吉沢亮が“月9”初主演を務める医療ドラマ「PICU 小児集中治療室」が、2022年10月10日(月)21時よりスタート。
27歳の小児科医、志子田武四郎(吉沢)が、子どもたちの生死を分ける過酷な「PICU」で奮闘する。共演は、安田顕、木村文乃、高杉真宙、大竹しのぶら。
本記事では、第7話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
「PICU 小児集中治療室」第7話レビュー
拡張型心筋症を患っている圭吾(柊木陽太)のことが気になってしかたがない武四郎(吉沢亮)は、病院で寝泊まりするようになっていた。
「休むことも仕事のうち」と植野(安田顕)に諭され、自宅に戻ると母、南(大竹しのぶ)の薬が食卓に置いてあった。
ようやく南と南の病状について話し合うことに。
南の体は癌に侵されており、すでに骨にも転移していることがわかった。
医者である自分が母の病状に気づいてやれなかったこと、最悪な場合もあることに直面した武四郎。
涙を流していないのに、吉沢の全身から混乱と不安、絶望感が漂う。
そして、自分の手でなんとかしたいという強い信念もみえる。
一方南は、武四郎が医者になったとはいえ、いつまでたってもかわいい息子。
南の中では、泣き虫で甘えん坊の小さな少年のままなのかもしれない。
そんな息子を一人残して逝ってしまうかもしれない状況を思うと、やるせない。
迷惑をかけたくないという思いもあるのだろうか、一貫して「治療はしない」と言い張る。
初回からここまで、親子のやり取りが微笑ましく描かれていただけに、今回は辛いシーンの連続だった。
吉沢亮と大竹しのぶ――。
2人の芝居は、いつまでも見ていられる不思議な魅力がある。
第7話では、声を荒げることはないのに、静かにバチバチと火花を散らす2人。
まるで自分の目の前で、1組の親子が話し合っているかのような錯覚に陥った。
仲裁には入れないが、見届け係としてその場に参加しているような気持ちになれた。
大竹という最高の役者を前にしても、吉沢の演技は圧巻だった。
まったく引けを取らず、むしろ第7話に関しては、吉沢のほうに凄みを感じた。
さすが植野先生!
治療を拒否する母に困惑している武四郎は、植野先生に南のことを相談することに。
植野が南と話す場面に緊張が走った。
治療をしたくない理由を「話したくない」という南。
もしかしたら過去に、病院で苦い思い出でもあるのだろうか……?
それでも植野は「痛みや苦しみを取り除くだけの治療もあります。そういったケアが得意な医者もおります。一度来ていただけないでしょうか」と優しく諭した。
武四郎の前ではいつもわがままな南も、植野の前では素直に首を縦に振ったのだった。
医療をテーマにしているドラマだけあって、いろいろな生命との向き合い方を見せてくれる。
最終話まであとわずか。
PICUの子どもたちと南の病状が気になる。
もうこの先、誰も命を落とさないで欲しいと切実に願う。
(文:駒子)
–{「PICU 小児集中治療室」第7話ストーリー}–
「PICU 小児集中治療室」第7話ストーリー
“しこちゃん先生”こと志子田武四郎(吉沢亮)は、しばらく丘珠病院に泊まるつもりで荷物をまとめて出勤する。拡張型心筋症を発症後、心拡大が悪化してしまった12歳の少年・小松圭吾(柊木陽太)くんの病状が心配だったからだ。武四郎は、圭吾くんのわずかな変化も見逃さないよう、寝る間も惜しんで見守る。
そんな折、PICU科長の植野元(安田顕)のもとへ、北海道知事の鮫島立希(菊地凛子)から連絡が入って……。
–{「PICU 小児集中治療室」作品情報}–
「PICU 小児集中治療室」作品情報
出演
吉沢売/安田顕/木村文乃/高杉真宙/高梨 臨/菅野莉央/生田絵梨花/中尾明慶/菊地凛子/松尾諭/正名僕蔵/甲本雅裕/イッセー尾形/大竹しのぶ他
脚本
倉光泰子
(『アライブ がん専門医のカルテ』など)
音楽
眞鍋昭大
主題歌
中島みゆき『俱(とも)に』
(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
医療監修(小児外科)
浮山 越史 (杏林大学病院)
渡邉 佳子 (杏林大学病院)
医療監修(PICU)
植田 育也 (埼玉県立小児医療センター)
取材協力
宮城 久之 (旭川医科大学)
プロデュース
金城 綾香
(『監察医 朝顔』シリーズ、『SUPER RICH』、『元彼の遺言状』など)
演出
平野 眞
(『監察医 朝顔』シリーズ、『SUITS/スーツ2』、『SUPER RICH』など)
制作・著作
フジテレビ