「ちむどんどん」第64回:しんけん! お父ちゃん(賢三)は民謡歌手になろうとしていた

続・朝ドライフ

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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第64回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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「もうこんな時間だから」って何時なんだ

暢子(黒島結菜)和彦(宮沢氷魚)が急接近! ……と思ったら三郎(片岡鶴太郎)が帰って来ました。

慌てて外に出て、エイサーの練習帰りのあまゆ夫婦(志ぃさー、しるさ)たちがなかに入るのを留めます。時間を稼ぎ、再び中に入ると、暢子と和彦がわざとらしく離れて立っていました。

ベタなのはいいとして、なんと愛(飯豊まりえ)がお店の奥で待っていたことが発覚。早く着いたから寝てしまったと言いますが、もしかして、和彦たちの話を聞いていたのではないでしょうか。ドキドキ。

和彦に企画の相談をするためあまゆで待ち合わせをしていた愛ですが、もう遅いからと帰っていきます。

「もうこんな時間だから」って何時なんでしょう。今回に限らず愛はいつも仕事終わりに鶴見までよく来ていますが、新聞社のある銀座方面から鶴見にしょっちゅう来るのは非効率な感じがします。来るとしたら週末でしょう。

つねに和彦の部屋にお泊りしているならともかく、そのへんはけじめがありそうですし、本来、都内のどこかにふたりの行きつけの店があって然るべし。

あまゆをたまり場に設定しないと話が成立しないから仕方なしですが、女性がいつも仕事終わりの夜遅くに男性の住居のすぐそばのたまり場に来て帰っていくのってなんだか違和感。それとも愛の家は横浜あたりなんでしょうか。

大田区か品川か、結婚したら住むマンションが白金だから、そのあたりかと想像しますが、もしも多摩川を超えて帰るような交際を6年も続けていたら疲れてしまいそう。とはいえ、実際の地理とは微妙に違うのが朝ドラあるある。前作「カムカムエヴリバディ」でも北野天満宮と賀茂川がかなり近くに設定されていました。

後日、智(前田公輝)が沖縄から帰って来て、和彦、愛、暢子と4人であまゆで飲食しているとき、智は「和彦と愛ちゃんやっぱりお似合いやっさー」と言いますが「ほんとにお似合いなのは 中にいるふたりだと思わない?」と愛は答えます。なんも気づかない鈍感過ぎる智。気づいてしまった愛。どちらも切ないです。

中のふたりーー和彦と暢子はすっかり意識し合っています。こういうとき「ちむどんどんするー」なんでしょうか「わじわじするー」なんでしょうか。

智はやんばるで、優子(仲間由紀恵)に暢子と結婚したいと報告します。聞いてしまった歌子(上白石萌歌)はショック。何かと鈍感な優子ですがこの件に関しては
感じるところがあるようです。もしかして優子はいつも気づかないふりをしているだけなのかも?という気もしました。

共同売店で智の話を聞いているときの歌子の背後からシャボン玉が飛んでいてアイドルのよう。まもるちゃん(松原正隆)と晴海が吹いています。

何かを失えば何かを得る。歌子がついにやりたいことを発見します。ふいに訊ねて来た上原照賢(大工哲弘)から賢三(大森南朋)が民謡歌手になりたかったのだと聞いたのと照賢の歌を聞いたことが重なって、民謡歌手になりたいと決意します。

大工哲弘さんは八重山民謡の歌い手です。やはりプロの歌と演奏は違う。悠久の時間を感じさせてもらいました。歌子の心を強く動かすに足る歌でした。

家の庭の花に「いいねえ あんたはそこで咲けるから」と語りかけていた歌子。彼女もそこで咲く道をみつけたようです。

ようやく動き出した歌子、がんばってほしいです。そして畑の道を歩く智と歌子、お似合いに見えました。

それにしても賢三、三線演奏が好きそうではありましたが民謡歌手を目指していたとはびっくり。調理人やったり歌手目指したり家を建てたり、多才ですね。

(文:木俣冬)

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–{「ちむどんどん」第13週目のあらすじ}–

「ちむどんどん」第13週目のあらすじ

暢子(黒島結菜)は、房子(原田美枝子)と酒を交わすうちに、和彦(宮沢氷魚)への恋心を自覚する。生まれて初めての感情に、仕事ができなくなるほど振り回される暢子。しかし、フォンターナで起こるとある大事件をきっかけに、暢子の中で何かが変わり始める。一方で、和彦と愛(飯豊まりえ)の縁談は進んでいき、関係にも変化が…。智(前田公輝)は事業独立を機に暢子に改めて気持ちをぶつけて…。

–{「ちむどんどん」作品情報}–

「ちむどんどん」作品情報

大好きな人と、おいしいものを食べると、誰でも笑顔になる―――

ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインと、支えあう兄妹たち。
“朝ドラ”第106作は個性豊かな沖縄四兄妹の、本土復帰からの歩みを描く
笑って泣ける朗らかな、50年の物語。

放送予定
2022年4月11日(月)~

<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。

日曜: 午前11時~11時15分(再放送)翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。

<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)※月曜~金曜分を一挙放送。

出演
黒島結菜
仲間由紀恵
大森南朋
竜星涼
川口春奈
上白石萌歌
宮沢氷魚
山田裕貴
前田公輝
山路和弘
片桐はいり
石丸謙二郎
渡辺大知
きゃんひとみ
あめくみちこ
川田広樹
戸次重幸
原田美枝子
高嶋政伸
井之脇海
飯豊まりえ
山中崇
中原丈雄
佐津川愛美
片岡鶴太郎
長野里美
藤木勇人

作:
羽原大介

語り:
ジョン・カビラ

音楽:
岡部啓一 (MONACA)
高田龍一 (MONACA)
帆足圭吾 (MONACA)

主題歌:
三浦大知「燦燦」

沖縄ことば指導:
藤木勇人

フードコーディネート:
吉岡秀治 吉岡知子

制作統括:
小林大児 藤並英樹

プロデューサー:
松田恭典

展開プロデューサー:
川口俊介

演出:
木村隆  松園武大 中野亮平 ほか