「ちむどんどん」第43回:いいかげんにして! 朝ドラ史上初、主人公の家族全員、問題あり 

続・朝ドライフ

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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第43回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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おでんは前途多難、ニーニーはまた金の無心

こんななじみのないものじゃなくて もっとありきたりなホッと心が安らぐ しみるような味のおでんを…。(和彦)

新しくて個性的なおでんにしないとうちがここに来た意味ないさ(暢子)

もっと地味で新鮮味はなくても 大切なことがきっとあるはずだよ。 そういう料理を暢子は志すべきだよ(和彦)

うちは料理のプロとして結果を出さないといけないわけ。詳しくないならえらそうに言わないでよ(暢子)

逸る暢子(黒島結菜)を諭す和彦(宮沢氷魚)。暢子のことを思って助言している和彦ですが、自分の腕に自信があり、自分が任された以上、新しいことをしないといけないと思い込んでいる暢子はムッとしてしまい、険悪になります。

このせりふの「おでん」「朝ドラ」に置き換えてみましょう。

「こんななじみのないものじゃなくて もっとありきたりなホッと心が安らぐ しみるような味の朝ドラを…」

「新しくて個性的な朝ドラにしないとうちがここに来た意味ないさ」

「うちは朝ドラのプロとして結果を出さないといけないわけ。詳しくないならえらそうに言わないでよ」

どうですか、しっくりしませんか。

「ちむどんどん」とは暢子のつくる先走った味で、昔ながらのおでんを求める層には違和感なのではないでしょうか。

今日もまた、ニーニーこと賢秀(竜星涼)優子(仲間由紀恵)に借金を頼んでいました。「いいかげんにして!」「どれだけお母ちゃんを悲しませたら気が済むわけ」と叱る良子(川口春奈)も離婚を決意し子供を連れて実家に戻ってきています。

家に電話を引くことができた働き者の歌子(上白石萌歌)ですが病弱なまま。暢子は周囲を気にせず斬新なことをやって暴走気味。第42回では「親心」と言ってた房子(原田美枝子)を第43回では「意地悪」と愚痴って、ヨシ(大島蓉子)にぴしゃりと叱られました。

朝ドラで主人公をはじめとして家族全員が問題を抱えて、共感しづらい人たちぞろいであることは珍しいです。暢子の料理のように斬新であります。

でもこういう人たちがいないとは言えません。いや、います。世界にはいるのです、こういう人たちが。「万引き家族」という映画がありましたよね。そういう感じです。万引で生計を立ててないだけましです。

おでんにほっこりする視聴者ではなく、斬新なイタリアふうおでんに目を輝かせる新しい視聴者のためのドラマ、それが
「ちむどんどん」。

ウチナーンチュじゃなくても同じ鶴見の仲間。縁がありゃお互い助け合うのが人の道だ(三郎)

三郎(片岡鶴太郎)が言うように、昔ながらのおでんが好きな人も斬新なおでんが好きな人も手を取り合っていきたいものです。

(文:木俣冬)

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–{「ちむどんどん」第9週目のあらすじ}–

「ちむどんどん」第9週目のあらすじ

暢子(黒島結菜)が銀座の西洋料理店「アッラ・フォンターナ」に勤めて2年ほどが過ぎた。徐々に仕事は慣れてきていたが、ある日オーナーの房子(原田美枝子)から、とある店舗の経営立て直しを命じられる。意気揚々と出向いた先とは…。 そのころ、賢秀(竜星 涼)は東京でとあるビジネスに手を染め始める。沖縄やんばるの実家では、優子(仲間由紀恵)の元に良子(川口春奈)がやってきて、衝撃の告白をする。

–{「ちむどんどん」作品情報}–

「ちむどんどん」作品情報

大好きな人と、おいしいものを食べると、誰でも笑顔になる―――

ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインと、支えあう兄妹たち。
“朝ドラ”第106作は個性豊かな沖縄四兄妹の、本土復帰からの歩みを描く
笑って泣ける朗らかな、50年の物語。

放送予定
2022年4月11日(月)~

<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。

日曜: 午前11時~11時15分(再放送)翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。

<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)※月曜~金曜分を一挙放送。

出演
黒島結菜
仲間由紀恵
大森南朋
竜星涼
川口春奈
上白石萌歌
宮沢氷魚
山田裕貴
前田公輝
山路和弘
片桐はいり
石丸謙二郎
渡辺大知
きゃんひとみ
あめくみちこ
川田広樹
戸次重幸
原田美枝子
高嶋政伸
井之脇海
飯豊まりえ
山中崇
中原丈雄
佐津川愛美
片岡鶴太郎
長野里美
藤木勇人

作:
羽原大介

語り:
ジョン・カビラ

音楽:
岡部啓一 (MONACA)
高田龍一 (MONACA)
帆足圭吾 (MONACA)

主題歌:
三浦大知「燦燦」

沖縄ことば指導:
藤木勇人

フードコーディネート:
吉岡秀治 吉岡知子

制作統括:
小林大児 藤並英樹

プロデューサー:
松田恭典

展開プロデューサー:
川口俊介

演出:
木村隆  松園武大 中野亮平 ほか