという広瀬リアム(猪塚健太)と行動を共にしていた。家出して不良に絡まれていたのを助けられ、さらにリアムから「とらわれたお城から抜け出した勇敢なお嬢さま」と甘い言葉をささやかれた久実は、2人を疑う様子は全くない。しかし浩次(中川大輔)によると、それこそが2人の手口だといい、その末路はあまりに悲惨なもので…。涼子は久実を救出するため、リアムの異常なまでのギャンブル体質を利用した、ある作戦を思いつく。
第2話のレビュー
天海祐希の久々のドラマ主演にワクワクしていたが、25日に放送された第2話でなんとなく作品の方向性がはっきりとわかったような気がする。
筆者は、毎回ハラハラドキドキする展開になる作品だと勝手に想像していたので、それとは違うということがわかり、早々に脳内のスイッチを切り替えることにした。
とはいえ、後半にガラリと毛色を変えてくるかもしれない。
とにかく今は「これはコメディ劇」という意識で視聴を続けたいと思う。
かつて弁護士であった上水流涼子(天海祐希)は、「これからは君が私を支えてくれ」と諫間慶介(仲村トオル)から絶大な信頼を受けていたにも関わらず、ある傷害事件をきっかけに真っ先に手を切られていた。
しかし、そんな諫間から行方不明になった娘、諫間久実(白石聖)を探してくれてと依頼される。
「頼めるのは君しかいない。報酬はいくらでも出そう」と言われた涼子は、諫間からの依頼を受けることに……。
まず感じたのは、いくら報酬がいいとしても自分が「殺したい男ナンバー1」と思っている男の娘を探そうと思うだろうか。
そもそも、諫間の顔なんて見たくないとは思うのでは?
ここに涼子のお人よしさが垣間見れる。
助手の貴山伸彦(松下洸平)と一緒に、久実が出入りしているという六本木のクラブに潜入した涼子。
ボディコンスーツに赤い扇子を手にし、「フォーーーーッ!!」っと“バブリー女”をわざと演じ、久実の姿を探す涼子。
激安量販店に売っていそうな衣装にお決まりの「しもしもー」というセリフ。
制作サイドの視聴者に「楽しんでもらおう」という気持ちは伝わるが、ちょっと天海が気の毒に思えてしまうのはなぜだろうか……。
謎の女、エリ(早見あかり)とリアム(猪塚健太)という2人組に騙されていた久実の行動も理解できない。
父親のことが嫌いなのはわかるが、素行の悪そうなエリにくっつき、明らかにちゃらんぽらんなリアムにうっとりしているところが理解不応だ。
父の諫間も娘がエリらに誘拐され、薬を打たれそうになった動画を見た時点で警察に相談だろう。
ツッコミどころ満載のまま涼子と貴山が華麗に事件を解決。
これにて一件落着かと思ったら、久実が涼子の事務所で働くという展開へ。
これには、綾瀬はるか主演の「元彼の遺言状」(フジテレビ系)を思い出した。
この時も綾瀬が演じた剣持麗子の事務所に、お嬢様役の関水渚が同じように途中から加入し、ドタバタ劇を繰り広げていた。
そういえば、剣持麗子も弁護士でありながら探偵案件も引き受けていたな。
酷似しているのは、たまたまだろうか…。
そして久実の
「なんてお呼びすればいいですか? やっぱりBOSSですかねぇ?」というセリフ!
ええええええ!!
冒頭でも述べたが、これはあくまでもコメディ劇なのだ。
七変化する天海と松下の三枚目を大いに楽しむドラマ。
そう自分に言い聞かせ、来週からはもっと肩の力を抜いて楽しもうと思う。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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久実(白石聖)が働き始めた『上水流エージェンシー』に、諫間(仲村トオル)の紹介だという本藤朝子(神野三鈴)がやって来る。聞けば、苦労して大きくした建設会社の社長だった夫が2年前に他界。息子の本藤仁志(笠原秀幸)が後を継いだものの、彼は父と違って決断力に乏しく、事あるごとに会長である母に判断を仰ぐという。さらに、近頃は高円寺裕也(高橋克実)という怪しげな予知能力者にも頼っているといい、朝子は「息子の目を覚ましてほしい」と涼子(天海祐希)に依頼する。
仁志が、秘書の新井大輔(安井順平)を伴い、高級クラブで高円寺と会うことを知った涼子は、ホステスに扮(ふん)して店に潜入。どこかうさんくさい高円寺をそれとなく挑発すると、案の定、高円寺は自らの予知能力を見せると言い出し、店に入ってくる客の素性を次々に言い当てる。その能力にすっかり魅了された仁志は、高円寺を自社の経営コンサルタントに据えようとするが、朝子の反対がある限り、それはできないと突っぱねる新井。すると高円寺は、もっと高い予知能力を見せると宣言し、その会場は、涼子の巧みな誘導によって本藤家に決まる。
丹波(丸山智己)の調べによると、この半年間で、予知能力による詐欺の被害はいくつか確認されており、涼子はこれらすべてが高円寺の仕業だと確信。何とかトリックを見破ろうとするが、迎えた実演当日、おおよそ仕込みとは思えない予知能力を前に、涼子と貴山(松下洸平)はなすすべもなくー。
第3話のレビュー
「エルピス―希望、あるいは災い―」や「罠の戦争」など大きな反響を呼んだ“月10”に天海祐希主演の「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」も大きな爪痕を残せるか注目を集めている。
第3話は、涼子(天海祐希)と貴山(松下洸平)のところに本藤請建設会長の本藤朝子(神野三鈴)が訪れるところからはじまる。朝子の依頼は、息子の仁志(笠原秀幸)がここのところ入れ込んでいる謎の男、高円寺裕也(高橋克実)の正体を暴いてほしいという内容だった。
天海と高橋の対峙シーンにワクワクしたものの、その前に息子想いの母を演じた女性を見た瞬間、ゾクッとした。
母役の女優は、前クールで放送された「100万回言えばよかった」(TBS系)で黒幕だった女性「ちーちゃん」を演じた神野三鈴だ。
同ドラマの記憶が新しい筆者は神野の姿に萎縮。
俳優とはすごい職業だとつくづく感じた。
天海と松下の華麗な変装が話題だが今回、天海は着物姿のクラブの新人ホステスと中国の大富豪ヤンに変身。
松下においては、プリンター会社の社員、ハーバード大学の教授、大富豪ヤンの秘書などを演じた。
松下が演じる貴山は、IQ140の持ち主だが恋愛経験はまったくない。
そんな松下のファンからは
「このビジュアルで恋愛経験ゼロとかあり得ない」
「毎週、松下さんの変身が楽しみで仕方ない」と盛り上がりをみせている。
若手俳優の中でも人気急上昇中の松下が天海に劣らず、存在感を出している。
今回のゲスト、高円寺役の高橋克実も負けていない。
ヘラヘラと笑いながら、毎回違う“いい加減な呪文”をそれっぽく唱える詐欺師役だ。
もしかしたらアドリブも多々、あったのかもしれない。
そんなきな臭い高円寺を鋭い眼光で睨みつける涼子。
高円寺のトリックを見事に暴き、高円寺と共犯だった仁志の秘書が捕まり一件落着。
騙されそうになった5,000万円の小切手も無事だった。
仁志は自分に自信がなかったので高円寺に頼り切ってしまい、騙されたと悔いたが涼子は、
「あなたになかったのは自信ではなく覚悟。負けた時の覚悟があるのとないのとでは、その後の人生がまったく違う」
と叱咤激励した。
一度どん底まで落ちた涼子だからこそのセリフに心が打たれた。
中盤ではコメディ要素が高めだが、最後はしっかり締めてくれるところが痛快だ。
ラストシーンでは病室で「貴山勇作」と書かれたベッドで眠る男性を見つめる貴山の姿が。
この男性は、貴山の父親なのだろうか。
謎めいた雰囲気を醸し出し第3話は終了。
ここから一気に貴山の過去や涼子が逮捕された謎に迫っていく構成なのではと推測できる。
ミステリー要素が高まってくることを大いに期待したい。
どうでもいいことだが、ドラマ中盤で涼子に「ハバネロソースと七味を2キロずつ」おつかいを頼まれた久実(白石聖)が最後まで出てこなかったが、どこまで買い出しにいったのだろうか――。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
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ある日、久実(白石聖)が事務所のクローゼットで某有名美容クリニックのナース服を発見。貴山(松下洸平)の話では、記念すべき最初の依頼で使った衣装だというが、どうやら涼子(天海祐希)にとっては思い出したくない過去のようで…。
8カ月前、丹波(丸山智己)の協力で探偵事務所を立ち上げた涼子の元へ、弁護士時代の後輩が一人の女性を連れてやってくる。依頼者の名前は西田真紀(市川由衣)。結婚を機に、額の大きなあざを消そうと、メディアでも話題の美容家・愛原樹里亜(水野美紀)が院長を務めるマジェスティックビューティーラボで施術を受けるが、半年後、一度は消えたあざがみるみるひどくなったという。しかし、カルテに問題がなかったことから、治療が原因だと立証することは困難。涼子も思わず絶句するほどひどいそのあざを元に戻すには、海外で整形するしかなく、真紀はそのために必要な多額の費用を樹里亜から奪いたいと涙をこぼす。
依頼を引き受けた涼子は、クリニックに乗り込んでみるものの、樹里亜は弁護士資格を失った涼子をあざ笑い、挙げ句、元犯罪者呼ばわり。出足からつまずく涼子だったが、やがて、樹里亜が若くてイケメンの秘書を探していることが判明。するとその矢先、道端で猫を探している一人の青年と出会う。さえない見た目からイケメンへと変身させたその男は、涼子の想像をはるかに超える頭脳の持ち主で、まんまと秘書になることに成功。それこそが、後に涼子のバディとなる貴山だった。貴山は、樹里亜が薬品名や美容機器の名前が書かれた黒革の手帳を肌身離さず持っていることに気づきー。
第4話のレビュー
ここまで涼子(天海祐希)と貴山(松下洸平)の出会いのエピソードが語られていなかったが、第4話で明らかになった。
久実(白石聖)は「お2人の出会い、運命みたいじゃないですか!」と、感動していたが、この出会いには少し疑問が……。
まずは第4話の内容からおさらいしよう。
8か月前。上水流エージェンシーに初の依頼人、西田真紀(市川由衣)がやってくる。額のあざを消すため美容家の愛原樹里亜(水野美紀)の施術を受けたが、さらにひどくなったという。海外で整形したいために樹里亜から費用を奪いたいというものだった。あまりにもひどいあざに絶句した涼子は200万の探偵料を提示した上で依頼を引き受けることにした。初の依頼者のために樹里亜の会社に宣戦布告しにいったものの樹里亜から犯罪者呼ばわりされ玉砕。どうやって樹里亜の弱みを握ろうかと思っていた矢先、樹里亜が男性秘書を求めていることを知り、物語はテンポ良く進んでいく——。
今回のゲストは女優の水野美紀。
「とっとと帰んなっ!元犯罪者!」
「しょーもない無能弁護士くずれのド貧乏探偵がっ!」
など、痛烈な言葉を涼子、天海祐希に吐き捨てる。
もちろん、涼子も負けてはいない。
この2人の絵面は最強そのもの。
かなり見応えがあった。
次に涼子と貴山の出会いについて触れよう。
きっかけは貴山の飼い猫、ミィちゃん。
ミィちゃんが涼子の車のボンネットに潜り込んでしまい、それを見つけたことが出会いだった。
自然な出会いのようではあるが、ベールに包まれた貴山という男。
猫をわざと涼子の車に潜り込ませたとは考えたくないが、IQ140の男だ。
何らかの理由があって涼子の懐にすっと入ったのではないだろうか。
貴山が久実に2人の出会いの話しているときに涼子は
「ちゃんと猫の話した?嘘ついていない?」という不思議な疑問を貴山に投げかけている。
「しましたよ。何でですか?」と答える貴山。
「べつに……。」
なんだろうか、この違和感のあるやり取り。
これは伏線だろうか。
依頼人の真紀の結婚が破断になり、「必ずあの女からお金を取りましょう」とやる気を出した涼子。
ありとあらゆる作戦で樹里亜の秘密がつまった「黒皮の手帖」を金庫から貴山が奪うものの、決定的な証拠をつかむことはできなかった。
「あんたごときじゃ、一生私に勝てないの」という樹里亜のドスの聞いた声。
初の探偵で黒星を喫した涼子だった。
しかし、貴山が樹里亜の首からこっそり2000万のネックレスをレプリカとすり替えていた。
「レプリカとすり替えるなんて相当手慣れているでしょう。どうやって手にいれたの?」と感心する涼子。
「ちょっとした知り合いから」という貴山の答えに「あなた一体何者?」と質問する涼子。
視聴者誰もが貴山の素性に疑問を持ち、さらに窃盗はダメだろうと思った瞬間だった。
ネックレスを真紀に渡そうと話していた矢先、真紀は自殺。
IQ140もあり、金庫破りもできて謎の人脈がある貴山。
「決して嘘はつかないこと」という条件のもとバディを組むことになった涼子と貴山だが、すでに父親の病室から「猫カフェで癒されています」という”嘘“のメッセージを涼子に送っている。
この2人の関係が物語の後半でどんなふうに展開していくのか、ある意味楽しみだ。
何かとスッキリしない展開ではあったが、天海祐希vs水野美紀の戦いは見事だった。
まだまだこの2人の決闘を観たいと思っていたら、なんと次週も水野美紀が登場だ。
「助けて……。私、殺されそうなの」
と、涼子に懇願する樹里亜。
はたして涼子は樹里亜を助けるのだろうか。
次週も目が離せない。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
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依頼人の自殺という、これ以上ない悲しい幕切れが、涼子(天海祐希)と貴山(松下洸平)の胸に大きなしこりを残した8カ月前の依頼。その当事者であり、涼子が敗北を期した因縁の相手・愛原樹里亜(水野美紀)が、殺害予告ともとれる脅迫状が届いたと助けを求めてやって来る。自らの過ちを決して認めず、反省のかけらもない樹里亜の態度に、当然、涼子は依頼を断るが、結局、高額な報酬を前に、身辺警護と犯人特定の依頼を引き受けることに。しかし、その胸にはある思いがあった—。
ナースに扮(ふん)した涼子が、樹里亜の身辺警護をしていたある日、歩いていた2人に向かって工事現場の鉄パイプが倒れてくる。涼子の機転で何とかよけ無事だったが、後日、樹里亜はその一件を記者の前で発表する。すると、人混みの中から作業服を着た一人の男が「悪魔!魔女!」と樹里亜に向かって罵声を浴びせる。
その風貌から、作業服の男が自殺した西田真紀(市川由衣)の元婚約者・滝本悟志(小久保寿人)ではないかと考えた涼子は、貴山と久実(白石聖)を使って、滝本にある揺さぶりをかける。すると、真紀が自殺した当時の状況について、新たな事実が判明しー。
第5話のレビュー
「助けて!私、殺されそうなの」
と、上水流涼子(天海祐希)の探偵事務所に飛び込んできたのは、第4話で散々、涼子とやりあった美容家の愛原樹里亜(水野美紀)だった。
しおらしく涼子に助けを乞うのかと思ったら、それは最初だけ。
出されたコーヒーを口に含めば「まずっ。よくこんなの出せるね。なにこれ、泥水?」と毒づく。
さらに「どうせ経営厳しいんでしょ?助けてあげる」と上から目線。
涼子も負けてはいない。
「なんであんたの仕事引き受けなきゃいけないのよ」とそっぽを向くも、貴山(松下洸平)に話だけでも聞くように促され、樹里亜の話を聞くことに……。
前回に引き続き、天海と水野のやり取りが圧巻だった。
ここまで実績を積み上げてきた女優同士の真剣勝負。
見苦しさは微塵も感じず、むしろ爽快でずっと見ていられる。
樹里亜は「必ず殺す 地獄に落とす 震えて眠れ」という脅迫状を見せ、自分の警護と、この脅迫状を送り付けてきた人物を捕まえるように言い放った。
涼子は「あーやっぱり無理。きらいだわ、こいつ……」と言いながらも、樹里亜が出した現金1,000万円を目の前に詰まれると「やりましょう」と急に態度を変えた。
表向きはお金で釣られたような形ではあったが、樹里亜のせいで自殺をしてしまった西田真紀(市川由衣)の無念を晴らすために引き受けた涼子。
天海が演じる涼子は、正義感と強さが全面に出ているが、優しさにも溢れている。
激辛を好み、事務所に設置してあるサンドバックを蹴る描写からは、過度なストレスを感じていることもわかる。
樹里亜の警護をしながら、脅迫状を送った相手を探る涼子と貴山。
真紀(市川由衣)の元婚約者、悟志(小久保寿人)が怪しいと思い、貴山が近づくが犯人は悟志ではなかった。
結局、脅迫状を送ったのは樹里亜の自作自演だった。
注目を集め、政界進出を目論んでの行動だったことがわかった。
しかも真紀は自殺ではなく、樹里亜に殺されていたことも判明。
しかし、真紀は生きていた。
海岸で樹里亜に殴られ、海に突き落とされたが漁師に助けられていた。
樹里亜への復讐を企んでいたが、涼子のお陰で真紀が悪に手を染めることはなく、涼子が樹里亜へお灸を据える形で幕を閉じた。
樹里亜は「上水流涼子、絶対忘れないから……」と言って、警察に連行されていった。
婚約者の悟志も真紀が生きていたことを喜んだ。
そして前回、貴山のファインプレイで盗んだ樹里亜の2000万円のネックレスを真紀に渡す涼子。
「その代わり復讐しようなんて気持ちは捨てなさい。憎しみを抱いたまま生きるのは辛くなるだけよ」と力強い言葉を投げかけた。
今回もスカッとした結末を迎え、気持ちは晴れ晴れ。
(涼子たちはネックレスの窃盗、樹里亜の誘拐とスレスレの行動をしていることは気になるが……)
無事に事件が解決したものの、貴山はまた「猫カフェへ…」と言って父親の病室へ向かった。
貴山が病室に到着すると、心拍数が戻った父親の姿が。
看護師が喜んで医師を呼びに廊下に出た瞬間、貴山も一緒になって喜ぶかと思いきや、まだ意識のない父親の胸ぐらを掴みながら
「どうして母さんを殺した? おい、起きろ!絶対に許さない。僕が殺してやる」
と激高。
一瞬でドラマの空気感が変わった瞬間だった。
尋常でない貴山の豹変ぶりに闇を感じる。
いったい貴山の過去に何があったのか。
涼子が真紀に放った「その代わり復讐しようなんて気持ちは捨てなさい。憎しみを抱いたまま生きるのは辛くなるだけよ」という言葉は、貴山へのメッセージだったのかもしれない。
涼子は貴山を闇から救うことができるのだろうか――。
思いがけない展開にまだ胸がドキドキしている。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
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6年前、アメリカで暮らす貴山(松下洸平)のもとに届いた母と妹の死の知らせ。2人は就寝中、家に火をつけられ殺害された。警察によると、犯人は当時外務省の官僚だった父・勇作(小林隆)の可能性があるという。しかし、自らも火事に巻き込まれた勇作は、事件以来、放火殺人の容疑をかけられたまま植物状態に。貴山は、いつ意識が戻るか分からない父の看病を続けながら、ある強い思いを胸に秘めていた。涼子(天海祐希)もまた、そんな貴山の過去を秘密裏に知り…。
ある日、線路に転落して亡くなった夫の死の真相を調べてほしいという女性が上水流エージェンシーにやって来る。その女性によると、建設会社に勤務していた夫は、死の直前、「いつか俺は社長に殺されるかもしれない」とおびえていたという。しかし、警察はこの証言を取り合わず、なぜか捜査も打ち切りに。
夫が勤めていた八雲建設の社長・八雲治(浅野和之)は、アジアの途上国へ多額の寄付をするなど、慈善家として知られる人物。一方、美食家としても有名で、慈善家とは思えないぜいたくざんまいな日々に、涼子や貴山は嫌悪感を抱く。やがて、八雲が料亭で、現職の国会議員で外務副大臣の増本幸次郎(石黒賢)と会食することを突き止めた涼子たちは、何やらきなくさい空気を感じてー。
第6話のレビュー
前回のラストシーンで貴山(松下洸平)は意識不明の父、勇作(小林隆)の胸ぐらを掴みながら、
「どうして母さんを殺した? おい、起きろ!絶対に許さない。僕が殺してやる」
と豹変した。
6年前――。
18歳で渡米し、大学院ですばらしい成績を残した貴山。
さぁこれから就職しようとしていた矢先、日本にいる母と妹が亡くなったと知らせを受ける。
就寝中、自宅に火を点けられ、母と妹は死亡。
当時、外務省の官僚だった父も火事に巻き込まれ植物状態に。
そして、その父が母と妹を殺した可能性が高いという。
自分がアメリカで学生生活を送っていた間に、いったい家族に何が起こったのか。
そこで第5話のラストシーン、「僕が殺してやる」というセリフに繋がったわけだ。
一人残された貴山の気持ちを考えると涙が出る。
今は涼子(天海祐希)という、頼りになるボスの側で働いているだけで救われているかもしれない。
側にいてくれるだけで…大袈裟に言えば、存在してくれているだけでこちらが救われるという人物は多くはないが存在する。
まさに貴山にとって涼子はそんな位置づけなのかもしれない。
何不自由ない生活を送ってきた久実(白石聖)にとっても同じく。
涼子は、まさに彼らにとって太陽のような存在なのだろう。
第6話はストーリーが大きく動いた。
ある日、上水流エージェンシーに線路に転落した夫の死の真相を調べてほしいという女性がやってきた。
調べていくうちに依頼人の夫は、八雲建設の社長、八雲治(浅野和之)と、現職の国会議員で外務副大臣の増本幸次郎(石黒賢)の不正を暴こうとして殺されたことがわかる。
貴山の父もまたこの2人の不正に気付き、告発しようとしていた矢先に事件に巻き込まれたのだった。
父が母と妹を殺したわけではなかったとわかると貴山は
「父さん、ごめんなさい。なにも知らなくて……。」
と意識不明の父に涙を流しながら謝った。
この時の松下の演技が秀逸。
まるで小さな子どもが父に甘えるような姿だった。
母と妹の死の真相が解明され、一件落着と言いたいところだが、まだまだ謎が多すぎる貴山。
金庫破りができたり、裏社会の浩次(中川大輔)と繋がっていたり、なんでもこなせるIQ140の貴山の6年間が気になる。
そんな貴山が次は涼子の過去を救うのだろうか。
クスっと笑えたかと思えば、ミステリアスな雰囲気もあり、視聴者を飽きさせない。
はたして最終回まで「合理的にあり得ない」話はあといくつあるのだろうか。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
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ある日、久実(白石聖)が作った上水流エージェンシーのアカウント宛に、「誘拐事件を解決してほしい」とメールが届く。依頼主は、有名なインテリアコーディネーターの石原歩美(酒井若菜)と、夫で経営コンサルタントの啓士(山崎樹範)。一人娘の星名が誘拐され、身代金の要求はないが、警察に通報したら殺すと脅迫されているという。そのうえ、家のいたるところに監視カメラが仕掛けられているため、夫婦の行動や会話は犯人に筒抜けらしい。
動物病院のスタッフに扮(ふん)した涼子(天海祐希)と貴山(松下洸平)は、早速、愛犬を診察するフリをして石原家に潜入。まな娘の無事を祈る歩美と啓士を誘導し、何とか犯人の目が届かない場所を探そうと家中を見て回る。すると、唯一、監視カメラが設置されていない部屋があり…。
そんな中、啓士のスマホに犯人からメールが届き、「イマスグ、ホームパーティーヲシロ」という指令が。わけが分からないまま、犯人の指示に従い石原家に集められたのは、啓士の秘書や歩美の仕事仲間の建築家、さらに、啓士が通う歯科の女性歯科医・白鳥薫(水沢エレナ)に行きつけのスナックのママ、歩美が通うジムのトレーナーなど、性別も年齢もバラバラのメンバー。さらに全員、この日が初対面だという。犯人の目的を知るため、自らもパーティーに潜入した涼子は、出席者たちに接触。すると、ある人物の行動から、思わぬ事実に気がついてー。
第7話のレビュー
「なんだかややこしそう……」
涼子(天海祐希)が懸念したとおり、今回の依頼は身代金のない誘拐事件。
金銭の要求がないとなると、誰かの恨みだろうか。
そうなると確かにややこしい。
依頼主は、経営コンサルタントの石原啓士(山崎樹範)と有名インテリアコーディネーターの歩美(酒井若菜)夫妻。
一人娘の星名が誘拐されたとのことだが、前述した通り金銭の要求はないとのこと。
涼子と貴山(松下洸平)は「あおぞら動物病院」の獣医に扮して石原家に潜入した。
自宅のいたるところに監視カメラが仕掛けられており、犯人からは涼子らの行動が筒抜け状態。
しかも、携帯でどんどん依頼がくる。その依頼が少し“変”なのだ。
「ホームパーティーヲシロ」
「フウフデ イチャイチャ シロ」
「キス シロ」
石原夫妻は、犯人の要求通り、ホームパーティーをすることに。
石原家に集められたのは、啓士の秘書や歩美の仕事仲間の建築家、啓士が通う歯科の女性歯科医、白鳥薫(水沢エレナ)など。
どうにかして石原夫妻を仲良くさせようとしているとしか思えない要求と、監視カメラが子ども部屋にはなかったことから、涼子は今回の犯人は娘の星名だと気づいた。
しかし次の要求は、
「石原歩美が歯科医・白鳥薫を殺せ」
と、これまでとは打って変わって物騒な要求に変化した。
しかも、星名がお風呂場で監禁されているような写真まで送られてきた。
娘の狂言誘拐がいつしか本当の誘拐事件に発展。
その犯人は星名の家庭教師で元、啓士の不倫相手、岡田美沙(浅川梨奈)だった。
涼子は美沙の要求通り、歩美が白鳥を殺すことを提案したが……。
啓士が美人歯科医の白鳥といい、若い家庭教師の美沙となぜそこまでモテるのかは不思議だったが、美沙役の浅川梨奈の狂った演技が光っていた。
第7話もテンポよくストーリーが進み面白かったが、前回が神回だったうえに涼子と貴山の変装が少なかったので、今回は少し物足りなさを感じてしまった。
ラストシーン――。
涼子は請求書の「3776」という数字を見て動揺したが、これはどういう意味だろうか?
何かの暗証番号か?
まだまだ謎が山盛りで先が気になる。
山と言えば富士山の標高は3776メートルだが、関係あるのか?(いや、ないか…)
いろいろなことを想像しながら、次週の放送を楽しみにしたいと思う。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
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ある日の晩、居酒屋で一人、酒を飲んでいた丹波(丸山智己)は、かねてから思いを寄せる涼子(天海祐希)が見知らぬ男と親しげに話している姿を目撃し、ショックを受ける。翌朝、失意のまま久実(白石聖)と貴山(松下洸平)の元へ相談に行くと、久実は涼子に彼氏ができたのではないかと言い出し…。
涼子によると、一緒にいたのは高校の吹奏楽部の後輩・新藤達也(眞島秀和)。昔から不器用な性格でお人よし、現在は銀行勤めで都心にマンションを所有しているという。涼子は「弟みたいなもん」と、新藤との間に恋愛感情はないことを断言するが、不安が拭いきれない丹波は、貴山に2人の関係を調べてほしいと依頼する。
数日後、貴山と久実が尾行を開始すると、涼子はいつもとはまるで違う、女性らしい服装に身を包み、新藤と恋人同士のような時間を満喫していた。仕事中は決して見せない涼子の楽しそうな表情に、なぜか胸のざわつきを覚える貴山。しかし、芽生えた感情の正体が分からないまま、丹波に言われた通り、さらに新藤の素性を調べていく。そしてある晩、涼子との食事を楽しんだ新藤を尾行した貴山は、彼が帰宅した家を見て違和感を抱きー。
第8話のレビュー
今年の春ドラマ、多くのドラマがピークを迎え、最終回へ向けて盛り上がりをみせている。
天海祐希主演の「合理的にあり得ない」も同じく、残すところわずか——。
涼子(天海祐希)や貴山(松下洸平)の過去が明らかになりそうだが、第8話は涼子の恋バナで盛り上がった。
高校の吹奏楽部の後輩、新藤達也(眞島秀和)が急接近し、涼子に片想い中の丹波(丸山智己)は、貴山と久実(白石聖)に涼子と新藤のことを調べて欲しいと依頼する。
涼子と新藤がデート?することになり、2人を尾行することに。
女性が苦手な貴山だが、最近は久実といい感じ。
バレバレの変装をしながら尾行する姿がなんだかかわいい。
これには多くの松下ファンも反応。
そして、新藤は帰り際、「僕とお付き合いしてもらえませんか?」と涼子に愛の告白。
しかしこの新藤、なんとなく信用できない雰囲気。
これは涼子が新藤に騙されてしまうのでは?と、貴山と同じくソワソワした筆者だったが、新藤には別に彼女の陽菜(松井愛莉)がいて、その彼女が白血病で治療中だという。
人のいい新藤は、その彼女の治療費のために会社のお金を横領しようとし、クビに。
そして、高校時代の先輩である涼子にまでお金を借りようとしていた。
呆れるほど優しい新藤の話を聞く涼子もまた、本当に優しい人なのだろう。
しかし、騙されているのは新藤だったというオチ。
白血病だという彼女は病気でもなんでもなく、単なる詐欺師だった。
中華料理屋で共謀した女友だちと素行の悪そうな男2人と4人で
「マジでちょっとないわ~あの新藤って男が一番バカだよな」
「あのババア連れてきたから結果、オーライっしょ」
と、高笑いをしている。
そこへ涼子と貴山が入ってきて反撃。
涼子がストリートファイターのようで今回も強かったー!!
実は最初からすべてを見破っていた涼子。
さすがである。
新藤に彼女たちは詐欺師で警察に捕まったと話すが新藤は、「よかった、だって陽菜さん、病気じゃなかったんですよね。なら良かった。あの人が元気なら……」
これには涼子もポカン。
「恋愛的にあんたと付き合うなんてあり得ない」とバッサリ別れを告げた。
詐欺師に騙され、銀行をクビになり、人生を棒に振った新藤。
可哀そうだが涼子と同じく「あり得ない」と言わざるを得ない。
事務所に戻った涼子を見て貴山は少し元気のない様子に気がつく。
その流れで
「今回のことでいろいろ考えたんです。僕は涼子さんが好きです。好きなんですよ、あなたが」
と、突然こちらも愛の告白。
「は?」と驚く、涼子。
今回の涼子はモテモテである。
しかし、その後に
「勘違いしないでください。異性としてではなく人として。というか生き物として…」
と続けた。
まぁ、これも貴山なりの優しさだったのだろう。
第8話は、ストーリーが2転3転する展開が非常に面白かった。
貴山の思わぬ告白には驚いたが、最終回に向けて「生物としての好き」は「異性への好き」へと変化していくのだろうか——。
天海祐希と松下洸平の息ぴったりの掛け合いも残すところ数話と思うと寂しい。
前回のラストシーンで出てきた「3776」の数字と、予告に映っていた男が何を意味するのか。
次週も天海・松下劇場を堪能したい。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第9話ストーリー&レビュー}–
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
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弁護士資格を剥奪される原因となった傷害事件について、何とかして当時の記憶を呼び覚ましたい涼子(天海祐希)は、自らの拳が血に染まるまで殴り続けた相手、椎名保に謝罪するべく、下町の小さなレンズ工場を訪れる。しかし、何度訪ねても椎名は会ってくれず、今回もまた、息子の孝(本田響矢)に追い返されてしまう——。
事務所に戻ると、10歳の息子の親権を取り戻したいという澤本香奈江(入山法子)が、涼子の帰りを待っていた。息子の直人は、5年前に離婚した元夫で整形外科医の安生健吾(高橋光臣)と暮らしており、保育士の香奈江には裁判費用を工面することが難しかったため、今まで泣き寝入りしてきたという。
香奈江の話では、安生には離婚前から女性の影があったといい、涼子はその真相を突き止めるため、患者のふりをした久実(白石聖)を安生のクリニックへ送り込む。ところが、安生の診察は患者を怒鳴りつけるなど、よもやモラハラともいえる言動のオンパレード。久実のうそも早々に見破られるが、その高圧的な態度に怒りが爆発した久実は…。
その頃、貴山(松下洸平)の周囲には不穏な空気が漂い始めていた。「氷川が戻ってきたらしい。のぶりんのこと探してた」浩次(中川大輔)のその言葉に、貴山は…。
第9話のレビュー
過去に自分が何度も執拗に殴った相手へ謝罪をするため、涼子(天海祐希)は「椎名レンズ」へ向かっていた。
いまだになぜ自分が突然、椎名保(野間口徹)を殴ったのかはわからない。
一つ言えることは自分の意志はそこにはなく、スイッチが入ったかのようにただただ殴っている自分の記憶だけだった。
涼子が上水流エージェンシーに戻ると、依頼人の澤本香奈江(入山法子)が、離婚した元夫で整形外科医の安生健吾(高橋光臣)から子どもの親権を取り戻したいと相談に来ていた。
その話を聞き、感情移入した久実(白石聖)は勝手に仕事を引き受けてしまう。
世間知らずの久実…なにやら嫌な予感。
一方、貴山(松下洸平)にも怪しい男、氷川(阿部亮平)が近づいてきていた。
「風の噂で聞いた。今、探偵やっているんだって?しかもあのおねえさんのところで。何か目的があるのか?」
”おねえさん”とは涼子のことか?
そうだとしたら、氷川という男はなぜ涼子のことを知っているんだ?
さらに氷川は
「貴山、過去は消せないよ。お前のやった過去は一生消せないから」
と続けた。
これはいったいどういう意味だ?
やはり貴山は過去に涼子と関係しているのだろうか――。
香奈江の相談案件は久実の空回り行動が邪魔をし、かなり遠回りをしたが涼子と貴山が思い切ってラブホテルに潜入したお陰で無事に解決。
今回は派手な変装シーンはなかったが、二人のやり取りが最高に面白かったので違う意味で楽しめた。
ラストシーン。
涼子の携帯に何者かからメッセージが届く。
添付された動画を躊躇しながら開くと
顔は映っていないが、白衣を着た怪しい男と自分の姿が!
「これからいう数字を聞いたあなたは、自分でも感情が抑えきれないほどの怒りが湧きあがってきます。その数字は3776」
涼子が何者かに催眠術をかけられている。
ええ?
これは第2話で貴山が犯人に使った手口とまったく同じではないか!
ということは、涼子に催眠術をかけている人物は貴山なのか?
録画を見なすと、明らかに松下の声とイントネーション。
となると、氷川が発した「あのおねえさん」というくだりも妙に納得だ。
次週からいよいよ最終章へ。
涼子と貴山のコンビに大きな亀裂が入ってしまいそうな嫌な予感しかしない。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第10話ストーリー&レビュー}–
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
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突如、涼子(天海祐希)のスマホに送られてきた謎の動画。そこには、うつろな表情をした涼子の様子が映っていた。
「これから言う数字を聞いたあなたは、自分でも抑えきれないほどの怒りの感情が湧き上がってきます。その数字は『3776』『3776』——」
映像の中の言葉で、涼子の脳裏には、椎名(野間口徹)を殴ったあの日の記憶が鮮明によみがえる。真実にたどり着くため、涼子はある人物の元を訪ねる。
一方、貴山(松下洸平)の前には再び氷川(阿部亮平)が姿を現す。かつての仲間を真っ向から拒絶するが、氷川がおとなしく引き下がるはずもなく、それどころか「ゲームを始めた」と不敵な表情を浮かべ、「俺の仕事を手伝え」と交換条件をつけて脅しをかけてくる。
改めて動画を見ていた涼子は、映像の中に、見覚えのあるものを発見する。
その手がかりから、かつて自分の後輩だった弁護士に行き着くと、8カ月前の知らなかった事実が明らかになってー。
その頃、本気で探偵になろうとしている娘の久実(白石聖)をやめさせるよう説得して欲しいと、諫間(仲村トオル)が上水流エージェンシーを訪れる。
第10話のレビュー
「なにこれ……」
涼子(天海祐希)は、送られてきた映像を見て絶句した。
8か月前、自分が「3776」という数字を聞くと、怒りの感情が抑えられない催眠術を何者かにかけられていたことがわかった。
自分の手で謎を解明したいと思い、貴山(松下洸平)や久実(白石聖)には相談せず、一人で映像を送ってきた相手を探すことに。
わかったことは弁護士の後輩、谷川(長田成哉)が紹介してくれた「ヒプノセラピー アリア」というところで催眠をかけられていたこと。
涼子の仕事はすべて谷川が引き継いでおり、羽振りがいいこと。
完全に谷川が涼子をはめたと思っていたところ、諫間(仲村トオル)が事務所にやってきた。
「この花瓶、使ってくれているんだな」
と娘の久実の就職祝いにあげた花瓶を見つめる諫間。
不自然な花瓶――。
『これはなにかあるのでは?』と、ほとんどの視聴者が思ったはず。
諫間に催眠術のことを話したところ、突然警察がやってきて谷川が死んだと告げた。
そして、谷川が死ぬ前に「大柄な女性が谷川を殺そうとしている」という匿名の電話があったとのことで、涼子は任意同行された。
さらに涼子にとっては驚きの展開が……。
事務所に戻ったところ、いきなり貴山から事務所を辞めるといわれ、呆然とする。
開始15分ほどで怒涛の展開だ。
一方、貴山も厳しい局面を迎えていた。
過去に父親の治療費を稼ぐため、悪事に手を染めていた貴山は犯罪仲間の氷川(阿部亮平)に付きまとわれ、また犯罪に加担することに。
現在放送中のNHKの朝ドラ「らんまん」にも出演中の阿部だが、裏社会の役ははまり役。
黙って立っているだけで「それっぽい」雰囲気がこちらにビンビン伝わる。
第10話では、貴山と浩次(中川大輔)も闇バイトがきっかけで知り合ったことがわかった。
なるほど。
それで貴山はまったく違うキャラの人たちとつながっていたというわけか……。
涼子を守るためにまた氷川と手を組む決断をした貴山だが、涼子に催眠をかけたことも含め、すべてを自分の口から話したほうがよかったのでは?と思うが、なかなか言えないか……。
終始、苦悶の表情を浮かべる松下。
後半も氷川に殺されそうになる場面では、松下を通して死の淵すれすれにいる人間の表情を見た気がした。
今回大活躍したのは、ダーティハリーこと刑事の丹波(丸山智己)だ。
ちゃらちゃらしたキャラクターでこの人が出てくると一気に空気が緩くなるが、そこは刑事。
いつも涼子のことを助けにきてくれる頼もしい人物だ。
しかしこのドラマは仲村といい丸山、中川と背がすらっと高くて塩顔のイケメンが揃っている。
これも松下の子犬のような愛されキャラが引き立つような演出なのか?
(いや、天海とのバランスを図っているのか?)
話を戻そう。
氷川から殺されそうになっていたところに涼子がやってきた。
「信頼は過ごした長さじゃない。過ごした深さで築かれるものなの。
私たちの仲がどうにかなるなんて、絶対的にあり得ないから」
と、啖呵を切って貴山を救出。
貴山は「謝って済まされることではないですが、本当にすみませんでした」と深々と涼子に謝罪をした。
そして、涼子を社会的に抹殺したのは諫間だったと告げた。
それを娘の就職祝いに送った花瓶に仕掛けられていた盗聴器から聞いている諫間。
あーあの花瓶……。
仲村の悪い顔がアップになったところで次週へ。
なぜ諫間は涼子にここまでひどい仕打ちをするのだろうか。
娘や他界した妻が何か関係しているのだろうか?
「3776」の数字の意味は?
あまりにも「あり得ない」展開でまだ頭が混乱している。
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–{最終話ストーリー&レビュー}–
最終話ストーリー&レビュー
最終話のストーリー
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弁護士だった当時、涼子(天海祐希)に催眠をかけるよう依頼し、法曹界から追放したのは諫間(仲村トオル)だった。理由が分からず、納得できない涼子は、貴山(松下洸平)に促され、諫間グループの顧問弁護士だった頃のことを思い返す.
すると、諫間が、負債を抱えた技術系の小さな会社と合併しようと躍起になり、それに反対してもめたことがあったと思い出す。しかし、父親の後を継ぎ、顧問弁護士として2代にわたって会社を支え、信頼関係を築いていたことから、その程度のことで諫間が自分をおとしめるはずがないと話す涼子。いくら考えても理由が分からず、もはや本人に聞くしかないと意を決した涼子は、貴山を連れて諫間の元へ向かう。
「あんな姑息(こそく)な手、私の知ってる諫間慶介なら、絶対にやらない」——。
うそであってほしいと願う涼子に、諫間は驚くべき言葉を口にして…。
諫間の胸の内と、傷害事件の真実を知った涼子。
さらに、椎名(野間口徹)が拉致・監禁されるという新たな事件も勃発!
父親の非情な仕打ちを知ったとき、娘の久実(白石聖)が選ぶ道とは。
涼子と貴山、最強バティ最後の闘いが始まる——!
最終話のレビュー
まず結果から話してしまうと、最後も視聴者の期待を裏切らない?コミカルな雰囲気で終了。
一瞬、呆気にとられたが、時間がたつにつれて「あり得る」終わり方だったように思う。
最終回は、なぜ涼子(天海祐希)が諫間(仲村トオル)から社会的に抹殺されなければならなかったのかに焦点があてられていた。
そして、諫間のバックには謎の男「S」の存在があり、パート2も「あり得る」と思わせてくれた。
涼子と貴山(松下洸平)は、諫間がなぜ涼子を酷い目に合わせたのが直接問いただしてみることに。
すると、「ずっと邪魔だったんだよ、君が」とにらみつける始末。
そんなことで!? と思えてならないが、諫間にとってはそれが最大の理由だったのだろう。
『邪魔だから消しただけのこと。何か問題でも?』と言わんばかりだったが、諫間も氷川(阿部亮平)に手荒な真似はするなと忠告していた。
どうやら、諫間も氷川のやり方には難色を示していたようだ。
しかし、氷川は「そういうのはうちの上に任されてるんで」とバッサリ。
うちの上って誰よ!
って視聴者が思ったのも束の間、諫間の携帯に「S」という人物から着信が!!
このSという人物が、椎名レンズの椎名(野間口徹)が開発したレンズの完成のために諫間と氷川を操っているようだ。
Sの声とシルエットですぐに俳優の佐野史郎だとネットでは大騒ぎ。
「さらに黒幕がいたなんて。しかも佐野史郎さん!」
「どうみても今の佐野史郎だんだっよね!」
一方、諫間の娘、久実(白石聖)は父親が涼子を陥れるなんて「あり得ない」と訴えている。
今日も大きなリボンは健在だ。
そこへ、椎名の息子がやってきて椎名が行方不明だという。
氷川の仕業だ。
それにしても今クール、野間口徹は大活躍。
同ドラマ以外にも、日本テレビ系の「それってパクリじゃないですか?」から、フジテレビ系の「あなたがしてくれなくても」にも出演している。
今やすっかり名バイプレーヤーだ。
氷川らに拉致された椎名を助けるため、ここからは貴山の出番。
あっという間に椎名の居場所を突き止め、椎名を救出した。
そして、椎名の口から諫間らが企んでいる「3776計画」の存在を聞いた。
天体観測が好きだった椎名は、天体望遠鏡の特殊なレンズの開発に成功していた。
そのことを知った諫間は、さらに高性能なレンズの作成を依頼するために椎名に近づいていたようだ。
最終回では佐野史郎以外にも、玉山鉄二も警備員役でほんの数分、出演。
玉山と言えば、「BOSS」や「離婚弁護士」で天海と共演していた。
前回も不動産屋さんの社員役で温水洋一がちょい役で出演していたので、竹野内豊も出演するのではないかと期待してしまった。
軍事用ドローンの開発のために椎名のレンズが欲しかった諫間とS。
しかし、敵に回した相手が悪い。
涼子と貴山の反撃は止まらない。
久実が死んだと思わせるという、諫間にとっては一番辛い仕返しをしたのだった。
諫間と氷川は逮捕されたが、黒幕Sの存在はわからないまま。
しかし、最後のエンドロールにはしっかり「佐野史郎」の名前が。
これまで豪華なゲストが出演してきたが、最終回でも佐野と玉山という贅沢な友情出演があり、大団円を迎えた。
ところどころ荒唐無稽とまでは言わないが、この設定「あり得ない」と思えるようなところもなかったとは言えない。
それでも最後まで楽しく観れたのは、役者たちの演技が視聴者を引き付けたからだろう。
ドラマを観る前はもっとミステリー要素のあるもので「考察」や「伏線回収」で話題になる作品だと思っていたが、そこまでではなかった。
とはいえ、天海と松下の息の合った掛け合いや、クスっと笑える2人の変装、そしてストーリー展開も小気味よく最後まで楽しませてもらったことは事実。
そして、なんといっても最初から最後まで天海祐希がとにかくかっこよかった!!
天海と松下という最強で最高のバディが誕生した同ドラマ。
終わり方もコミカルで後を引かない感じではあったが、早くもシーズン2を期待する声が多く集まっている。
貴山の「涼子さんが(生物として)好き」の涼子からの答えはまだ出ていないから。
さて、シーズン2は「あり得る」のか?「あり得ない」のか?
どっちなんだい?
と、なかやまきんに君の言葉をお借りして、同ドラマのコラムを締めたいと思う。
※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。
–{「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」作品情報}–
「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」作品情報
放送日時
2023年4月17日スタート。毎週月曜22:00~
出演
天海祐希/松下洸平/白石聖/中川大輔 /丸山智己 /仲村トオル
原作
柚月裕子『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』(講談社文庫)
脚本
根本ノンジ
音楽
眞鍋昭大
プロデューサー
萩原崇
清家優輝
演出
光野道夫
二宮崇
倉木義典
制作協力
ファインエンターテイメント
制作著作
カンテレ