>>>「ちむどんどん」の画像を全て見る
2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。
沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。
本記事では、その第67回をライター・木俣冬が紐解いていく。
[※本記事は広告リンクを含みます。]
暢子は自分の店を持つことを考えはじめる
再婚? うちが? 誰と?
賢吉(石丸謙二郎)に善一(山路和弘)との「再婚」を勧められて訝しげな顔をする優子(仲間由紀恵)を見て、暢子(黒島結菜)のお母さんだなあと痛感。
共同売店で一緒に働いていて、好意をさりげに示され続けていて、周囲からもからかわれているにもかかわらず、他人事みたいに状況を理解していない優子は暢子とそっくりです。
ふたりは鈍いというよりは、興味のないことにはいっさい興味を示さないタイプなんではないかと思います。その代わり、好きなことには猛進する。優子と暢子に限ったことではなく比嘉家の人たちは、ほぼみんなそういうタイプのような気がします。
善一は、智(前田公輝)ほど好意をあからさまに見せてはいません。好意にためらいが滲みます。それは年の功でしょう。役としてもそうだし、俳優としても。
「あさイチ」では、善一と優子は近すぎると大吉さんが心配していました。例えがおかしくて。大吉さんのお母さんと華丸さんのお父さんが再婚するみたいだから「ちむわじわじするなあ」と言う。
大吉さんは以前にも、対外的な関係性を配慮する発言をしたことがありました。たしか「カムカムエヴリバディ」で、撮影所の社員が女優を好きになることに対してそれは踏みとどまる必要があるというような事を言ってました。しきたりを守る、気遣いのかたなのだなと感じます。というか、芸能界では基本、年功序列をはじめ関係性を重んじますよね。実際守られているかは別として職場恋愛禁止とかもよく聞きます。
どんなに好きでも環境上、気を配るべきときがあるということの最たるものが、石川家です。博夫(山田裕貴)が厳格な祖父・小太郎(小林勝也)から良子(川口春奈)と離婚して再婚することを勧められます。そりゃあ、嫁が実家に帰ってしまったままということをお固い家だったら恥と考えるでしょう。
昔からの決まりや他人の目を気にすることはほんとうは必要のないことで、本来はやりたいことをやるべきということを「ちむどんどん」では暢子や賢秀(竜星涼)や良子が体現している途中であります。はたして、暢子たちは最後まで自分の思いを貫くことができるでしょうか。
アッラ・フォンターナでは、特別なお客様・西郷久雄(高木渉)と西郷めぐみ(新井美羽)・父娘の間にも再婚問題が。めぐみは再婚なんて認めないと一度は反抗したものの、再婚相手と亡き母の思い出のポルチーニのリゾットを食べて考え直します。
いきなりリゾットがどんっと出てきて、コースではなく単品メニューなのか?とか、デリケートな話をするときもお店のど真ん中で落ち着かなそうだなあとか、いろいろ気にかかることはあります。毎日、細かいことをチェックすることが気分転換になれば良いのですが、不満は人の心をじょじょに病ませます。
自分の人生の貴重な時間、暢子たちのように謳歌したいし、華丸大吉さんのように
笑いに転化したいですよね。
愛(飯豊まりえ)の渾身の記事「ズボンをはいた女の子」が社内的には評判がいまひとつでしたが、読者からの熱烈な反響があったことがわかります。読者からの手紙を読んで、じんわりしている愛の表情がとても良かったです。
飯豊まりえさんは、NHKのドラマ「岸辺露伴は動かない」で演じた漫画編集者役がキュートで魅力的で、代表作になったと感じていました。あっけらかんとしたキャラが似合うと思っていましたが、愛が見せた苦労人の表情も良かったです。向田邦子ドラマのような心の内に隠した鈍器のようなものを見せてくれています。飯豊さんのポテンシャルを感じることができてよかった。
(文:木俣冬)
–{「ちむどんどん」第14週目のあらすじ}–
「ちむどんどん」第14週目のあらすじ
暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)、智(前田公輝)、愛(飯豊まりえ)らと濃密な1日を過ごしてから、何か吹っ切れたように元気に働いていた。だが暢子の思いをよそに、智は暢子に思いを告げようとして、それぞれの恋愛模様は大きく動き出していく…。そんな中、沖縄やんばるの比嘉家では、優子(仲間由紀恵)にとある騒動が巻き起こる。
–{「ちむどんどん」作品情報}–
「ちむどんどん」作品情報
大好きな人と、おいしいものを食べると、誰でも笑顔になる―――
ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインと、支えあう兄妹たち。
“朝ドラ”第106作は個性豊かな沖縄四兄妹の、本土復帰からの歩みを描く
笑って泣ける朗らかな、50年の物語。
放送予定
2022年4月11日(月)~
<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。
日曜: 午前11時~11時15分(再放送)翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。
<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)※月曜~金曜分を一挙放送。
出演
黒島結菜
仲間由紀恵
大森南朋
竜星涼
川口春奈
上白石萌歌
宮沢氷魚
山田裕貴
前田公輝
山路和弘
片桐はいり
石丸謙二郎
渡辺大知
きゃんひとみ
あめくみちこ
川田広樹
戸次重幸
原田美枝子
高嶋政伸
井之脇海
飯豊まりえ
山中崇
中原丈雄
佐津川愛美
片岡鶴太郎
長野里美
藤木勇人
作:
羽原大介
語り:
ジョン・カビラ
音楽:
岡部啓一 (MONACA)
高田龍一 (MONACA)
帆足圭吾 (MONACA)
主題歌:
三浦大知「燦燦」
沖縄ことば指導:
藤木勇人
フードコーディネート:
吉岡秀治 吉岡知子
制作統括:
小林大児 藤並英樹
プロデューサー:
松田恭典
展開プロデューサー:
川口俊介
演出:
木村隆 松園武大 中野亮平 ほか