2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。
沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。
本記事では、その第49回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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「ちむどんどん」第49回レビュー
それから一週間、歌子は上野の動物園にパンダを観に行くこともなく、暢子の部屋で過ごしました(ナレーション:ジョン・カビラ)
歌子(上白石萌歌)が検査に出かけました。結果は一週間後。智(前田公輝)が気遣って上野にパンダを観に行こうと提案しますが歌子は遠慮します。
検査のことも気になるし、智の気持ちが自分にないから、拗ねた気持ちなのでしょう。
万が一、暢子(黒島結菜)も参加して3人で行ったら、暢子と智がキャッキャして地獄でしょうし。
気に病むとカラダにも悪いですよね。歌子はいろいろ気に病み過ぎなのかもしれません。第48回では、仕事も結婚もできないまま死ぬのだと絶望していました。なんとなく
ここまで来ると歌子の病気は心の問題のような気がしてきました。
暢子は智の気持ちにも気づいていませんが、二ツ橋(高嶋政伸 たかははしごだか)がフォンターナを辞めることになり、その引き継ぎで外回りしているうちに、彼の房子(原田美枝子)への気持ちに気づきます。
どこをどう聞いても好きだとしか思えません(暢子)
さすがの暢子も、二ツ橋のわかりやすい言い方には気づいたようです。当人は自分の気持を隠しているつもりですが、ダダ漏れでした。
二ツ橋さんは昔、房子にプロポーズまでしていたようで、そこは一人芝居形式で振り返ります。ただ、後輩の話しとして。自分だと言うのが恥ずかしいとき友人がーとか後輩がーとか別の人にすり替えて話すのはよくあること。暢子にもそれはすぐわかります。
さらに暢子は、その話しから三郎(片岡鶴太郎)がその恋に関わっていることに気づきます。
二ツ橋の片思いよりも、房子と三郎の深い関係のほうがびっくりしました。
「ちむどんどん」はこころの内を外に出さない(出せない)人たちばかりです。
二ツ橋は房子が厳しく見えるが愛情に溢れた人だと惚れ込んでいます。
男性陣は意地っ張りなわりに微妙に感情がだだ漏れするへたれが多いけれど、房子は凛として何も言わずかっこいい。原田美枝子さんがさすがの貫禄です。
わかっててもわかってないふりをしたほうがいいことある(田良島)
あまゆの店主と将棋しながら田良島(山中崇)がさらっと世の真理をまとめます。
人には誰にも言いたくないことがあるもので、それに気づくこともときには必要だけれど、気づかないふりをしたほうがいいこともあるのです。こうしていたら絶対にうまくいくノウハウなんてありません。
頑張っても頑張ってもどうにもならないことが人生(田良島)
田良島はほかにもいろいろ続け、そのとおりのことばかりのいいことを言います。
どんなことがあっても最後は希望を捨てないこと。
そして、暢子は歌子の好物を作りはじめました。
自分のことばっかり考えて突進していた暢子が、他者の気持ち(主に秘めた恋)に気づけるようになってきたようです。
まあでも不器用な二ツ橋の気持ちに気づくことができるなら、智の気持ちも気づきそうなものですが……。いや、これからこれから、ゆっくりゆっくり。
(文:木俣冬)
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–{「ちむどんどん」第10週目のあらすじ}–
「ちむどんどん」第10週目のあらすじ
暢子(黒島結菜)は、銀座の西洋料理店「アッラ・フォンターナ」に勤めて4年ほどが過ぎた。シェフの二ツ橋(髙嶋政伸)は温厚で確かな技術を誇る厨房ちゅうぼうの中心人物なのだが、その二ツ橋が突然「店を辞めるかも」と言い出し、オーナーの房子(原田美枝子)もなぜかそれを止めようとしない。沖縄やんばるの実家では、歌子(上白石萌歌)の体調不良が続いて、優子(仲間由紀恵)はある決意を固めていた。
–{「ちむどんどん」作品情報}–
「ちむどんどん」作品情報
大好きな人と、おいしいものを食べると、誰でも笑顔になる―――
ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインと、支えあう兄妹たち。
“朝ドラ”第106作は個性豊かな沖縄四兄妹の、本土復帰からの歩みを描く
笑って泣ける朗らかな、50年の物語。
放送予定
2022年4月11日(月)~
<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。
日曜: 午前11時~11時15分(再放送)翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。
<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)※月曜~金曜分を一挙放送。
出演
黒島結菜
仲間由紀恵
大森南朋
竜星涼
川口春奈
上白石萌歌
宮沢氷魚
山田裕貴
前田公輝
山路和弘
片桐はいり
石丸謙二郎
渡辺大知
きゃんひとみ
あめくみちこ
川田広樹
戸次重幸
原田美枝子
高嶋政伸
井之脇海
飯豊まりえ
山中崇
中原丈雄
佐津川愛美
片岡鶴太郎
長野里美
藤木勇人
作:
羽原大介
語り:
ジョン・カビラ
音楽:
岡部啓一 (MONACA)
高田龍一 (MONACA)
帆足圭吾 (MONACA)
主題歌:
三浦大知「燦燦」
沖縄ことば指導:
藤木勇人
フードコーディネート:
吉岡秀治 吉岡知子
制作統括:
小林大児 藤並英樹
プロデューサー:
松田恭典
展開プロデューサー:
川口俊介
演出:
木村隆 松園武大 中野亮平 ほか