2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。
沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。
本記事では、その第66回をライター・木俣冬が紐解いていく。
[※本記事は広告リンクを含みます。]
人を好きになる気持ちは誰にも止められない
第14週「渚の、魚てんぷら」(演出:木村隆文)のはじまり。いつの間にか実家に電話をかけなくなり代わりに手紙を書くようになった暢子(黒島結菜)。
手紙で近況を綴ります。
4人で海に行き、愛(飯豊まりえ)が和彦(宮沢氷魚)にキスして、結局、ふたりの結婚話は進行していきます。
あんな湿った苦い状況のまま、結婚話が進行するっていたたまれないですね。まるで海で濡れた服や靴が乾かないような感じです。
ところが、また、あまゆで4人で結婚と恋愛の話をしていると、やっぱり吹っ切れてない様子。海から海藻引きずってきちゃったように見えます。
感情を顕にしない暢子、相変わらず、暢子を意識し合図を送り続ける智(前田公輝)、微妙な和彦、彼の「恋愛は理性だけではどうにもならないしね。人を好きになる気持ちは誰にも止められないし 無理やり止めてしまえば心の傷になってずっと後悔するかも」という言葉が気になる愛。
暢子の恋もこのままでは心に傷を残すかもしれませんよね。
もうすぐ和彦は鶴見を出ていきます。その前に、鶴見の相撲(角力)大会に参加しようと考える和彦。
和彦が鶴見に来て6、7年。1回も大会に参加したことがなかったようです。新聞社の仕事が忙しいのかもしれないですが、和彦は沖縄の文化を研究しているのだから、鶴見に来たら真っ先にこの手の行事に参加してみるものだと思いますがね。と「ますがね」なんて言葉遣いでしてしまうほど気になります。
暢子も暢子で、アッラ・フォンターナに勤務して7年にもなるにもかかわらず、5年前から年に一度来る西郷久雄(高木渉)と西郷めぐみ(新井美羽)父子のための特別メニューを知らないという謎の展開。これは従業員全員、共有する話なのでは。
「思い出の場所、思い出の味を提供する店でありたい」という重要な話を、シェフ代行までやった暢子が知らないなんて……。
描かれるエピソードの数々が、暢子が上京して1年の間に体験しそうなことばかりで、6,7年の時間というものがまったく感じられません。「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」のように同じことを延々繰り返している世界ならいいけれど、主人公の成長の物語で50年間を描くドラマと謳っていることと乖離しているから違和感を覚えます。
視聴者として重箱の隅をつついてばかりいたいわけではないのです。そんなの神経疲れちゃいますから。それなりの手順を踏んで提示してくれれば郷に入っては郷に従うのですが、そうじゃないから戸惑うのです。
例えば、とある場所に訪れた者がその地域の暗黙のルールを察知し学ぶのがルールだとして、迎え入れる人たちも、ここではこういう決まりになっているんですよと多少開示するのも優しさではないでしょうか。
異質なものが出会ったとき、お見合い状態にならず、どちらもがそれぞれ開き合うことが肝要だと思うんですけど、どうでしょうか。それとも、ここはこだわり職人のおまかせコースしかない店なんでしょうか。それならそれで仕方ないですが……。
なんてことを考えていたら、賢秀(竜星涼)がまた現れて、水国和歌子(駒井蓮)という女性にメロメロ風……。
今日は、西郷めぐみ役の新井美羽さんは「おんな城主直虎」のヒロインの子供時代を演じてたな〜。「わろてんか」のヒロインの子供時代もやっていたっけと振り返って楽しむのが最適解ですかね。あと高木渉さんも大河や朝ドラの常連化してきたなあとか。
(文:木俣冬)
–{「ちむどんどん」第14週目のあらすじ}–
「ちむどんどん」第14週目のあらすじ
暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)、智(前田公輝)、愛(飯豊まりえ)らと濃密な1日を過ごしてから、何か吹っ切れたように元気に働いていた。だが暢子の思いをよそに、智は暢子に思いを告げようとして、それぞれの恋愛模様は大きく動き出していく…。そんな中、沖縄やんばるの比嘉家では、優子(仲間由紀恵)にとある騒動が巻き起こる。
–{「ちむどんどん」作品情報}–
「ちむどんどん」作品情報
大好きな人と、おいしいものを食べると、誰でも笑顔になる―――
ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインと、支えあう兄妹たち。
“朝ドラ”第106作は個性豊かな沖縄四兄妹の、本土復帰からの歩みを描く
笑って泣ける朗らかな、50年の物語。
放送予定
2022年4月11日(月)~
<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。
日曜: 午前11時~11時15分(再放送)翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。
<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)※月曜~金曜分を一挙放送。
出演
黒島結菜
仲間由紀恵
大森南朋
竜星涼
川口春奈
上白石萌歌
宮沢氷魚
山田裕貴
前田公輝
山路和弘
片桐はいり
石丸謙二郎
渡辺大知
きゃんひとみ
あめくみちこ
川田広樹
戸次重幸
原田美枝子
高嶋政伸
井之脇海
飯豊まりえ
山中崇
中原丈雄
佐津川愛美
片岡鶴太郎
長野里美
藤木勇人
作:
羽原大介
語り:
ジョン・カビラ
音楽:
岡部啓一 (MONACA)
高田龍一 (MONACA)
帆足圭吾 (MONACA)
主題歌:
三浦大知「燦燦」
沖縄ことば指導:
藤木勇人
フードコーディネート:
吉岡秀治 吉岡知子
制作統括:
小林大児 藤並英樹
プロデューサー:
松田恭典
展開プロデューサー:
川口俊介
演出:
木村隆 松園武大 中野亮平 ほか