「舞いあがれ!」貴司と八木のパートはファンタジー。デラシネに続きパリの部屋も譲られる<第122回>

続・朝ドライフ

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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第122回を紐解いていく。

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朝陽くん登場

最終週「私たちの翼」(演出:田中正)入った「舞いあがれ!」。

2020年1月、貴司(赤楚衛二)をパリに送った舞(福原遥)は空飛ぶクルマにますますのめり込んでいきます。こんねくとはABIKILUと正式に業務提携しました。

試作品・アビキュラ2号を作りはじめた刈谷(高杉真宙)の、数字に強い人がほしいという希望に、舞は、五島で知り合った朝陽(渡邉蒼)を呼びます。目下、大阪の大学生で、惑星探査ドローンの勉強をしていて好都合。

成長した朝陽はいまもなお、星柄の服を着ています。好きなものは変わってない様子。伏し目がちで人と目を合わせず、ぶつぶつ独り言のようなことをしゃべり、一点に集中する朝陽を、刈谷たちも異様な目で見ず、すんなり受け入れます。こういうところにホッとします。まあでも朝陽が優秀そうだからでしょうけれど。たとえなんにもできなくてもこうでありたい。

その頃、貴司はパリは八木(又吉直樹)のアパルトマンに到着、恩師に悩みを吐露します。

自分では不本意なものが多くの人から褒められることや、幸せだと創作できないんじゃないかと迷う貴司。つまり、幸せから生まれた短歌が自分らしくないと思っているのでしょう。

八木は自身の体験も交え助言します。彼もまたかつて、孤独を埋めてくれた人のために詩を書くようになった変化を体験していました。

八木は亡くなった恋人の面影を探しながら詩を作っていたのです。
実際、そういう恋人がいたのかもしれませんし、八木の絶対に変わらない本質の象徴かもしれません。

呼ばれたから行くわ
(八木)

八木はデラシネを去ったときと同じ言葉を残し、部屋を貴司に明け渡します。

八木のパートはファンタジー。貴司の幻影のような存在です。メーテル的な(嘘)。

誰の声が聞こえる?
(八木)

そう問いかけて去った八木。貴司に聞こえる声は、舞の声なのでしょう。
舞を励ますために作った短歌はいい短歌でした。

自分がいなくても舞はばりばりやっていて、彼女を短歌で励ます必要がなくなったから自信が持てなくなったということと理解するのが最もわかりやすい気がします。愛だな〜。

八木のカップは欠けていて、清貧生活を送っていたようですが、このひとは他者の評価に揺らがず、自分の心に忠実に生きている。こうありたいものです。

恒例、小姑トークとしては、パリのアパルトマンにしては玄関ドアの高さが低くないか? ということです。それだけ天井を低く作った安いアパートという意味合いなのかもしれませんが。

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終盤になると、これまで登場した人が再登場するサプライズがある。

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(文:木俣冬)

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–{「舞いあがれ!」最終週のあらすじ}–

「舞いあがれ!」最終週のあらすじ

2020年1月。舞(福原遥)は、短歌が詠めずに苦悩する貴司(赤楚衛二)をパリにいる八木(又吉直樹)のもとへ送り出す。

そして、東大阪に残った舞は「空飛ぶクルマ」の有人フライトを目指して、刈谷(高杉真宙)や玉本(細川岳)をはじめ新たに加わった仲間たちとともに開発に取り組んでいた。

データの整理が追いつかないので優秀な学生に頼みたいと聞いた舞は、心当たりがあると答える。しかし、4月には緊急事態宣言が出て・・・。

–{「舞いあがれ!」作品情報}–

「舞いあがれ!」作品情報

放送予定
2022年10月3日(月)~

<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。

日曜: 午前11時~11時15分(再放送)
翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。

<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)
※月曜~金曜分を一挙放送。

出演
福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月 、目黒蓮、高杉真宙、長濱ねる、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、鈴木浩介、哀川翔/吉川晃司、高畑淳子 ほか


桑原亮子 、嶋田うれ葉、佃 良太

音楽
富貴晴美

語り
さだまさし

主題歌
back number「アイラブユー」

制作統括
熊野律時、管原 浩

プロデューサー
上杉忠嗣 三鬼一希 結城崇史ほか

演出
田中 正、野田雄介、小谷高義、松木健祐 ほか