<クロステイル~探偵教室~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

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鈴鹿央士主演のドラマ「クロステイル 〜探偵教室〜」が、2022年4月9日放映スタートした。

「半沢直樹」「おちょやん」などで知られる八津弘幸のオリジナル脚本で贈る本作は、突然失踪した父親を捜すため探偵学校に入学した主人公の成長を描く物語。主役の飛田匡を初の連ドラ単独主演となる鈴鹿央士、匡のクラスメートで他人の秘密が大好物な少女・芹沢朋香を堀田真由が演じる。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・「クロステイル~探偵教室~」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

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「大学卒業おめでとう。父さんも、お前から卒業します」

就職先がないまま迎えた卒業式の日、帰宅した飛田匡(鈴鹿央士)に残されていた父・迅 平(板尾創路)からの手紙。かつては売れっ子の推理小説家だった自由奔放な父が、突然失踪した。世間知らずで夢見がちな母・千穂子(山口香緖里)と、莫大な借金を残して…。

事件性ゼロの失踪に警察では取り合ってもらえず、父の著書から出てきた名刺を頼りにジョーカー探偵社に足を運んだ匡。そこで目にした探偵学校の生徒募集ポスターで、調査費用より学費の方が安上がりと知る。

「なれるわよ…あなたが本気でなりたいと思えばね」校長・新偕理子(檀れい)の言葉に、匡はジョーカー探偵学校への入学を決意する。

探偵学校で出会ったのは、他人の秘密が大好きな芹沢朋香(堀田真由)、現役ホストの藤巻敦也(草川拓弥)、何かと男に厳しい堀之内純子(篠田麻里子)、スポーツマンの野木明生(福山翔大)、元IT企業社員の都賀真一(遊佐亮介)、年配の丸川喜三郎(伊藤正之)など年齢も経歴も入学動機も様々なクラスメートたち。授業初日、鬼講師・南武辰彦(髙田延彦)から「素質なしと判断した場合は、その時点で即刻辞めてもらう」とはっぱをかけられ、匡たちは街で尾行の実習へ。だが、匡は道で苦しむお年寄りを助けているうちに対象者を見失ってしまう。叱咤され、早くも挫折しかかる匡の前に、またも理子が現れ…。

次々登場する個性的な講師。徐々に明らかになっていくクラスメートの背景、そして父や理子にまつわる過去の因縁。果たして匡は一人前の探偵になれるのか?そして神出鬼没の父を捉まえることは出来るのか?そもそも父の失踪の理由は何なのか?

盗聴盗撮、張り込み、聞き込みなどリアルな探偵描写と、人の心の謎を通じて成長する探偵の卵たちを描いたスリルと笑いのヒューマンドラマ、ここに開幕!!

第1話のレビュー

「半沢直樹」で知られる八津弘幸のオリジナル脚本によるドラマ「クロステイル~探偵教室~」がついにスタート。

主人公は小説家の息子・匡(鈴鹿央士)。就職が決まらないまま大学を卒業するも、突然、父親・迅平(板尾創路)が借金を残して失踪してしまう。

父の行方を追うため「ジョーカー探偵社」に相談に来た匡。しかし、高額な捜査費に愕然。そこで「探偵学校」のポスターを目にして、自身が探偵になって父を探そうと決意する。

だがしかし、探偵への道は決して甘くない……どころか恐ろしくガチだった。

「ジョーカー探偵学校」に入学した匡。クラスメイトとなったのはかわいらしい朋香(堀田真由)や現役ホストの藤巻(草川拓弥)、クールな雰囲気の美女・純子(篠田麻里子)、年配の男性・丸川(伊藤正之)ら老若男女の生徒たちだ。

生徒たちを指導するのは教官の南武(高田延彦)。現役の探偵でもある彼は、仕事の厳しさを生徒たちに容赦なく突きつけていく。

張り込みと尾行の実習が始まり、南武を尾行する生徒たち。その道のプロである南武を追うのは大変で、素人の生徒たちはあちこちでボロが出る。匡も具合が悪そうな老婆が気になって朋香とともに助けを差し伸べ、南武から目を離してしまう。

通常ならば、匡の親切ぶりは褒められていいこと。しかし、探偵としては身バレに繋がる行為で、南武は彼を厳しく責める。しかも、助けた老婆はジョーカー社の探偵。学校側が仕掛けたトラップだった。

おかげで自信を失いかける匡。しかし、ジョーカー探偵社の代表・新偕理子(檀れい)の「探偵は依頼者の悩みを解決する。それが使命」という言葉を噛みしめる。そして、夜更けに眠れないまま探偵教本を読み漁り、「そういうことか……」と開眼していく。

匡は次の実習で名誉挽回。バスに乗る南武を追いかける最中、今度は具合が悪そうな妊婦が気になってしまうが、悩んだ末に彼は実習仲間たちに「30秒だけ目を切るから時間を稼いで」と依頼。そして、近くで生徒たちを見張っていた「ジョーカー探偵社」の別の探偵に妊婦のことを伝えた。

別の探偵が尾行しているのをちゃんとチェックしていた匡。一連の判断と行動のおかげで身バレせず妊婦を救い、尾行を続行できた(結局、件の妊婦も新偕の変装した姿だった)。

探偵仕事の厳しさを卵たちの実習を通して描いてみせたこの第1話。尾行一つとっても神経を張り巡らせ相当な耐久力が求められるのだな…と痛感させられた。とはいえ、匡が若者らしい柔軟な賢さで課題を乗り越えていく姿は極めて爽快。一見気弱そうな中に聡明さを兼ね備えた彼がこれから探偵修業とどう向き合っていくのか……とワクワクする。

なお、本作は流れる音楽が最高にゴキゲンだ。音楽を担当するのは、「カルテット」「コンフィデンスマンJP」などの劇伴で知られるfox capture planのカワイヒデヒロと新世代インストバンドとして注目を集めているPOLYPLUS。サックスがジャジーに響くスタイリッシュな劇伴が聴いていて非常に心地いい。さらに主題歌「流星群」を歌うのはキャッチ―かつおしゃれなサウンドで知られるPenthouse。こちらもフレッシュでメロディアスな楽曲がとても心に響いた。
 
タイトルの「クロステイル」は「接近して尾行する」という意味。極上の音楽で彩る探偵の卵たちの物語を、これからしばらく毎週接近して見守っていきたい。

※この記事は「クロステイル~探偵教室~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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ジョーカー探偵社の女講師・皆川瑠依(冨樫真)に目が釘付けとなる匡(鈴鹿央士)ほか男性陣。

「南武先生とは大違い」と丸川(伊藤正之)が言えば、現役No.1ホストの藤巻(草川拓弥)が「あんなケダモノと比べること自体失礼」と言う。そこへ鬼講師の南武(髙田延彦)が現れ、その一部始終が聞かれていたと知る面々。瑠依の授業テーマは盗聴盗撮。課題はビル内に仕掛けられた計20台の盗聴器と隠しカメラを1時間以内に発見すること。

瑠依から調査のやり方をレクチャーされ、機材を持ってそれぞれに散っていく生徒たち。残り1分で匡が“あること”に気づき、課題は無事クリアできたかに見えたが、瑠依から発せられた言葉は「全員失格」!?

その日、朋香(堀田真由)は盗聴盗撮の機材を持って、3つ年上の幼馴染・上原麻里乃(菅野莉央)の家へ。麻里乃が有名イケメンマジシャン・SHOGO(MASAKI)から盗撮されていると聞いて心配になり、学校の機材を拝借してきたのだ。

「あのマジックは、つい最近私が考えたのとまったく同じなの」

麻里乃とSHOGOは大学の同期で、同じマジック研究会だった。朋香は盗聴器を探すも何も見つからない…。翌日、機材を返却中に瑠依に見つかってしまい退学の危機となる。しかし、瑠依から「その友達が盗撮も盗聴もされていないと本心から納得させることができたら退学取り消し」と言われ、ヤル気になる朋香。しかし、企てた計画はことごとく失敗し、ついには麻里乃と大喧嘩!見かねた匡が提案した計画とは…。

一方、母(山口香緖里)と暮らすアパートに盗聴器が仕掛けられていることに父(板尾創路)からの電話で気付いた匡。そこで匡は“あること”に気付き…。
麻里乃の盗聴、その真相は?果たして朋香は退学を免れることができるのか?

第2話のレビュー

今回、探偵候補生の匡(鈴鹿央士)たちが挑む課題は「盗聴盗撮」。だが、これを教える女性講師・皆川瑠依(冨樫真)がとにかく強烈だった。

一見、メガネが似合う落ち着いた美女。しかし、突如「おだまり!」など激しく怒りだし、しかも気まぐれに生徒たちを振り回す瑠依。怒りの沸点が分かりにくく、見た目にも鬼教官な南武(髙田延彦)よりある意味始末が悪い。

そして、この2話でスポットが当たったのは、朋香(堀田真由)だ。

幼なじみでマジシャンの麻里乃(菅野莉央)から、有名マジシャンのSHOGOに盗聴されてるのではと相談された朋香。学校の機材を使って麻里乃の部屋を調べるが、盗聴器などは見つからなかった。

次の日、機材を持ち出したのがばれて退学の危機を迎える朋香。しかも、麻里乃から「やっぱり盗聴されてるとしか思えない」と電話が入る。

それを見た瑠依。今まで自分が受けた1000件以上の盗聴盗撮調査で実際に発信機が見つかったケースはわずか2件だと明かす。盗聴や盗撮のほとんどが依頼者の思い込みにすぎず、だからこそ難しいのは発信機の発見ではなく、強迫観念を抱く依頼者に何もないと納得させることだという。

一見はちゃめちゃだが、仕事の厳しさや真髄をしっかり生徒たちに説いている瑠依。結局のところ良き講師に思えてきた。

麻里乃を納得させられたら退学を取り消すといわれた朋香。やる気満々で取組むが、結局うまく行かず麻里乃と喧嘩に。それを助けたのが匡だった。

匡は証拠を掴むため逆にSHOGOを盗撮しようと提案。匡、朋香、麻里乃はSHOGOの部屋に忍び込む。しかし、電波を受信しようとアパートの屋上で待っているとパトカーのサイレンが鳴り響く。動揺して怯える麻里乃だったが、そこへやってきたのは警察に変装した丸川(伊藤正之)ら探偵候補生たちだった。

盗聴盗撮は罪に問われるリスクがあり、余程のことがなければできるものではない。それを麻里乃にわかってほしくて匡たちは一芝居打ったのだ。ちなみに忍び込んだのはSHOGOではなく現役ホスト・藤巻(草川拓弥)の部屋。ずいぶん派手な部屋に住んでるマジシャンだなと思ったらそういうことか……とちょっとおかしかった。

その後、朋香は麻里乃の本当の気持ちに気づいていく。麻里乃は大学時代に付き合っていたSHOGOを今だ想い続けていた。だからこそ、自身が考えたのとほぼ同じマジックを披露するSHOGOを見て、自分を必要としているのでは?と確かめたくて朋香に依頼したのだ。

人の秘密や弱みを知るのが好きな朋香。依頼を引き受けたのも実は自分が楽しみたいからではあった。しかし、調査を通して依頼者の心を大切にすることを学んだようだ。

朋香が麻里乃の本心を掴んだのは、「本質がずれてるのかも」と助言した匡のおかげ。彼がそのヒントを得たのは失踪中の父親・迅平(板尾創路)が仕掛けた盗聴機材を発見したときだった。

行方不明なのに、息子に電話してきたり妻・千穂子(山口香緒里)に機材を仕掛けさせたりしている迅平。何かの冗談かふざけてるようにも見え、匡がちょっと気の毒に思える。

とはいえ、匡が探偵として成長すれば、やがて父の本心にも接近できるのではないだろうか。

※この記事は「クロステイル~探偵教室~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

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今回の講師、正田正一(森岡豊)は一見“普通”に見える男。しかし正田はここ数日、匡(鈴鹿央士)ら生徒たちが気づかない内に接近・会話し、それぞれの実状を探っていた聞き込みのスペシャリストだった。そのことに一様に驚く生徒たち。正田の授業テーマは聞き込み話法を利用した信用調査。結果次第では、対象者の人生を大きく左右するものだ。

「誤った信用調査をしたチームは、我が校から即退場していただきます」

相手に調査がバレた時点でもアウトとなる厳しい課題は、対象者となるジョーカー探偵社の採用試験に残った3人の中から、経歴詐称をしている人物を1週間で突き止めるというもの。

匡のチームは藤巻(草川拓弥)と都賀(遊佐亮介)。だが藤巻は、コミュ症の都賀に聞き込みができるわけがないと、報告書の作成のみを指示。しかし後日、都賀の調査が相手にバレて学校にクレームが入った。その相手とは、今回の対象者とは無関係の「一木」という男。校名を傷つけるようなことがあれば処分を検討すると正田から言われても、都賀はその男との関係などを一切話さない。不審を抱いた藤巻は都賀を調べると言い出し、何故か匡も朋香(堀田真由)も同行し、調査を続ける内に都賀の意外な過去が判明する。

同じ頃、再び一木からクレームが入り、都賀の退学が決定。それを受けて「最後の挨拶代 わりに」と都賀が語った衝撃の内容とは…。

都賀の処分に納得がいかない匡は校長(檀れい)に直談判。すると、処分を取り消して もいいと思える証拠を明後日までに集めるように言われる。

「できなければ、あなたも彼と一緒に辞めてもらいます!」

匡はできるだけ多くの証拠を集めるため朋香や純子(篠田麻里子)、野木(福山翔大) や丸川(伊藤正之)に協力を依頼し、調査を進めていく…。果たして2つの課題は無事クリアできるのか?

第3話のレビュー

毎回ちょっとヤバめな講師が登場して探偵の厳しさを教える「クロステイル」。

今回、匡(鈴鹿央士)たちの前に現れた先生は、いたって普通に見える正田正一(森岡豊)。しかし、彼の顔を見た生徒たちは驚く。実は正田はここ数日しれっと生徒たちに接近して聞き込み調査をしていたのだ。

「おかげで皆さんのことがよくわかりました」と不敵に笑う正田。南武(高田延彦)や瑠依(冨樫真)とはまた違う怖さを感じる。

正田から「信用調査」の課題を出され、チームを組んだ匡、藤巻(草川拓弥)、都賀(遊佐亮介)の3人。しかし、コミュ障な雰囲気のある都賀に、藤巻は「無理しなくていい」と報告書作成だけをさせようとする。

たぶん、藤巻に悪気はなかった。苦手なことをやらなくて大丈夫だよ……というくらいのノリだったはずだ。ただ、言われた都賀の顔は決してうれしそうではない。大丈夫だろうか……。

と思ったら、案の定トラブル発生。都賀が一木という男性を勝手に調査したため、学校にクレームが入ってしまう。

正田から注意される都賀。しかし、その後も彼は一木の調査を続行。そんな中、都賀が高校時代に一木を恐喝して少年院送りになった…という話も出てくる。

結局、探偵社に一木から抗議が入り、退学処分となる都賀。皆の前で過去を明らかにした。真実は真逆。一木とその仲間からいじめを受けていたのは都賀のほうで、当時腕時計を壊されて弁償を迫ったら恐喝で訴えられた。それで停学処分を受けている間に少年院に入ったことにされてしまったのだ。

どれだけ本当のことを訴えても信じてもらえなかったという都賀。就職後も過去の噂につきまとわれ、会社が行った信用調査で退職に追い込まれた。だからこそ、一木に復讐しようとしていたのだ。

都賀への処分に納得いかない匡は、校長の新偕(檀れい)に談判。新偕は処分を取り消してもいいと思える根拠を集めるよう課す。できなかったら匡も退学という厳しい条件付きだ。

この問題を解決するために匡が見出した方法は、クラスメイトたちに協力してもらうこと。人は誰しも先入観がある。だからこそ、皆で多くの人に聞き込みをすれば、公正な信用調査に近づける……と考えたのだ。

匡の申し出を、朋香(堀田真由)らは思い思いの言葉で承諾。候補生たちの間に、前回あたりから協力する結束が固められてきていていい感じ。ちょっと胸が熱くなる場面だった。

それぞれ変装などして聞き込みを行う候補生たち。女子高生に扮した制服姿の朋香がとてもかわいらしかった。

調査の結果、都賀に関してやはりよくない証言が多かったが、一方いい証言も増えた。そして、報告書を受けとった正田のジャッジは「都賀さんを信用できる人物だと認めます」。

理由は、正田の信頼基準が「犬に好かれる人に悪い人はいない」で、都賀が犬になつかれていたから。「そこ?」と突っ込む匡だったが、正田いわく「依頼者にも先入観はある」。確かに、いい人とみなす基準なんてそもそも十人十色だろう。

実際のところ、正田が高く評価したのは匡たちの誠実さ。先入観を捨てて都賀の人柄を浮き彫りにしようとする真摯さを認めたのだ。おかげで、都賀と匡の退学処分は無事撤回となった。

なお、正田の評価の決め手となった犬に関する話を掴んできたのは藤巻。当初、先入観で都賀をコミュ障のように決めつけていた彼だが、実は都賀と形は違えどつらい過去を抱えていた。それだけに都賀の苦しみを一番理解していたようだ。信用調査の課題についても、改めて都賀に「聞き込み手伝ってください」と申し出た。

その後、匡たちは信用調査の課題も無事クリア。さらに、例の一木が恐喝の疑いで逮捕…というニュースも入ってきたのが痛快だった(この件は新偕が一枚かんでいた様子)。

困難な課題にぶちあたりつつも、なんだかんだでチームワークが出来上がってきた探偵候補生たち。次回の課題「行方調査」に、どう立ち向かっていくかも楽しみだ。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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今回の授業テーマは行方調査。失踪した父親・迅平(板尾創路)を捜すため入校した匡(鈴鹿央士)は人一倍気合が入る。ところが…教室に入って来たのは校長の理子(檀れい)。

「あなたがたに行方調査を教えるはずだった講師は行方不明になりました」

ポカンとする一同に、理子は依頼者からの調査費300万を持って失踪した担当講師・山田一郎の行方調査の課題を言い渡す。しかも、「期限は3日間」「見つけられなきゃ失格」という厳しい条件付き…。

朋香(堀田真由)たちと山田のパソコンを探ると、水商売風の女性の写真を発見。加えて、その女性が山田の元調査対象者で、その後も関係が続いていると判明する。匡たちは山田がその女性と逃げたと考え調査を進めようとするが、純子(篠田麻里子)は「奥さんを傷つけるだけ」と退学覚悟でその調査を邪魔することを宣言。

「悪いけど、あなたたちも道連れよ。山田探偵のことは見つけさせない」
純子が頑なに反対するのには、秘められた過去が関係していて…。

その夜、父からのビデオ通話を着信した匡。途中「取り立て屋だ」と画面から消えた父に代わって見知らぬ男が現れた。「お前が飛田の息子か」と鋭い目で睨まれ、匡は咄嗟に通信を切ってしまう。
この謎の男(松村雄基)の正体とは?

逃げた父親や謎の男、純子と何かと気になり寝不足で迎えた翌朝、母(山口香緖里)との会話で匡は“あること”に気づく。
果たして、課題はクリアできるのか?純子は辞めてしまうのか!?

第4話のレビュー

毎回のように「退学」の言葉が聞こえて、生徒たちの行く末にひやひやしてしまう「クロステイル」。

今回は、生徒の一人・堀之内純子(篠田麻里子)が退学覚悟で突如匡(鈴鹿央士)たちに反旗を翻す。初回から男性に対して妙に厳しかった彼女の男嫌いの理由も明らかになった。

今週の課題は「行方調査」で、父・迅平(板尾創路)を探すために入学した匡は大張り切り。しかし、出端をくじくかのように校長・新偕理子(檀れい)は、行方調査の講師が行方不明になったと冗談のような話を告げる。さらに、失踪した講師・山田一郎の行方調査を課題にすると言い出した。

山田の自宅で妻に話を聞いてパソコンを調べる生徒たち。見つかったのは水商売風の女性の画像。山田は彼女とともに失踪したのでは?と匡たちは疑う。

そんな中、「こんな調査やめたほうがいい」と純子が言い出す。山田を見つけても奥さんを余計傷つけるだけ。男の身勝手で傷を負うのを見ていられない、だから、自分や皆が退学になっても邪魔する……と宣言した。

その夜、風呂上がりの匡の元に迅平から電話が来る。行方不明のくせに頻繁に連絡して一体この父親は何なのか……。「身体があったまっても、心が冷たいままじゃすぐに湯冷めする」と、迅平は意味深な言葉を匡に残した。

翌日、純子が課題を阻む理由が明らかになる。彼女自身が行方調査で傷つけられたからだった。7年付き合った恋人が簡素なメッセージだけを残して突然姿を消した過去を持つ純子。探偵を雇って探した結果、見つかったのはお腹の大きい女性と幸せそうに笑う彼の姿。確かにこれはつらすぎる。

だが、引き続きの調査で例の画像の女性・絵里奈(南山あずさ)には既に別の彼氏がいると判明。山田が女性と逃げたのではない可能性が浮上した。絵里奈からも新たなヒントを得て改めて調査に乗り出す生徒たち。奥さんのためにも山田を連れ戻そう……という匡の言葉に純子もうなずいて改めて仲間に加わった。

ところが、思わぬ事態。山田の行方を追って匡と純子が入ったカフェは純子の元彼が店長をつとめる店。彼と奥さんとその子どもと対面してしまう。

たまらず逃げ出した純子。しかし、後から彼が追いかけてくる。あの子どもは自分の子ではない、子どもができたからではなく彼女を愛しているから純子と別れたのだ……と今更ではあるが真実を告げて謝罪した。

「できることなら、あのときそう言ってほしかった」と言う純子。言葉足らずで捨てられたからこそずっと苦しかったのだろう。とはいえ、元彼の本心がわかって彼を許す。そばにいた匡を結婚する相手に仕立ててちょっとだけ虚勢をはったけど、おかげでお互い笑って別れられた。結果オーライだ。

そして、ついに課題の提出日。匡たちが理子に提出した山田の居場所、それは探偵学校のあるビルだ。

情報を頼りにいくら探しても、理子が匡たちに見せた一枚以外にまったく山田の写真が出てこない。つまり、山田という人物はそもそも存在せず、写真は理子が変装した姿。山田の妻と絵里奈もジョーカー探偵社の女性探偵たちが演じていたのだった。

今回の課題の中で元彼の心の行方を掴むことができ、「これからは傷ついた女性を救うために探偵を目指す」と決めた純子。あの再会も実は理子が仕組んだものだったよう。行方調査で探すのは失踪者の身体じゃない、心を見つけてあげるのだという理子の言葉は見ているこちらの心にも刺さった。

理子の言葉を聞いて、父の「いくら身体があったまっても…」の言葉を思い出した匡。なんだかんだで息子にいいアドバイスを授けている迅平だが、今回のラストで、その迅平の元同僚だという謎の男(松村雄基)が匡の前に現れた。この新たな接近は果たして匡たち親子に何をもたらすのか。

※この記事は「クロステイル~探偵教室~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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「俺はお前の親父の元同僚だ」
謎の男(松村雄基)により父親・迅平(板尾創路)が元探偵であることを知った匡(鈴鹿央士)。現状を整理しようと学校の入ったビルの屋上で考え事をしていると、なんと目の前に迅平が!

新人探偵がテーマとなる新作の取材に来たという。立ち話をするも、一瞬目を離した隙に、走り去っていく迅平…。

今回の講師は派手で個性的なファッションの城ヶ崎輝(宮本大誠)。調査報告書専門のプロ曰く、「調査とは調査報告書を制作することで初めて完結するもの」。匡らのこれまでの報告書を見て、日本語の間違いなど次々ダメ出しをして行く。

今回の課題は、100時間を超す浮気調査の資料動画を7人で見て調査報告書を作ること。 そんな中、探偵社に入るのを迷う白浜紀子(未来)を見かけた匡と野木(福山翔大)。野木が勝手に話を進め「新人ですから」と無料の相談と調査を申し出た。紀子は、大学の先輩と結婚して3年、スポーツ関連会社に勤める夫・佳孝(山口翔悟)の浮気を疑っていた。「一人でやる」と言う野木が気になり匡も調査に付き合い、浮気を示す報告書を作成するが、それを知った佳孝が探偵社に怒鳴り込んで来た。匡と野木は校長の理子(檀れい)から「退学に値する」と大目玉!だが「依頼者から調査費用を貰うことができたら不問にする」とチャンスを与えられる。

「退学でも構わない」と言う野木。藤巻(草川拓弥)から、それは負けを認めるということだと指摘されると「結果を出してから辞めてやるよ」と強気発言をする。そこには野木の触れられたくない過去が関係していた…。果たして、再調査と課題はクリアできるのか?
「調査報告書で人生が変わってしまう」という理子の言葉に隠された真実とは!?

そして理子が手に取った、机の引き出しの中の写真。それは、とある探偵社の古い集合写真で…。

第5話のレビュー

早くもシリーズ後半に入った「クロステイル」。今回の課題は「調査報告書」だ。

講師はおネエ言葉が混ざる城ヶ崎輝(宮本大誠)。匡(鈴鹿央士)たちが作った報告書を見た彼は、「違和感を感じた→違和感を覚えた」など日本語の間違いを細かく指摘する(ライターの仕事をしている筆者は個人的になんとも耳が痛かった……)。

中でも「最下位」と酷評されたのは野木(福山翔大)。おかげでプライドが傷ついたのか、彼は突如スタンドプレーを始めてしまう。探偵社の前で迷っていた白浜紀子(未来)の浮気調査を勝手に引き受けてしまったのだ。成り行きで一緒に話を聞いた匡も手伝うことに。

そして、ここからの野木のやり方は正直いただけなかった。紀子の夫・佳孝(山口翔悟)を尾行して、ホテルから女性と出てくるのを抑えるのはマニュアル通りとしても、それを紀子に報告する際、「あなたの結婚は失敗だった」と断言。さすがに言い過ぎだろう。さらに「離婚調停でできるだけ慰謝料をとること。ご主人に勝つにはそれしかない」と助言したのも適切とは思えなかった。報告を聞いて悲しい顔になっていくばかりだった紀子。たぶん、何のフォローにもなってない。

その後、佳孝が探偵社に怒鳴りこんできて、校長の理子(檀れい)も匡と野木の調査を知ることになる。報告書を見てその適当さに思わず「訴えましょう」と怒りだす理子。実際、匡たちが捉えた証拠写真はいくらでも言い逃れできるレベルのもの。未熟以外の何物でもなかった。

この一件で退学勧告を受ける野木と匡だったが、「依頼者から調査費用を貰うことができたら不問にする」と理子はラストチャンスを与える。

一連の流れで、非常に強情で勝ち負けにこだわる性格であるのがわかった野木。原因は彼の過去にあった。かつてオリンピックの陸上競技の有力候補だったという野木。しかし、怪我で選手生命を断たれてしまった。大きすぎる挫折があったからこそ、過度な負けず嫌いになってしまったようだ。

再調査に乗り出す匡と野木。捜査は難航し、野木は途中で匙を投げかけるが、匡や藤巻(草川拓弥)の働きかけのおかげでやる気を取り戻す。そして、自転車で移動する佳孝をアスリートらしい走りで追いかけ、浮気相手とラブホテルに入る現場をしっかりと抑えた。

佳孝の浮気を改めて紀子に報告する野木と匡。ただし、今度は匡がフォローした。確かに佳孝は浮気をしていたが、一方で紀子への愛情が感じられる瞬間がいくつもあった……と。

続けて匡は「自分は22年間一度も勝ったことがない」と明かす。告白も受験も就活も全敗、挙句に父は借金を作り失踪。でも案外終わらずに生きて来られたと語った。

ここでの「勝ちはしないけど、そこそこでも負けていない」と言う匡の言葉は非常に心に響いた。実際、人生は勝ち負けだけのものでは決してない。「そこそこ負けない」くらいで全然いいんじゃないだろうか。

その後、紀子は佳孝と話し合う。そのうえで別れを決意。とはいえ、それは結婚が失敗だということじゃない。匡たちの調査報告書のおかげで、きちんと夫と向き合って、そして新たな人生を選ぶことができたのだ。

今回、調査報告書の大切さを学んだ匡たち。おかげで野木も「負けだと思ったら走ってる途中だった」と、ちょっとだけ柔軟になったようだ。

なお、最後になるが、匡の父親・迅平(板尾創路)についても触れておこう。今回彼が元は探偵だったことが判明。これを知ってショックを受ける匡だったが、そんな彼の前に迅平本人が姿を現す(もはやこの父親、行方不明じゃないと思う……)。探偵学校の屋上で二人が話していると、朋香(堀田真由)と藤巻がやってくるが、迅平が匡の父だと知った藤巻の顔色が変わった。

そして、この5話のラストで藤巻が匡にとある記事を見せる。そこには「極悪探偵T」として迅平が映っていた。

 匡の父親捜しに思わぬ暗雲。ひとまず彼が傷つかないことを祈りたい。

※この記事は「クロステイル~探偵教室~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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今回の講師は森村亨(佐野岳)。校長の理子(檀れい)から「リスクマネジメントの森村」と呼ばれるほど慎重な男である。そんな森村に理子が告げた今回の課題は、実際のストーカー調査。探偵社に来る依頼の中で、もっとも難しく危険が伴うと言われているものだった。

依頼人の萩本あかり(吉田志織)と恋人の乾剛(柾木玲弥)から被害内容を聞く森村と匡(鈴鹿央士)たち。あかりは半年前から誰かに跡をつけられたり、無言電話が続くが心当たりはないと話す。だが、乾は美容院で働くあかりに気がある客ではないかと話す。引っ越しを勧める森村に、スタイリストとして客が増えた今、お店を辞めたくないと話すあかり。調査期間は3日間。早速張り込みを!と意気込む生徒たちを前に、森村は朋香(堀田真由)と純子(篠田麻里子)ら女性は教室で作業するよう指示。反発する2人に理子が言う。

「ミスを犯して最悪の事態になるのは、あなたたちじゃない…依頼者よ」

調査1日目。あかりの美容院では匡と藤巻(草川拓弥)、丸川(伊藤正之)、そして今回特別に生徒へのサポートを理子から許された森村が張り込みを担当。あかりのマンションでは都賀(遊佐亮介)と野木(福山翔大)が張り込み、それぞれ出入りする人物の写真や動画を撮影。送られて来たデータの整理分析を朋香と純子が行った。そんな中、丸川が警察に捕まり、そこから丸川の経歴や探偵を目指した理由が明らかとなる。

調査2日目。現場を諦めきれない純子は直談判しようと校長室へ行くも理子は不在。メモを残そうと机に近づくと、少し開いた引き出しの中の写真に写る“ある人物”に目が止まる…。

結局、何の手応えもないまま調査は終了するが、その直後、あかりが何者かに襲われた!
一体、ストーカーは誰なのか?そして、純子が見つけた写真の中の“人物”と理子との関係とは !?

第6話のレビュー

6話でスポットがあたったのは最年長候補生の丸川(伊藤正之)。彼の意外すぎる素顔と活躍ぶりに心をつかまれた回だった。

今回、匡(鈴鹿央士)たちを教える講師は「リスクマネジメントの森村」こと森村亨(佐野岳)。慎重すぎるほど慎重な彼は、リスクを避けるべく生徒たちに簡単な実習をやらせて合格にする。

だが、鬼校長の理子(檀れい)がそんな甘いことを見逃すわけがない。森村は再度課題をやりなおすよう命じられる。

そんなわけで、匡たちが挑むことになったのは、探偵の仕事の中で最難関かつ危険な「ストーカー調査」だ。

依頼人は美容師の萩本あかり(吉田志織)とその恋人の乾剛(柾木玲弥)。約半年前から、あかりは何者かにつけられたり無言電話を受けたりしているという。あかりの経済的な事情のため調査できるのはわずか3日間だ。

この課題には特別に森村がサポートに入る。しかし、その森村の判断で朋香(堀田真由)と純子(篠田麻里子)が現場からはずされる羽目に。理由は他人の秘密を知るのが好きでストーカーの気持ちを理解しそうな朋香と女性を傷つけるストーカーを許さないであろう純子が現場でぶつかるのを避けるため。つまりはリスクマネジメントだ。

そんなわけで、男性陣があかりの職場や自宅アパートに貼りこむ。仕事熱心で人あたりもよいあかりは男性客にも好かれている様子。見張る藤巻(草川拓弥)も彼女が気に入ったらしく「俺がストーカーになっちゃう」と問題発言。ちゃっかりあかりと記念撮影までして、さすがホストというかおいおいというか……。

しかし、そんな中、思わぬトラブルを起こしたのは丸川。単独であかりのアパートに張り込み続けてあやしい男を取り押さえたが、その男がストーカーではなかったため、逆に警察に捕まってしまう。正直これはかなり驚いた。藤巻や野木(福山翔大)ならともかく、一番大人で道を踏み外さなそうな彼がなぜ?である。

この騒ぎのせいで警官が探偵学校に来校。「昔世話になった丸川さんに……」と語る。実は丸川の前職は警察官。またもびっくりだ。温厚で悪と積極的に戦うタイプにはとても見えなかったのに、能ある鷹はなんとやらにも程があるぞ……!?

匡たちの前で、丸川は警察をやめた理由を明かす。ストーカー被害に対して警察ができることは限られており、被害者を救えないジレンマを抱えてきたという彼。あるとき、探偵に依頼した被害者が証拠を完璧に揃えてきたのを見て、警察よりできることがあるかも……と考えて新たな道を志した。だからこそ、ストーカー調査に人一倍熱くなってしまったらしい。

この一件で丸川も現場調査からはずされてしまう。しかし、以降あかりのそばに不審人物は現れず調査は終了。一応課題はクリアとなる。だが、その直後にあかりと剛が何者かにつけられて剛が負傷。さすがにあかりも引っ越しを考える。

引っ越すならもう心配なし……といきたいところが、どうにも納得いかない候補生たち。匡は母・千穂子(山口香緒里)の「見る場所が変われば、見え方も変わってくる」という言葉がひっかかる。さらに、丸川が調査で撮影した画像の中にあるものを見つけた。

ストーカーを捕まえるため、トラップを仕掛ける匡たち。藤巻があかり(実は変装した野木)と仲睦まじく歩き、キス(!)までしてしまう。それを追う謎の影。藤巻と別れたあかりに近づくところを匡たちが抑えると……その男は剛だった。ストーカーの正体は彼。美容室とお客を大切にするあかりに不安を覚え、彼女をお店から引き離して二人だけの世界に行きたいと一連の行為に及んだのだ。

匡がぴんと来たのは、剛が襲われたのが調査終了直後だったこと。つまり、犯人は調査期間を知る人物。候補生たちとあかりを除いて該当するのは剛しかいない。さらに、藤巻が撮った記念写真に剛が映っていたのが決め手になった。

犯行がばれた剛。スタンガンを掲げて「取り押さえたら暴行罪で訴えてやる」と騒ぐ。しかし、そんな彼を丸川が颯爽と投げ飛ばしてしまう。「勉強不足ですね。凶器を持った相手になら正当防衛です」とセリフも決まってさすが元警察官。素晴らしくかっこいい。そこへタイミングよく警官が訪れて、剛は無事逮捕された(これも森村のリスクマネジメント)。

ストーカーは逮捕されて警告に留まる場合も多く、剛も結局釈放されてしまう。だが、あかりは既に引っ越しを決めていた。傷つきはしたものの、新しい道へ進むことができたのはよかったと思う。

今回、今まで以上にいいチームワークで課題に取り組んだ匡たち。仲が悪かったはずの藤巻と野木が一緒にデートのトラップに取り組んだのが地味に胸熱だったし、朋香と純子があかりを手厚くフォローしたのもよかった。とはいえ、MVPはやはり丸川。交番勤務35年で培った精神でストーカーに立ち向った彼は、間違いなく正義の探偵になれる人材だろう。

そして、また最後になったが匡の父・迅平(板尾創路)について。今回、純子が迅平と理子が一緒に映る写真を見つけた。迅平が探偵であったことを裏付けている気がするが、そうなると、やはり彼は「悪徳探偵」だったのだろうか。

 次回こそは、迅平の謎により“クロステイル”(接近して尾行)できることを期待したい。

※この記事は「クロステイル~探偵教室~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー


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純子(篠田麻里子)が社長室で見つけた古い集合写真。そこに理子(檀れい)と一緒に父親・迅平(板尾創路)が写っている理由を聞くため、匡(鈴鹿央士)は社長室へ。理子と話すなか、匡は写真に迅平を追っていた謎の男(松村雄基)を見つけて驚く。理子いわく、謎の男は東堂克己と言い、3人は昔同じ探偵社で働くも、探偵業についての考え方の違いからぶつかり合っていたという。

 「飛田迅平は……最低の探偵だった。」

現在ジョーカー探偵社で働く沢木(高木勝也)によると、20年前、小泉文乃(智順)という依頼者が自分の恩人・小田切達也(石田卓也)を探して欲しいと探偵社に来た。だが、実際には小田切は文乃の恩人ではなく、未来を潰した人物だった。それでも依頼者のためなら何でもする迅平は、文乃に小田切のことが書かれた報告書を渡してしまう。その結果、悲劇が起こり、信用を失った迅平は業界を去ったという。

 「そして今また、同じことが起こり始めている」

探偵という職業そのものの信頼を揺るがす報復事件の頻発に、迅平の関与はあるのか…。
 一方、自宅に戻ると母(山口香緖里)は迅平の新作を読書中。「失踪中に本出すなんて凄いわねぇ、さすがパパ」と呑気な母の態度に、またしても眠れなくなる匡。

そして迎えた卒業試験前の最後の実習。講師は沢木で、課題はプロの探偵のサポートとして不倫調査を手伝うこと。依頼者は高濱百合子(佐藤康恵)で、夫でIT会社社長の勝広(永倉大輔)と離婚を希望しており、多額の慰謝料が約束されるよう確実な不倫の証拠をつかむのが課題クリアの条件だ。早速、匡は朋香(堀田真由)たちと協力して高濱を尾行するが、なかなか上手く行かない上に、何故か東堂が現れて…。

東堂の目的は何なのか?高濱の不倫の相手とは?果たして、匡たちは最後の課題をクリアできるのか!?そして、東堂から匡に送られてきたメール『本当の敵はすぐ近くにいる』とは…その正体が最後に明かされる!

第7話のレビュー

最終回目前の7話だが……思いがけない衝撃の事実に唖然としてしまった。

ひとまず、話を追って見ていこう。

匡(鈴鹿央士)の父・迅平(板尾創路)はやはり元探偵で、東堂(松村雄基)や理子(檀れい)の同僚だった。20年前、迅平は小泉文乃(智順)という女性から小田切達也(石田卓也)という男の捜索を頼まれたが、実は小田切は文乃の未来を潰した相手だった。

迅平が文乃に小田切の報告書を渡してしまったため、文乃は小田切に復讐しようとして階段から落ちてしまう。そのショックで彼女は記憶をなくし、一方小田切の方はその後遺書が見つかった。この一件で迅平は信用を失い、業界を去ったのだ。

父の思わぬ過去に戸惑いを隠せない匡。そんな中、探偵学校では最後の課題がスタートする。

今回のミッションは不倫調査のサポート。依頼者の高濱百合子(佐藤康恵)は夫との離婚を希望。彼女が多額の慰謝料を受け取れるよう匡たちは浮気の確かな証拠を掴まなくてはならない。

早速、百合子の夫でIT会社社長の勝広(永倉大輔)を尾行する候補生たち。運動能力が高い野木(福山翔大)が尾行に奔走しネット関係に強い都賀が発信機周りを担当するなど、もはやチームワークは万全だ。

とはいえ、勝広の方も対抗策として探偵=東堂を雇っており、捜査はいつにもまして難航。勝広を追う匡と藤巻(草川拓弥)が不本意ながら二人でラブホテルに入ったのに浮気現場ではなかった……という気の毒なオチも。入る際に腕を組んでいた二人、あそこまでする必要はあったのか……?

このように奮闘する候補生たちだったが、捜査を進める中、なんと勝広は浮気をしていないことが明らかに。ラブホテル調査の際に匡たちは東堂からそのことを聞かされる。とはいえ、課題の取り消しは認められない。そして、匡は母・千穂子(山口香緒里)の「(迅平が小説を書くようになって)、一緒の時間が増えたときはうれしかった」の言葉でひらめいた。

匡たちが出した答え。それは、勝広の浮気相手は“仕事”であることだった。不倫はしていなかったが、仕事にかまけて妻の百合子をないがしろにし続けていた。これはこれで離婚事由になる。

匡たちの調査報告とともに百合子は夫に本音をぶつける。「本当に好きだった。だから余計にあなたのいない毎日がつらい」「私、あなたの部下ならよかった」。妻の言葉に勝広も心動かされたらしく、離婚に応じ慰謝料もできるだけ支払うと約束した。

今回、自分に勝ったら迅平の情報を教える……と匡に持ちかけていた東堂。仲間の男性を百合子に近づけて親密そうな写真を撮るなどだいぶせこいトラップも仕掛けていたが、“依頼者にとって一番いい答えを見つける”を貫いた匡たち、そして理子率いるジョーカー探偵社が見事勝利した。

余談だが、東堂を演じている松村雄基。かつて「不良少女と呼ばれて」「スクール☆ウォーズ」などで不良少年を演じ、80年代大映ドラマの看板スターだった彼が、本作では渋くてコミカルな大人の演技を披露しているのがなんとも味わい深い。

そして……今回の最重要な問題はここからだ。

東堂から得た情報で小泉文乃の現住所をたずねる匡と藤巻、朋香(堀田真由)。するとそこへ迅平が現れる。

迅平と対面する匡たちだったが、そこでナイフを手に「やっと見つけた……」とつぶやいたのは藤巻。彼は「小田切達也は俺の親父だ…」と衝撃すぎる事実を口にした。

ここまで毎週候補生を一人ピックアップしてきた本作。今週は藤巻の回になるのかと思ったらそうならずあれ?と思っていたのだが、ラストでこの予想外過ぎる事実。迅平の過去に絡むのは東堂や理子だけじゃない、藤巻こそが物語の鍵を握るジョーカーだった……ということか。

次回、ついに最終回。このまさかの事態にどう決着がつくのか。

※この記事は「クロステイル~探偵教室~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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東堂克己(松村雄基)から20年前の依頼者・小泉文乃(智順)の現住所を知った匡(鈴鹿央士)。文乃が夫と暮らす一軒家を、朋香(堀田真由)、藤巻(草川拓弥)と共に物陰から窺っていると、ゴミ捨て場を漁る男が。振り向いたのは匡の父・迅平(板尾創路)だ!

「文乃が復讐することをわかっていて小田切の居場所を教えたのか」と迅平に詰め寄る匡。
「全部俺の責任だ」と言う迅平に、突然ナイフを向ける藤巻―――
「小田切達也は、俺の親父だ」
衝撃の告白に驚く匡と朋香の前で、藤巻が迅平に襲いかかる。匡と朋香が藤巻を懸命に制止するが……。

そんな中、発信者不明のメールが匡に届く。
『お前の父親は、罠にハメられた』

誰がこんなメールを?そもそもこれ自体が罠なのか!? 純子(篠田麻里子)、野木(福山翔大)、丸川(伊藤正之)、都賀(遊佐亮介)も謎の解明へ協力することに。

理子(檀れい)が前の事務所を独立し、ジョーカー探偵社を作ったのが、丁度文乃の事件と同じ20年前。東堂の独立もそれに近い。二人と事件との関連を感じた匡は、理子と東堂の信用調査を提案する。探偵の卵たちは今まで教わってきた探偵スキルを駆使し、力を合わせて調査を進める。その先に待っていた衝撃の真実とは…?

藤巻の衝撃の過去に始まり、記憶喪失の文乃、迅平の失踪や東堂&理子との関係、頻発する報復事件…全ての謎が解明する最終回。最後の最後まで想像を越える展開を刮目せよ!

第8話のレビュー

探偵の卵たちの奮闘を描いてきた「クロステイル」がついに最終回。怒涛の展開で多くの謎が解決していった。

前回、小田切達也(石田卓也)が自身の父だと衝撃の告白をした藤巻(草川拓弥)。憎しみのままに迅平(板尾創路)にナイフを向けるが、匡(鈴鹿央士)と朋香(堀田真由)の声で思いとどまる。

20年前の事件のせいで父を失い、復讐心を胸に抱いてきた藤巻。探偵学校に入ったのも息子の匡をマークして迅平の居所を突きとめるためだった。しかし、藤巻は匡との間に真の友情を感じており、結局友人として匡の父親捜しに協力することを選ぶ。

そんな中、匡の元に「お前の父親は、罠にハメられた」と謎のメールが届く。

頭を悩ませる匡だったが、藤巻や朋香だけでなく、 純子(篠田麻里子)、野木(福山翔大)、丸川(伊藤正之)、都賀(遊佐亮介)も協力を申し出る。このクラス、本当にいいチームになってきた。

20年前の事件には、東堂(松村雄基)や理子(檀れい)が絡んでいるのではと睨む匡たち。というわけで二人の信用調査を開始する。

尾行する藤巻と野木に聞き込み調査をする純子と丸川。都賀が見張る間に理子の部屋に忍びこんだ匡と朋香は盗撮カメラをしっかりチェック。講師たちから教わってきたことをフル活用していて、確かな成長が伺える。

この匡たちの調査を通して、いくつもの謎が解け、意外な真実が明らかになっていった。

理子の部屋で見つけた迅平の最新作で「家族を人質にとられ……」という記述を読み、母・千穂子(山口香緒里)を心配して家へ走る匡。しかし、帰宅して目にしたのは、楽しそうに談笑する千穂子と理子と東堂の姿だ。

実は千穂子はかつて離婚訴訟専門の弁護士をしており、理子や東堂とも旧知の仲。彼らの話によれば迅平、理子、東堂は20年前に一緒に独立しようとした仲間同士。ライバルではあったが仲が悪いわけではなかったようだ。するとそこへ「ただいま」と迅平も帰ってくる(この父親、もはや行方不明でもなんでもない気がするのだが……?)。

その後、迅平が悪徳探偵ではなかったのがようやく明らかに。20年前、小泉文乃(智順)に小田切達也の情報を渡したのは、実は理子の右腕の沢木(高木勝也)。当時の彼は自分を認めてもらいたいがために過ちを犯してしまったのだ。

最近頻発していた20年前と同様の報復事件。この裏にいるのも沢木、そして記憶が戻った小泉文乃だった。小田切のせいでピアニストとしての道が絶たれ、報復を試みるも階段から落ちてそれ以前の記憶を失っていた彼女。記憶の回復とともに当時の怒りが蘇り、沢木を脅して加害者の情報を集め、自分と同じように傷ついた被害者に提供していたのだ。

迅平が情報提供者ではないと明かしたのは理子。知っていたならせめて匡と藤巻にはもっと早く教えてあげても……という気もしたが、探偵らしく自分で真実にたどりつけということだったのだろう。過ちを認めた沢木にも「屈辱に耐えて探偵を続けなさい。やめて楽になることは許さない」と一番つらい道を叩きつけた。とことん厳しい鬼校長の彼女らしい。

小泉文乃を呼び出して向き合う迅平や理子たち。文乃は記憶が戻ったことや報復事件の黒幕であることをあっさりと認めるが、彼女に迅平は告げる。小田切達也は自殺していなかった……と。

自殺しようにもしきれず出家していた小田切。記憶を亡くした文乃に謝ることすら許されないと悟り、息子と会うことも諦めて1年前に亡くなったという。彼が生前肌身離さず持っていた数珠には文乃と藤巻の名「敦也」の文字が刻まれていた。

まさかの話に動揺し、数珠を手に「ずっと本当の自分じゃない気がしていた。記憶が戻っても取り返しがつかない」と泣きじゃくる文乃。そんな彼女に匡は信用調査報告書を渡す。それは文乃を調べたもの。この20年、不安を抱えながらも彼女はバイトやさまざまな仕事をし、結婚して夫と仲よく暮らしていて、先入観をもたずに匡たちが調べたその人生は「案外悪くない」ものだった。

以前、行方調査で見つけてあげるのは失踪者の心だと理子が言っていた。迅平は小田切の心を見つけ、匡たちは文乃の心に寄り添った。いい仕事をしたと思う。

事件解決後、理子は匡たちに卒業試験の結果を伝える。やはり…という感じだが、あの謎のメールを送り主は理子。メッセージを受けて匡たちがどう行動するかが探偵学校の「卒業試験」。そして、理子の想定を上回る形でやり遂げた候補生たちは揃って合格となった。

卒業後の彼らは揃ってジョーカー探偵社に所属。匡は小説家デビューも果たしたようでどんどん父親に似ていくばかりにも見えるが、これからも仲間たちとますます活躍していくことだろう。

いつかまたこの探偵チームに“クロステイル”(接近して尾行)できたらなと思う。

(文:シネマズ編集部)

※この記事は「クロステイル~探偵教室~」の各話を1つにまとめたものです。

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