<石子と羽男―そんなコトで訴えます?―>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

国内ドラマ

>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

有村架純と中村倫也のW主演ドラマ「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」が2022年7月8日スタートした。

本作は、誰にでも起こりうる珍トラブルに正反対のようでどこか似た者同士の“石羽コンビ”が向き合っていく姿を描いた異色のリーガルエンターテインメント。4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒のパラリーガル・石田硝子(いしだ・しょうこ)を有村架純が、司法試験予備試験と司法試験に1回で合格した高卒の弁護士・羽根岡佳男(はねおか・よしお)を中村倫也が演じる。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

石子(有村架純)は父・綿郎(さだまさし)が営む「潮法律事務所」で働くパラリーガル。

ある日、ぎっくり腰になった父の代理でやって来た弁護士の羽男(中村倫也)が、依頼人に対して強気な発言と独特のテンションで接する様子をみた石子は「依頼人から訴えられるのでは?」と不安を覚える。
「二度と会うことはない」と思った矢先、羽男が綿郎の采配で「潮法律事務所」に採用されたことを知る。

そんな中、羽男に相談の依頼が入った。カフェで携帯電話を充電していたら、店から訴えられたという会社員・大庭蒼生(赤楚衛二)の話を聞き、石子と羽男はカフェを訪れる。意気揚々と店長(田中要次)と対面した羽男だったが…

第1話のレビュー

新たなリーガルドラマがスタートした。

父・綿郎(さだまさし)が営む潮法律事務所でパラリーガルとして働く石田硝子(有村架純)、通称石子。そこに採用されたのが、弁護士の羽根岡佳男(中村倫也)だ。

そんなふたりのもとに舞い込んだのが、大庭蒼生(赤楚衛二)からの依頼。カフェで携帯電話を充電していたら、店から訴えられる、助けてくれ、ということだったが、実はもっと大きな悩みを抱えており……。

テンポ感が良く、一気に作品に引き込まれた。

大庭は自身が勤めている中古車販売「カーキャプテン」で支店長からパワハラを受けていた。
そんな中でかばってくれた同僚・沢村(小関裕太)が今度はいじめの標的になる。
会社に告発するが、結果的に大庭だけが左遷。大庭は未だに沢村がパワハラを受けているのでは、と思い、証拠を見つけるため、店舗の向かいにあるカフェで撮影(というか盗撮)をしていた。が、そのカフェの店長から訴えられそうになった、というわけだ。

パワハラの証拠を掴むために石子たちが奔走するかと思いきや、途中、大庭が沢村にパワハラをしており、そのせいで左遷されたのだという話まで飛び出す。真実はいかに?

高卒の弁護士で一発で司法試験に合格の羽根岡。登場時から余裕たっぷりの態度、さぞや「型破りな天才弁護士」……ではなく、「型破りな天才弁護士になりたい弁護士」だった。司法試験に一発合格ができたのは、写真のように見たものを記憶するフォトグラフィックメモリーの持ち主だから。本当は想定外のことが起きるとうまく話せなくなり、フリーズしてしまう。

無理めの案件だと分かるとすぐにあきらめようとしてしまうが、そこで踏ん張るのが1話の石子である。突破口を見つけ、羽根岡をサポート。この石子がなんともカッコイイ。
が、石子もパーフェクトというわけではなく、頭が固い、おそらく融通も利かない。そんな石子が思いつかないようなことをしていくのが羽根岡というところだろうか。

羽根岡は想定通りに物事が動くなら問題はない。「型破り弁護士」を気取る羽根岡、フリーズする羽根岡、お調子者の羽根岡……といろんな顔が見られるのがなんとも楽しい。

石子と羽男のやりとりもスピーディーかつ、コミカルで聞いていて心地よい。

そして、実は石子の高校の後輩だという大庭は、事件解決後に会社をやめて潮法律事務所にアルバイトとして入ることに。おそらく石子に淡い恋心を抱いているであろう大庭がどのように物語に絡んでくるのか。願わくば、恋愛の当て馬とかはやめてほしいが……。

細かな演出も心惹かれる。

たとえば、向かい合って座っていた石子と羽根岡。石子が羽根岡の隣に座ろうとしたときに、テーブルに足をぶつけて、飲み物が少し零れるだとか。
羽根岡がペットボトルのフタを外すのを忘れて水を飲もうとしたシーンだとか。
そういう何気ない、生活感とか、リアルがより物語を深くしてくれる。

 
社会には「そんなことで訴えます?」と思って弁護士に頼れることができないケースも多い。しかし、石子が言っていた。

「人間関係を円滑にするためのルール、それが法律」

もしかしたらこのドラマで、今持っている悩みを解決する糸口も見つかるかもしれない。

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

大型ショッピングモールで無料法律相談会を開いていた石子(有村架純)と羽男(中村倫也)のもとに、一組の親子がやってきた。
母・相田瑛子(木村佳乃)は、小学生の息子・孝多(小林優仁)が内緒でスマホゲームに課金して、ゲーム会社から高額請求され困っていた。
返金してもらいたいと相談された羽男らはゲーム運営会社の顧問弁護士を訪ねるが、担当弁護士は羽男の元同僚の丹澤文彦(宮野真守)だった。
羽男は「未成年者取消権」を主張するが、事態は思わぬ方向へ進んでいくことに…!

第2話のレビュー

今回、石子(有村架純)と羽男(中村倫也)の元に舞い込んだのはある親子からの相談。小学生の息子・孝多(小林優仁)が母親の瑛子(木村佳乃)に黙ってスマホゲームに課金し、ゲーム会社から高額請求をされてしまった、というもの。
羽男たちがゲーム運営会社の顧問弁護士を訪れるが、そこにいたのは羽男の元同僚・丹澤文彦(宮野真守)。すっかり調子を狂わされた羽男は弱気に。そんな羽男が石子に発破をかけるわけだが……。

孝多はゲームに夢中になって課金したのかと思いきや、実はある目的があってのことだった。中学受験をしたくない、塾をやめたい、ストレスからゲームに没頭し、課金したということになれば辞めさせてもらえるのでは……そう考えてのことだった。

しかし、その後、孝多はアカウントを乗っ取られ、更に高額請求をされることに。石子と羽男は乗っ取り犯を探し始める。

 第2話で頻出したのは「親ガチャ」という言葉。塾に行けるのはそれなりに裕福な家だから。
そんな家に生まれられなかった人間は諦めるしかない。乗っ取り犯は、そんな自分の家庭環境から逆恨みをした、塾のスタッフによる犯行だった。

もちろん、塾に通う子どもたちがみな裕福ではない。孝多の家はシングルマザー。瑛子はダブルワークで塾の費用を捻出していた。そもそも、どれぐらいの子どもが自分から望んで中学受験をしているのか。
羽男は「だいたいは親のため」と言っていたがその通りだろう。

受験がしたいのに、家庭の経済状況が芳しくなく、諦めなければならない子ども。
親にプレッシャーをかけられながら嫌々、塾に行く子ども。

どちらが「親ガチャ」はハズレなのか。

孝多の場合、受験はしたいが、ダブルワークで疲れ切っている母親にこれ以上負担をかけたくないという思いから、塾が辞められるように課金をした。
母親と息子、お互いに思いやっての行動だったのだけれど、少しすれ違ってしまった。
ちゃんと話をすれば、起こらなかった出来事だ。
「親ガチャ」が外れたとしても、対策はある。親子だけでは解決できないことがある。
そんなときには外に助けを求めることも重要……だが、そこまで心の余裕があるかも問題だが……。

案件を重ねることで、石子の羽男に対する反発は和らいだよう。羽男は羽男なりに仕事への情熱はあるので……。早くも名コンビ感が出てきているが、そんな2人を見守っているのがアルバイトとして入って大庭(赤楚衛二)だ。羽男に石子が好きなのかと聞かれて否定していたが、いやまあ……好意は持っていますよね……。仲良さそうな石子と羽男を複雑そうな表情で観ている大庭。どうして赤楚さんはそんな表情ができるんですか……見ているこちらが切なくなるんですが……。

恋愛要素多めにはなってほしくないとは思うが、片想いにもだもだとする大庭は見たいと思ってしまうのはワガママだろうか……。

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

羽男(中村倫也)に「国選弁護」の依頼が舞い込む。(※国選弁護=資金不足などが理由で弁護士を雇えない人に対して国が弁護人を立てる制度)
今回は映画を短く編集した“ファスト映画”を動画サイトに無断でアップロードし、 著作権法違反で映画会社から告訴、逮捕されたという大学生・山田遼平(井之脇海)の弁護だった。あまりお金にならない国選弁護の依頼に乗り気じゃない石子(有村架純)に対し、羽男は「注目されている事件だ」とやる気満々。しかし逮捕された遼平は反省どころか悪態をつき、羽男は振り回されることに。そんななか新たな事件が巻き起こって…。

第3話のレビュー

まさかの映画泥棒のパロディから始まった第3話。

今回、羽男(中村倫也)が弁護することになったのは、「ファスト映画」を動画サイトに無断でアップロードし、著作権法違反で告訴されて訴えられた山田遼平(井之脇海)。

注目されている事件ということで羽男はやる気満々。しかし、当の遼平は「何がいけないんですか?」と反省する様子はない。結果的に映画の宣伝になっていたらいいじゃないですか、という言い分だ。

遼平の場合は、映画が好きで、本気で作品のためになることをしている、と思っていそうだからタチが悪い。羽男はこれはダメだと一旦は投げ出そうとしてしまう。

一方、遼平の影響で、映画監督の山田恭平(でんでん)が炎上する。名前が似ているということで、山田監督がファスト映画を作ったのだと思った人たちが多数いたのだ。
さらに公開になったばかりの山田監督のファスト映画の動画もアップされ……。

近年、問題となっているファスト映画。最近では時間が無駄だからと言って、楽曲のイントロを聴かない、などという話も耳にした。映画やドラマなど、その時間の中での間や余韻も作品の一部だと思うが……。ファスト映画だけを観て、映画そのものを観た気になる人は多い。
山田監督の最新映画は興行収入のわりに、口コミが多い、という事態になっていた。それも低評価ばかり。ファスト映画のせいだ。
その事実を羽男に知らされた遼平は自分が犯した罪の重さを自覚する。いや、実際にその方法は石子(有村架純)が提案したのだが。

 遼平は、公判で反省の弁を口にしたこともあり、執行猶予付きの判決となった。そんな遼平が羽男たちと共に向かったのは山田監督のもとだった。

土下座で自分のしたことを山田監督に詫びる遼平。1本の作品を作るのに、10年の時をかけていた山田監督。年齢から考えても、また新作が撮れるか分からない。そう言った山田監督は遼平に向かって「謝罪は受け入れられない」と静かにきっぱり。「許す」結末よりも「許されない」結末のほうが今回はしっくり来る。また、それが世の中に対する強いメッセージになることを願ってやまない。

ところで、今回……いや、今回も大庭(赤楚衛二)がけしからんかわいさだったのですが……。

山田監督の作品のファンだという大庭は、石子を映画に誘う。その映画の誘い方がまたまどろっこしくてかわいい。それに対して石子は映画館の会員だから、1人分で2人見られる、と聞き、「それなら行きます!」。

しかし、映画を観て、偶然山田監督に会って会話をしたことで、山田監督作品に好感を持つ石子。大庭が石子に山田監督の過去作品を貸す、と申し出るシーンがまたかわいいのだ……ひとりで勘違いして舞い上がって照れちゃうのかわいい……。

赤楚さんが演じる「片想いをしている姿」というのはどうしてこうも心臓をわしづかみにしてくるのか! 応援するとか、ヒロイン側のポジションになりたい!とかではなく、もう赤楚さんが片想いをしている役を演じている姿をひたすら見ていたい気持ちにさせてくれる不思議!
ずっと片想いしていてくれ、大庭、そして誰ともくっつかないで石子……でも大庭にも幸せになってほしい、矛盾する心……。

一方、第3話では羽男が家族に対して抱えている闇が垣間見える場面も。羽男と家族との関係がどのように今後の物語に影響を与えてくるのかも注目だ。

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

潮法律事務所に堂前絵実(趣里)から弁護の依頼が舞い込む。妹の一奈(生見愛瑠)が運転する電動キックボードにぶつかって転んだ新庄隆信(じろう)が、帰宅後に容体が急変。警察がひき逃げ事件として捜査し、一奈が逮捕されてしまったのだという。

一奈から「すぐに男性に駆け寄った」と聞いた石子(有村架純)と羽男(中村倫也)は示談の可能性を探るが、新庄の妻はひき逃げを主張。裁判に持ち込まれ、羽男は姉で検事の優乃(MEGUMI)と争うことに。

さらに、事故当日の目撃者探しをしていた石子と羽男は、真相を探ろうと思わぬ行動に…!

第4話のレビュー

今回、羽男(中村倫也)が担当するのはキックボードのひき逃げ事件。

被疑者の一奈(生見愛瑠)は、ひき逃げではなく、救急車や警察を呼ぶことを被害者の新庄隆信(じろう)から断られた、と証言。それに、新庄は元気そうだった、と。
が、新庄は帰宅後に容体が急変し、入院することになる。さらに、一奈は救急車を呼ぼうとするなどといった行動は起こさなかった、と言う。食い違う証言。

一奈は高校生のときに事故を起こしており、その上、警察に嘘をついていたという過去があった。そのため、心証が悪い。
新庄側は示談をよしとせず、裁判に。裁判というだけでも羽男は気が重いのに、担当検事は羽男の姉・優乃(MEGUMI)。踏んだり蹴ったりである。

メインは「一奈が新庄を助けようとした」という証拠を見つけ出すこと。
あいにく、周囲の防犯カメラからは、2人が衝突したところが駐車されている車が邪魔になって見えない。ということは、証言を集めるしかないわけだが、手掛かりはつかめない。

石子(有村架純)はどうも新庄の行動が引っ掛かる。家から離れた事故現場付近で何をしていたのか?
周辺を調査することでたどり着いたのは違法カジノ。
新庄の妻は検察の身内。検察としては新庄が違法カジノに通っていることはもみ消したい。
それで本来担当するはずのない優乃が検察側として立ったわけである。

違法カジノに体を張って潜入する石子と羽男。
こう、潜入捜査というのはもっと緊張感を伴うかと思うのだが、なんとも空気がゆるい。
羽男の腰が常に引けており、弱々しいせいだろうか。これもこのドラマの良いところなのかもしれない。

そんな2人のピンチに警察を連れて駆けつけたのは、大庭(赤楚衛二)。
高校時代の剣道の経験を活かしての立ち回り! やるぅ! と思わず歓声を上げそうになるが、石子からの好感度が上がるというわけでもない。
警察から事情聴取後の帰りは家の場所が反対方向ということで、石子が羽男を送り、大庭はひとりで帰ることに。うん、わかる、石子はタクシー代を少しでも抑えることに重きを置いているので。それは分かるんだが……。
自分の能力は「フォトグラフィックメモリー」による記憶力だけ、と思っていた羽男も弁護士としての経験値を積んでいく。明らかに1話よりも成長しているし、明らかに1話よりも石子に対する好感度が上がっている。

もしかして、これは石子が総モテ状態になる? と思うが、石子にその気がなさそうな(ありそうに見えない)感じが恋愛ドラマになってしまわないポイントなのだろう。

恋愛要素があまり強くならないでほしいと思っていたが、赤楚衛二の「気づかれない恋心」の出し方が絶妙。その一方で、中村倫也のドキッとさせるリア恋感も絶妙(が、石子には無風……なのか?)。

次回予告では、大庭の「就職が決まったら告白する」という発言があったが、関係に動きが出るのか。
石子と羽男は経験を積んでいくことで、それぞれまた異なる自分の方向性を見出すのか。
今後、ますます見どころが増えそうである。

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

そば店の塩崎(おいでやす小田)が相談にやって来た。叔父の重野(中村梅雀)が、隣の家の木が自宅にまで伸びていて、毛虫が大量発生して困っていると言う。

石子(有村架純)と羽男(中村倫也)が重野家の隣人・万寿江(風吹ジュン)を訪ね、伸びた枝を切ることをお願いすると万寿江はすんなり了承。問題は解決したかに思えたが、後日、逆に万寿江から重野へピアノの騒音による慰謝料を要求する書類が届く。ご近所トラブルの裏に、いったい何が…?

そんな折、大庭(赤楚衛二)と行動を共にしていた石子が突然腹痛を訴え、病院に担ぎ込まれる。

第5話のレビュー

今回の事案は「相隣紛争」。そば店の塩﨑(おいでやす小田)が持ち込んできた相談だ。
塩﨑の叔父、重野(中村梅雀)が、隣の家の木が自宅にまで伸びており、毛虫が発生して困っているという。

隣に住むのは万寿江(風吹ジュン)。石子(有村架純)と羽男(中村倫也)は万寿江の家を訪れ、対処してもらえることになるが、今度は万寿江から内容証明が。重野の家から聞こえるピアノの音がうるさいというのだ。

そんな中で、石子は羽男から「出しゃばりすぎじゃない?」もう案件の調査についてこなくていい、と言われてしまう。もちろん、石子は反発するが、羽男は「経理の仕事でもしていなさい」とそっけない。

それでおとなしく言うことを聞く石子ではなく、聞き込みに行く大庭(赤楚衛二)に同行。しかし、そこで石子は腹痛でうずくまってしまい、大庭に連れられて病院へ。そこで石子は卵巣嚢腫の疑いがある、と診断される。

待っていた大庭に石子は「冷房に当たりすぎたみたい」と笑って報告。とは言え、大庭は石子のことが心配で気が気じゃない。車を借り、ホッカイロを用意して、石子をいたわる。

が、いつも一緒にいる羽男が石子の変化に気がついていないわけではなかった。
どうして突き放すのかと問い詰める石子に「体調悪いんでしょ?」の一言。おなかをさすったり、石子が腹部に違和感があるのに気がついていたのだ。
石子は休めって言っても休まない、と思っていた羽男は不器用な方法しかとれなかったのだ。石子はそれを知り、羽男に背を向けて涙ぐむ。

あまり、石子の背景が見えないけれど、ひとりでがんばろう、という気持ちが強かったタイプのようには思う。人の優しさに素直に甘えられなかった、とか。しっかりしていると、「ほうっておいても大丈夫だろう」と思われがちだ。
そうでなくても、ちゃんと自分を見ていてくれたことも、自分のことを気遣っていろいろと用意してくれたことも嬉しくないはずがない。

無事に羽男の相棒に戻ることが許可された石子。

万寿江の訴えを受けて、重野は慰謝料の50万を払うという。訴えは万寿江を気遣った町内会長がやったことだった。万寿江は町内での人気者。一方、重野は町内の人たちとほとんど話もしない。町内会長は親切でやったことだったのだろう。

しかし、実は仲が良かったという重野と万寿江。一緒に行った映画のチケットを飾っており、お互いに大切な思い出だと思っているからに決まってる。なのに、万寿江は重野から突然、もう会わないと告げられてしまったのだ。

それから疎遠になった二人。万寿江はどうしてそんなことを言われたのかもわからずじまいだった。

そこで羽男が気がついたのは、重野が病を患っていること。重野は万寿江との仲が深まっても、相手に迷惑をかけてしまうことを懸念していたのだ。自分が死んだあと、万寿江に負担をかけてしまったら、と。

そんな重野に石子が提案したのは生前整理。不安をなくすことはできなくても、減らすことができる。
そして、「いくつになっても人生を楽しんでほしい」とも。

きっと、これからは結婚していたとしても、パートナーひとりを残していくことも増えるだろう。ひとりで生涯を全うすることもある。そう考えると、心配なのは自分がいなくなったあとのこと。石子が初回から言っていることだが、法律を知ることで、少しだけ生きることが楽になる。不安を減らすことができる。それを知るだけで生きていく上でのお守りになるかもしれない。

それにしても、風吹ジュンさんはいくつになってもお美しい……。
 

そして気になるのが大庭の恋の行方である。

最終面接で手ごたえを得た大庭は石子に「就職が決まったら告白する」と告白の告白をする。おお、逸っている……!
いやいや、それは面接に落ちるフラグでは? と思ってしまうが、見事内定を獲得。
ついに大庭が石子に交際を申し込む……というところで第5話は終了である。

どっち!? 石子は交際を受けるの、受けないの、どっち!?
と、気になるところだが、どうだろう。
なんとなく、今回の大庭と羽男の石子に対する気遣い方がひとつのヒントになっているようにも思う。
羽男の気遣い方のほうが、石子の性格をよくわかっているような気がして……まあ石子にはちゃんと伝わっていなかったけれども。
(とは言え、自分だったら……と考えると大庭にも羽男にも気遣われるのは嬉しい。当然である)

あと、大庭の内定先、ブラックじゃない?大丈夫?

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

依頼人は、幽霊物件と知らずに家族で分譲賃貸マンションに越して来た高梨拓真(ウエンツ瑛士)。幼い双子の息子を抱え育児ノイローゼ気味だった妻の文香(西原亜希)だが、匿名の手紙で「孤独死があった部屋だ」と知らされたことで幻覚や幻聴を訴えるように。困り果てた拓真は潮法律事務所を訪ね、不動産会社に引っ越し費用の請求と違約金発生の契約を無効にしてほしいと申し出る。

石子(有村架純)と羽男(中村倫也)はさっそく不動産会社へ。すると社長の六車瑞穂(佐藤仁美)にも言い分があり、一筋縄ではいきそうにない。そこで、高梨夫妻に手紙を送った人物を探し出して慰謝料を請求することに。一方、石子に告白した大庭(赤楚衛二)は、約束通り羽男にもそのことを伝えるが…。

第6話のレビュー

依頼人は、幽霊物件と知らずに家族で分譲賃貸マンションに越して来た高梨拓真(ウエンツ瑛士)。幼い双子の息子を抱え育児ノイローゼ気味だった妻の文香(西原亜希)だが、匿名の手紙で「孤独死があった部屋だ」と知らされたことで幻覚や幻聴を訴えるように。困り果てた拓真は潮法律事務所を訪ね、不動産会社に引っ越し費用の請求と違約金発生の契約を無効にしてほしいと申し出る。

石子(有村架純)と羽男(中村倫也)はさっそく不動産会社へ。すると社長の六車瑞穂(佐藤仁美)にも言い分があり、一筋縄ではいきそうにない。そこで、高梨夫妻に手紙を送った人物を探し出して慰謝料を請求することに。一方、石子に告白した大庭(赤楚衛二)は、約束通り羽男にもそのことを伝えるが…。

そして!
気になるのは、大庭(赤楚衛二)の告白だ。石子は、大庭に好意は持っているが、真面目故に大庭の気持ちに応えていいのか悩んでいた。そこで、ナイスアシストをしたのが羽男だった。いや、単純におもしろがっている部分もありそうだけれど。

背中を押されるようにして、石子は大庭の告白を受けることに。大庭、おめでとう!
できれば、このままずっと仲良く交際が続きますように!
まだ6話、折り返し地点なので若干不安である……!

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

石子(有村架純)と羽男(中村倫也)は、停車中のキッチンカーを破損させた人物を捜してほしいという依頼を受け、丸来町の繁華街にやって来た。ここは居場所を求める少年少女が集まる場所。聞き込みをしてもまともに話を聞かない少年たち。石子と羽男は川瀬ひな(片岡凜)と東美冬(小林星蘭)にも話を聞こうとするが無視されてしまう。

ドライブレコーダーの映像をもとに聞き込みをした結果、車を破損したのは少年少女たちのカリスマ的存在で「K」と呼ばれている人物だとわかる。

そんな中、羽男に「助けて!」とひなから電話があり……。
少女たちに隠された秘密とは?

第7話のレビュー

今回は損害請求賠償から話は始まる。

停車中のキッチンカーを破損させた人物を探してほしいと依頼された石子(有村架純)と羽男(中村倫也)。

調査のため、石子たちが向かったのは、繁華街の、少年少女たちが集う場所。居場所がない子たちばかりだ。そんな中で出会ったのは家出をしている川瀬ひな(片岡凛)と東冬美(小林星蘭)。羽男たちが声をかけても無視されていたが、後日、ひなから「助けて!」という電話がかかってくる。

冬美が父親・辰久(野間口徹)に追いかけられ、逃げる途中で歩道橋から落ちてしまい、意識不明となる。追いかけていたのが父親、ひなのただならぬ様子。ひなは羽男に向かって辰久を訴えられないか、と迫る。

実は、辰久は冬美を虐待していた。当然辰久は認めない。
周りの評判は良い辰久。だが、行きつけの飲み屋での態度は悪く、典型的な「弱い者にだけ強く出る」というやつだ。
証拠がないので、辰久を訴えることはできない。しかし、石子と羽男はキッチンカーの破損の案件から、辰久を訴える道筋を見つける。

居場所がなくて、大人を信用できない少女たち。
躾と称して暴力を振るう義理の父親。
少女たちの弱みに付け込み、利用する人間もいる。

珍しいことじゃない。だからこそ、誰か、救いの手を差し伸べられないのか、と似たニュースを見るたびに思う。

少女たちの人生を変えられないか、といつもより熱く、少女たちに関わる石子。
そして、前よりも粘り強くなった羽男。
解決に向けての道筋は、今回が今まで一番スムーズだったように思う。
それは石子と羽男の連携が取れてきているからだ。軽口をたたき合う関係にもなっていて、微笑ましい。

大庭(赤楚衛二)や塩﨑(おいでやす小田)らの協力も得て、辰久の虐待に証拠をつかむことができた。
虐待=傷害罪だ。意識を取り戻した冬美は父を訴えることを決める。これで、冬美、そしてひなの人生は変わったのか。ただ、信頼できる大人と出会えたことは彼女たちにとって大きいはずだ。

一方、石子と付き合うことになった大庭。今回は、石子が大庭の家を訪れるシーンがあった。
おうちデートというより、単純に仕事を手伝ってもらっただけだが……。
石子って本当に大庭のことが好きなの? とちょっと思わなくもなかったのだが、大庭の寝顔を見つめる石子の表情はとても優しいもの。このまま、穏やかに関係が続けばいいのだけど……。

どうも、大庭の就職した会社が怪しげだ。さらに、ラストシーンでは、代表取締役の肩書がついた大庭の名刺が大写しに。え、どういうこと?
おかしなことに巻き込まれているのでは?
恋も仕事も絶好調に見えたけど、暗雲が立ち込めているようにも思える。

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

潮法律事務所に“隠れ家”を売りにしている創作料理店の店主・香山信彦(梶原善)から、店が知らぬ間にグルメサイトに掲載されてしまい、掲載の取り消しを求めてサイトの運営会社を訴えたいと相談があった。

羽男(中村倫也)と石子(有村架純)が運営会社の顧問弁護士を訪ねると、そこには羽男の因縁の相手、丹澤(宮野真守)の姿が! 羽男は掲載の取り消しを求めるが、丹澤はそれを拒否。交渉は決裂する。

示談が成立せず裁判で争うことになったため、石子と羽男は裁判に向け店側に有益な情報を集め始める。

そんな中、信彦には大喧嘩したまま疎遠になっている息子夫婦・洋(堀井新太)と蘭(小池里奈)がいることがわかり……。

第8話のレビュー

今回の事案は「ウェブサイト情報削除請求」。

依頼をしてきたのは創作料理店の店主・香山(梶原善)。隠れ家を売りにしているのにグルメサイトに口コミが掲載されてしまい、新規の客が押し寄せているのだ。これでは思っているようなサービスが提供できない、と掲載の取り消しを求めてサイトの運営会社を訴えたい……というものだ。

運営会社の顧問弁護士は羽男(中村倫也)の因縁の相手、丹澤(宮野真守)。掲載の取り消しを求めるが、拒否されてしまい、裁判を余儀なくされる。

調べていくうちに分かったのは、実はサイトに口コミを書き込んだのは元バイトであること、香山は息子夫婦と仲が悪いこと。仲が悪い理由は、母、つまり香山の妻。香山がサービスをしすぎて売上はそんなに多くなかったが、それを香山の妻が支えていた。息子は香山がそんな稼ぎにならないような店の経営の仕方をしているのが悪いのだ、母は父のせいで死んだようなものだ……と思っていたのだ。
自身の境遇と似ていることに、石子(有村架純)の表情が曇る。

そして書き込みをしたのは、元バイトと息子の妻の店が繁盛してほしい、という思いからだった。が、書き込みの申請削除はできるが、店の情報自体は削除できない。どうにか裁判に持ち込まずに解決できないかと考えていた羽男だったが、丹澤は裁判の勝利には自信があるようで……。

正攻法では勝てない。そこで石子(有村架純)と羽男が考えたのは「負けるが勝ち」作戦。
香山のように、自分の店の口コミを掲載しないでほしい、という店主も多い。羽男が訴えたのは「知る権利があるように、知られない権利もある」ということ。もちろん、丹澤は反論。丹澤の勝利は揺るがないが、グルメサイトの運営側としてはイメージも大事だ。判決が出る前に、運営側はサイトから香山の店の情報を削除することを受け入れた。

物語の結末、明らかになったのは、香山の店を最初にやろうと言い出したのは妻であったこと。証券会社で働き詰めだった香山が楽しく仕事ができるように。そんな想いを知った息子夫婦と香山は家族として再びやり直せることとなった。

また石子にも心境の変化が。香山家と似た境遇で、父の潮(さだまさし)を心のどこかで許せずにいた。頑なだった心がようやくほどける。それも、羽男のアシストがあったから、ではあるが……。

石子と羽男のコンビネーションがよくなっているだけではなく、互いへの理解度も深まっているのだなあ、という印象。

そんな中、羽男の父が現れて、別の弁護士事務所へ移籍することをにおわせる。
また大庭(赤楚衛二)が放火の容疑で逮捕され……終盤にかけて、まだまだ見逃せない展開が続く。

それにしても、梶原善さんが包丁を持っていると別のドラマを思い出してゾッとしますね……。

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

大庭(赤楚衛二)が放火容疑で逮捕された。
羽男(中村倫也)が接見に行くと、大庭は「自分がやった」と罪を認めた。理由については黙秘して何も話してくれない。

さらに、放火のあった公園トイレの焼け跡から、一人の遺体が見つかる。
大庭の無罪を信じつつも動揺する石子(有村架純)と羽男。
二人は放火のあった現場を訪れ、さらに大庭の家族にも会いに行くのだが……。

第9話のレビュー

大庭(赤楚衛二)が逮捕された。放火の疑いで、だ。

さらにその後、日向理一郎(平田広明)の遺体が発見され、殺人の疑いも出てくる。

 

もちろん、石子(有村架純)も羽男(中村倫也)も大庭がやったとは信じていない。
しかし、大庭は罪を認めはしたが、ほかには何も話さない。警察にも、石子たちにも。

憔悴する石子を支える羽男。羽男だってこの事態をどうにかしたい、という気持ちは一緒なのだ。

なんとか大庭に話をしてもらおうと、石子は手紙を認め、羽男に託す。大庭が黙秘しているため、接見ができないのだ。でも、石子の手紙の内容は、羽男ともに大庭を信じているということ、だった。
大庭のことを知っているからこそ、罪は犯していない、犯せるはずがないのだと信じていたのだ。そんな2人の気持ちに応じ、ようやく大庭は口を開く。

 

大庭は、放火の現場となった公園にいたのは弟の拓(望月歩)だと知っていた。
拓が何か知っているのでは?
が、人と接することが苦手な拓に警察の取り調べは耐えられないと思い、大庭は罪をかぶったのだ。
大庭は拓が犯人ではないという証明をしてほしいと羽男たちに頼む。
拓が犯人じゃないとしても、大庭は一度罪を認めている。拘留期限が切れるまでに真相が明らかにならなかったら、大庭が犯人ではないと言うことを約束し、羽男は頼みを引き受けた。

調べていくうちに明らかになったのは、日向が不動産投資詐欺の被害に遭っていたということだった。その詐欺を行っていたと思われるのがグリーンエステート。第7話では、そのグリーエステートの代表取締役として大庭の名前が書かれた名刺が映し出されていた。

実は、大庭が就職した「ナカマル」の社長・刀根(坪倉由幸)が、「うちのエースだから」と社長になる話を持ち掛けていたのだという。いずれ社長になるから、先に名義だけでも、ということだったが、つまり、大庭が利用されただけなのである。そんなうまい話があるわけないでしょう、大庭くん……人が良すぎる……。
このあたりはしっかりと羽男に怒られる。
でも、落ち込みまくる大庭に「必要以上に自分を責めなくていい」という言葉をかけるのも、なんというか、あったかい。

新たな事実を掴んだ石子たちは、日向の妻・綾(山本未來)に話をし、知っていることがあるなら話してほしい、と頭を下げる。綾が差し出したのは日向の遺書。大庭を殺せば、自分が殺人犯となり、綾に迷惑をかけてしまう。大庭の前でおかしくなって自殺をしたとすれば、綾に保険金も入るし、大庭に一矢報いることができる、ということだった。

なんとか大庭に話をしてもらおうと、石子は手紙を認め、羽男に託す。大庭が黙秘しているため、接見ができないのだ。でも、石子の手紙の内容は、羽男ともに大庭を信じているということ、だった。
大庭のことを知っているからこそ、罪は犯していない、犯せるはずがないのだと信じていたのだ。そんな2人の気持ちに応じ、ようやく大庭は口を開く。

 

大庭は、放火の現場となった公園にいたのは弟の拓(望月歩)だと知っていた。
拓が何か知っているのでは?
が、人と接することが苦手な拓に警察の取り調べは耐えられないと思い、大庭は罪をかぶったのだ。
大庭は拓が犯人ではないという証明をしてほしいと羽男たちに頼む。
拓が犯人じゃないとしても、大庭は一度罪を認めている。拘留期限が切れるまでに真相が明らかにならなかったら、大庭が犯人ではないと言うことを約束し、羽男は頼みを引き受けた。

 

調べていくうちに明らかになったのは、日向が不動産投資詐欺の被害に遭っていたということだった。その詐欺を行っていたと思われるのがグリーンエステート。第7話では、そのグリーエステートの代表取締役として大庭の名前が書かれた名刺が映し出されていた。

実は、大庭が就職した「ナカマル」の社長・刀根(坪倉由幸)が、「うちのエースだから」と社長になる話を持ち掛けていたのだという。いずれ社長になるから、先に名義だけでも、ということだったが、つまり、大庭が利用されただけなのである。そんなうまい話があるわけないでしょう、大庭くん……人が良すぎる……。
このあたりはしっかりと羽男に怒られる。
でも、落ち込みまくる大庭に「必要以上に自分を責めなくていい」という言葉をかけるのも、なんというか、あったかい。

新たな事実を掴んだ石子たちは、日向の妻・綾(山本未來)に話をし、知っていることがあるなら話してほしい、と頭を下げる。綾が差し出したのは日向の遺書。大庭を殺せば、自分が殺人犯となり、綾に迷惑をかけてしまう。大庭の前でおかしくなって自殺をしたとすれば、綾に保険金も入るし、大庭に一矢報いることができる、ということだった。

石子と羽男、そして大庭の絆が感じられた第9話。
石子は大庭が好きなんだなあ、ということがヒシヒシと伝わってきたのもよかった。

大庭の無実を証明しようと奔放する中で、羽男が石子をものすごく信頼しているのが現れていたのもイイ。
バディであり、なんとなく、家族愛みたいな部分もあるのかな、と思う。それは石子にとってもそうなのかもしれない。

さて、来週はいよいよ最終回。

ポイントは不動産投資詐欺事件だ。そして、日向が亡くなった場所にいたもうひとりの人物とは。どう見ても御子神(田中哲司)が怪しいが……。

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{第10話ストーリー&レビュー}–

第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー


>>>「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の画像をすべて見る

綿郎(さだまさし)が「何日か出かけてくる」とメッセージを残し、連絡が取れなくなった。綿郎が御子神(田中哲司)と一緒にいた目論見とは……。

一方、警察は拓(望月歩)が殺人事件の現場で見たという「もう一人」の人物を捜していたが、手掛かりがつかめない。

そんな中、石子(有村架純)と羽男(中村倫也)は、綾(山本未來)と高岡(森下能幸)が巻き込まれた不動産投資詐欺と、綿郎が追っていた不動産投資詐欺事件に共通点が多いと気が付く。同一グループの犯行ではないかと考えた石子と羽男は、共同で訴えることを高岡と綾に提案。大庭(赤楚衛二)も手伝い、法律事務所一丸となって証拠集めに奔走し、訴訟の準備を進める。

そして口頭弁論当日、羽男が法廷で顔を合わせたのは裁判官の父・泰助(イッセー尾形)。石子は新証言を持って法廷に駆け付ける予定だったが……。

第10話のレビュー

放火殺人の疑いが晴れ、釈放された大庭(赤楚衛二)。しかし、大庭の弟・拓(望月歩)が現場で見たという「もうひとり」の人物の手がかりは見つからない。

そんな中、殺人の引き金になった不動産投資詐欺事件の解決に尽力する石子(有村架純)と羽男(中村倫也)。怪しいのは大庭が務めていた会社の社長・刀根(坪倉由幸)。しかし、当然、証拠などはなく……。

これまでと変わらず、地道に証拠を集めていく石子たち。刀根が火をつけた犯人だということがわかり、そこから不動産投資詐欺にかかわっているであろう御子神(田中哲司)を追い詰めていこうとするが、うまくいかない。

「法律は力のある者の味方」だという御子神は石子たちとは全く違う考え方だ。しかし、力がある人が作った法律が、必ずしも力がある人の味方だとは限らない。そこに逆転の鍵がある。

羽男たちは御子神を監視、彼がポイ捨てした吸い殻を集め、告発。御子神は廃棄物処理法違反で現行犯逮捕される。この程度のことで、と笑う御子神だが、この逮捕がきっかけで政府のカーボンニュートラルの理事を解任される。法律から罰を受けるのではなく、世間から罰を受ける形となった。

殺人事件、不動産投資詐欺、と大きな事件が起こっていたわけだが、「タバコのポイ捨て」から追い詰めていくのは石子と羽男らしい。

また、不動産投資詐欺の裁判では、羽男の父・泰助(イッセー尾形)が裁判官を務める。
証拠が不十分ゆえに頼りない弁論を繰り返す羽男。
しかし、これが結果的に父に、本当の姿を見せる良い場となった。羽男が別の法律事務所への移籍することを望んでいた泰助だったが、羽男の姿を見て思いなおす。
本当の自分を見てもらえない、と思っていた羽男の思いが、意外なところで実現した形となった。

そして、石子は綿郎(さだまさし)に背中を押され、司法試験を受けることを決意。
石子が試験に受からないのは、かつて試験当日に目撃した事故のトラウマがあるせい。今回も、そのことを思い出し、足が動かなくなる石子だが、そこに現れたのは羽男。
石子の視界を傘で遮る。「とっとと受かってこい」と笑顔で送り出す羽男……かっこよすぎないか?
石子に隣にいてほしい、と言えるのも良すぎるし、最高のバディでは……。

 
でも、あくまで石子と羽男は仕事仲間。石子は大庭とは良い関係を気付いているようである。プライベートで石子に傘を差しだすのは大庭で、仕事で傘を差しだすのは羽男、ということだろうか。
どっちにしろ素敵すぎる関係だ。

石子が弁護士となり、羽男と一緒に案件に取り組む姿も見てみたい。
そして大庭くんは良い就職先が見つかりますように……!

※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る

–{「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」作品情報}–

「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」作品情報

出演
有村架純/中村倫也/赤楚衛二/おいでやす小田/さだまさし

脚本
西田征史

音楽
得田真裕

主題歌
RADWIMPS「人間ごっこ」(Muzinto Records / EMI)

プロデュース
新井順子

演出
塚原あゆ子
山本剛義

編成
中西真央
松岡洋太

製作
TBSスパークル
TBS