マーベル・スタジオが送るドラマシリーズの最新作「ミズ・マーベル」が2022年6月8日より配信された。
イスラム教徒のアメリカ人ティーンエージャーであり、アベンジャーズオタクでもある主人公・カマラを中心に繰り広げられる本作。マーベル作品の新機軸であり、今後のシリーズを支えるであろうニュー・ヒーローの誕生やいかに……。
本記事では、「ミズ・マーベル」第4話の魅力をマーベル好きのライターが紐解いていく。
>>>ディズニープラスで「ミズ・マーベル」を観る
>>>【関連記事】Disney+(ディズニープラス)の使い方|こういう人は絶対使うべき!
衝撃のラストの意味は?
今回のエピソードでは、戦いの末、能力を覚醒したカマラが突発的に別世界に飛ばされる衝撃の幕切れを迎えた。
果たして、この世界は一体どこなのか。考えうる可能性は2つだろう。
ひとつは、カマラを襲う組織”クランデスティン”の故郷である別次元の世界”ヌール・ディメンション”。
もうひとつは、カマラの曾祖母・アイシャと祖母・サナが逃げ延びた過去の世界”インド・パキスタン分離独立の時代”だろう。
前者は、カマラが別次元を開けることが明かされているため、自然に考えやすいが、今回描かれていた状況は特殊だ。
カラチ(今回のエピソードの舞台となったパキスタン最大の都市)へ向かう電車と乗り込む大量の人々。
崩壊寸前となった”ヌール・ディメンション”の世界から、カマラの生きる世界へと彼らが脱出しようとしているのか……?
この予想は少し強引ではあるので、特に有力なのは後者であろう。
分離独立の時代のエピソードは劇中で繰り返し語られており、カマラの腕輪には不思議なヴィジョンを見せる役割もある。
そのため、カマラは曾祖母・アイシャと祖母・サナの生きた過去を見ていると考えられる。
本作は主人公のルーツを巡る物語とも言え、次回のエピソードでは、その秘密が明らかになるかもしれない。
ルーツを巡る物語
本作では、パキスタン系アメリカ人のカマラが自身の「ルーツ」を探る物語と言えるだろう。
これまでのエピソードでは曾祖母の時代まで遡り、イギリス領インド帝国が解体し、インド連邦とパキスタンが分かれた分離独立の時代についても言及された。
移民であるカマラのルーツには曾祖母と祖母の生きる激動の時代があるわけだが、本作ではそこにとどまらず、一捻り加えファンタジックな展開が面白い。
曾祖母の故郷は別次元の世界”ヌール・ディメンション”であるというのだ。
また、カマラの敵である”クランデスティン”も同じく”ヌール・ディメンション”の移民であるという部分も気になる部分。
本作の根底には”移民”というテーマが見え隠れしており、最終回ではこの設定がどのように用いられ、どんなメッセージを描くのかにも注目だ。
鍵を握るのはアントマン?
これまでの展開を通して、特に気になるのはアントマンの存在感である。
初回のエピソードでは彼が配信するポッドキャストが登場し、今回は彼をモデルにしたグラフィティアートが登場するなど、とりわけ、フューチャーされている描写が多い。
そう考えると、これらの演出は、今後、彼が登場する布石なのかもしれない。
過去作では初期のアベンジャーズメンバー(アイアンマン、ソー、ハルク、キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ホークアイなど)と比べ、小物的な扱いを受けている印象だったアントマン。
しかし、「ホークアイ」に登場した初代アベンジャーズのミュージカルでは、当時いなかったはずの彼が大活躍しており、ヒーローのアイコン的存在としても一定の市民権を獲得している。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降、アントマン本人は登場しておらず、来年公開予定のシリーズ3作目『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア(原題)』に向けて、どのような形で描かれていくのかにも注目したい。
ジンとは?
前回のエピソードでは、別次元”ヌール・ディメンション”からやってきた人々はジン(またはクランデスティン)と呼ばれ、年を取らない設定であることが明かされた。
ここで気になるのは、ジンをルーツに持ちながらも年をとっているキャラクターたちである。
アイシャの娘・サナとひい孫になるカマラ、クランデスティンの家系のカムラン。
彼らが年を取るのは、人間とジンの血をどちらも持つからと考えればいいのだろうか。
なにはともあれ、続くラスト2話で、この辺りが詳しく描かれることを期待したい。
今後のダメージコントロール局
今回のエピソードでは、ダメージコントロール局の”最高警備レベル刑務所”が初登場となった。
実はこの施設、今夏(8/17)より配信される『シー・ハルク:ザ・アトーニー』の予告編にも登場(約25秒あたり)しており、ファンの間ではすでに話題になっている。
予告編の内容からは施設内には超人が収容されていることも予想されるが、その実態は一体……。
このことを踏まえると、ダメージコントロール局は、今後のマーベル作品において、重要な鍵を握っているのかもしれない。
残り2話を残し、物語も佳境を迎えた「ミズ・マーベル」。
果たして、カマラのルーツに隠された秘密とは……。
散りばめられた小ネタの数々も含め、今後のマーベル作品との繫がりも気になる第4話だった。
(文:TETSU)
>>>ディズニープラスで「ミズ・マーベル」を観る
>>>【関連記事】Disney+(ディズニープラス)の使い方|こういう人は絶対使うべき!
–{「ミズ・マーベル」第4話ストーリー}–
「ミズ・マーベル」第4話ストーリー
自身が持つ超能力の謎を追い求め、祖母が住むパキスタンへとやって来たカマラ。
同伴者である母・ムニーバから離れ、旅先で単独行動を始めたカマラは”レッド・ダガーズ”の一員を名乗る青年・カリームと出会う。
案内に従い、アジトにやって来たカマラは、彼らが”クランデスティン”と敵対する組織だと知らされる。
別次元の干渉によって引き起こされる世界崩壊を阻止し、カマラの味方をするという彼ら。
しかし、そこにダメージコントロール局から脱走した”クランデスティン”が現れる。
思わぬ猛攻により、窮地を迎えたカマラとカリーム。
戦いの末、突発的に能力が覚醒したカマラは、気づくと別世界におり……。
「ミズ・マーベル」作品情報
作品概要
もしも憧れのヒーローのようなパワーを手に入れたら…?
キャプテン・マーベルに憧れを抱くカマラ・カーンは、アベンジャーズオタクの高校生。
学校や家庭では自分の居場所が見つからず、「スーパーパワーさえあれば…」と妄想の世界に浸っている。
しかしある日突然、強大な力を手に入れ、妄想したことが現実に!
ヒーローの力さえあれば全てが理想通りになるはず、と思っていたカマラだが、力をコントロールできず次々と問題が起こってしまう。
なぜ、カマラは強大な力を得たのか?
カマラの力に隠された謎は、生活を一変させ、やがて世界をも変えていくことになる。
ヒーローである前にごく普通の高校生であるカマラが、家庭や学校、社会で様々な問題に直面し、力に伴う責任に悩みながらもMCUの世界を今後大きく変えるヒーロー、 “ミズ・マーベル”として目覚めていく。
予告編
出演
イマン・ヴェラ―ニ(カマラ・カーン/ミズ・マーベル)、マット・リンツ(ブルーノ・カレッリ)、リッシュ・シャー(カムラン)
毎週水曜日16時 ディズニープラスにて独占配信中