『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』の見どころ紹介!

映画コラム

映画2作目の前編である『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』の公開が4月21日(金)に控えており、4月15日には前作『東京リベンジャーズ』が地上波放送。

本記事では、前作を振り返りつつ『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』の見どころをネタバレしすぎない程度にお伝えしたい。

前作『東京リベンジャーズ』を振り返る

(C)和久井健/講談社 (C)2020 「東京リベンジャーズ」製作委員会

まずは2021年に公開され、実写No.1の興行収入を記録した前作の映画『東京リベンジャーズ』を振り返る。主人公・タケミチ(北村匠海)が初めてのタイムリープをしてからマイキー(吉沢亮)たちと出会い、ドラケン(山田裕貴)の死を阻止するまでを描いたこの作品。人気漫画の実写化だけに、キャスティングやストーリーの再現など、どう表現されるのか注目が集まった。

実際に公開されるまでは不安を感じた人もいたかもしれないが、公開作品を観た人の多くが、おおむね納得できる作品だったのではないかと思う。

ヤンキーもの×タイムリープものという、一見身近に感じられない人のほうが多そうな設定の物語は、ともすればチープになってしまう可能性もあった。が、キャストの演技力と数々の実写映画を成功に導いてきた英勉監督の手腕によって、観客の生きる現実から地続きの物語として感じることができた。

個人的に注目してほしいのはアクションのクオリティーとそれに絡む音楽、何よりキャスト一人ひとりの演技だ。タケミチを泥臭く演じた北村匠海の姿、マイキーのアクションを再現した吉沢亮はもちろんのこと、ドラケンを演じるために地毛を剃って辮髪ヘアを作り、15cmのブーツで撮影に臨んだという山田裕貴の気合いと演技には感嘆した。

(C)和久井健/講談社 (C)2020 「東京リベンジャーズ」製作委員会

またタケミチの親友・アッくん(千堂敦)を演じた磯村勇斗の声の使い分けも見事だった。見せ場は多くなかったが、三ツ谷のかっこよさを完全実写化した眞栄田郷敦も素晴らしかった。そして、ヤンキー役は多くても正義の不良役が多かった鈴木伸之が、キヨマサという悪役に徹していたのもよかった。

コロナ禍にもかかわらず、普段映画館に行かない人の足をも劇場に向けた作品だったと思う。何度も繰り返し観たという人も少なくなかったのも頷ける。

–{『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』の見どころ}–

『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』の見どころ

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新キャストも発表され、前後編となった新作『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』。どんな内容か気になっている方も多いのではないだろうか。そこで一足お先に試写を観た筆者が、ネタバレしすぎない程度におすすめポイントをお伝えしたい。

観たあとに再度前作も鑑賞し、素晴らしかった前作の「最高」を更新する作品になっていると思う。

■原作既読でもあらためて感動、実写で深まるストーリー描写

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『血のハロウィン編 運命』は、前編のため前作に比べるとアクションの割合は少なめ。その分、エピソードや登場人物がじっくりと描写されている。原作をすでに読んでいて話の流れを知っていても、あらためて心が動くシーンが多かった。筆者は原作を読んでいたが、どうなるか知っていたのに涙してしまったシーンが何か所もあった。

東京卍會設立メンバー6人の幸せそうな回想シーンは微笑ましく、青春ぽくてとてもいい。東卍のこともそれ以外のことも「どうしてこうなってしまったのか……」というシーンがあまりにも多いこの作品。俳優陣の演技の素晴らしさや制作陣の演出によって、そのしんどさをたびたび実感させられる。

筆者は原作のファンながら、時折「ヤンキーがイキっている」描写に冷めてしまう瞬間もなくはないのだが、それを陳腐にみせずちゃんと人間ドラマとして成立させているところに、前作に続いてキャストと制作陣の手腕を感じた。

■初登場キャスト、思った以上にハマっていた

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新キャストとして発表されていた場地(永山絢斗)・一虎(村上虹郎)・千冬(高杉真宙)。彼らが役にハマっているか気になる方も多いのではないだろうか。結論からいうと、期待以上に全員ハマっていた。それぞれ少しだけお伝えしようと思う。

まず場地を演じる永山絢斗。これまで荒々しい役のイメージがあまりなく想像がつかなかった一方で、事前に公開されたビジュアルは原作に忠実な完成度だった。実際に映像で観ると、思った以上に場地さんで大変よかった。

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村上虹郎は、ビジュアルだけみるとそこまで一虎っぽいわけではないかもしれないが、一虎の危うさや幼さが出るシーンの演技が素晴らしかった。

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公表前から予想していた人が多かった、千冬を演じる高杉真宙はまずビジュアルがハマっているし、期待に違わぬ演技だった。原作よりもより強そうな印象で、本格的にアクションが観られる後編も楽しみだ。

そして誰かは観てのお楽しみだが、シークレットとなっているのがマイキーの兄・真一郎役。事前に予想していなかったのだが、納得感がある絶妙な人選だった。

■既存キャストも前作以上の活躍

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前作の時点ですでに素晴らしかった既存キャストだが、それぞれ前作以上にいいなと感じた。まず、前作ではストーリー的に見せ場が少なかった稀咲鉄太(間宮祥太朗)と半間(清水尋也)。稀咲は嫌な感じがすごく出ていたし、半間はビジュアルもムカつくしゃべり方もほぼ原作で最高だった。

未来のドラケン(山田裕貴)のシーンは繊細な感情が表現されていて、原作以上に切実な想いが伝わってきた。そして主人公のタケミチは、原作の漫画だと人によっては少し苦手に感じる人もいると思うが、北村匠海の力によって魅力的なキャラクターになっている。

タケミチの恋人・ヒナタを演じる今田美桜とその弟・ナオトを演じる杉野遥亮の演技は前作からよかったが、前作以上になじんでいた。

ぜひ劇場で観てほしい!

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評判の前作以上に素晴らしいといえる『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』。話題作かつ人気の俳優が多数出ている作品だけに、後で配信やTV放送で観る方も多いかもしれないし、前作は劇場以外で観たという方もいるかもしれない。

ただアクションを観るという意味でも、俳優陣の繊細な芝居を観るという意味でも、劇場の大画面で観ることでより魅力が伝わる作品だと感じた。映画館の規制もだいぶゆるまってきた今、可能であればぜひ映画館で堪能することをおすすめしたい作品だ。

(文:ぐみ)

–{『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』作品情報}–

『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』作品情報

ストーリー
凶悪化した東京卍會によってタケミチの目の前で再び、ヒナタが殺された。ヒナタを救う鍵は、一人一人が仲間のために命を張れる、東卍結成メンバー6人(マイキー、ドラケン、場地、三ツ谷、パーちん、一虎)を引き裂く“悲しい事件”にあった。

東卍の敵側幹部になった一虎と、敵に寝返った場地。かつての親友たちは何故戦わねばならない運命になったのか。「君が助かる未来にたどり着くまで、絶っ対ぇ折れねぇから!」果たして、タケミチは過去に戻り、ヒナタを、仲間の未来を救えるのか。

予告編

基本情報
出演:北村匠海/山田裕貴/杉野遥亮/今田美桜/鈴木伸之/眞栄田郷敦/清水尋也/磯村勇斗/永山絢斗/村上虹郎/高杉真宙/間宮祥太朗/吉沢亮 ほか

監督:英勉

公開日:2023年4月21日(金)

製作国:日本