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2023年4月3日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。
「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。
ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第12回を紐解いていく。
万太郎は昼行灯
町一番の秀才だからと、小学校の校長先生に教師にならないかと打診された万太郎(神木隆之介)ですが、東京に心の友に会いに(会いに会いに♪と歌う主題歌が思い浮かびます)行くから忙しいとあっさり断ります。
峰屋の人たちは、当主は頭がいいももの、昼行灯のようであることをひどく心配していたので、学校の先生になってくれることを願いましたが、万太郎の態度にがっかり。
万太郎はいちいち、周囲の期待に応えない人のようです。それだけ規格外なのでしょう。咲く場所が違うっていうやつですね。
峰屋の酒・峰乃月を東京の博覧会に出すことになり、万太郎はそれに乗っかって東京に行こうと目論んでいます。酒の仕事を何もしてないにもかかわらず東京にだけは行こうとするちゃっかりさんです。
綾(佐久間由衣)は綾で、縁談がありましたが、博覧会に酒を出品することを考えたら見合いをしている場合ではないとやっぱり断ってしまいます。そして、なんと新しい酒を開発します。
幸吉(笠松将)に手伝ってもらって作ったものの、タキ(松坂慶子)に相手にされません。ものすごい剣幕で叱られました。
しゅんとなったものの、いいこともあって。
綾は幸吉と酒作りを一緒に行ったことで心が通いあっていきます。
幸吉は昔拾った綾のかんざしを大切に持っていました。これをいいふうに感じる場合と気持ち悪いと感じる場合があり、要注意と思いますが、綾と幸吉の場合は信頼関係がすでに構築されてきていたため、いい結果になったようです。
でも綾と幸吉の関わりを竹雄(志尊淳)が切ないまばざしで見ています。
竹雄は心のうちにあるものを押し込めているようです。
万太郎はお気楽で、植物を細かく観察しますが、人間の心には疎い。その部分は、綾と竹雄が担っています。
万太郎は周囲の人の無理解に負けず自分の好きなことをやっています。
綾は女性は「片付いた」(結婚する意味)ほうがいいと思いながらそれができない。「自分のことばっかり。醜いよ」と謙虚です。万太郎にはない感覚を綾は持っています。
竹雄はふたりの話しを聞くだけで、自分のことは言いません。その代わり、綾の背中を見ながら、はあと息を手で塞ぎ、笑顔を作って追いかけたり、水垢離をはじめたりしています。
自由奔放な万太郎
自由は自分勝手だと思いこむ綾
自由以前の竹雄
三者三様です
みんなそれぞれ悩んでいますが、竹雄は、使用人として、綾や万太郎のお世話をする仕事をしているので、自分の思いを誰かに言うことすらはばかられ、いつも笑顔で理解力のある人物でいないといけない。それがだんだん辛くなっていく竹雄を応援したくなります。
「暑いがです」と無心に水垢離する竹雄。なぜカラダがこんなに火照るのか、はっきり言葉にできないもどかしさ。
ただ、いざ、万太郎と東京に行くことになると、竹雄も楽しそうで、ちょっとホッとしました。万太郎と竹雄の珍道中を見たい。
(文:木俣冬)
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–{「らんまん」第3週「ジョウロウホトトギス」あらすじ}–
「らんまん」第3週「ジョウロウホトトギス」あらすじ
18歳になった万太郎(神木隆之介)だが、相変わらず植物の研究に没頭する日々を送っていた。一方、姉の綾(佐久間由衣)も禁じられた酒造りへの夢を諦められずにいた。そんな折、東京で開催される博覧会に峰屋の酒を出品することが決まり、万太郎は竹雄(志尊淳)を伴って初めて上京することに。訪れた上野の博覧会場で菓子屋の娘・寿恵子(浜辺美波)との運命の出会いを果たす。また憧れの植物学者、野田(田辺誠一)や里中(いとうせいこう)との出会いから大きな刺激を受ける。万太郎がますます植物学に引かれていく一方、竹雄は万太郎の心が峰屋から離れることに不安を感じる。
–{「らんまん」作品情報}–
「らんまん」作品情報
放送予定
2023年4月3日(月)より放送開始
作
長田育恵
音楽
阿部海太郎
主題歌
あいみょん「愛の花」
語り
宮﨑あおい
出演
神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、笠松将、中村里帆、島崎和歌子、寺脇康文、広末涼子、松坂慶子、牧瀬里穂、宮澤エマ、池内万作、大東駿介、成海璃子、池田鉄洋、安藤玉恵、山谷花純、中村蒼、田辺誠一、いとうせいこう ほか
植物監修
田中伸幸
制作統括
松川博敬
プロデューサー
板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出
渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか