2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第100回を紐解いていく。
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100回まで来た
100回まで来た「舞いあがれ!」で思うのはコネの大切さです。家柄、地元、大学などの関係性が人生を左右すること、よくありますよね。
実家の町工場を継いだ舞(福原遥)は新聞記者・御園(山口紗弥加)のアイデアからオープンファクトリーを行うことにします。そこで協力してもらったのは、町工場仲間の紹介で出会った東大阪の役所の人、なんと、なにわバードマンの伝説のOB・安川(駿河太郎)でした。
さらにその安川が、なにわバードマンのOB仲間・渥美士郎(松尾鯉太郎)に声をかけます。舞と渥美は同じ時期に活動をしていて、再会になります。なにわ大学の准教授になっている渥美が生徒を連れてきて、企画はどんどん広がっていきます。
ひとりでは小さなことしかできなくても人が集まると規模が大きくなっていきます。その場合、役所、大学、大手新聞社、というひじょうに有力なところを抑えることが大事です。ふわっと描いていますがけっこう生々しいです。
こうして、オープンファクトリーに補助金がもらえることになって、やる気のなかった町工場の人たちもやる気になっていきます。
舞、安川、渥美が集まったからか、オープンファクトリーでは飛行機を作ることになります。飛行機のデザインで盛り上がる舞、安川、渥美。
大きな物事を成し遂げるにはコネが大事なのです。
それを貴司(赤楚衛二)が「スクラム」という言葉で表現します。
「スクラム」といえば、ラグビー。佳晴(松尾諭)を思い出します。もともと東大坂にはラグビー場があってラグビーが盛んですから、この言葉のチョイスは親しみが湧きやすいでしょう。
人間関係を築くのが得意な舞に比べて、貴司はコネなどない、人間関係を紡ぐのが苦手ですが、子供を集めて短歌教室を開くことにします。
最初はしぶい顔をしていたリュー北條(川島潤哉)も、イケメン歌人が子供を集めて教室を行うことは絵になって商売に結びつくと肯定的になります。
貴司もいままでひとりでしたが、舞が傍にいるので、彼女の助言を聞いて夢が広がっていきます。もっともこのふたりは、結婚前からデラシネで語り合っていたので、やってることはあまり変わっていません。
例の公園で短歌教室が行われます。大盛況。
ちょっとくらいはみだしてもええねん
(貴司)
社会にまとまっていく人たちとちょっとはみだす人。どちらでもいいのです。
貴司がうらやましいのは、結婚して、家に妻と義母、隣に父母がつねにいてうっとおしいときもあるとは思いますが、デラシネという逃げ場があり、そこにいけばひとりになれます。
結婚によって経済的に負荷がかかることもなく(新居もいらない、妻は自立している)、好きなことを好きなようにやれる。人間関係はうまくいかず、サラリーマンにも向いてなかったけれど、楽に生きられる道を順調に歩んでいます。ええなあ。
【朝ドラ辞典 コネ(こね)】人間関係がものをいうことがよくある反対語:ネコ
(文:木俣冬)
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–{「舞いあがれ!」第20週目のあらすじ}–
「舞いあがれ!」第20週目のあらすじ
2015年3月。舞(福原遥)と貴司(赤楚衛二)の結婚を祝うパーティーがノーサイドで開かれる。
祖母の祥子(高畑淳子)や木戸(哀川翔)、信吾(鈴木浩介)、さくら(長濱ねる)など五島の人々や、なにわバードマンの先輩・由良(吉谷彩子)や航空学校の矢野倫子(山崎紘菜)も駆けつけた。
久留美(山下美月)の父・佳晴(松尾諭)に伴われて悠人(横山裕)もやって来る。兄との久しぶりの再会を喜ぶ舞。それをめぐみたちは温かく見守る。
–{「舞いあがれ!」作品情報}–
「舞いあがれ!」作品情報
放送予定
2022年10月3日(月)~
<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。
日曜: 午前11時~11時15分(再放送)
翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。
<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)
※月曜~金曜分を一挙放送。
出演
福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月 、目黒蓮、高杉真宙、長濱ねる、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、鈴木浩介、哀川翔/吉川晃司、高畑淳子 ほか
作
桑原亮子 、嶋田うれ葉、佃 良太
音楽
富貴晴美
語り
さだまさし
主題歌
back number「アイラブユー」
制作統括
熊野律時、管原 浩
プロデューサー
上杉忠嗣 三鬼一希 結城崇史ほか
演出
田中 正、野田雄介、小谷高義、松木健祐 ほか