2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。
沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。
本記事では、その第33回をライター・木俣冬が紐解いていく。
[※本記事は広告リンクを含みます。]
「ちむどんどん」をU-NEXTで視聴する
>>>【関連記事】「ちむどんどん」第1回:明るくさわやか 朝ドラ原点回帰?
>>>【関連記事】『明け方の若者たち』デリケートでどこか諦念に満ちた若い男女の恋
>>>【関連記事】「着飾る恋には理由があって」全10話のネタバレ感想
恋と料理勝負と
暢子(黒島結菜)は無謀にもオーナー・大城房子(原田美枝子)に料理勝負を挑みます。
暢子が勝ったら賄いを作らせてもらえる。負けたらクビ。かなりハイリスクな勝負ですが、暢子は課題のペペロンチーノの試作に励みます。
シンプルだけど奥が深いペペロンチーノ。あまゆの主人夫婦・金城順次(志ぃさー)、トミ(しるさ)と智(前田公輝)に味見をしてもらいながら、何度も何度も作ります。
シンプルとはいえ炭水化物。7回も食べたら、美味しさなんてわからなくなりそうですが……。
智がなんとかお金を作ってまで鶴見にやって来たのは暢子が気になっているから。就職先もアッラ・フォンターナと関わることのできるところを選んだと遠回しに言ってみるものの、暢子は料理に夢中で智の話をまったく聞いていません。
切ない智。このままずっと暢子をひそかに守る役割及び、ニーニーにはない勤勉さを発揮する役割のみで終わってしまうのでしょうか。
その頃、沖縄では、良子(川口春奈)が喜納金吾(渡辺大知)と結婚することを決意しますが、歌子(上白石萌歌)は良子が完全にふっきったとは思えなくて石川博夫(山田裕貴)に会いに行きます。
歌子「幸せ……ですか?」
石川「ごめん そういう勧誘には興味なくて」
このやりとりはちょっとおもしろかった。
恥ずかしがり屋で人見知りの歌子が勇気を出して、石川に良子を止めてほしいと頼みます。
姉のために健気な行動をとっている歌子とは大違いで、ニーニーこと賢秀(竜星涼)は喜納銀蔵(不破万作)に石川に手切れ金を渡すと持ちかけて……。
「まさかやー」です。
賢秀には「悪い」という概念がないのでしょう。じつに無邪気に見えます。
悪びれない賢秀を見ていると労働とお金の常識は誰かが勝手に決めたことであり、それが正しいわけではないのではないかという思いがよぎります。
お金なんてもっと流動的でよくて、資産家のところに集まり過ぎているのではないか。だから必要な人がもっと気軽に借りられるようになるべきなんじゃないか。そんな根源的なところに立ち返ってゆくのです。
「ちむどんどん」はペペロンチーノのように単純に見えて奥深いドラマなのかもしれませんよ。
(文:木俣冬)
>>>【関連記事】「ちむどんどん」第1回:明るくさわやか 朝ドラ原点回帰?
>>>【関連記事】『明け方の若者たち』デリケートでどこか諦念に満ちた若い男女の恋
>>>【関連記事】「着飾る恋には理由があって」全10話のネタバレ感想
–{「ちむどんどん」第7週目のあらすじ}–
「ちむどんどん」第7週目のあらすじ
暢子(黒島結菜)は、レストランでの仕事始めから、厳しい連続勤務を言い渡された。オーナーの房子(原田美枝子)は、何か暢子に因縁があるようだ。シェフの二ツ橋(髙嶋政伸)に心配されながら、暢子は絶対にくじけないと誓い働き始めるが…。一方、沖縄やんばるの実家では、姉・良子(川口春奈)が、友人の石川(山田裕貴)への思いがありながら、金吾(渡辺大知)から執ような求婚を受け続けて…。
–{「ちむどんどん」作品情報}–
「ちむどんどん」作品情報
大好きな人と、おいしいものを食べると、誰でも笑顔になる―――
ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインと、支えあう兄妹たち。
“朝ドラ”第106作は個性豊かな沖縄四兄妹の、本土復帰からの歩みを描く
笑って泣ける朗らかな、50年の物語。
放送予定
2022年4月11日(月)~
<総合テレビ>
月曜~土曜: 午前8時~8時15分 午後0時45分~1時(再放送)
※土曜は一週間を振り返ります。
日曜: 午前11時~11時15分(再放送)翌・月曜: 午前4時45分~5時(再放送)
※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送です。
<BSプレミアム・BS4K>
月曜~金曜: 午前7時30分~7時45分
土曜: 午前9時45分~11時(再放送)※月曜~金曜分を一挙放送。
出演
黒島結菜
仲間由紀恵
大森南朋
竜星涼
川口春奈
上白石萌歌
宮沢氷魚
山田裕貴
前田公輝
山路和弘
片桐はいり
石丸謙二郎
渡辺大知
きゃんひとみ
あめくみちこ
川田広樹
戸次重幸
原田美枝子
高嶋政伸
井之脇海
飯豊まりえ
山中崇
中原丈雄
佐津川愛美
片岡鶴太郎
長野里美
藤木勇人
作:
羽原大介
語り:
ジョン・カビラ
音楽:
岡部啓一 (MONACA)
高田龍一 (MONACA)
帆足圭吾 (MONACA)
主題歌:
三浦大知「燦燦」
沖縄ことば指導:
藤木勇人
フードコーディネート:
吉岡秀治 吉岡知子
制作統括:
小林大児 藤並英樹
プロデューサー:
松田恭典
展開プロデューサー:
川口俊介
演出:
木村隆 松園武大 中野亮平 ほか