2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。
沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。
本記事では、その第72回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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和彦、記者歴何年めなんだ?
急に違うドラマがはじまったかと思ったと感じるのは朝ドラあるある。
第72回も急にムードが変わって敬虔な空気が漂います。ある意味これも日常の合間の特別なエアポケットのような時間でしょうか。
ウークイと呼ばれるお盆の送り火を行う日、亡くなった方を送る行事で、御三味という料理を作るのがならわしのようです。
比嘉家でも、鶴見のあまゆでも、遺骨収集をしている嘉手刈(津嘉山正種)の家でも。
嘉手刈を取材に来た和彦(宮沢氷魚)は最初はあしらわれます。
必ず聞き出しますよ、とやる気の和彦に田良島(山中崇)は「おまえ何様だ?」と叱る。当たり前ー。視聴者のほうがわかってる。
最初はこーゆーわきまえないことをしてしまうこともあるとはいえ、和彦、何年記者やってるのか。最初にイタリア人シェフにやらかしたときから成長していない。
今日は特別な回だから小姑トークしたくないのだが、特別なことを描くためにも手順があるでしょう。
せっかく、沖縄の歴史を語り継ぐ必要性を説くエピソードなのだから、そこに至るまでを丁寧に繊細に描いてほしかったなーと惜しい気持ちになりました。
ただ現実は和彦のように考えなしにずけずけ踏み込んでしまう人が少なくないのでしょう。彼は若気の至りの代表格で、こんなふうになんにもわかっていない人が徐々に歴史に理解を深めて行く。その大事さを描きたいのだろうと想像もします。
6年記者やって、わりと真面目な勉強家なのにこんな基本的な礼儀を知らないように描かれてる和彦がかわいそうですが。
そして結局、房子(原田美枝子)が活動に寄付をしていたことで取材もできるようになります。
取材にはコネや運も大事とはいえ、ライターをやってる身からしたら、こんなに容易に相手の懐に入れて良いですね〜とうらやましくなりました。ドラマだからそんなものですけど。
田良島も沖縄の取材をしていたことが判明。すべての縁が沖縄につながっています。
一見ご都合主義的ですが、房子が「あの子(暢子)がこの店に来てからいろんなことが動きだした気がする」と言うことで魔法の世界になり、なんでもありです。
優子(仲間由紀恵)が家族に内緒で遺骨収集をしていたことも、前からなにか秘密の行動をしていたと4兄妹が認識していた後出しで辻褄合わせになりました。
いよいよ4兄妹が母の秘密を知る時が来ました。
巫女の家系だというファンタジーになっても驚きません。
でもきっと、沖縄のことをものすごく真摯に考えて作っているのだと思います。
(文:木俣冬)
–{「ちむどんどん」第15週目のあらすじ}–
「ちむどんどん」第15週目のあらすじ
1978年8月。沖縄のお盆は本土と同じように三日間あり、その最終日が「ウークイ」だ。ご先祖さまをあの世へお見送りする最も重要な日に、暢子(黒島結菜)たち四兄妹が久々にやんばるに集合した。目的は、優子(仲間由紀恵)の話を聞くことだったが、それをきっかけに四人はこれまで知らなかった優子の過去を知ることに。一方、和彦(宮沢氷魚)に大きな仕事のチャンスが舞い込み、急きょ沖縄に向かう。
–{「ちむどんどん」作品情報}–
「ちむどんどん」作品情報
大好きな人と、おいしいものを食べると、誰でも笑顔になる―――
ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインと、支えあう兄妹たち。
“朝ドラ”第106作は個性豊かな沖縄四兄妹の、本土復帰からの歩みを描く
笑って泣ける朗らかな、50年の物語。
放送予定
2022年4月11日(月)~
<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。
日曜: 午前11時~11時15分(再放送)翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。
<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)※月曜~金曜分を一挙放送。
出演
黒島結菜
仲間由紀恵
大森南朋
竜星涼
川口春奈
上白石萌歌
宮沢氷魚
山田裕貴
前田公輝
山路和弘
片桐はいり
石丸謙二郎
渡辺大知
きゃんひとみ
あめくみちこ
川田広樹
戸次重幸
原田美枝子
高嶋政伸
井之脇海
飯豊まりえ
山中崇
中原丈雄
佐津川愛美
片岡鶴太郎
長野里美
藤木勇人
作:
羽原大介
語り:
ジョン・カビラ
音楽:
岡部啓一 (MONACA)
高田龍一 (MONACA)
帆足圭吾 (MONACA)
主題歌:
三浦大知「燦燦」
沖縄ことば指導:
藤木勇人
フードコーディネート:
吉岡秀治 吉岡知子
制作統括:
小林大児 藤並英樹
プロデューサー:
松田恭典
展開プロデューサー:
川口俊介
演出:
木村隆 松園武大 中野亮平 ほか