2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は同作の第74回を紐解いていく。
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勉強の成果が出てくる
舞(福原遥)やめぐみ(永作博美)がネジの勉強をはじめたことをきっかけに状況が上向いてきました。年末年始にかけてしんどい展開でしたが、ようやくほっと一息つけた感じがします。
舞はネジをかっこいいとうっとりしたりして(第72回)、やっぱり機械工学が好きなのだと思います。もうちょっと極端に理系キャラに描いても面白かったかなと思いますが、それはそれ。
浩太が心をこめて作った太陽光発電のためのネジをお守りに持って営業に向かった舞は、勉強の成果である豊かな商品知識で、とうとう営業先の心を動かします。その姿はまるで浩太(高橋克典)が乗り移ったかのようで……。物事に対する真摯な姿勢が浩太の本質なのでしょう。
一方、めぐみ。藤沢(榎田貴斗)がリーマンショックのとき、とにかく仕事を入れようと単価の安すぎる仕事をとってきてしまったため、逆にやればやるほど経営を圧迫していた案件をなんとかしようと動き出します。
めぐみに関してはツッコミどころが多々あって……。大学を中退して結婚してからずっと浩太の会社を手伝っていたにもかかわらず、会社の仕事に関する理解がかなり不足しているうえ、会社の人たちも、めぐみをかなり軽視しているのを見るにつけ、いままで何をやっていたのか……と思いますけれど、事務的な仕事をしていたら、職人関係のことはまったくわからないものなのかもしれません。それと、リストラしたから、職人たちは不信感を抱いたのかも……。
経費削減と在庫処理をしたと言っていたのに、赤字を出している仕事がまだ残っていたというのもよくわからないのですが……。そのへんのもやもやをふっ飛ばすような、めぐみの目覚ましい活躍がありました。
藤沢と共にめぐみは値上げ交渉に向かいます。会社の社長は意地悪い対応をしますが一歩も引きません。主婦が家計を見直すようなことしかできない、とばかにされても「主婦が家庭守るように、社長は会社守らなあきません」と返します。
ねじの勉強をしたからこそ、値ごろ感がわかり、どこでもこの安価ではできないとわかったうえで強気で交渉に出ます。さらに、一方的にお願いするのではなく、相手のことも考えてますよ〜という感じを出します。
「新しい価格は弊社の職人たちのもつ技術への正統な対価やと思っております」
ときっぱり仕事に誇りを持ってお願いして交渉成功。かっこいい〜。
藤沢はそのときの様子を会社に戻って皆に伝えます。
「われ、文句あんのけ」と啖呵切ったと話を盛って、
「われ?」「奥さんそんな柄わるうないやろ」とツッコまれます。こうして、伝説はつくられていくのでしょう。
山田(大浦千佳)まで、舞が仕事をとれたと見たら、様子が変わってきました。調子いい人だなあ。
【朝ドラ辞典 ドジっ子(どじっこ)】舞はコーヒーのお盆をひっくり返したり、勉強に夢中になって遅刻しそうになってケータイを忘れたり、時々ドジっ子になる。ドジっ子キャラが愛される場合もあるし、嫌われる場合もあり、さじ加減が大事。
(文:木俣冬)
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–{「舞いあがれ!」第16週目のあらすじ}–
「舞いあがれ!」第16週目のあらすじ
浩太(高橋克典)の遺志を継ぎ、社長となっためぐみ(永作博美)。舞(福原遥)はパイロット内定の話を辞退し、めぐみとともに会社の立て直しに取り組む。
経費削減や人員整理を行い、融資元の信用金庫から返済期限の延長を得る。
そのことを舞は祥子(高畑淳子)に電話で報告すると、祥子の家に住み込んでいた朝陽(又野暁仁)が、初めて友達を連れて来て、学校にも行こうとしていると聞く。それぞれが前に進みだしている。舞は笠巻(古舘寛治)からネジの作り方を一から習う。そして悠人(横山裕)が帰宅し、めぐみにある提案をする。
–{「舞いあがれ!」作品情報}–
「舞いあがれ!」作品情報
放送予定
2022年10月3日(月)~
<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。
日曜: 午前11時~11時15分(再放送)
翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。
<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)
※月曜~金曜分を一挙放送。
出演
福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月 、目黒蓮、高杉真宙、長濱ねる、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、鈴木浩介、哀川翔/吉川晃司、高畑淳子 ほか
作
桑原亮子 、嶋田うれ葉、佃 良太
音楽
富貴晴美
語り
さだまさし
主題歌
back number「アイラブユー」
制作統括
熊野律時、管原 浩
プロデューサー
上杉忠嗣 三鬼一希 結城崇史ほか
演出
田中 正、野田雄介、小谷高義、松木健祐 ほか