「舞いあがれ!」悠人(横山裕)に何かがありそうで心配な<第85回>

続・朝ドライフ

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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第85回を紐解いていく。

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航空機部品を諦める

久留美(山下美月)問題は終了し、新たな問題が……。
航空機部品のテストの結果、ライバル会社に発注が決まりました。やはり、大量生産体制がIWAKURAではできないからでした。
がっかりする舞(福原遥)に比べて、めぐみ(永作博美)はにっこり微笑んでいます。

荒金(鶴見辰吾)浩太(高橋克典)のことを知っていました。ここまでそれを言わなかったのは、人間関係で物事を進めたくなかったからでしょうか。なかなかいい人物です。

今回は発注できないが、ゆくゆく、舞の理想ーー東大阪の中小企業が力を合わせて航空機部品に参入する気はないか?と荒金は訊ねます。が、めぐみの答えはーー

夢のある話には必ずリスクを覚悟しなければなりません

先代、浩太が大きな夢見すぎて、会社にも社員にも苦労をかけたことがめぐみには忘れられないようです。確かに舞のように後先考えずに突っ走って、航空機部品の大量生産体制を慌てて作ろうとしたら、また誰かに迷惑をかける危険性はあります。

「お母ちゃんもお父ちゃんと同じ夢見てると思ってた」と舞がめぐみに言いますが、この言い方がきつくないので、母子関係がギスギスしなくていいですね。舞は「かっこいい社長さんやわ」と母の生き方を肯定します。

浩太がいたら、めぐみと舞はこんなに仲良くなかったと思いますし、めぐみがこんなに自主的にしゃべることもなかったでしょう。皮肉な話です。

全力をかけて作り上げたボルトの使いどころがなくなって、心にぽっかり穴の空いてしまったような舞に、貴司(赤楚衛二)がやさしく励まします。

あせることないよ ゆっくり気持ちの流れに任せて新しいことがみつかるまで待ったらええやん

航空機部品の道は終了しましたが、荒金は舞にまた新たな課題を持ちかけます。なにかを失うとなにかを得る。「夢のある話には必ずリスクを覚悟しなければなりません」と考えるめぐみにだからこそ、荒金は仕事を発注したのでしょう。舞の場当たり的な仕事には信頼を持てないでしょうからね。ただ舞のような無謀ながんばりもいいこともあるのもわかっているのだと思います。

朝ドラでは、なにかと主人公が無謀で無双過ぎることが少なくないですが、
「舞いあがれ!」では慎重に立ち止まることも描いています。この慎重さがこのドラマのいいところであるような気がします。

めでたしめでたし、と思ったら今度は悠人(横山裕)に心配ごとが起こっていそうです。IWAKURAの権利書をめぐみに返すと言い出して……。
IWAKURAはいつの間にか「金回りのいい工場」になっていたようです。

【朝ドラ辞典 一難去ってまた一難(いちなんさってまたいちなん)】

放送期間の長い朝ドラにはつきもの

(文:木俣冬)

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–{「舞いあがれ!」第18週目のあらすじ}–

「舞いあがれ!」第18週目のあらすじ

菱崎重工の荒金(鶴見辰吾)から依頼された航空機用ボルトの試作品の品質試験に挑む舞(福原遥)。

試験結果を待つ一方、うめづでは貴司(赤楚衛二)が短歌賞を受賞したことを祝う会が開かれる。貴司は勝(山口智充)、雪乃(くわばたりえ)に対し感謝の言葉を述べる。

さらに、久留美(山下美月)が婚約したことを報告し、うめづのお祝いムードはさらに高まる。そんな中、めぐみ(永作博美)は店に居合わせた悠人(横山裕)の様子が気になる。

–{「舞いあがれ!」作品情報}–

「舞いあがれ!」作品情報

放送予定
2022年10月3日(月)~

<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。

日曜: 午前11時~11時15分(再放送)
翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。

<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)
※月曜~金曜分を一挙放送。

出演
福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月 、目黒蓮、高杉真宙、長濱ねる、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、鈴木浩介、哀川翔/吉川晃司、高畑淳子 ほか


桑原亮子 、嶋田うれ葉、佃 良太

音楽
富貴晴美

語り
さだまさし

主題歌
back number「アイラブユー」

制作統括
熊野律時、管原 浩

プロデューサー
上杉忠嗣 三鬼一希 結城崇史ほか

演出
田中 正、野田雄介、小谷高義、松木健祐 ほか