<元彼の遺言状>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

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綾瀬はるか、大泉洋主演の月9ドラマ「元彼の遺言状」が2022年4月11日より放送スタート。

金に目がない敏腕弁護士・剣持麗子(綾瀬はるか)。ある日、大学時代の元彼・森川栄治(生田斗真)が亡くなったとの知らせが入る。自室で亡くなっていた栄治を発見したという男性・篠田敬太郎(大泉洋)から「僕を犯人に仕立て上げてほしい」と、驚きの依頼が。なんと、栄治は「僕を殺した犯人に全財産を相続させる」と遺言を残していたのだ。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・第11話ストーリー&レビュー

・「元彼の遺言状」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

>>>「元彼の遺言状」第1話の予告をYouTubeで見る

剣持麗子(綾瀬はるか)は、大手法律事務所に勤務する敏腕弁護士。企業法務を専門とする麗子は、とにかく勝ちにこだわり、クライアントの利益のためには手段を選ばない剛腕ぶりで多大な利益を上げていた。だが、その強引さが仇となって有力クライアントを失う羽目になった麗子は、所長の津々井君彦からボーナスカットを言い渡されてしまう。

その処遇に憤慨し、事務所を辞めると啖呵を切って飛び出した麗子は“ひとり焼肉”で憂さ晴らしをする。そこで、飲み仲間を求めて片っ端から知り合いにメールを送る麗子。すると、大学時代の元カレ・森川栄治(生田斗真)から返信が……。だがそのメールの中身は、「森川栄治は永眠しました」という訃報だった。驚く麗子のもとに見知らぬ電話番号から着信が入る。「久しぶりだね」。全く面識がないはずの相手・篠田敬太郎(大泉洋)は、そう挨拶すると、栄治のことで相談したいと麗子に告げる。

数日後、麗子は篠田と会うが、顔を見てもなお篠田のことを思い出せない。一方、「変わらないねえ、麗子ちゃんは」となれなれしい態度を取る篠田は、栄治と同じ大学のサークルの先輩で、軽井沢の別荘で病気療養していた栄治に誘われて別荘の管理人をしているらしい。自室で死んでいた栄治を最初に発見したのも篠田だった。篠田は、栄治が遺した奇妙な遺言状のことを麗子に伝えた。そこには「全財産は僕を殺した犯人に相続させる」と記されていたというのだ。すると篠田は、「代理人になって僕を犯人に仕立ててほしい」と麗子に持ちかけ……。

第1話のレビュー

女優の綾瀬はるかが主演を務める“月9”ドラマ「元彼の遺言状」(フジテレビ)が11日にスタートした。

「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞した新川帆立の同名小説が原作だ。

話題の若手作家の原作、また「新・視聴率女王」との声が高まる綾瀬はるかが主演となれば、今クール1,2を争う話題のドラマになりそう。

実際のところ初回放送の視聴率は、世帯12.1%、個人7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2桁発進。綾瀬の視聴率女王は確定かもしれない。

原作のあるドラマの場合、すでに原作を読んだ視聴者と、そうでない視聴者に分かれる。cinemasPLUSでは最終話まで「原作を読んでいない」私、駒子がドラマレビューを綴る。原作を読んでいない者の感想として、楽しんでいただければ幸いだ。

さて、ドラマの内容を簡単に説明しよう。

主人公は、弁護士の剣持麗子(綾瀬はるか)。
「私、お金にならない仕事はしない主義なの」と言い切るほど、利益のためには手段を選ばない剛腕弁護士だ。

ある日、麗子に1通のメールが届く。内容は大学時代の元カレである森川栄治(生田斗真)が亡くなったというもの。と、同時に知らない番号から着信があり、出てみると篠田敬太郎(大泉洋)いう男性だった。

篠田は麗子に対して馴れ馴れしく話すものの、麗子には会った記憶がない。

篠田から栄治が遺した奇妙な遺言書のこと聞いた麗子は、篠田とともに栄治が過ごしていた軽井沢に向かった—。

初回を観終わり、綾瀬はるかの美しさと演技力、透明感、存在感にため息がでる。

すべて総じて「安定感」という言葉でくくってしまうことが正解かはわからないが、とにかく筆者は安心して物語に没頭できた。

綾瀬という女優はとくに「キリリとした女性」の役が非常に目を引く。

「奥様は、取り扱い注意」(日本テレビ系)の元工作員の菜美。

「義母と娘のブルース」(TBS系)の義母、亜希子役。

「天国と地獄 ~サイコな2人~」(TBS系)の刑事役の彩子。

これらすべて、どれも真面目で正義感の強い女性役であるものの、一つずつテイストが違う雰囲気に仕上がっていることも脱帽だ。

バラエティでは視聴者をハラハラさせるほど「ふにゃ」っとした雰囲気を見せてくれる綾瀬。ドラマ・映画では同一人物かと確認したくなるほど、雰囲気が違う。

ドラマの話に戻ろう。

番組のHPに「原作の世界観はそのままに、ドラマオリジナルのエピソードも描いていく」とあるので、原作をすでに読んだ読者も楽しむことができそう。

また、今回のドラマには綾瀬のほかにも素晴らしい役者さんが大勢出演している。関水渚や森カンナら若手女優の活躍にも期待したい。

そして、なんといっても真面目でふざけていない大泉洋にも注目だ。綾瀬のキリリとした表情、大泉の不安気な表情…。

このギャップがドラマを引き立ててくれそう。

本屋を通るたびに原作に手を出そうか悩みそうだが、今の時点では最終話まで「ドラマ」を考察しながら楽しもうと思う。

最終話までお付き合い願いたい—。

※この記事は「元彼の遺言状」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

>>>「元彼の遺言状」第2話の予告をYouTubeで見る

「し」「の」「だ」「を」「た」「の」「ん」「だ」――。麗子(綾瀬はるか)は、謎の死を遂げた元彼・栄治(生田斗真)が自分に残した暗号に気づく。栄治が暮らしていた軽井沢の別荘へと戻った麗子は、森川家の金治(佐戸井けん太)、真梨子(萬田久子)、拓未(要潤)、雪乃(笛木優子)、紗英(関水渚)と、栄治の元カノのひとり・朝陽(森カンナ)、獣医師の堂上(野間口徹)を呼び寄せる。

麗子は、何者かによって栄治の車でひき殺されそうになったことを告白したうえで、ある提案を持ちかける。それは、犯人にこっそり名乗り出てもらい、交渉の場を持ちたいというものだった。麗子の目的は、クライアントである篠田を犯人にすること。森川家から犯人が出てしまうより、自分のクライアントが犯人になる方が皆にとっても都合が良いはずだというのだ。突拍子のない提案に驚く一同。誰も名乗り出ないと思われたそのとき、麗子たちのもとにある人物が現れ……。

第2話のレビュー

綾瀬はるか主演の「元彼の遺言状」が第2話にして原作本のストーリーを完結したというから驚きだ。

麗子(綾瀬はるか)の元彼である栄治(生田斗真)が謎の死を遂げた。

1話の最後に東京に戻った麗子だったが、栄治からの「しのだをたのんだ」というメッセージに気付くと、篠田(大泉洋)らがいる別荘へとんぼ返り。

犯人はこの中にいる—

森川家の人々を呼びつけ麗子はこう言い放った。

そして、「犯人にはこっそり名乗り出てもらいたい」と無茶な提案をした。しかし、だれも名乗り出ないので自ら探りを入れることに。

「栄治さんも村山先生も僕が殺しました」

と栄治の愛犬、バッカスの主治医である堂上(野間口徹)が白状した。堂上の元妻が栄治と不倫をしており、しかも息子も栄治の子どもだったという。

その事実を知った堂上は、自分から妻と子供を奪った栄治にずっと殺意があったという。

あっさりと2話で元彼の遺言書の謎は解かれ、完結。

筆者は原作を読んでいないので、すぐに読み終わっている友人に確認したところ、やはり原作通りで完結したとのこと。なるほど、斬新な運びではないか。

ということは…3話以降は、原作者である新川帆立の「倒産続きの彼女」、「剣持麗子のワンナイト推理」(共に宝島社)にオリジナルストーリーを混ぜながら展開していくのだろうか。これは3話以降のストーリーに大注目だ。

お金にならない仕事はしない主義の弁護士、剣持麗子。

果たして最終話までいくら稼ぐのだろうか。

そして、篠田と麗子はどんな関係性を築いていくのか。

次週以降も面白くなりそうだ。

※この記事は「元彼の遺言状」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

>>>「元彼の遺言状」第3話の予告をYouTubeで見る

麗子(綾瀬はるか)は、引き継いだ『暮らしの法律事務所』の雑用係として篠田(大泉洋)を住まわせる。だが、肝心の仕事の依頼は、離婚調停の相談など、金にならない案件ばかりだった。

そんな折、麗子のもとへ“武田信玄”を名乗る男から依頼の電話が入り、殺人事件があった秋須坂町の進藤不動産へと向かう。殺されたのは進藤不動産社長の進藤昌夫(画大)。弁護士が来るまで何も話さないと言い張り、座っていたのが黒丑益也(望月歩)という青年だった。黒丑は、ホストクラブ『戦国』で武田信玄という源氏名で働いているらしい。

黒丑は、3ヵ月前に自宅に訪ねてきた進藤から、立ち退きを持ちかけられたという。だが1ヵ月前にもう一度やってきた進藤は、まるで人が変わったように、「ここは自分の物だから1ヵ月以内に出て行け」と言い出したらしい。黒丑は、交渉するために進藤に会いに来たら彼が死んでおり、すぐに警察に連絡した、と主張していた。

別の日、麗子のもとへ事務所の開業祝いを持って紗英(関水渚)が訪ねてきて……。

第3話のレビュー

第3話を視聴した感想はまさにこのコラムのタイトル通り、

元彼はどこへ?
遺言状はどうなった?

である。

小説一冊分を2話で完結した斬新な試みには唸った。
が、はて?
ドラマのタイトルが置いてけぼりのような気がするのは、筆者だけだろうか?

キャストもドラマの雰囲気も悪くない、むしろ好きなタイプなのだけれど、印象が薄い感じに仕上がっているような…。

視聴者からも

「遺言の話しはもう終わり? 最終話まで引っ張ると思っていたから拍子抜け」

「弁護士が探偵になっているんだけど…」

「3話目から面白くなるのかなと思っていたけれど…4話から期待しようw」

うん、うんと思わずうなずいてしまう。

同感な意見が多くてホッとするも、まだ3話だ。

「黙って観ていなさいよ!」という、製作者側の声が聞こえてきそうなので、来週以降も黙って視聴しますっ!

とはいえ、綾瀬はるかが演じる剣持麗子と、大泉洋が演じる篠田敬太郎のバディは面白い。常に相手を「あんた!」と呼ぶ麗子の高飛車さも綾瀬が演じると、そこまで嫌味がない。

そして、このドラマには食べるシーンが多いのも特徴なのか?

すき焼き、ワンタンメン、お刺身、ケーキ、すうどん、これらを美味しそうに食べる麗子。美しい人が食べるシーンは、なぜこうも引きこまれるのだろう。

第3話は元彼の森川栄治(生田斗真)から引き継いだ「暮らしの法律事務所」にある事件の弁護依頼が入る。

アガサ・クリスティーの名著『そして誰もいなくなった』をもじった事件に、麗子と篠田の2人が事件を解いていく展開だった。

「金の亡者」のような設定の麗子だが、なんだかんだ言いながら、助けるべき人を助ける。

さらに、第1話から登場している栄治のいとこ、紗英(関水渚)も登場。一度見たものは忘れない、という特技を持つ紗英の活躍に期待できそう。

さて4話以降はどうなるのか。

まだまだ序盤だけに、大きく期待したい。

※この記事は「元彼の遺言状」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

>>>「元彼の遺言状」第4話の予告をYouTubeで見る

剣持麗子(綾瀬はるか)は、さまざまな企業の顧問弁護士について調べていた。狙いは老舗企業と長期に渡って契約している高齢の弁護士。若くて優秀な自分が営業をかければ、引退間近な彼らに代わって顧問弁護士契約が結べるに違いない、という算段だった。

一方、篠田敬太郎(大泉洋)には、そんな麗子の相手をしていられないほど楽しみなイベントがあった。敬愛する女性ミステリー作家・秦野廉(宮田早苗)が、大ヒット作『胡桃沢啓二シリーズ』の最新作を13年ぶりに発表することになり、その記者発表会見の模様がオンラインで生配信されるのだ。

ほどなく会場に秦野が姿を見せ、会見がスタートした。そこで秦野は、いきなり「私は、人を殺しました」と告白する。会場は一時騒然とするが、それは新作のプロモーションだと理解する篠田。これまでも秦野は、読者に対して謎解きの挑戦状を出しており、今回もそう違いないと思ったのだ。しかし、秦野が明かした殺人現場の住所に警察が駆けつけると、そこには本当に男性の死体があって……。

第4話のレビュー

「し・の・だ・を・た・の・ん・だ」という栄治(生田斗真)からのメッセージ。
本当にこれで合っているのだろうか…。

「元彼」も「遺言状」も関係のないドラマとなってしまったが、急展開だ。
大泉洋が演じる雑用係、篠田とは誰?問題である。

第1話で麗子に「久しぶり」となれなれしい態度を取り、栄治と同じ大学のサークルの先輩だと説明していた篠田。
しかし、第4話の回想シーンで篠田は大学に行っていないことがわかった。

なぜ篠田は嘘をついて麗子の近くにいるのだろうか。

ここにきて篠田という人物が妙に怪しくなってきた。

第4話も麗子と篠田のデコボココンビが華麗に事件を解決した。
お金儲けのために大口案件に手を出すものの、今回も麗子は目の前でチャンスを逃してしまう。
そろそろ儲けさせてあげたい気もするけれど、篠田が貧乏神なのか。
なかなか麗子の思うようにはいかない。

あくまでも個人的な意見だが、一話完結のストーリーが少し弱いように思う。
もう少しあっと驚くようなミステリーが盛り込まれていたら、さらに盛り上がるのではないだろうか。
なにせ、綾瀬はるかと大泉洋がタッグを組んでいるのだから。

とはいえ、篠田はだれ? という展開には驚きだ。
ワクワクしてきた。

栄治のメッセージ「し・の・だ・を・た・の・ん・だ」の意味を改めて考えてみよう。

単純に考えると、篠田は過去に罪を犯しており、弁護を麗子に依頼していると考えられる。
もしくは、文字の並びがそもそも違い、別のメッセージになっている可能性も?
お金の亡者ではありつつも正義感のある麗子。
栄治から篠田を頼まれたと思い込んではいるが、実は「篠田に気を付けろ」や「篠田は危険だ」みたいなまったく逆の意味だったら?

そうなるとこのドラマは俄然、面白くなる。

料理の腕は素晴らしいが、定職に就かず人目に付かない栄治の別荘に身を置くあたりで怪しさは満点だ。

第5話以降、篠田の動向をチェックしたい。

※この記事は「元彼の遺言状」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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麗子(綾瀬はるか)と大手出版社の顧問契約の話を篠田(大泉洋)が勝手に断ってしまったことが原因で、ふたりはいまだに口もきかない冷戦状態にあった。そこにやってきた紗英(関水渚)は、麗子と篠田の間に挟まれてイラつきつつも、篠田を借りるといって一緒に出かけていく。

すると今度は、津々井(浅野和之)が『暮らしの法律事務所』を訪ねてくる。近年、業績を伸ばしている投資会社M&Sキャピタルの創立15周年パーティーに、麗子を連れて行きたいのだという。

パーティー会場は、M&S社が経営しているレストランだった。同社は上場を控えているらしく、会場には大企業の幹部や大物投資家たちが顔をそろえていた。津々井が麗子を誘ったのは、経済に強い彼女を『山田川村・津々井法律事務所』に復帰させ、上場を機に新たな弁護士を探しているM&S社との契約を獲得しようという魂胆だった。ふと、隣のテーブルにつこうとしていた男に目をやる麗子。するとそこには篠田と紗英の姿があった。M&S社は森川家の投資顧問なのだという。

そんな中、会場が暗転し、スポットライトとともにステージに現れたM&A社代表取締役の真梨邑礼二(藤本隆宏)が挨拶を始める。まず、一緒に会社を立ち上げた共同代表の庄司健介(髙橋洋)への感謝の言葉を口にする真梨邑。次の瞬間、会場の後方で突然大きな音が響いた。明かりをつけると、そこには投資家の久野という男が倒れて死んでいて……。

第5話のレビュー

前回のラストで大泉洋が演じる篠田は何者なのかと騒然となったものの、その答えはまだ先のようだ—。

第5話の冒頭で剣持麗子(綾瀬はるか)の「元彼」、栄治(生田斗真)と篠田の出会いが描かれた。
しかし、ほんの数分で終了。

初回で亡くなった元彼役の生田の出番は少ないと思われていたが、今のところ毎話登場し、ファンを喜ばせている。

大口案件の契約のことで揉めてから、子どもの喧嘩のようなやり取りを繰り広げていた麗子と篠田。
投資会社M&Sキャピタルの創立25周年パーティーである投資家が殺されたことで、いがみ合いながらもバディを復活させた。

麗子と篠田、そして栄治の従姉妹の紗英(関水渚)が警察に出向くシーンで途中から篠田の姿が見えなくなった。この描写から明らかに篠田は警察を避けていることがわかる。

やはり篠田は過去になんらかの事件を起こしているのだろうか。
篠田の過去が気になる……。

そしてもう一人、気になる登場人物といえば、関水渚が演じる紗英だ。
麗子並みに気が強い上に、お嬢様のくせに事件の真相を知るために配送業のバイトをする行動力は素晴らしい。
麗子や篠田から褒められると、頬を赤らめてはにかむ姿がかわいい。
紗英の存在も今後、注目だ。

第5話もアガサ・クリスティーとパトリシア・ハイスミスの小説をもじったストーリーが展開され、スカッとする流れだった。

もはや弁護士というよりも探偵の麗子と、ミステリー作家の卵、篠田。
次回はどん謎を解決するのだろうか。

「このミステリーがすごい!大賞」で大賞を受賞した新川帆立の同名小説が原作の同ドラマだが、綾瀬はるかと大泉洋という豪華キャストのわりに、視聴率が低迷しているところは謎だ。

この謎、麗子と篠田は最終話までに解けるだろうか―。

※この記事は「元彼の遺言状」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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麗子(綾瀬はるか)と篠田(大泉洋)は、とある教会で起きた密室殺人事件の真相に挑む。

事件が起きたのは、木下雄一郎(尾上寛之)が神父を務める教会だった。ホストクラブ『戦国』のナンバー2ホスト森蘭丸(味方良介)から、”武田信玄“の源氏名で働く同僚・黒丑(望月歩)のもとへ、助けてほしいという連絡が入る。蘭丸は、黒丑から以前、麗子に助けてもらった話を聞いていた。

連絡を受けて合流した麗子と篠田が、黒丑、木下とともに蘭丸がいるという教会の仮眠室へ駆けつけると、そこには刃物で刺され絶命したナンバー1ホスト・織田信長(土井一海)の姿があった。信長はこの教会の信者で、木下が家出した子どもやホームレスの一時避難場所として作ったこの仮眠室を時々利用していたという。

この日、蘭丸と信長は、仕事の後ふたりで飲んでいたそうで、ベロベロになった信長を介抱するためにこの仮眠室に1時間ほど滞在したという。だが、すっかり寝入ってしまった蘭丸が目を覚ました時には、すでに信長は亡くなっていたらしい。仮眠室の窓は全て内側から閉められており、防犯カメラにも誰かが出入りした様子は映されていなかった。完全なる密室で起きた殺人事件。犯行は蘭丸にしか成し得ないはずだが、「俺、やってないです!助けてください!」と蘭丸は麗子に懇願した。すると、金にならない仕事は受けないはずの麗子が、何故か蘭丸の弁護をすると即決し……。

第6話のレビュー

視聴率女王の綾瀬はるかと個性派俳優の大泉洋の主演ドラマ「元彼の遺言状」。

ドラマのタイトルに関係したストーリーは2話で終了し、3話以降は犯人考察要素の入った1話完結型のストーリーで展開されている。

第6話は「開始1分で犯人がわかる?!」というキャッチーな予告だった。
ドラマ「古畑任三郎」を彷彿とさせる予告に期待したのだが……。

ホストクラブ「戦国」のナンバー1ホスト、織田信長(土井一海)の死を巡り、殺害容疑をかけられたナンバー2の森蘭丸(味方良介)。
蘭丸の弁護を引き受けることにした剣持麗子(綾瀬はるか)は、「蘭丸は無罪」と言い続けるが……。

そして、篠田(大泉洋)にもある疑念を抱く麗子は、こっそり篠田を調べていた。
調査結果によると、篠田敬太郎という人物は大学のミス研に実在していたがすでに死亡し、もうこの世にはいないという。

ラストシーンで「篠田、あんた一体何者?」と問いかけ、2人が見つめあった状態で終了した。

篠田が何者かは非常に気になる。
しかし、今回の教会で起きた密室殺人事件はどこかで見たことがあるようなストーリーで、引きこまれることはなかった。

考察するまでもなく殺人の動機も浅く、登場人物も少ないために物語の先がすぐに読めてしまう。
もう少し奥行のある展開を期待したいのだが、3話からここまでメインのストーリーに集中できないでいる。
ドラマの雰囲気も音楽もそして、出演者も魅力にあふれているのに不思議だ。

唯一、第6話で視聴者を驚かせたのは、信長と蘭丸と同じホストで働く柴田勝家役に入野自由が登場したシーンかもしれない。

入野といえば、映画『千と千尋の神隠し』で「ハク」を演じたことで一躍有名になった。
そして、同ドラマには「番台蛙」役の大泉も出演しているため、視聴者は興奮。

大泉と入野の共演シーンを期待した声がSNSで多く上がっていたが、そのようなシーンはなかった。

ドラマも折り返し。
後半は、大泉演じる篠田にスポットを当てたストーリーを展開すると、初回で離脱した視聴者が戻ってくるかもしれない。

ドラマのタイトル「元彼の遺言状」がまた物語に関わってくると面白いのだが…。

後半の展開に期待したい。

※この記事は「元彼の遺言状」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

>>>「元彼の遺言状」第7話の予告をYouTubeで見る

麗子(綾瀬はるか)は、ある事情により元上司の津々井(浅野和之)から大手食品会社・ヒグマ食品の案件を引き継ぐことになった。大はしゃぎする麗子のもとに、今度はホストの黒丑(望月歩)から電話が入る。黒丑は、自分の太客・山谷典子(高田聖子)が抱える遺産トラブルを麗子に解決してほしいと頼む。

典子は父親の死因について調べてほしいという。父親は財産目当てで近づいてきた後妻の女に毒を盛られた、というのが典子の主張だった。麗子は、死因の特定は警察の仕事だと告げて席を立つと一旦事務所に戻り、先にヒグマ食品へ向かって場をつないでおくよう篠田(大泉洋)に命じた。

ヒグマ食品は、1兆円を超える大規模なM&Aを控えていた。だが、同社総務部長の武藤利夫(谷川昭一朗)と商品開発部の木村崇(川島潤哉)は、頼みたい案件は別だと言って、麗子に1枚の紙を見せる。それは「5月23日、社員食堂の毒入りシチューで死人が出る」という脅迫状だった。麗子は、一般開放もしているため人気だというこの社員食堂の責任者・小野香澄(西山繭子)を紹介され……。

第7話のレビュー

「篠田、あんた何者?」

剣持麗子(綾瀬はるか)が篠田(大泉洋)に質問したところからはじまった第7話。
それに対して篠田は小さな声で「言いたくない」と答えた。
「言いたくないなら、言わなくていい。この話はこれでおしまい」と相変わらず麗子の対応は男前だ。

場面が変わり、留置所にいる津々井(浅野和之)が麗子に泣きついている。
どうやら電車の中で痴漢をしたと疑われているようだ。

麗子は津々井に代わって大手食品会社、ヒグマ食品の殺人予告事件を担当すること。
同時にホストの黒丑(望月歩)からも客の山谷典子(高田聖子)の遺産トラブルを解決して欲しいと頼まれる。

津々井の冤罪、ヒグマ食堂、遺産トラブルと同時に面倒な案件に対応する麗子。

相変わらず大きなお金が動くような事件には縁がない。

第7話では、津々井役の浅野和之と篠田役の大泉洋の絡みが多かった。
これに視聴者は、現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の影響か、

「義父と義息子、源頼朝と伊東祐親が一緒に行動しているシーンが多くて面白い」

「大泉さんと浅野和之さんの2人のお芝居が楽しすぎる~」

「大泉洋と浅野和之。大河からの振り幅が激しい…」

と、2人の共演を楽しんでいた。

またゲスト出演した高田聖子と綾瀬、浅野、大泉らの掛け合いも最高だった。
まるで高度なコントを展開しているようで、第7話はテンポよくストーリーがすすんでいった。

ラストシーンー。

篠田はなにを思ったのか?突然、複数の身分証明書を麗子に見せた。
それはすべて偽名……。

篠田、あんたいったい何者なの?

視聴者全員がそう思ったところで篠田が発したのは

「僕は殺人犯なんだ」

次週からは最終章に突入。
篠田はいったい何者なのか?

栄治(生田斗真)が遺したメッセージ「し・の・だ・を・た・の・ん・だ」の意味とは?

これは最終回まで目が離せない展開になってきたゾ。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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篠田(大泉洋)は、6年前にある島で起きた殺人事件に巻き込まれ、殺人犯として警察から追われていることを麗子(綾瀬はるか)に告白した、以来、篠田は、身分を偽って各地を転々としていたが、3年前にたどり着いた軽井沢で栄治(生田斗真)に出会い、匿ってもらったのだという。「僕はやっていない」。麗子は、栄治がそうしたように、無実だと言う篠田を信じることにするが……。

あくる日、麗子は、篠田に弁当を作るよう指示すると、遊びに来た紗英(関水渚)とともに西園寺製鉄社長・西園寺一蔵(金田明夫)の屋敷へと向かう。今朝、一蔵から直接、仕事の依頼があったのだ。

麗子たちが一蔵の屋敷に到着すると、家の前には野次馬が集まっており、警視庁捜査一課の刑事・橘(勝村政信)らの姿もあった。一蔵が死体で発見されたのだという。風呂場で倒れている一蔵を発見したのは長男の渉(駿河太郎)だった。鑑識によれば死亡推定時刻は12時間ほど前だというが、麗子が一蔵と話したのは今朝の8時――いまから3時間前のことだった。不可解な出来事に麗子たちは首をかしげ……。

第8話のレビュー

篠田(大泉洋)の本名は、6年前に起きた「十ヶ浜強盗殺人事件」の容疑者、田中守だった。
そして、栄治(生田斗真)は篠田(ここではあえて田中のことを篠田と表記する)のことをすべて知っていたとは……。
“篠田敬太郎”というOBになりすますことを篠田に提案したのも、栄治だったという。

篠田の告白を黙って聞いていた麗子(綾瀬はるか)は、なにか深く考えている表情をみせた。

8話は、ある大金持ちの社長の相続争い事件と篠田の逮捕劇の2部構成。
前半後半でストーリーがガラリと変わり、とても魅力的な展開であった。

筆者は、3話目から関水渚が演じる紗英の立ち位置がイマイチわからなかった。
しかし、後半になってからは随所で和ませてくれる紗英の存在が微笑ましく思える。
微笑ましいといえば、「くらしの法律事務所」の1階に住む、古本屋の主人(ト字たかお)の存在も忘れてはいけない。
また、8話の冒頭で大泉が作詞・作曲をした「TEAM NACS」の楽曲を口ずさむシーンもあり、大泉ファンは嬉しかっただろう。
 
「僕は殺人犯なんだ……」と麗子にドキリとするようなことを告白した篠田。
対して麗子は「わかった」とまったく篠田を疑っていない様子だった。

それなのに警察(勝村政信)に篠田のことを密告した麗子。
逮捕されてしまった篠田は呆気にとられていた。

とはいえ、これもすべて麗子の計画通り。

警察に捕まった篠田のことをすぐに苦手な元上司、津々井(浅野和之)に頭を下げて釈放するよう、お願いしていた。

なんだかんだ麗子は正義の味方なのだ。
そして、どこまでも優しい女性だ。

「私はお金にならない案件は引き受けないの」といいつつも、篠田のことを助けたくて仕方がないのである。

ラストシーンで麗子と篠田は事件のあった現場へ向かうことに。

いよいよラストに向けて物語が動き出した。
はたして真犯人は誰なのか?

「私があんたの弁護をする」
「私を誰だと思っているの!」
と、相変わらず威勢の良い麗子。

篠田よ、
つべこべ言わずここは大人しく麗子の後ろにいるのが賢明だ。

いよいよ最終章に突入。
次週の放送が待ち遠しい!

※この記事は「元彼の遺言状」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー

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麗子(綾瀬はるか)は、6年前に起きた『十ヶ浜強盗殺人事件』の容疑者となった篠田(大泉洋)の無実を証明するため、漁村にあるリストランテ『プロメッサ』を訪れる。すると、メニューボードを出そうとしていたスタッフの滝沢美月(成海璃子)が篠田に気づき、ひどく驚く。しかし篠田は、美月に見覚えがないという。

事件は、6年前、実業家の小笠原仁美(田山涼成)が主催した『プロメッサ』のパーティーで起きた。小笠原が包丁で背中を刺され死亡し、凶器の包丁と中身を抜き取られた小笠原の財布には篠田の指紋が残っていたという。篠田が小笠原から金を借りていたことや、殴りかからん勢いで口論していたなどの目撃証言もあり、事件後に姿を消した篠田に容疑がかかったのだ。当時、篠田はミステリー作家になることを夢見ながら料理人として働いていた。

ある日、知り合いから『プロメッサ』でパーティーがあるから手伝ってくれないかと誘われ、助っ人として参加していた。パーティーの準備で徹夜明けだった篠田は、店の外で眠ってしまい、目を覚ましたら小笠原が死んでいたと主張するが……。

第9話のレビュー

篠田が逮捕されるきっかけになった「十ヶ浜強盗殺人事件」の謎を解くために麗子(綾瀬はるか)が本気を出した。

実業家の小笠原仁美(田山涼成)が何者かに包丁で背中を刺されたという事件。
凶器の包丁と中身を抜き取られた小笠原の財布には、篠田(大泉洋)の指紋が残っていたことから、篠田に容疑がかかった。
しかし、篠田は店の外にあるベンチで寝ていて事件には関係していないという。

6年という歳月を経て、麗子と篠田は事件のあった漁村に向かった。
明らかに歓迎されていない雰囲気の中、麗子は村民たちに大きな違和感を覚える。
まるで全員が口裏を合わせ、篠田を犯人に仕立て上げたかのようだったから。

篠田に不利な条件が続く中、「ベンチで寝ているときに誰かがストールをかけてくれた」ことを思い出した篠田。また、診療所の医師、高瀬(東根作寿英)が事件のことを知っていると感じた麗子は、高瀬に話しを聞きにいく。
その高瀬も翌日、突然亡くなってしまった。
はたして誰が小笠原を殺したのか、なぜ高瀬は死んだのか? 
篠田にストールをかけたのは誰なのか?

第9話でも麗子の元上司、津々井(浅野和之)と紗英(関水渚)が麗子と篠田に加わり、コミカルなやり取りをみせた。
4人の会話は爽快でそして、面白い。

しかし、今回も全体をみるとどこか「拍子抜け」な印象がある。
篠田の無罪を晴らすために漁村まで来たというのに、食べ物の話しが多く、なにかを食べている印象しかない。
ハラハラドキドキ感がまったく感じられず、まるでグルメ番組のよう。

1,2話でのシリアスな雰囲気のまま駆け抜けるか、最初からコミカルなタッチで物語が進んでいれば脱落した視聴者はそこまでいなかったかもしれない。
筆者にとっては篠田の事件以上に謎が多いドラマだ。

とはいえ、麗子の豪快な食べっぷりは気持ちがいい。
そんなシーンが見られるのもあとわずか。
最後に麗子が食すのは何か?

事件の真相以上にそちらが気になる筆者であった。

※この記事は「元彼の遺言状」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第10話ストーリー&レビュー}–

第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー

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『十ヶ浜強盗殺人事件』の裁判員裁判が始まろうとしていた。麗子(綾瀬はるか)は、篠田(大泉洋)の無実を証明して絶対に裁判に勝つと意気込むが、弁護側の大切な証人となるはずだった診療所の医師・高瀬(東根作寿英)が突然亡くなってしまい状況は不利だった。対するのは公判部のエースだという主任検察官の三瀬義孝。三瀬たちは、証拠一覧に書ききれないほどの証拠品をそろえていた。

証言台に立った篠田は無実を主張するが、検察側は、血痕が付着した凶器の包丁や、現金を抜き取られた被害者の財布など篠田の指紋が検出された証拠品を提示。証人尋問では、事件が起きたリストランテ『プロメッサ』オーナーの藤巻(遠山俊也)や出入りの酒店店主・瀬戸(金井勇太)が、篠田と被害者の小笠原(田山涼成)が事件当日に口論していたことを証言する。そんな中、『プロメッサ』従業員の美月(成海璃子)が証言台に立って…。

第10話のレビュー

篠田(大泉洋)が犯人とされていた「十ヶ浜強盗殺人事件」の裁判がはじまった。

秘策がありそうでなさそうな麗子(綾瀬はるか)だったが、法廷に立つと水を得た魚のように、次々と難問を紐解いていった。

830円のタクシー代が今回の事件の鍵だった。
証言台に立ったレストランの従業員、美月(成海璃子)に「彼の人生はあなたの掌の中にある」と揺さぶりをかけた麗子。
これまで事件について多くを語らなかった美月に真相を語らせた。

事件の当日、外のベンチで寝ていた篠田にスカーフをかけたのは美月だとわかった。
しかも、美月は篠田に借りたタクシー代830円を篠田のポケットに返していた。
これで篠田が事件には関係がないと立証された。

結局は住人たちが全員で事件の犯人である高瀬医師(東根作寿英)をかばっていたことがわかった。
これまで住人の命を守ってきた高瀬は村には必要だが、天涯孤独な篠田はそうではないと判断した住人たちは、全員で篠田に罪をかぶせていたのだった。

「あんたさえ戻ってこなかったら……」

「先生はこの町に必要な人間だったんだ」と、本音を吐露した住人たち。

それに対して麗子は

「ふざけたこと言ってんじゃないわよっ!必要のない人間なんていない。篠田は私にとって必要な人間です!」

と怒鳴った。

これには

「綾瀬はるかの長いセリフ、圧巻なんだけど。さすがだね」

「 裁判所のシーンのスピード感。引き込まれた。はるかちゃんの演技、やっぱり凄いな」

「 麗子ちゃんのぶちギレぐあいカッコ良かった最高!」

熱のこもった綾瀬の演技に視聴者もSNSで大きく反応した。

6年間、田中守という名前を封印し、名前を何度も変え透明人間として生きてきた篠田。
篠田の存在は住民全員に軽視されていたことがわかる。
こんな理不尽な話しはない。
麗子の言う通り、身寄りがないとか、天涯孤独なんて関係ない。
必要のない人間なんてこの世には存在しないのだ。

ドラマは後半になってから息を吹き返したかのように面白くなった。
エンジンをかけるのがもう少し早ければもっと話題になっていたかもしれない。

残すところあと1話。
個人的には今回の第10話が最終回でもよかったのでは? と思うが、それは第11話を視聴してからだ。

次週を楽しみに1週間、過ごそうではないか。

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–{第11話ストーリー&レビュー}–

第11話ストーリー&レビュー

第11話のストーリー

「元彼の遺言状」第11話の予告をYouTubeで見る

『十ヶ浜強盗殺人事件』を解決したことがきっかけで、麗子(綾瀬はるか)のもとには何故か探偵の依頼が続々と舞い込んでいた。その応対にうんざりしている麗子を尻目に、自由の身となった篠田(大泉洋)は、この際だからパスポートやマイナンバーカードを申請しようなどと浮かれていた。

ある日、篠田は自身が書いたミステリー小説を出版社に持ち込む。だが、編集者から、中身が古いと言われ落胆してしまう。そんな篠田の原稿に興味を持ったのが、ひょんなことで出会った『ウメ出版社』の車崎透という男だった。喫茶店で篠田の小説を読んだ車崎は、古き良きミステリーの奥に光る新しさがある、と絶賛するが、売るためにはプラスアルファが必要だという。そのとき、客らしき女性が篠田に気づき、十ヶ浜の事件が無実で良かった、と話しかけてくる。そこで篠田のことに気づいた車崎は、「いけるかもしれない」といって原稿を預かる。

ほどなく、篠田の小説が製本されて事務所に届く。麗子に喜びを伝えたくてうずうずする篠田だが、そこに、麗子から電話が入った。これからタヒチに旅行に行くという。すると、麗子を頼って津々井(浅野和之)がやってくる。娘の彼氏と会うことになったが、当日その彼氏が来なかったらしい。しかも、娘だけでなく誰もその彼氏と連絡が取れないというのだ。さらにそこに紗英(関水渚)も現れ、政治家・嶺村信一の事務所から裏金3億円が消えたから助けてほしいと頼まれた、と言い出し……。

第11話のレビュー

ドラマ「元彼の遺言状」が最終回を迎えた—。
今回はなんとなく「おまけ」要素が強く、最後にしては少々盛り上がりに欠け、個人的には前回が最終回でよかったのでは? という印象だ。

それでも同ドラマのファンにとっては楽しいラストだったようで……。

「最終回、すごく良かった。脇役メンバーも味があって、よきドラマだったな」

「終わってしまうなんてもったいなさすぎる!」

「綾瀬はるか×大泉洋だったからこそ楽しく見れた感はある。このドラマのおかげで月曜から頑張れた」

綾瀬と大泉の人気を伺い知ることができた。

最終回は晴れて自由の身になった篠田(大泉洋)が主役。
そこへ栄治の従姉妹、紗英(関水渚)、麗子の元上司、津々井(浅野和之)、ホストの黒丑(望月歩)らも加わり、ドタバタのお祭り騒ぎだった。

麗子(綾瀬はるか)の出番が少なかったことは残念だったが、最後まで篠田のために奮闘した優しい女性という描写が「さすが麗子!」と思わせ、納得のラストシーンだった。

第19回「このミステリーがすごい!」大賞で、大賞を受賞した新川帆立の同名小説が原作。
主演は、視聴率女王の綾瀬はるかと大泉洋共演と放送前は大きな話題となっていた。

原作を2話でまとめ、かなり駆け足なストーリー展開だったため、途中から視聴者離れが目立ってしまった。
では、完全に原作を再現した内容にしたほうがよかったのだろうか。
こればっかりはわからない。

原作を読んでいない筆者にとっては、スーツ姿の美しい綾瀬がよく食べるという印象と、紗英を演じた関水渚が頑張っているという印象がただただ強い。
それでも、綾瀬と大泉がいた現場は明るくて楽しいものだったことは、想像に難くない。

公式HPによると大泉のクランクアップの日にサプライズで綾瀬が登場。

「いやあ、来てくれてうれしいですね。本当に大変なスケジュールでしたけど、綾瀬はるかさんがいると“なんて楽しい現場なんだろう”と。やっぱり、このメンバーだったから素晴らしい作品ができたんじゃないでしょうか」という大泉のコメントを目にすると、現場の雰囲気が良かったことがわかる。
これはファンにとっても嬉しいことだ。

最終回の視聴率は8・1%(世帯平均)と、最近の綾瀬作品にしては控え目だった。
それでも、綾瀬の美しさが際立った作品であった。

またいつの日かツンデレ弁護士、剣持麗子を演じる綾瀬に会いたい。

それまでは原作の麗子と綾瀬を重ねて、楽しもうと思う。

(文:シネマズ編集部)

※この記事は「元彼の遺言状」の各話を1つにまとめたものです。

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–{「元彼の遺言状」作品情報}–

「元彼の遺言状」作品情報

出演
綾瀬はるか
大泉洋
生田斗真
関水 渚
森カンナ
笛木優子
要 潤
野間口 徹
佐戸井けん太
笹野高史
萬田久子
浅野和之

原作
『元彼の遺言状』新川帆立(宝島社)

脚本
杉原憲明
小谷暢亮

プロデューサー
金城綾香
宮﨑 暖

音楽
川井憲次

演出
鈴木雅之
澤田鎌作
西岡和宏

製作著作
フジテレビ 第一制作部