「ちむどんどん」第35回:戦後闇市で伝説の料理人だった房子の絶品ペペロンチーノ

続・朝ドライフ

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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第35回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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暢子VS房子 ペペロンチーノ勝負

暢子(黒島結菜)とオーナー大城房子(原田美枝子)の料理勝負が行われました。

課題はペペロンチーノ。

まず暢子は、母・陽子(仲間由紀恵)のソーミンチャンプルーの味を生かし、島にんにくを使いました。

結果は好評。さすが、暢子、料理のセンスがあります。

次は房子の番です。

房子はペペロンチーノにシークワーサーの皮を使いました。後味がよくて絶品、暢子は潔く負けを認めます。

暢子は美味しさが基準なのでそこに感情は入りません。美味しいものの前では誰もが平等。

シークワサーは暢子の好物。それを暢子が使わず、房子が使うとは皮肉であります。それも暢子が厨房に持ってきたものでした。

「料理の基本は目の前にある材料を最大限に引き出す。そしてなにより食べる人のことを第一に考えること」

房子が料理の話をするときの表情はいつものクールな顔とは違ってとても楽しそう。料理が好きなのがわかります。

食べる人のことを考えて、2食目のペペロンチーノだから軽い口当たりのものにしたという房子。智たちに7皿も味見につきあわせる暢子とは大違いであります。

房子は戦後、闇市から包丁一本でたたきあげてきた伝説の料理人だったらしいのです。

「闇市」というワードが出るとたちまち骨太が香りが……。房子は戦争経験世代なんですね。

勝負に負けた暢子ですが、クビにしないでくださいと頼み込み、わりとあっさりクビの皮が繋がりました。

その後はさくさく話が進み、半年後、良子(川口春奈)の結婚式が行われ、暢子はいったん沖縄に帰ります。

式には賢秀(竜星涼)は参加しないで手紙(誤字あり)だけ届きました。彼はビッグなビジネスをはじめようとしているとか……。

ビッグピッグを掛けているのか。それはともかく、賢秀が出てくると、良くも悪くもほかのシーンの余韻が吹っ飛んでしまいます。行動は決して感心できるものではないですがなかなかキョーレツなキャラで、注目せざるを得ません。

賢秀の場面を辛みとニオイの強い”にんにく”だとすると、ラストの雪は房子の”シークワサー”のようなもので後味をよくしました。

料理勝負、良子の結婚(大叔父さんも喜んでた)、ニーニーといろんな味が混ざっていたのをラストに雪の清らかさとはじめて見る雪にはしゃぐ暢子の無邪気さで爽やかに。

どんな人でも、工夫次第でその味を生かすことはできる。「ちむどんどん」ではそこに挑んでいるのかもしれません。

第8週からはまた違うお料理が出てきそうですよ。

(文:木俣冬)

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–{「ちむどんどん」第7週目のあらすじ}–

「ちむどんどん」第7週目のあらすじ

暢子(黒島結菜)は、レストランでの仕事始めから、厳しい連続勤務を言い渡された。オーナーの房子(原田美枝子)は、何か暢子に因縁があるようだ。シェフの二ツ橋(髙嶋政伸)に心配されながら、暢子は絶対にくじけないと誓い働き始めるが…。一方、沖縄やんばるの実家では、姉・良子(川口春奈)が、友人の石川(山田裕貴)への思いがありながら、金吾(渡辺大知)から執ような求婚を受け続けて…。

–{「ちむどんどん」作品情報}–

「ちむどんどん」作品情報

大好きな人と、おいしいものを食べると、誰でも笑顔になる―――

ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインと、支えあう兄妹たち。
“朝ドラ”第106作は個性豊かな沖縄四兄妹の、本土復帰からの歩みを描く
笑って泣ける朗らかな、50年の物語。

放送予定
2022年4月11日(月)~

<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。

日曜: 午前11時~11時15分(再放送)翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。

<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)※月曜~金曜分を一挙放送。

出演
黒島結菜
仲間由紀恵
大森南朋
竜星涼
川口春奈
上白石萌歌
宮沢氷魚
山田裕貴
前田公輝
山路和弘
片桐はいり
石丸謙二郎
渡辺大知
きゃんひとみ
あめくみちこ
川田広樹
戸次重幸
原田美枝子
高嶋政伸
井之脇海
飯豊まりえ
山中崇
中原丈雄
佐津川愛美
片岡鶴太郎
長野里美
藤木勇人

作:
羽原大介

語り:
ジョン・カビラ

音楽:
岡部啓一 (MONACA)
高田龍一 (MONACA)
帆足圭吾 (MONACA)

主題歌:
三浦大知「燦燦」

沖縄ことば指導:
藤木勇人

フードコーディネート:
吉岡秀治 吉岡知子

制作統括:
小林大児 藤並英樹

プロデューサー:
松田恭典

展開プロデューサー:
川口俊介

演出:
木村隆  松園武大 中野亮平 ほか