「吉祥寺ルーザーズ」繋がる“笑顔のバトン”、第6話は名言あふれる神回に。

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ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会
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秋元康が企画・原作を務める増田貴久主演ドラマ「吉祥寺ルーザーズ」が2022年4月11日にスタートした。

共演に田中みな実、片桐仁らを迎え、“人生の負け組=ルーザー”6人がシェアハウスで一緒に暮らす日々を描いたシチュエーションコメディドラマ。

本記事では、第6話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「吉祥寺ルーザーズ」第6話レビュー

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

シェアハウスに初めてやってきた家賃の徴収。見事に全員が更新することに。しかし、舞(田島芽瑠)は家賃が払えず、池上(國村隼)が立て替えることに。

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すると、聡(増田貴久)が聞いていたラジオが流れる。ライフハックを投稿し採用されると3万円がもらえると聞き、カタツムリの歯やミミズの心臓の数など、各々の知識を披露するシェアハウスの面々。池上にいたっては、“笑顔のバトン”という、もはや道徳のような話をする。いい話だったけど、誰の話もライフをハックできそうにない。

数日後、聡が再びラジオを聞いていると、池上がみんなの前で話した内容が紹介されていた。なんと翠(濱田マリ)が、3万円欲しさに投稿したという。

そこで明らかになった翠のギャンブル好き。真面目が取り柄で花丸を求めた学生時代、そのまま大人になり公務員になったが仕事をする上で花丸をもらえる機会はない。そんなときに吸い込まれるようにパチンコの虜になり、あれよあれよと様々なギャンブルにハマってしまったらしい。濱田マリによる1人語り、まるで講談のようで実に見事だった。

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そんな翠を救うべく、マッチングアプリを勧める桜(田中みな実)。翠は驚くほどあっさりマッチングアプリにのめり込み、洋服やメイク、表情までも明るくなっていく。人って変われば変わるものだ。ちょっと前までえぐい偏見ばかり口にしていた人とは思えないほど、前向きになった翠はキラキラしててかわいい。

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結局、翠はマッチングアプリを介して出会った男性とはうまくいかなかったものの、その男性の仕事関係者とお近づきに。彼は既婚者だったが、離婚調停中。舞に「ワンチャンあるかも」と言われた翠は満更でもなさそうだった。

彼と距離を縮めるべく、シェアハウスを取材したいという彼を家へ招待。現れた町田(坂本昌行)は落ち着いていて、ベージュのジャケットがよく似合う好人物。しかし、彼と桜の様子がどうにもおかしい。

聡がいち早く異変を察知して制止しようとするも、浮かれている翠は空気の変化に一切気づいていない。痺れを切らした桜が立ち上がり、町田こそが離婚調停中の夫であることを暴露する。

「2人にして」との桜の言葉で対峙する桜と町田。このときの桜の感情を想像するといたたまれない。完璧であるべき自分のメッキがはがれ、惨めで情けなくて恥ずかしくて、できることならこの場から逃げ出したかったはず。それなのに、町田の前では怖いくらいに冷静だ。ずいぶんと抑えたトーンの田中みな実の声が、観る者の心の中にずしりと沈んでいく。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

町田が帰った後の桜は、それでもなお自分を取り繕おうとしていた。「慰めはいらない、説教はもっといらない」。桜は、どこまでも強がる。

これまでの努力を話す桜に、「下見たら楽になれるよ」と翠。その言葉に住人たちも次々同意していく。「自分より大切な人間なんていません」「自分が幸せで笑ってれば、近くの人も笑うんです」。池上の優しさに、桜の瞳が濡れていく。あぁ、“笑顔のバトン”だ。

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さらに、「水面に浮かぶ桜もキレイ」「桜は全部キレイです」という聡の言葉で、桜の心が解けていく。そんなこと、無自覚で言ったらダメだって聡……! これはきっと、桜が聡を恋愛の対象として意識するきっかけになるだろう。

そして、翠は桜を連れてパチンコへ。ビギナーズラックだろうか、両手いっぱいの景品を抱えて帰ってくる桜。「翠さん、ありがと~!!」とハグをしたときの桜の笑顔は、自然でおだやかで、これまでで1番キレイに見えた。

自分が笑っていれば、近くの人も笑う。池上の言う通り、みんなの笑顔が連鎖していく。これでいい。きっと幸せって、こういうことなんだろうな、と、また心が温かくなる回だった。

(文:あまのさき)

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–{「吉祥寺ルーザーズ」第6話ストーリー}–

「吉祥寺ルーザーズ」第6話ストーリー

シェアハウス生活がスタートして早1カ月。初めての更新日を迎えるが、望月舞(田島芽瑠)はお金がなく家賃が払えないと土下座する。とその時、安彦聡(増田貴久)が聴いていたラジオ番組で、「ライフハックの投稿が採用されたら3万円プレゼント」との告知が。「それで舞の家賃が払える」とさっそく役に立つ生活情報ネタを探し始めるルーザーたち。ところが、それがキッカケで胡桃沢翠(濱田マリ)の過去と心の闇が明るみに――。

–{「吉祥寺ルーザーズ」作品情報}–

「吉祥寺ルーザーズ」作品情報

「決して、勝ってはいないけど、負けてないところだってあるんだ」
東京・吉祥寺に佇む謎めいた一軒家で不可思議なシェアハウス生活開始!?
6人の負け組=ルーザーたちが織りなすシチュエーションコメディ!

出演

増田貴久、田中みな実、片桐仁、田島芽瑠、濱田マリ / 國村隼

企画・原作

秋元康

監督

佐藤祐市(共同テレビ)、松木創(共同テレビ)、小林義則(共同テレビ)

脚本

池田テツヒロ音楽
信澤宣明

主題歌

Awesome City Club 「ランブル」(cutting edge)

オープニングテーマ

NEWS 「LOSER」(​Johnny’s Entertainment Record)

チーフプロデューサー

阿部真士(テレビ東京)

プロデューサー

稲田秀樹(テレビ東京)、橋本芙美(共同テレビ)、村木美砂(共同テレビ)

制作

テレビ東京、共同テレビ

製作著作

「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会