<金田一少年の事件簿>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

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1995年の初放送以来、幅広い世代の支持を得続けている謎解きミステリードラマの金字塔「金田一少年の事件簿」。週刊少年マガジン(講談社)で連載された原作は、世界(12か国)累計で1億を超える発行部数を誇るメガヒット作。2022年に30周年を迎えた。

新シリーズは、選りすぐりのエピソードを現代の視点で再構築。主役は道枝駿佑(なにわ男子)。堂本剛(1995年/1996年)、松本潤(2001年)、亀梨和也(2005年)、山田涼介(2013年/2014年)と繋がれてきたバトンを受け取り5代目金田一一(はじめ)を襲名する。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・「金田一少年の事件簿」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

>>>「金田一少年の事件簿」第1話の予告をYouTubeで見る

金田一一(道枝駿佑)が通う不動高等学校には、学園七不思議と呼ばれる謎があった。
中でも詳細不明の七つ目の謎について真相を知った者は、旧校舎に潜む怪人『放課後の魔術師』に呪い殺されるという。ミステリー研究会の七瀬美雪(上白石萌歌)は、部員達とその謎を探ることに。

ある夜、美雪は部長の桜樹(大友花恋)から呼び出され、一はじめと旧校舎に駆けつける。
しかしそこで目撃したのは、「開かずの生物室」で首を吊る桜樹の姿だった…!傍らに『放課後の魔術師』らしき影も見えたが、扉を壊し中へ踏み込むともぬけの殻。だが翌日になってから桜樹の死体が発見された。

剣持警部(沢村一樹)は、当時旧校舎にいた佐木(岩﨑大昇)ら他の研究会メンバーや、現場に居合わせた宿直の立花(杉本哲太)、教師の的場(光石研)も立ち会わせて捜査を開始する。

「七不思議なんて調べなきゃ良かった」と後悔する美雪。しかしその後も犠牲者は続き、ついには美雪も…!さらには10年前にも同じ謎を追った生徒が行方不明になっていると判明して…。

「じっちゃんの名にかけて!」犯人に憤る一はじめは、必ず謎を暴くと誓う。
奇怪な密室殺人事件の謎に隠された、壮絶かつ哀しい真実とは…!?

第1話のレビュー

5度目のドラマ化となる「金田一少年の事件簿」、今回一は道枝駿佑、美雪役は上白石萌歌。初回となる第1回は学園七不思議殺人事件。七つ目の謎の真相を知ると「放課後の魔術師」に呪い殺されるという伝説になぞらえた殺人の真相に迫る。

正直に言うと、観る前は「道枝くん、一ちゃんにしてはちょっと綺麗でシュッとしすぎてるかも?」と思ったが、実際に作品を観るとそこまで違和感がなかった。ちょっと可愛すぎるかなと思う瞬間はあるものの、普段マイペースだけど事件のことになるとキリッとする感じはよく出ていた。今後どんな一ちゃんを観られるのか楽しみ!

長らく親しまれている作品だが、現代に合わせてアレンジされているため、古さは感じなかった。また事件の進行の一方で登場人物同士の人間関係なども描かれており、事件ものという以外の部分でも楽しめた。

特に印象的だったのは、高校生ながら推理作家として活躍する真壁誠を演じていた細田佳央太。「ドラゴン桜」「恋です!」「もしも、イケメンだけの高校があったら」などではどちらかというと素直で真っ直ぐな役の印象が強かったので、上から目線のかなり嫌なやつで印象の差にびっくりした。顔はもちろん彼の顔なのだが、雰囲気が違いすぎてしばらくわからなかったくらいだ。

後に真壁の小説は後輩の佐木(岩﨑大昇)に無理やり書かせていたとわかるのだが、佐木も原作のイメージに近かった。昨年のドラマ「ザ・ハイスクール ヒーローズ」では「秘密戦隊ゴレンジャー」をこよなく愛する熱血キャラを演じていたが、印象が全然違う。彼が演じた別の作品もチェックしたくなった。

佐木の役どころにちなんでYouTubeで「佐木カメラ」も配信中。第1回は道枝・上白石へのインタビュー。今後も続くようなので、こちらも楽しみだ。

美雪が所属するミステリー研究会で七不思議について調べたのをきっかけに起こり、2人の生徒が殺され美雪も大けがを負った殺人事件。真相は物理教師の的場(光石研)が自分の関わった過去の事件を隠すために起こしたのだった。

10年前に殺した女生徒・青山ちひろの遺体を壁に塗りこめたのを隠すため、その女生徒を殺したのは以前いた建設会社が関わった作業員6人の遺体を旧校舎下に埋めた事件がバレたからだった。その理由で何人も殺してしまったなんて、あまりにも身勝手だ。「青山くん許してくれ」と言っていたが、いや許せるわけないだろと心の中でつぶやいてしまった。

ただ的場も極悪人なわけではなく、工事現場では孫のために働いているという人の罪を自分がかぶろうとしたやさしさを持っていた。会社がそれを隠蔽し、的場を旧校舎の番の意味も込めて教師になれるよう融通したという経緯があって隠さねばならなかったのだ。何かもっと違う道はなかったのかと思ってしまう。

うーんでも、生徒との穏やかな時間に感謝していると言っているのにその生徒を身勝手な理由で殺したのか? と思うのでやっぱり駄目だな。青山ちひろを殺そうとして首を絞めた瞬間の顔が怖すぎた。

次回は聖恋島殺人事件。事件の描かれ方はもちろん、それぞれの演技にも引き続き注目したい。

※この記事は「金田一少年の事件簿」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

>>>「金田一少年の事件簿」第2話の予告をYouTubeで見る

剣持警部(沢村一樹)の趣味のフィッシングツアーに、一はじめ(道枝駿佑)と美雪(上白石萌歌)、そして佐木(岩﨑大昇)も参加することになった。向かった先は不気味な音が鳴り響く聖恋島。

それは、ギリシャ神話に登場する海の怪物『セイレーン』の哭き声だといわれているらしい。『セイレーン』はその声に惑わされた人間を海に引きずり込んで食い殺すという。

その夜、ツアー客全員が、参加者の一人、寒野医師(髙橋ユウ)から呼び出しの手紙をうけとる。彼女は同じ病院勤務の影尾教授(佃典彦)や、医療機器の営業マンである伊豆丸(小市慢太郎)達と一緒に来ていた。ツアー担当の凪田(吉谷彩子)は以前からその病院の医師達を知っていたようだが、なぜか避けるような態度を見せていて…。

指定された時間となり、全員が集合場所にやって来る。次の瞬間、寒野医師は海から飛んできた矢が眉間に刺さって絶命。さらに翌日、釣りに行った参加者が海の中へ引きずり込まれ…。

果たしてこれらは『セイレーン』の仕業なのか!?一はじめたちは、島の唯一の住人、霧声(余貴美子)から、戦時中に聖恋島が背負うこととなった悲運の史実を聞くが…。

第2話のレビュー

前回から間が空き、待ち遠しかった第2話は、聖恋島というたった一人しか人が住んでいない孤島を舞台にした殺人事件だ。一(はじめ・道枝駿佑)・美雪(上白石萌歌)・佐木(岩﨑大昇)が剣持警部(沢村一樹)の釣りに付き合って訪れた先は、ギリシャ神話に登場する海の怪物『セイレーン』の哭き声のような、不気味な音が鳴り響く島。わざわざ旅行に行ってこんな声で落ち着かないなんてすごい嫌だ。

同じ宿(というか一か所しかないのだが)に泊まる人たちは、医師数名と彼らを接待する医療機器の営業マンたち。同行するツアーコンダクターの凪田(吉谷彩子)は医師たちと顔見知りのようだが、何かよくない思い出がありそうだ。ただ一人の住人である霧声(余貴美子)も何を考えているのかよくわからない。

医師の一人・寒野(高橋ユウ)からの手紙が全員に届けられ集まると、窓の外から飛んできた矢が寒野に刺さり絶命。海が荒れて外からの行き来ができない中、翌朝食糧庫も荒らされ、剣持・一と魚を釣りに行った先で潮医師(コサカマサミ)も波にのまれる。すぐに一が飛び込んで助けようとしたが助からなかった。釣り竿から手を離せばよかったのに、離すことができなかったようにも見えた。

今回、一(はじめ)の空気が読めず女心がわからない、鈍感な感じがよく出ていた。それに対して怒る美雪とあきれる佐木という三者三様の絶妙なバランス感がよかった。いつもマイペースだが、潮が目の前で溺れたとき剣持の静止もきかず飛び込み、セイレーンの巣に単身乗り込む勇敢さもあり、一(はじめ)の緩急が楽しめる回だった(セイレーンの巣に入っていくあたりはやっぱりしゅっとしてる一だな~! と思った)。

刑事がいるのに一般人の高校生を危険かもしれない場所に乗り込ませるのはどうなんだろうと若干気になるが、これ金田一だからな。凪田の悲鳴を聞いて駆け付けた一と佐木が、影尾医師(佃典彦)を目の前にするとなかなか手を出せず、美雪が飛び掛かって凪田の前に立ちはだかって守るシーンも美雪の性格が出ていてよかった。

また沢村一樹演じる剣持警部の柔らかい雰囲気が、初代金田一で同役を演じた古尾谷雅人と少し重なる気がして懐かしい。

しかし凪田が昔今回の3人の医師が働いていた病院で看護師をしており、しかも影尾と付き合ってたというのにはびっくりだ。「あんなおじさんと!?」と言ってしまう一ちゃんはまぁ失礼だが、年齢はともかく、影尾はずっといばっていて自分さえ得すれば良く、立場が弱い人たちに威張り散らしているような嫌なやつだった。凪田のような女性が年齢の差を超えてまで付き合う魅力が感じられなかった。

影尾へ別れを切り出した逆恨みで、今回の3人がグルになって凪田に患者への不要な投薬を指示して患者は死亡し、凪田は責任をなすりつけられて辞めさせられた……というエピソードは最低だった。そんな個人的な恨みのために患者を殺すなんて、医師としてありえない人たちだ。嫌な面しか見えなかったので、申し訳ないが殺された二人も正直あまり気の毒に思えない……と少しだけ思ってしまったが、連続殺人もので一人一人の死を軽く感じてしまうのもよくないな、と思った。誰がどんな目的で殺したのだろうか(そもそも手段も違うし同一犯なのか?)。凪田だけでなく、他の人たちにもよくは思われていなさそうだ。やはり次のターゲットは影尾なのだろうか。

ちなみにセイレーンの正体は、この島が昔人間兵器・回天(特攻隊の魚雷版)の基地だった頃の名残りで、魚雷に海水が入ることで出ている音だった。はるか昔に授業で習ったなぁ……とちょっと懐かしくなった。

次回明かされる真相はどんなものなのか。

※この記事は「金田一少年の事件簿」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

>>>「金田一少年の事件簿」第3話の予告をYouTubeで見る

連続殺人事件が起きた聖恋島の荒天がおさまり、参加者全員があす帰れることになったと剣持警部(沢村一樹)から知らされる一はじめ(道枝駿佑)。

その矢先、医師仲間を二人失っていた影尾教授(佃典彦)が行方不明になる。捜索に出た一はじめ達は、舟着小屋の明かりに気づいて駆けつけるが、開いてるはずのドアには鍵が。仕方なく反対側のドアに回りこみ、窓から中を覗くと誰かが中で倒れていた。すると、突然小屋の明かりが消え、今度は小屋から逃げていく光が!

「あれは犯人か?」何者かに翻弄されるように光を追いかけたその先で、影尾教授の遺体が発見された。この時、一はじめは、島にいる者がその場に揃っていることに気づく。
これまでも事件発生時のアリバイが全員にあったことを不自然に感じるが、佐木(岩﨑大昇)が撮影した現場の映像に何かを発見して…。

そんな中、凪田(吉谷彩子)が、殺された医師達についてのある事実を告白する。
一方、眠らずに推理に没頭する一はじめの事が心配の美雪(上白石萌歌)は、自分なりのアシストをしようと考えて…。

哀しい哭き声が響く孤島での連続殺人事件。真犯人の正体がついに明かされる…!

第3話のレビュー

聖恋島殺人事件・後編。二人の医師が別々の方法で殺害され、セイレーンの噂にかこつけた殺人だと推理する一(はじめ・道枝駿佑)。睡眠もとらず推理に没頭する一を気遣い気分転換を提案し、断られても自分が役に立てる方法を探す美雪(上白石萌歌)が健気。そんな美雪にちゃんと気づいてる佐木(岩﨑大昇)くん、素晴らしい。

そんな中、3人目の殺人が起きてしまう。影尾(佃典彦)が行方不明になったのち、遺体となって発見される。これが妙で、まず明かりのついた船着小屋に行くとドアが開かない→遠回りしてもう一つのドアへ。こちらも鍵がかかっており、中に倒れている男性が→小屋の明かりが消え、水上を逃げていく光を追うと、その先には影尾の遺体が。

どうしても影尾の事件のトリックが思いつかない一だったが、美雪の持っていたあるものでひらめく。

「謎は全て解けた」全員を集め推理を披露する一。
犯人は伊豆丸(小市慢太郎)だという。寒野(高橋ユウ)殺害の際は遠隔で水中銃を操れる状態、「水中銃だ!」と叫んだのも彼だった。潮(コサカマサミ)殺しの際は彼のグローブに接着剤をつけ、水中で逃げられないようしがみついていた。ゴーグルのあとがくっきりしているところが、佐木が撮った映像に映っていた。そして影尾の際はみんなが船着小屋に入るために移動しているすきを狙って殺害、小屋の中に倒れていたのも伊豆丸だったのだ。

伊豆丸の殺害動機は、娘を殺されたことだった。
伊豆丸は娘が幼い頃に離婚、以降はほとんど会っていなかったが、公園で偶然娘と再会し遊ぶことに。元妻もそれを許してくれた。
だがほどなくして元妻に、娘が死んだことを告げられる。

新薬の開発をしていた影尾は、がん患者に新薬を使っていた。中には急変して亡くなる患者もいて、家族には「がんが全身に転移した」と説明していた。
伊豆丸の娘にも無理やり新薬を使い、急変して死亡。潮と寒野がカルテを改ざんしてごまかした。
そうとは知らない潮が、酒の席で「小学生を殺しちゃったんですよ」と話し、すべてを知ったのだった。

いや、ほんと影尾たち、前回の話もだ医者とは思えない最低な人たちだ。人の命を何だと思っているのか。というか、そんな隠ぺいできないのではと思うが……。さらに軽々しく人に話して、悪く思っていないのもわかってしまうし、人格を疑う。よくないことかもしれないが、やっぱりあまり同情できない。
同じ理不尽な死という形でしか復讐できなかった伊豆丸も悲しいが、これ以上影尾たちの犠牲になる患者が増えないことはよかった。

右竜(生田絵梨花)、何か秘密を持っていたりするのかなと思ったが、特になくて若干肩透かしをくらった。

次回のキャストも豪華で楽しみだ。

※この記事は「金田一少年の事件簿」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

>>>「金田一少年の事件簿」第4話の予告をYouTubeで見る

家族で旅行中の一(道枝駿佑)と美雪(上白石萌歌)は、とある殺人事件の犯人を追う剣持警部(沢村一樹)と遭遇する。訪れた白蛇村は、旅館の女将、鏡花(りょう)によると、白い蛇を神様の使いとして崇めているという。

合流した3人は、怪しげに顔をマスクで隠した男が隣接する酒造に入っていくのを目撃する。そこは白神家が代々営む造り酒屋『白蛇酒造』で、今は音松(小野武彦)が社長として酒蔵を守っていた。

男はその家の二男、蓮月といい、5年前の火事により行方不明だったものの、失った記憶が戻り2か月前に帰宅。火事の後遺症で顔や声は変わったが、DNA鑑定で血縁関係は証明済みらしい。身元がはっきりした事で、とりあえず引き下がった一達は、杜氏見習いの鷺森(岡山天音)の案内で、職人の黒鷹(寺島進)達が作業する酒蔵を見学することに。

しかし、その先で樽の中に浮かぶ蓮月の死体を発見して…。
殺されたとみられる時間に唯一蔵の中にいた長男の左紺(吉田悟郎)が疑われるも、その姿は消え、次なる悲劇が…!

「白蛇様の天罰だ!」次々と息子を失い取り乱す音松。 事件の謎を探る一だったが、そこには愛憎渦巻く白神家一族の真実が隠されていた…。

第4話のレビュー

今回一(はじめ・道枝駿佑)たちが遭遇するのは、聖恋島殺人事件に続き初の実写化となる白蛇蔵殺人事件。

家族ぐるみの旅行にきた一と美雪(上白石萌歌)は温泉で剣持警部(沢村一樹)に遭遇。なんでも、とある殺人事件の犯人を追っているのだという。また、旅館の女将・鏡花(りょう)によると、3人が訪れた白蛇村は、白い蛇を神様の使いとして崇めているのだという。

家族ぐるみの旅行だけど、二人以外の家族は全く出てこないのだな……。

3人は、あやしげなマスクで顔を隠した男が旅館に隣接する酒蔵・白蛇酒造に入っていくのを見る。白神家が代々営むこの酒造は、今は音松(小野武彦)が当主を務めている。マスクの男はこの家の次男・蓮月。5年前の家事で行方不明になり、遺体が出ず死んだと思っていたが、最近記憶を取り戻して帰ってきたらしい。火事の後遺症で顔も声も変わっており、なりすましではと疑ったが、DNA検査では”音松の息子”だということが証明されたという。

3人は杜氏見習いの鷺森(岡山天音)の案内で酒蔵を見学させてもらうが、樽の中に浮かぶ蓮月の遺体を発見する。殺害時刻に唯一蔵の中におり、遺体発見後姿をくらました長男・左紺(吉田悟郎)が疑われる。しかし左紺も樽の中で首を吊った状態で見つかる。音松は酒の味がわからなくなってしまい、5年前から長男の左紺ではなく次男の蓮月に跡を継いでほしいと言い出しており、戻ってきた弟が疎ましかったのではと推測されるが……。息子を次々と失った音松は「白蛇様の天罰だ!」と取り乱す。10年前にも音松の妻・琴音が白蛇に噛まれて亡くなっているらしい。

熟練職人の黒鷹(寺島進)によると、亡くなった2人にはもう一人下に弟・黄介(辻岡甚佐)がいたが、火事とともに行方をくらませた。蓮月のいた場所に火をつけたのは佐紺と仲がよかった黄介では、と思われているらしい。

りょう・寺島進・岡山天音。豪華な俳優陣で、この中の誰かが真犯人なのだろうかと予想した人は多かっただろう。特にりょうと岡山天音はあやしい感じがすごくあった。

防犯カメラの映像を見て、一はあることに気づく。
「謎はすべて解けた」関係者を集めた一は、この中に犯人がいると言い推理を伝える。手提げかばんの持ち方から検証した結果、カメラに映った佐紺が蔵に入ってきたときと出ていくときとでは持ち方が違う。犯人は鷺森だというのだ。でも、最近見習いとして入ってきた鷺森がなぜ彼らを殺さねばならなかったのだろうか。

真相は驚くべきものだった。なんと鷺森は、この家の三男・黄介だったのだ。5年前、蓮月のいた場所に火をつけたのは黄介ではなく、佐紺だった。父親が長男の自分を差し置いて弟に跡を継がせると聞き、おかしくなったのだという。黄介は止めようとしたが木材で頭を殴られ、なんとか蓮月を助けようとして自分も大やけどを負い、記憶を失っていたのだ。

記憶が戻ったきっかけは、白蛇酒造の酒を飲んだことだった。佐紺が作った酒は以前にくらべかなり不味くなっており、怒りで記憶を取り戻したらしい。黄介は、整形で顔を変え、見習いとしてこの家に入り込んだ。そして佐紺が酒蔵を売り飛ばそうとしていることを知ってしまい激怒した。蓮月を殺し、大事な酒の味を落とし、さらに売り飛ばそうとするとはと。

ちなみに蓮月はおそらく5年前の家事で亡くなっており、なりすましていたのは鬼門という、剣持が追っていたヤクザの男だった。この家に入り込もうと、黄介に協力を強要したのだ。

鷺森=黄介は、まず蓮月になりすました鬼門を殺害。実は一たちが酒蔵を見学していたときに見せてもらった酒樽はフタでかさ増しされており、下には鬼門の死体が入っていたのだ。犯行のタイミングを勘違いさせるため、あえてそこに酒が入っている状態を見せたのだった。同時に薬で気を失わせた佐紺も隣の樽に入っていた。そして首を吊る状態にし、死の直前に自分が弟・黄介だということを明かしたのだった。

鷺森が犯人だったというのはやっぱりと言ったところだったが、一の言う通り「誰よりも酒造のことを想っていた」黄介・岡山天音の演技には、予想できないところで感動させられた。この家に殺人犯の息子はいらない、僕はあなたの息子ではないと、呼びかける音松に応えず冷たく去っていく黄介。だが走り去る車の中で、父の声を聞きながら涙する泣きの演技には、思わずもらい泣きしてしまうほど心を動かされた。

子どもの頃の写真では仲が良さそうだった三兄弟。協力してやっていく道はなかったのだろうか。圧倒的に悪いのは佐紺なのだが、長男を差し置いて次男に跡を継がせる……というのが面白くない気持ちがあるのは無理もない(殺していい理由には決してならないが)。だが佐紺が作るようになって味は落ち、さらに売り飛ばそうとするほど酒造に愛情がなかったのだから、ある意味音松の見立ては確かだったともいえる。

三兄弟の次男に跡を継がせようとする……ちょうど今クールやっている別作品「やんごとなき一族」が全く同じシチュエーションで思い出してしまった。あちらはみんなが幸せになれるといいのだが、どうだろう。

ちなみにあやしさプンプンだった鏡花は、殺人事件には関わっていなかったが後妻業の女だったことが発覚し逮捕された。音松も狙われていたのだが、白蛇の呪いを気にした音松が彼女のために再婚はしなかったことで命びろいしたようだ。切ない展開のなかでちょっとクスッときてしまうエピソードだった。

次週は「トイレの花子さん殺人事件」。原作では「亡霊学校殺人事件」というタイトルで、これも初の実写化だ。怪談系が苦手なので怖いけど、楽しみだ。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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佐木(岩﨑大昇)が、親戚のやっている民宿に一(道枝駿佑)と美雪(上白石萌歌)を連れて行った。民宿には、合宿中の美大生が4人いて、一達は肝試しに誘われる。
二人の仲を近づけようとする佐木は、いい機会だと一をけしかけ参加することに。

肝試しの舞台は、30年前に閉鎖された病院。
そのトイレには、入院患者だった少女『花子』の霊がいて、声をかけた者は殺されるという怪談があった。ルールは、10分間隔でそれぞれが女子トイレの奥にある花子さんの個室へと向かい、「花子さん遊びましょう」と言った後、缶の中のピンポン球を取ってくるというもの。

クジの順番通りに肝試しは進むが、最後に出発した伊能(中川大輔)が帰って来ない。
伊能は、高圧的な態度で鳴沢(小野寺晃良)を振り回していたほか、恋人だった真紀(田辺桃子)をめぐり獅子島(篠原悠伸)とは三角関係だった。

トイレの床に花子さんの墓まで続く血の跡があったが、それはインクだと判明し、脅かすのが好きな伊能のイタズラだと思う一同。

しかし翌朝、伊能の死体が発見される…!
通り魔の犯行が疑われる中、一は、花子さんの亡霊の影に隠れた狡猾な殺人犯がこの中にいると睨んで…。

第5話のレビュー

美雪(上白石萌歌)の気持ちにまったく気づかない一(はじめ・道枝駿佑)。二人の仲を近づけようと、親戚のやっている民宿に誘う佐木(岩﨑大昇)。佐木、何て気がきく素晴らしい後輩なんだ……おまけに顔もいいし、できる子すぎる。

だが民宿にはガラの悪い美大生たちがおり、卓球台を占領している(卓球台としては使っていない)うえに、強引に肝試しに誘われる。肝試しの舞台は30年前に閉鎖された病院。くじを引いた順に10分おきに出発し、花子さんがいるという女子トイレを一人ずつ訪れてあらかじめ置かれたピンポン玉を取ってくるというもの。……絶対やりたくないシチュエーションだ。

一ちゃん、殺人事件は涼しい顔で解決するのに怪談は大の苦手らしい。悪ふざけで脅かされて佐木の膝の上に抱きついてしまうくらい(かわいい)。肝試しでもビビりまくって美雪に顎で「行きなさい」と指図されていて笑ってしまった。

佐木が「吊り橋効果」を狙って一と美雪を二人で歩かせようとするも、ビビりまくっている一は佐木にひっついて「美雪、先導は任せた」という。な、情けな……! そして「佐木ってかっこいいな」吊り橋効果は佐木に対して発動していた(確かにというかもともと本作の佐木はかっこいいけれども)。駄目すぎるんだけど、道枝くんがかわいすぎた。

肝試しの順番が最後の伊能(中川大輔)が帰ってこない。みんなで探しに行くと、トイレの床から花子の墓まで続く血のあとが。インクだと判明し、伊能のいたずらだと思う一同。だが翌朝、伊能の遺体が発見された。

伊能にパシリとして使われ振り回されていた鳴沢(小野寺晃良)、伊能の元カノで恨みがあるらしい真紀(田辺桃子)、真紀と今付き合っている獅子島(篠原悠伸)。みんな動機はゼロではなさそうだが……。

現地の警察は通り魔を疑うが、剣持に調べてもらった結果、伊能の死因は毒殺だった。指に毒針を刺されて即死したらしい。通り魔が毒殺するとは考えづらい。しかし、死亡推定時刻、伊能以外のメンバーは全員一緒にいたのだ。伊能は確かに嫌なやつだが、さすがに気の毒だ。それともここまでのことをされるような理由があったのだろうか。

だが、トイレの壁にあった白い跡から謎は解けた。一たちも間違えた、一番奥のドア=物置。犯人はそれを見越して、肝試しの順番が最後だった伊能が来る前に物置に石膏で作ったにせの便器と毒針の刺さったピンポン玉を置いたのだ。一たちがトイレに探しにきたとき、伊能は奥の物置きでこと切れていた。血に見立てたペンキをたらすことで、みんながトイレから出ていくように仕向けたのだった。

でも、どうやって順番を操作できたのだろうか。くじを引く時間に伊能のスマホに非通知で電話をかけて席を外させ、他のメンバーが引き終わったあとに自分の6番のくじと7番のくじを入れたのだった。それができた犯人は……肝試しの順番が6番で、ふだんから伊能にスマホを充電させられ、わざと充電器を忘れて民宿の廊下にある充電器を使わせた鳴沢だった。

パシられていたのがそんなに嫌だったのか、何も殺さなくても……と言われ、鳴沢はそんなことはどうでもよかったという。大学で入賞した伊能の絵は、女性のヌードを描いたものだった。真紀が伊能を恨んでいたのもこれが理由で、伊能は付き合った女性の裸を写真に撮っており、真紀は自分の写真を使われたと思ったらしい。

だが実際は、描かれていたのは鳴沢の妹だった。伊能にもてあそばれた妹は悩み、車に飛び込んで自殺してしまう。伊能はそんなことも知らず、鳴沢に「絵に描いたのは真紀じゃなくて遊んだ女だ」と言う。鳴沢に無理やり妹を紹介させたのにだ。前言撤回、これは同情できない……。しかしもてあそんだ女のことを紹介させた相手に言ったりしなければ殺されずに済んだのかもしれないのに、愚かだ……。

鳴沢ははじめ、肝試しをやめさせようとしていた。一は「本当はこんなことしたくなかったんじゃないのか?」と聞くが、鳴沢は「ああ言えば伊能は絶対に肝試しを実行すると思ったからだ」と否定する。実際どちらだったのかはわからないが、一は人がいいんだなと思った。

次回は一が容疑をかけられる……? ジャニーズの先輩・A.B.C-Zの戸塚くんが出演するので、絡みにも期待したい。

※この記事は「金田一少年の事件簿」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

>>>「金田一少年の事件簿」第6話の予告をYouTubeで見る

有名ノンフィクション作家の橘(勝矢)のパーティーで、隠してある新作原稿のありかを導く暗号問題が出された。

原稿には、とある出席者の犯罪が実名で暴かれているといい、手に入れられれば大ヒット間違いないと、パーティの参加者達(渡辺大・戸塚祥太・山西惇・宮澤エマ・今井隆文・ゆきぽよ)は必死になる。

そんな中、一(はじめ・道枝駿佑)はゲストのグラビアアイドル、桂木優里奈(ゆきぽよ)が、酒に酔った橘に絡まれているのを助けるが橘は一はじめに激怒、謝罪に向かった一の帰りが遅いのを心配して、後を追った佐木(岩﨑大昇)達が目にしたのは、なんと橘の死体の横で、血の付いた凶器を手に佇む一の姿だった…!

無罪を主張する一だったが、参加者に追い詰められ警察が駆け付けた時、一はすでに姿を消していて…。
「容疑者の少年は金田一一17歳!」
追い詰める警察の包囲網が固まり、一の逃走劇が始まった。

暗号の答えを探るべく参加者の元を訪れる一。しかしその先々で彼らは殺されて…。
被せられた罪がどんどん重くなる一は、姿の見えない敵と戦っていくが…。

第6話のレビュー

有名ノンフィクション作家の橘(勝矢)のパーティーに、謎解き要因として呼ばれた一(以下はじめ・道枝駿佑)。橘の新作原稿をめぐる暗号ゲームのため、参加者の一人・いつき(渡辺大)に協力したい剣持警部(沢村一樹)が呼んだのだ。佐木(岩﨑大昇)も一緒だ。

暗号は解けたと言って食事を楽しむはじめだが、とあるハプニングが起こる。橘が自分の好みで呼んだアイドル・桂木(ゆきぽよ)が言い寄られているところに割って入り(というより巻き込まれ)、はずみで橘とはじめがプールに落ちてしまったのだ。激高した橘は、いつきとはもう仕事をしないと言い、はじめは剣持に謝りに行くよう言われてしぶしぶ部屋を出る。自分で連れてきておいて、実際悪いわけじゃない高校生のはじめを一人で行かせる剣持警部もちょっとどうかと思う。

だが、なかなか帰ってこないはじめを心配していつきたちが橘の部屋に行くと、橘は頭から血を流して倒れており、血の付いたトロフィーをはじめが握っていた……。でもはじめは目が覚めたところのように見えたのだが……。剣持が自分が警察であることを明かし通報は免れた……と思ったが、はじめの証言と他の人の証言が食い違い、はじめがつけた以外の足跡も消されていた。フリー編集者の野中(宮澤エマ)が通報してしまい、はじめの逃走劇が始まった。

やっていないのだから、逃げずに事情を説明したほうが疑われずに済んだのでは……? と思ってしまう。はじめは自分の手で謎を解き、真犯人を見つけ出して自分の疑いを晴らしたいのだとは思うが、行動がいちいち裏目に出るので見ていられない。

暗号を解くと「大村(山西惇)に聞け」となることから大村に、大村が橘に「時任(今井隆文)に聞け」と言われたということから大村には電話、時任には会いに行ったはじめだが、電話中に大村はゴルフクラブで殴られ、時任は工事現場の上からパイプを落とされ下敷きになって死んでしまった。

大村と電話中に異変があったことからオフィスに行ったはじめは時任の名刺を探すために指紋を残し、工事現場から立ち去る様子が監視カメラに映っていたため連続殺人犯にされてしまう。素手でベタベタその辺を触るのはやめろ……! 手袋するとか拭き取るとかできないんか……。はじめにすべてをなすりつけて卑劣な犯行を続ける犯人にも腹が立つが、あまりに軽率な行動を繰り返すはじめにもツッコみたい気持ちでいっぱいだ。

もどかしい一方で、はじめの逃げ足の速さと身のこなしのあざやかさに感心してしまう場面も多かった。隠れたりジャンプしたり走ったり、シュッとした道枝駿佑が追っ手を撒く動作がどれも美しかった。

途中剣持に頼まれてはじめをかくまい、食事を出してくれたいつきと都築(戸塚祥太 A.B.C-Z)の表情は優しく、緊迫した中で数少ないあたたかいシーンだった。筆者はどうかこの2人のどちらかが真犯人ということがありませんようにと祈った。このドラマの戸塚くん、ゆるいウェーブのかかったロン毛に眼鏡というビジュアルとおだやかな物腰がとてもいい。

時任の「桂木に聞け」という言葉を思い出し、寝ている2人にそっとお礼を言い彼女のイベントが行われるショッピングモールに向かうはじめ。この期に及んで単独行動するんかーい。桂木に「野中に聞け」と言われたということを聞いたものの、桂木が叫んだことで逃げたはじめ。警察がはじめを追っている間に、桂木は刺し殺されてしまった。こんなにいっぱい警察がいるのにそんなことあるのかよ……一人くらい彼女のところに待機しろよ……。

しかし、橘の原稿を欲しがっている関係者たちだけならまだわかるが、無関係なアイドルである桂木まで殺されたとなると、犯人の動機が何なのか気になってしまう。こんなに何人もを殺した理由は何なのだろうか。

トラックに乗り込んで逃げたはじめは、検問を何とかごまかすが、音楽にノリノリな運転手は警官を乗せたまま発車。気づいたはじめは何とか助けようと手を貸すが、勢いよく角を曲がった際に警官は転落、つかまっていたはじめの手元には彼の拳銃が……。それを手に持ち、カバンに入れてしまったはじめ。

さわるな! そして持っていくな……! そんなことをしたら、事件に関して無実でも何らかの罪に問われてしまいそうだ。

フラフラになって倒れたはじめの背後に立った人物は……!?

はじめをかくまった2人をシロだと仮定すると、犯人は野中……? むしろそうであってほしい……と思ったが、次回予告を見る限りだと彼女も殺された……? ということは、やはりかくまってくれた2人のどちらかが犯人なのだろうか。信じたくないが、次回が気になる……! はじめが銃を撃ってしまうような場面もあった。どうなる、はじめ……!

※この記事は「金田一少年の事件簿」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

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殺人犯の疑いをかけられたー(道枝駿佑)は、今や警官を負傷させて拳銃を奪った凶悪な連続殺人事件の容疑者にされていた。

それでも佐木(岩﨑大昇)から美雪(上白石萌歌)が心配していると告げられ、必ず自分で真犯人を捕まえてみせるとの思いを強くする。橘(勝矢)は、新作原稿をかけた暗号ゲームで、参加者達にバトンリレーのように伝言を残していた。そしてその伝言を託されたものは、次々と死を遂げている。

3人目の被害者、桂木優里奈(ゆきぽよ)が託されていた伝言から次のターゲットが野中(宮澤エマ)だと察した一は、彼女の元を訪れる。そこで新たに伝言を聞いて「重要なのは伝言の内容ではない」ことに気づく。しかし野中も犠牲者となってしまい、またもや追われる身となった一は完全に包囲され、警察相手に銃で立ち向かう。
剣持警部(沢村一樹)が説得するが…。

「なんで信じてくれないんだよ。捕まるぐらいなら死んだ方がマシだ!」
次の瞬間、銃声が響き、血を流した一が倒れていく…!

ついに、明かされる未発表原稿に書かれていた驚愕の事実と、一に罪をかぶせ続けた見えざる敵の正体。追い詰められた一が逃亡の先に見たものとは…!?

第7話のレビュー

連続事件の疑惑をかけられてしまった一(以下はじめ・道枝駿佑)。逃亡劇の末、行き倒れてしまった。そこに忍び寄る誰か、犯人だったらやばい……! と思ったが、現れたのは佐木(岩﨑大昇)。食べ物を持ってきてくれたのだ。

「僕、先輩のしもべなのでいつでも駆けつけます……!」なんとできる後輩なのか。さらに「美雪のやつどうしてる?」と聞くはじめ。自分で連絡してくださいよと言われるが、その勇気はなさそうで佐木に「この意気地なし!」と言われる。そうだそうだ、もっと言ってやって、佐木!

ひとり自転車に乗りながら「美雪、心配かけてごめん。犯人は必ず俺が見つけてみせる! じっちゃんの名にかけて」というシーンは、原作が漫画だから仕方ないのかもしれないが、一人でしゃべっていてちょっとシュールだった。

ところで、はじめちゃんの両親や家族の影が一切見えないけど、この騒ぎの間どうしてたんだろう。つくづく謎。美雪と家族ぐるみで旅行してたし、いないわけじゃないんだろうけどなぁ。

桂木の次の標的が野中(宮澤エマ)だと気づいて話を聞きに行くが、彼女が聞いていたのは「私で終わりよ」だった。はじめは気をつけるように言うが、野中も殺されてしまう。はじめちゃん、もう少し近くにいれば野中さん死ななくて済んだのでは……追われてるから難しいかもしれないけども。

銃を持っているところ警察と対峙し、胸を撃たれてしまうはじめ。えええとなったが、救急車の中で血だと思っていたのはケチャップだったことがわかる。男の子に頼んで剣持警部(沢村一樹)に渡したメモにオレンジジュースのあぶり出しで「くうほうでうて(空砲で撃て)」と書いていたのだ。あぶり出し、めちゃくちゃ久しぶりに見たな……。

しかし、救急車で搬送されてるのにどうごまかして逃げられたんだろう? 事件の謎と同じくらいミステリーである。ちなみに前回はじめが助けようとして車から落ちちゃった警官、剣持警部に実は助けてくれようとしたことを伝えたらしい。どうしてそれが伝わっていないのか気になってたのでよかった。

事件現場を訪れたはじめは、犯人に気づく。犯人は、現場に眼鏡を落として割ってしまい、それをごまかすために水槽を割り、その場にあった橘の老眼鏡をとっさにかけた。さらに、空調のことで橘(勝矢)から使用人の菊蔵(半海一晃)に電話があったというが、犯人は菊蔵の耳が遠いことを利用し、また彼がドアを開けてくれることに賭け、ドアづたいに移動して足跡を残さず逃げられたのだ(雑技団かよ)。

橘が残した暗号は、指定された人の名前の順に読むと「大時計の中」になることだった。そして犯人は、大時計を狙って現場に訪れた……。

犯人は、都築(A.B.C-Z戸塚祥太)だった。消去法で彼かいつき(渡辺大)だということはわかっていたが、助けてくれたときの笑顔が優しかっただけにショックである。彼はなぜ5人も殺したのか。

都築には、婚約者(小林涼子)がいたが、命に関わる腎臓病だと判明。奇跡的に続きの腎臓が適合し、移植手術をしたが手術は失敗。彼がTVプロデューサーであることに目を付けた医師に、適合する人がいたら優先して移植することを条件に、最低なこととわかりつつ海外からの臓器密輸に手を貸してしまった。TVプロデューサーが海外からのゲストを呼んだということにすれば、何かとやりやすいからだ。

だが、橘がそれに気づき、新作で暴露すると言ったのだ。橘自身は悪行が許せないという理由からであったが、臓器を移植してくれる相手が見つかっていない今つかまったら、彼女(妻?)を助けられない。そうなったら今まで何のために悪事に手を染めてきたのか。都築は橘を殺し、他の人が原稿を手に入れられないようみんな殺したのだ。

みんなを巻き込んだことへの後悔を口にした都築は自ら命を絶ち、残りの腎臓を彼女に移植してくれといい息を引き取った。あ、後味悪……!! 

都築が最後そうしたということはいいと思ってやっていたわけじゃないのだろうが、今回は前回や前々回のように殺された人に落ち度がなく、単に暗号に使われ原稿を手にする可能性があるという理由だけで殺されてしまった。殺された人たちがあまりに不憫すぎる(特にゲストとして呼ばれて原稿を欲しいとも思ってなかった桂木)。都築も、そう思う気持ちがあったなら、ここまでのことをせずに思いとどまれなかったのだろうか。

話自体は後味が悪すぎたが、戸塚くんの前回冒頭の仕事できそうな感じとはじめを助けたときの優しい顔(実際は罪をなすりつけようとしていたわけではあるが)、犯人だとバレたときのサイコっぽい表情、最後自分のしたことの取り返しのつかなさに気づき自殺するところなど、さまざまな表情の使い分けがよかった。

ちなみに戸塚くんは死ぬ役がとても多いらしく、SNSで「やっぱり死ぬ役だった」と言っているファンの方が多くて衝撃的だった。演技が素敵だったのでもっとドラマにでてほしいし、次(の役)こそは生きて幸せになってほしい。

次回は首狩り武者殺人事件。初代金田一でも実写化された物語だが、今回はどんなふうになるのか楽しみだ。

※この記事は「金田一少年の事件簿」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

>>>「金田一少年の事件簿」第8話の予告をYouTubeで見る

剣持警部(沢村一樹)の幼なじみで、由緒ある巽家に嫁いだ紫乃(仙道敦子)の元に脅迫状が届いた。

剣持警部は、一(道枝駿佑)と美雪(上白石萌歌)を連れ、巽家のあるくちなし村に向かうが、そこで見た鎧武者姿の男達に戸惑う。巽家使用人の猿彦(田鍋謙一郎)によると、昔、巽家に首を斬られた落ち武者の霊を鎮める生首祭での仮装だという。

「祭りの明ける明後日までに巽家の次の当主の生首頂戴しに参上つかまつり候」
脅迫状は、“首狩り武者”を名乗る人物からで、巽家に恨みを持つ者からと思われたが…。

紫乃の亡き夫は、財産と家督を先妻との子である長男の龍之介(吉村界人)ではなく、連れ子の二男、征丸(福山翔大)に継ぐと遺していた。そのため兄弟の仲は劣悪で、脅迫は龍之介の仕業だと疑う征丸。

そんな中、亡き夫の友人だと名乗る客人の赤沼が、脅迫状の送り主を教えるからと、一をからくり部屋に呼び出す。行ってみると、回転扉の先に首のない赤沼の姿が!
さらに、生首祭を訪れた一と美雪の前に“首狩り武者”が姿を現し、新たな首が転がり…。

紫乃のために剣持警部が立ち上がる。
「一のじっちゃんの名にかけて!」
旧家の血をめぐる驚愕の秘密が明らかになるが…。

第8話のレビュー

剣持(沢村一樹)の幼なじみ・紫乃(仙道敦子)のもとに脅迫状が届き、一緒に向かう一(以下はじめ・道枝駿佑)と美雪(上白石萌歌)。紫乃は由緒ある巽家に後妻として嫁いだのだが、亡き夫は自分の子の龍之介(吉村界人)ではなく紫乃の連れ子の征丸(福山翔大)に財産と家督を継がせるという遺言を残したため、いさかいが生まれていた。このため征丸は脅迫状も龍之介の仕業ではと言うが。

脅迫状は「祭りの明ける明後日までに巽家の次の当主の生首頂戴しに参上つかまつり候」というもの。祭りというのは昔、巽家に首を斬られた落ち武者の霊を鎮める生首祭だ(趣味の悪いお祭りだな……)。

巽家の屋敷は昔の名残りで、ところどころからくりが仕掛けられている。はじめたちと同じバスに乗っていた黒装束の男・赤沼から「脅迫状の送り主を教える」と言われたはじめがからくり部屋に訪れると、そこには首のない赤沼の死体が。

さらに生首祭に訪れたはじめと美雪は何者かに襲われ、気が付くと拘束されていて、征丸の生首を見せられたのだった……。毎回思うが、はじめはともかく美雪はこんな殺人現場に毎回でくわして気の毒すぎる。

なぜかここではじめではなく剣持警部が「はじめのじっちゃんの名に懸けて」と推理を展開、犯人は使用人の猿彦(田鍋謙一郎)だと言う。ちょうどそのとき屋敷の外から銃声が聞こえ、猿彦が倒れていた。持ち出した銃が暴発したのだった。何かいいたそうだが言わないはじめちゃん、優しい……。代わりの宿泊先で待っていた佐木(岩﨑大昇)が事件はもう解決したと聞き「それじゃあ僕、ただのストーカーじゃないですか~」と拗ねて回転扉をぐるぐる回っているのがかわいい。

その回転扉を見て、からくりに気づいたはじめ。もう一度巽家に戻り、真実を告げる。赤沼という人物は実際にはおらず、はじめが最初に見た死体が征丸のものだった。はじめがからくり部屋に入るとき、入れ替わりで征丸の首を持った猿彦が出て行ったのだった。

だが、猿彦だけが犯人なわけではない。事件が起こる前、龍之介と征丸が言い合いになり、猿彦の死因となった銃を持ち出した龍之介を紫乃はひどく叱った。自分の子の征丸が撃たれそうになったからだと思われたが、彼女はこの銃が暴発するように細工されているのを知っていたのだ。つまり、撃ったら龍之介が死ぬことをわかっていたから怒ったのだ。

はじめは、「紫乃さんの本当の子どもは龍之介さんだからだ」と言う。どういうことなのか。

前妻の綾子とは高校の同級生だった紫乃。貧乏なことを馬鹿にされ、いじめられていた。母親が亡くなり関係を持った男との子どもを身ごもり、病院にいたところ綾子が巽家に嫁ぎ、同時期に子どもを産むことを知った。自分をいじめた女の子どもが幸せに生きていくのが許せないと思った紫乃は、自分の子と綾子の子を入れ替えたのだ。つまり、征丸が綾子の子で、龍之介は紫乃の子だったのだ。自分の子である龍之介が財産と家を継げるよう、征丸を殺したのだ。

剣持を呼んだのも、昔自分に好意を持っていたのを利用したのだった。ちなみに龍之介の本当の父親は猿彦。紫乃が巽家に嫁いだと知り、お金をせびりにやってきたのだ。それを利用し、殺しに協力させた後に「一緒に死にましょう」と誘い、そうすれば猿彦は絶対自分を撃つだろうとわかっていた紫乃は暴発する銃をわざと使わせたのだ。

さらに、それだけでは終わらなかった。そんなことを知らなかった龍之介は、邪魔な紫乃を殺そうとお茶に毒を入れていた。お茶を飲もうとする紫乃に「飲んじゃ駄目だ」と言うが、時すでに遅し。すかさず病気をしてから気がおかしくなったと言われていた妹・もえぎ(近藤華)は「また毒を入れたのね、兄さん」「私にも毒を盛ったでしょ、殺されないように頭がおかしくなったふりをしていたの」と言う。「母さん!」と嘆く龍之介だが(受け入れ早いな)、紫乃は「毒を入れたのは私よ」と言い死んでいくのだった。

かわいそうなのは征丸である。紫乃の身勝手な行動により大きく運命を狂わされ、さらに母だと信じていた人に突然殺され、首を切られるなんてあんまりだ。原作では、征丸は大事に育てていたが、征丸が龍之介に対して勝ち誇った態度をとったときの顔が綾子にそっくりで「殺さなければ」と思ったという、もうちょっと違う殺した理由があった(だとしても当然許されないが)。そこがはしょられたことにより、ただただ「本当の子ではないから」「龍之介が財産を得るのに邪魔だから」という理由で数十年育ててきた子を殺した、という話になってしまった。

紫乃は自分の子に幸せになってほしくて赤ん坊を入れ替えたが、龍之介は果たして幸せになれたのだろうか。お金はあったかもしれないが、冷たい綾子のもとで育ち、父親が自分より可愛がっているもえぎに毒を盛り、財産を得るのに邪魔な紫乃にも毒を盛るような人間に育ってしまった。

いや、どこで育とうと血は変えられないとも言えるかもしれない。邪魔なものを毒で殺そうとした龍之介。身勝手な行動で子どもたちの人生を変えたうえ、邪魔になったら身近な人間を次々と手にかけた紫乃と、金をあてにして紫乃に再び近づき、彼女を殺して財産を独り占めしようとした猿彦の子どもだとあらためて考えると、納得のいく行動だ。

美雪・はじめ・剣持は「母の愛ってすごい……」というような言葉で締めくくっていたが、こんな身勝手な行動を、肯定するような言葉を使わないでほしかった。

次回、漫画で印象に残っている「オペラ座館殺人事件」初の映像化ということ大変楽しみだ。

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–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー

>>>「金田一少年の事件簿」第9話の予告をYouTubeで見る

一(道枝駿佑)達が、舞台“オペラ座の怪人”を見るため、音楽家の響(霧島れいか)がオーナーをつとめるオペラ座館へとやってきた。ヒロイン役の人気女優、湖月レオナ(山本舞香)に会えることもあり美雪(上白石萌歌)も佐木(岩﨑大昇)も大喜び。

関係者によるレセプションの中、劇団を辞めた氷森(七瀬公)がレオナに接近するが、劇団員の三鬼谷(六角慎司)に激しく拒まれる。他の劇団員、いずみ(石川萌香)や城(増田昇太)も、レオナの引き抜きを異常に警戒していた。

やがてリハーサルが始まり、演出家の影島(コング桑田)の指示で、いずみがステージの中央に立つ。しかし次の瞬間、シャンデリアが落下し、いずみが絶命する…!

ライターの白神(戸塚純貴)は、館に潜むファントムという怪人の仕業だと言う。その影は、剣持警部(沢村一樹)やレオナの前にも現れ、新たな惨劇が起こってゆく…。

実は3年前、この劇団には火事で顔に大やけどを負いつつも、ファントムを熱演した天才俳優、霧生(古川雄大)がいた。後の不幸な運命から彼はファントムと呼ばれていて…。全ては嫉妬に身を焦がしファントムと化した霧生の仕業なのかと怯える劇団員。

オペラ座館の地下迷宮で一が見たものとは…!?

第9話のレビュー

一(以下はじめ・道枝駿佑)・美雪(上白石萌歌)・佐木(岩﨑大昇)・剣持(沢村一樹)たちおなじみのメンバーは、舞台“オペラ座の怪人”を見るため、音楽家の響(霧島れいか)がオーナーをつとめるオペラ座館へと向かっていた。人気女優・湖月レオナ(山本舞香)に会えることや作品のファンなどの理由で、美雪や佐木は大喜び。そんな2人を見つつ、興味のなさそうなはじめ。

だが実際現地につくと、2人を差し置いてレオナと社員を撮り、サインまでもらうはじめ。彼女の大ファンな担任にサインを渡して補習をまぬがれようという魂胆のようだ(それなら写真は撮らなくてもいいような気がするが……)。

ウキウキしている佐木が、ロープウェイの中で夢じゃないかどうかはじめにほっぺをつねってもらうシーンがかわいかった。

劇団を辞め、今は大きな事務所にいるらしい氷森(七瀬公)がレオナに話しかけると、レオナ本人は普通の対応だが、激しく怒った三鬼谷(六角慎司)をはじめ、いずみ(石川萌香)・城(増田昇太)ら他の劇団員もレオナが引き抜かれるのを警戒しているようでギスギスしている。さらに謎のライター・白神(戸塚純貴)が過去のストーカー事件の話をすると、レオナは知らないと怒り出す。

はじめたちも見学していたリハーサル。シャンデリアがステージに落ち、下敷きになったいずみが死亡。毎回思うがこのメインの登場人物たち、凄惨な事件に遭遇しすぎでは……。白神は館に潜む怪人・ファントムの仕業だと言うが、はじめがケーブルが切られているのを発見する(犯人の指紋がついているかもしれないものに素手で触るのはやめた方がいいと思う)。「ファントム事件」という話が出るが、詳しく聞こうとするとみんな口をつぐむ。

ロープウェイを動かす機械が破壊されしばらくオペラ座館から動けなくなった面々。事件が起こる前、灯りが次々と消えた別館を調べている際、佐木が負傷。剣持は自分が見るからとはじめたちを帰すが、何者かに襲われ行方不明になってしまう。また複数人で別館に行っている際、ファントムがきたとレオナから助けを乞う電話があり、急いで戻ろうとするが、何人かは転んで戻りが遅れた。

レオナはファントムを見たものの無事。別館に戻ると、手首が落ちていた。タトゥーから三鬼谷のものだとわかる。もちろん事件も衝撃的なのだが、このタトゥーがレオナLOVEというデザインなのも相当やばいと思う。みんなレオナへの執着がすごそう。

3年前、この劇団にいた俳優・霧生(古川雄大)は火事で顔に大やけどを負いつつも、ファントムを熱演。やけどをしたのは、レオナを助けたからだった。その後姿を消すが、レオナの舞台にたびたび観客として現れ、彼女を誘拐・監禁したという。すべては彼の仕業ではないかとおびえるがーー?

ラストで地下迷宮を探していたはじめは誰かに足を掴まれてしまうが、どうなったのだろうか。

ライターの白神を演じた戸塚純貴が印象的だった。猫背に不穏な目つきに歪んだ口元、話し方もクセが強い。今期の別のドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」ではひたすら優しい好青年・大津を演じ話題になったが、ある意味真逆の役柄に、彼の引き出しの多さを感じた。霧生役の古川雄大も同ドラマで出ているため、次回の2人がどんな演技を見せるのかも気になるところだ。ちなみに2・3話の聖恋島で伊豆丸を演じた小市慢太郎、4話の白蛇蔵で鷺森を演じた岡山天音も同ドラマに出ているため、両方観ているとちょっと面白い。

ちなみに2人とも犯人だったので、今回も2人のどちらかが……? というような雑な予測もしてしまうが、疑われている霧生も見るからに怪しい白神も違うのではないかなという気もする。

来週は最終回。事件の真相はもちろんだが、メインの俳優陣の演技にも期待が募る。

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–{第10話ストーリー&レビュー}–

第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー

>>>「金田一少年の事件簿」第10話の予告をYouTubeで見る

怪人ファントムの仕業を匂わせる殺人が続く中、湖月レオナ(山本舞香)を襲った犯人が被っていた仮面と同じものが、劇団員の城(増田昇太)の部屋から見つかった。

犯人の疑いをかけられた城は、覚えがないと否定。しかし、身の潔白を証明するため、白神(戸塚純貴)の提案で、一人で鍵のかかった劇場にこもることになる。「城さんが襲われる危険はないし、もし城さんがファントムなら俺たちが安全だ」という白神。

そして劇場の鍵は、持ち出す人が現れぬよう、交代で鍵置き場を見張ることに。
しかし、一(道枝駿佑)と佐木(岩﨑大昇)が、レオナと一緒に食事を持って劇場の中へ入った時、すでに城は、何者かに殺されていて…。

完全な密室殺人の謎が解けず、悔しい思いの一。しかし、生還した剣持警部(沢村一樹)がファントムに襲われた“離れの塔”を改めて歩いた時に、あることに気が付く。
「三人を殺した真犯人・ファントムの正体を必ず暴いてみせる。ジッチャンの名にかけて!」

オペラ座の怪人をなぞるような一連の犯行。それらは全て、ファントムと呼ばれ、行方をくらましている俳優、霧生 (古川雄大)による復讐だったのか…?
愛に狂った殺人鬼ファントムの恐るべき真の正体が明らかになっていくが…。

第10話のレビュー

謎の手に引っ張られた一(以下はじめ・道枝駿佑)だが、その正体は監禁されていた剣持警部(沢村一樹)だった。頭に怪我をしていたものの大事ではなく、寝たら回復して食欲も旺盛だったのでまぁよかった。剣持警部を殺さなかったことから、犯人の殺人理由はやはり怨恨だろうか。はじめの予想では、剣持が襲われたのは劇場の鍵を持っていたからだという。

そういえば、剣持警部がはじめの祖父=金田一耕助だということを最終回にして初めて知ったというエピソードには笑ってしまった。じゃあ首狩り武者殺人事件のとき、全く知らないおじさんの名にかけて解決しようとしたんかい。

レオナ(山本舞香)を襲ったファントムと同じ仮面が、城(増田昇太)の部屋から出てきた。彼は白神(戸塚純貴)の提案により、一人で鍵のかかった劇場にこもって潔白を証明することになった。劇場の鍵が入った袋に毒蜘蛛が入っており、暖炉に投げ込んだことで、熱が冷めるまでの間鍵が使えない状況に。やっとドアを開けると、城は何者かに殺されていた。

はじめは、1分計と2分計に分かれた砂時計を見て、あることに気づく。初回の殺人と鍵の謎も暴き、はじめはみんなをひとところに集める。

犯人はなんと、レオナだった。劇場には地下があり、彼女は自分の席から操作してシャンデリアを落とすことに成功。ファントムに襲われたのは自作自演で、あらかじめ二人きりで会いたいと伝えていた三鬼谷(六角慎司)とメインの通路とは違う山道の真ん中(彼が発見されたあたり)で落ち合い(彼が別館の階段で転んだのは演技だった)、手首を切断。再びみんなで別館を探しに行った際、持っていた三鬼谷の手首を出して発見し、みんなに見せたのだ。殺害後元来た道を戻って、他の人たちが本館に到着する前に部屋に倒れていたのだった。偽物の紙の鍵を燃やし、城を殺害。本物の鍵は、煙突から投げ入れた。

なぜそんなことをしたのか。理由は前回、ファントムと恐れられていた元劇団員・霧生(古川雄大)だった。レオナと霧生は惹かれ合っており、彼が劇団を去った後もその気持ちは続いた。劇団員たちがレオナの誘拐事件と言っていた件は、誘拐ではなく駆け落ちだったのだ。レオナに執着した3人は、霧生を樹海に置き去りにして死に追いやったのだった。そう、これは復讐だった。しかし、そこまでのことをしてしまうなんて、執着って怖い。

レオナが犯人だったことには驚いたが、殺された3人が霧生にした仕打ちがひどすぎて、あまり同情できなかった。レオナが火を放った後「君を連れていくことはできない」と現れた霧生の幻覚(もしくは霊?)の切ない表情が印象的だった。出番こそ少なかったが、古川雄大のファントム姿がとても似合っていた。

ジャニーズによる実写化第5弾となる、道枝駿佑による金田一。5回もキャストを変えて実写化されることはそうそうないと思うので、あらためてすごい。道枝がジャニーズ事務所に応募したのは過去に山田涼介が演じた金田一を観たのがきっかけだったらしく、本人にとってもファンの方々にとっても、思い入れが深い作品だったのではないだろうか。

原作のはじめちゃんはそんなにシュッとしていないので、すごくシュッとしている道枝くんは「ずいぶんきれいな金田一だな~!」という印象もあったが、「金田一少年の殺人」での逃走劇は彼ならではの鮮やかさがあった。

はじめから美雪(上白石萌歌)への矢印がまだあまり見えず、はじめ・美雪とはじめを先輩として慕いつつ二人の仲をどうにかしたい佐木(岩﨑大昇)、という構図がとてもよかったので、できればこの先の続き、三人の関係性をもっと観ていたかった。一方で、佐木が途中で死んでしまったら嫌だなと思っていたのでそのようなことがなくて本当によかった。演じる役によって印象が大きく変わる岩﨑大昇くん(美 少年)、素晴らしい佐木だった。3人のわちゃわちゃが見られたラストは、いいハッピーエンドだった。

作品の性質上、毎回さまざまなゲストが出演するのも楽しみのひとつだった。個人的に印象的だったのは、白蛇蔵殺人事件で犯人役だった岡山天音が見せた涙と、金田一少年の殺人の真犯人でさまざまな表情を見せた戸塚祥太(A.B.C-Z)だ。オペラ座館の戸塚純貴の怪しい記者、先ほども書いた霧生役の古川雄大の強い表情もよかった。もう1クールくらいさまざまな作品を観たかった。

また、ドラマの尺におさめるためには仕方ないことだったかもしれないのだが、登場人物が省略され、消去法で犯人がわかってしまったり、原作に比べて犯行理由が浅いものになってしまっていた話があったのが少し残念だった。駆け足だったために、キャストならではの魅力も見えづらかった気もする。
やはり2クールくらい使って、じっくりやってほしかった。

ともあれいろいろと楽しませてもらった令和版金田一。あらためて出演陣とスタッフに拍手を送りたい。

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–{「金田一少年の事件簿」作品情報}–

「金田一少年の事件簿」作品情報

放送日時

2022年4月24日スタート 毎週日曜夜10時~

キャスト

道枝駿佑
上白石萌歌
岩﨑大昇
沢村一樹

スタッフ

原作
天樹征丸
金成陽三郎

漫画
さとうふみや(講談社)

脚本
川邊優子
大石哲也

監督
木村ひさし
丸谷俊平

チーフプロデューサー
三上絵里子

プロデューサー
櫨山裕子
岩崎広樹
秋元孝之
大護彰子

制作協力
オフィスクレッシェンド

製作著作
日本テレビ