© 「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
井桁弘恵主演のテレビ東京ドラマ「メンタル強め美女白川さん」が2022年4月6日より放送スタート。Paraviでは先行配信中。
Twitterで公開されるや人気を集めた、獅子による同名漫画が原作。主人公のメンタル強め美女・白川さんが、妬みや僻み、マウントをものともせず、自身の笑顔と自己肯定力で跳ね返していく姿が、現代を生きる私たちの活力につながる。
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
会社員の白川桃乃(井桁弘恵)は「私は私、可愛く、強く!」をモットーに周囲のヒガミや妬みもポジティブに跳ね返すメンタル強めな美女。そんな白川さんの先輩社員・町田杏花(野呂佳代)は体型に自信が持てず、周りのイジりも愛想笑いで跳ね返してしまう自分にため息をつく日々。
笑顔が素敵な白川さんと笑顔が卑屈な町田さん。正反対の2人が、ある出来事をきっかけに仲を深めていくが、そんな2人の姿を町田さんの同期・梅本カンナ(秋元才加)は複雑な気持ちで見ていた。
果たして、白川マインドによって町田さんは笑顔になれるのか?
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第1話のレビュー
マウントや妬み、僻みをポジティブマインドで跳ね返す! 可愛く強く生きる白川さんの物語が、連続ドラマとして実写化。メンタル強めな美女・白川さんを演じるのは、2021年10月から山崎育三郎とともに「おしゃれクリップ」でMCも務める役者・井桁弘恵である。
ストレス社会を生きる全人類にとって、白川さんの名言はサプリのように効き、全身に染みわたる。
陰でこそこそ噂話をされているのを知っても、白川さんは気にしない。「受け取る必要のないストレスは、受け取らない!」から。面と向かってブス! などと言われても、白川さんにはどこ吹く風。だって「そんな失礼な人の美意識とか、信用するに値しない」から。
向けられた悪意やストレスを受け流す術を白川さんから学ぶとともに、白川マインドに染められていく同僚たちの成長姿も見られるドラマである。
第1話で焦点が当てられるのは、ぽっちゃり体型を気にする町田さん(野呂佳代)。ダイエットのためにジョギングをしたり、会社で配られるお菓子を我慢したりしようとするけれど、自分の「キャラ」を気にしてなかなか堂々と取り組めない。
いつも笑顔を絶やさないのは、白川さんも町田さんも変わらない。だけど、町田さん曰く彼女自身の笑顔は「卑屈」ーー。それに対して、白川さんの笑顔は「ウソがない」のだ。お互いに存在を気にかけるも、なかなか仲良くなれるきっかけを見つけられずにいる。
そんなある日、男性社員にジョギング姿を目撃されてしまった町田さん。翌日「身体をブルブル言わせながら走ってたから、声かけづらくって」とイジられるが、反論できない。
やっぱり、こんな自分がダイエットを頑張ったって、意味がないのだろうか……。そう落ち込んでいたところ、いきなり白川さんが町田さんに声をかけるのだ。
「よかったら、一緒に歩きませんか?」
白川さんは、体型やダイエットをネタにされている町田さんを見かけるたび、仲良くなるきっかけがないかチャンスを窺っていた。同じように町田さんも、美人で目立つ白川さんを気にしていた。白川さんによる唐突な散歩の誘いから、ふたりの交流が始まる。
会社内で配られるお菓子を”配られない”ーー通称「お菓子外し」には「慣れてますから」と、あえて騒ぎもしない白川さん。町田さんは「半分こすればカロリーが半分になるし、美味しさも半分こ」と言いながら、白川さんにお菓子を分ける。
そんな些細なふたりの交流に、心がほっこりと癒されていく。
会社帰りに1〜2駅ぶん歩いたり、お菓子を半分こし合ったり、カフェでお茶をしたりして仲を深めていく白川さんと町田さん。堂々と、可愛く強く生きる白川さんのマインドに、町田さんは少しずつ影響を受けていく。
そんな矢先、町田さんは”噂”を耳にする。それを伝えてきたのは、同僚の梅川(秋元才加)だ。
「町田さんが白川さんと一緒にいるのは、自分もチヤホヤされたいからじゃないか」「白川さんが町田さんを受け入れているのは、好感度アップのためじゃないか」などと陰口を叩かれていることを知り、町田さんはショックを受ける。
しかし、町田さんは変わった。もう前までの卑屈な町田さんではない。
噂を伝えてきた梅川に対し「私はそんなんじゃないから、ただ(白川さんから)元気をもらっていただけだから」とハッキリ伝え「私が仲良くしたい人は、自分で決めます!」と宣言してみせた。
白川マインドによって、確実にひとりの心が変わった瞬間だった。
どれだけ自分を否定的に捉えてしまっても、心に白川さんを飼っておけば、全人類ハッピーになるのではないだろうか。
もしかしたら、なんでも明るく前向きに捉える白川さんを見て「私はこんな風になれない……」とネガティブを発動させてしまう場合もあるかもしれない。
しかし、ドラマ版の白川さんは、もう少し人間味があるイメージである。悩みもするし、迷いもする。傷つくし、泣きたくなる日もある。そんな白川さんが、どうやって可愛く強く生きるマインドを身につけているのか。そんな秘密も、この先に明かされるかもしれない。
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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持ち前の愛嬌と笑顔で男性社員に人気の白川さん(井桁弘恵)は女性社員から「ぶりっ子」と妬まれてしまう。先輩社員の梅本カンナ(秋元才加)もチヤホヤされる白川さんが面白くない一人。
そんな中、同期の松井友之(庄野崎謙)に白川さんへの恋心を相談された梅本さん。実は、梅本さんは松井が好きで…。
素直になれない梅本さんは、つい白川さんに八つ当たりで嫌味を言ってしまう。しかし、白川さんの予想外の行動が梅本さんの心を動かしていく。
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第2話のレビュー
どうやら先輩社員・梅本さん(秋元才加)から嫌われている様子の白川さん(井桁弘恵)。「白川さんは桃姫さまだもんね〜」とチクッとした嫌味を言われても「桃姫さま、がんばります!」と明るく返す。
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策士なのか、天然なのか。嫌味やマウントも鮮やかに跳ねかえす白川さんの華麗さは、すぐにでも真似したくなる(なかなか難しいのだけれど……)。
梅本さんが白川さんを嫌う理由は、梅本さんが密かに想いを寄せる同期社員・松井(庄野崎謙)が、白川さんを狙っているから。白川さんの態度や思わせぶりな言葉が、松井を勘違いさせているのだと思い込んでいる。
その傍ら、松井から白川さんのことを相談される梅本さん。松井の気持ちを知っている以上、梅本さん自身は想いを伝えることもできず、ヤキモキした気持ちを募らせている。梅本さんにとって、とてつもなくつらい状況だ。白川さんに当たってしまうのも、無理もないのかもしれない……。
策士なのか、天然なのか。嫌味やマウントも鮮やかに跳ねかえす白川さんの華麗さは、すぐにでも真似したくなる(なかなか難しいのだけれど……)。
梅本さんが白川さんを嫌う理由は、梅本さんが密かに想いを寄せる同期社員・松井(庄野崎謙)が、白川さんを狙っているから。白川さんの態度や思わせぶりな言葉が、松井を勘違いさせているのだと思い込んでいる。
その傍ら、松井から白川さんのことを相談される梅本さん。松井の気持ちを知っている以上、梅本さん自身は想いを伝えることもできず、ヤキモキした気持ちを募らせている。梅本さんにとって、とてつもなくつらい状況だ。白川さんに当たってしまうのも、無理もないのかもしれない……。
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梅本さんの恋模様を描きつつ、白川さんの類稀なるメンタルの強さにも焦点を当てる2話。
「どうやら松井から好かれているようだ」と察した白川さんは、それが原因で梅本さんに嫌味を言われてしまうのだと気づく。自分の態度で勘違いをさせないよう、松井から食事に誘われても「土日はK-POPアイドルをお出迎えするために、空港に行かなきゃいけないんです!」と断り続ける白川さん。その潔さ、さらに尊敬の念が増してしまう。
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加えて筆者が感動したのは、白川さんが梅本さんのネイルを褒めるシーンだ。
松井との食事が決まった梅本さん(白川さんのことを相談したいといった理由だが)。気合を入れてネイルを塗り替えた梅本さんを見て、白川さんは素直に「普段のシンプルなネイルも素敵ですけど、明るいネイルも良いですね!」と言葉をかける。
梅本さんにとって、この言葉が”地雷”だった。
人のこと、爪の先まで見て判断してんじゃないよ! 人の見た目にあれこれ言う時点で上から目線ってことじゃない。そんなふうに、白川さんの言葉を「美人からのマウント」だと捉えてしまうのだ。
この流れだけ見てしまうと、梅本さんが相当イジワルに思えてしまうかもしれない。しかし、人類同士のマウント闘争は、そう簡単な構造ではないのである。日常を生きていて「今の本心? それともマウント?」と勘繰ってしまう場面は、捨ててもお釣りがくるほどある(筆者だけかもしれないが……)。
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梅本さんが影でそう愚痴っているのを、たまたま耳にしてしまった白川さん。白川さんとしては、単純に「そのメイク好き!」「ネイル好き!」「お肌綺麗!」と思ったから、本人に伝えただけに過ぎない。それがマウントと捉えられてしまうなんて……と意気消沈してしまう。
考えた末、白川さんはひとつの答えに行き着く。
「そうだ! ”好き”って気持ちを伝えればいいんだ!」
私はあなたのこういうところが好きですよ〜! と伝えれば、相手に対する評価にはならないはず。この観点は、筆者にとって盲点だった。人を褒めることは”上から目線”になると思っていたけれど、単純に、好きだと思ったら好きだと言えばいいのだ。
松井のことをキッパリと断った白川さんに対し、少しずつ見方を変えていく梅本さん。「あんた、私のことが怖くないの? こんな嫌味を言う先輩イヤでしょ」と言うと、白川さんは「何のことですか? 私、今を生きるタイプなので。全然思い出せないですね!」と神すぎる対応をするのだ。
いやはや。最初から最後まで、華麗すぎる白川さん!
彼女のように、学んだことは「心の美容ノート」に書きつけておきたい。きっと、1日1ページでは足りないはずだ。
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※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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月に1回のPMS。生理前の絶不調な時でも白川さん(井桁弘恵)は強く、可愛く生きている。そんないつでもポジティブな白川さんを同僚の谷口さくら(藤野涼子)は露骨に避けていた。入社当初は仲の良かった二人。「女社会に順応できない似たもの同士」だと白川さんに好意を持っていた谷口さんだが…。
さらに、谷口さんの悪意が加速してしまい、ある事件が起きる。挨拶さえも無視されてしまう白川さんが出した意外な答えとは?
第3話のレビュー
今回のテーマは「PMS」。月経前症候群と訳されるPMS、女性にとっては月一でやってくる厄介な相手である。と言いつつ、筆者も女性なのだが、実はPMSの経験は皆無。人によっては鎮痛剤が欠かせない場合もあるので、同じ女性でもその症状や強弱はさまざまだ。
そんなPMSに対しても、白川さん(井桁弘恵)はポジティブに軽やかに受け流す!
PMSに効くレシピを独自開発してノートにまとめたり、良い香りでこまめにリフレッシュしたり。白川さんいわく、香りは脳にダイレクトに届くので、良い気分転換になるのだとか。
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そんな白川さんの悩みの種は、PMSに限らない。
入社当初は仲の良かった同期社員・谷口さくら(藤野涼子)から、いつの間にか避けられるようになってしまったのだ。その避け方は、第三者から見てもあからさま。白川さんが挨拶をしても一瞥するだけで反応なし。もちろん、谷口さんの方から話しかけてくることもない。
挨拶を返されなくても「私は挨拶したいので、します!」とキッパリ言える白川さんの激つよメンタルは、なかなか真似できない。なんとかもう一度、前みたいに話せる日が来るようにと、ポジティブな白川さんはめげずに挨拶を続ける。
それに対し、谷口さんは……。どうやら、彼女なりに複雑な事情を抱えているようだ。
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入社当初から、いろいろな意味で注目の的だった白川さん。好意的な目もあれば、(主に女性から)ぶりっ子キツいよね〜と言った批判的な目も多かった。
ひとりぼっちになっていた白川さんを見かねて、最初に声をかけてあげたのが谷口さんだったのである。
二人はもっと仲良く、もしかしたら親友になれるかもしれなかった。しかし、気づいたら谷口さんの耳に聞こえてくるのは……。
「白川さんって可愛いよね」
「可愛いけど、ぶりっ子キツい」
「白川さん」
「白川さん」
そう、気づいたら周りが噂しているのは、白川さんのことばかり。近くにいる谷口さんのことなんて、誰も口にしていない。そこにいるのに、いないような孤独感を植え付けられることに、谷口さんは耐えられなくなってしまったのだ。
だからって、挨拶を無視するようなあからさまな嫌がらせをしなくても……と筆者は思ってしまう。しかし、自分が主役になれない悔しさ・歯痒さ・もどかしさは、誰しもが経験のある感情なのかもしれない。
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ちょっとした出来心から、白川さんのポーチに入っていた香水を手にとってしまう谷口さん。最終的には、ちゃんと白川さんのデスクへ返されたけれど、「一時は盗んでしまった」罪悪感はずっと谷口さんの心に残るだろう。
白川さんは常に、強く可愛くポジティブだ。
だからこそ、そう在れない人にとっては、その存在そのものが疎ましく感じられてしまう時もある。
果たして、白川さんと谷口さんは、和解できるのだろうか……?
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
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いつも笑顔で輝く白川さん(井桁弘恵)に後輩の朝比奈林檎(東野絢香)は密かに憧れを抱いていた。気弱な性格で印象の薄い自分とは正反対の白川さんになろうと慣れないファッションやメイクに挑戦してみるが上手くいかず…。コンプレックスだらけの自分を「頑張り屋さんのステキな子」と褒めてくれた白川さんに背中を押された朝比奈さん。少しずつ前向きになった朝比奈さんは白川さんのようなポジティブマインドになれるのか…?
第4話のレビュー
今回フィーチャーされるのは、新入社員・朝比奈林檎(東野絢香)。存在感が薄く声も小さい彼女は、社内でも上手く立ち回れず、取引先にも名前を覚えてもらえないことに悩んでいた。
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挨拶も満足に返してもらえず、仕事でわからないことがあって声を上げても、誰にも気づいてもらえない……。ああ、新入社員だった頃を思い出して、つらくなる。親切な先輩や上司もいたけれど、それ以上に、自分の不甲斐なさに打ちのめされるのだ。すごくすごく、気持ちがわかる。
朝比奈さんは思う。「白川さんみたいになれたら……」と。挨拶を無視されても何のその、白川さん流の仕事術で日々を明るく楽しく乗り切っている様子は、ダークサイドにいる側からすると、眩しく見えて仕方がないのだろう。
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白川さんのすごいところは、相手の良いところや素敵なところを見つけ、躊躇いなく伝えられるところだ。普通なら照れくさいことを、平気でやってのけてしまう。
朝比奈さんに対しても「難しい資料なのに、ここまでは一人でできたんだね、すごいよ!」「もっとみんなに朝比奈さんが素敵な子だってことを知ってほしいな」など、自己肯定感を上げてくれるワードを連発。
少しずつ、朝比奈さんの気持ちも変化していく。
ハキハキとものが言えず「もっと大きい声で!」と叱られていたけれど、大きい声で挨拶ができるようになった。
ダメな社員だと思われたくなくて仕事を抱えていたけれど、わからないところは「わからない」と言えるようになった。
白川さんみたいになろうとすべてを真似るのではなく、良いところを取り入れて自分らしくいようと思えるようになった。
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白川さんもすごいけれど、変わろうと思って実行した朝比奈さんもすごい。彼女が変わったことで、後輩への接し方に悩んでいた梅本さん(秋元才加)も少しずつ変わってきている。まだまだ感情表現は苦手なようだけれど……。
次回は、佐藤龍我演じる倉橋くんのフィーチャー回! さまざまな意味で世間の話題にのぼっている、セクハラ・パワハラ問題に喝をいれる内容のよう。今から楽しみだ。
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
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白川さん(井桁弘恵)の後輩で新入社員の倉橋和樹(佐藤龍我)が甘いものが大好きなスイーツ男子。ある日、先輩社員から食事会に誘われるが、話題が合わない倉橋くんは、自分は空気が読めないのでは…と悩んでしまう。大人数でワイワイ話すのが苦手な倉橋くんは部署の懇親会への参加を求められるが……。
一方、白川さんはセクハラが嫌で会社の集まりには参加しないという。白川さんが大切にしている「自分らしさ」とは何か? 倉橋くんは一歩踏み出すことができるのか?
第5話のレビュー
佐藤龍我演じるスイーツ男子・倉橋くんが今回の主役。営業の仕事をバリバリ頑張っている新入社員だが、どうやら仕事のことで少し悩んでいる様子。
営業のノリについていけなかったり、先輩たちと飲みに行っても空気を読めない発言ばかりしてしまったり。甘いものが大好きで、仕事終わりにお笑い番組を見るのが楽しみな倉橋くんにとって、お酒や女性のことばかりで盛り上がる体育会系なノリは苦手なようだ。
以前、白川さん(井桁弘恵)のことを狙っていた松井(庄野崎 謙)が倉橋くんの直属の上司である。この松井、決して悪い人間ではないのだが……ことあるごとに「男なんだから」「営業たるもの〜」といった発言が目立つ。
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梅本さん(秋元才加)にも「令和の時代にそれはどうなの?」と突っ込まれているが、松井はどこふく風。営業として顔を売るのも大事だし、話題についていけなくて困るのは倉橋だ、の一点張りだ。
男だから、女だから、と性別を基準に物事を判断するのを「ジェンダーハラスメント(=ジェンハラ)」というらしい。
こうやって名前がつくと「過去のあれもジェンハラか?」と振り返られる。しかし、日常生活にはジェンハラすれすれの言動が溢れすぎているため、常にセンサーを働かせるのは不可能と言っていいのではないか。
男だけど甘いものが好き、お酒や女性の話を面白いとは思えない。そんな自分はおかしいのだろうか……と一人で悩んでいる倉橋くんのような人は、時代が令和になってもまだまだいることだろう。ハラスメントに悩むのは女性だけとは限らない。
そんな倉橋くんに対し、白川さん(井桁弘恵)は持ち前のポジティブマインドで受け答えする!
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「男だからとか女だからとか、関係ないよ」「倉橋くんが何を好きでも何を苦手でも、自由なんだよ」と元気付ける言葉は、倉橋くんを通して、画面のこちら側にいる私たちにも届く。
そう、本来は、何が好きで何が苦手だって、いいはずだ。
筆者も、アニメや漫画が好きだった幼少期、女の子なのに「リカちゃん人形」や「魔法のコンパクト」ではなく「変身ベルト」や「勇者の剣」を欲しがっていた。戦隊モノのテレビ番組を好んでよく見ていた。
「女の子なのに」と言われることに、子供ながらに違和感を持っていたのだ。
仕事上、付き合いも大切なのはよくわかる。でもそれは、自分らしさを殺していい理由にはならない。
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自分らしくありながら、仕事でも無理をしない。そんな生き方ができるはず。これまで苦労してきた”先人たち”の我慢の上に、さらに我慢を上乗せするのではなく、これからは積まれた我慢を取り外していきたい。
倉橋くんも、白川さんたちの言葉を受けて、勇気を出して松井と向き合った。きっとこの先も違和感にぶち当たる機会はあるだろう。しかし、自分らしくありたいと決めた彼なら、今後も迷うことはないはず。そんな勇気をもらえる回だった。
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
周囲のヒガミや妬みもポジティブに跳ね返すメンタル強めな白川さん(井桁弘恵)。そんな白川さんでも強く楽しく可愛く!…生きられない日だってある。
ある日、上司の東郷賢吾(柏原収史)と白川さんの間に不倫疑惑が!いつものように跳ね返す白川さんだが、あることをきっかけにいじめの記憶が蘇るようになり…。
そんな白川さんを守るべく梅本カンナ(秋元才加)が、噂する女子社員の前に立ちはだかり…。果たして、白川さんは乗り越えることができるのか?
第6話のレビュー
「ぶりっ子!」と陰口を叩かれても、ポジティブに跳ね返すメンタル強めな白川さん(井桁弘恵)。しかし、彼女も元から強いメンタルだったわけではない。学生の頃は、つらい陰口や嫌がらせに悩まされていた。
美人で愛想も良い白川さんは、とにかく同性から反感を買いやすい。クラスのリーダー格である女子から「白川桃乃をシカトするときは、先生がいないところでね〜!」などと言われたり、お弁当を捨てられたりなど、嫌がらせなんて言葉では収められない仕打ちを受けていた。
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お母さんが早起きして作ってくれたお弁当を”捨てさせないために”、こっそりお手洗いに隠れて食べる白川さん。「こんなところで食べてごめんね」と言いながら食事をする彼女の姿が、なんとも痛ましい。
当時のつらい経験があるからこそ、白川さんは、自分の心を守るための術をたくさん身につけたのだ。
人になんと言われようと気にしない。みんなはみんな、自分は自分! 上司と不倫してるらしい、なんて根も葉もない噂を立てられても、どれだけ陰口を言われても、社内報に載った自分の顔に落書きをされていても、白川さんはどこ吹く風だ。
「あの頃に比べたら、こんなの全然、なんてことない」ーーそんな風にポジティブマインドで生きる白川さん。しかし、その様子を見て心配する人たちもいる。先輩である梅本さん(秋元才加)が、その筆頭だ。
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陰口を言われても気にしない、仲良くしたい人は自分で決める! と、ある意味、頑なな姿勢を崩そうとしない白川さん。そんな彼女を見て「そうやってきたから、ぼっち飯になっちゃってるんじゃないの?」と梅本さんは忠告するのだ。
確かに、白川さんの姿勢は少々頑固に見えなくもない。
元はと言えば、陰でコソコソ噂話をしたり、挨拶を無視したりするような側が良くないのだが……。白川さん自身が言うように「もう少しカーテンを開けてみれば」、何かが変わるかもしれないのだ。
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いつだって元気で前向きで可愛く強い白川さん。梅本さんたちの話を聞いて、一歩を踏み出して見せた。不倫疑惑にまつわる噂を嬉々として流す女性社員たちに対し「みんなが噂してるって言いますけど、そのみんなって誰のことですか?」「一人一人まわって誤解をとけば、確実かなって!」と言ってのけた。
現実世界ではなかなか勇気がいる言葉だが、何を言われてもスルーを貫いていた白川さんからしたら、結構な歩み寄りである。
これを機に、白川さんは「仲良くしたい人と一緒にいられる時間」の大切さを、改めて噛み締めることになった。このシーンの井桁弘恵の演技が、とくに素晴らしい。言いたいことを言っていたら、自然と涙が込み上げてきた……といった感じで、こちらももらい泣きしてしまいそうになる。
白川さんは、強い。けれど、元から強かったわけではない。
つらい過去を乗り越え、優しい仲間に囲まれているからこそ、白川さんは白川さんでいられるのだ。
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
メンタル強めな美女白川さん(井桁弘恵)は年齢を重ねることを恐れていない。そんなある日、社員たちが一点を見つめて見惚れている。現れたのは、メイクや姿勢、佇まいが完璧な美女、羽柴美雪(遊井亮子)。
しかし、なぜ誰もが憧れる美女、羽柴さんが本社から異動してきたのか…。
そんな中、梅本カンナ(秋元才加)が羽柴さんの本社時代の噂を聞いてしまう。次第に、羽柴さんの本性が現れ、女性社員たちは振り回されていく…。
第7話のレビュー
本社から移ってきた羽柴さん(遊井亮子)に、部署の男性陣はもちろん、白川さん(井桁弘恵)も釘付け。男女ともに惹きつけて離さない佇まい、所作、品格ーー羽柴さんの魅力に「私もああいう人になりたい!」と憧れを募らせる白川さんは、今日も強く可愛く生きている。
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白川さんのことをよく思わない部署の女性陣は、ここぞとばかりに羽柴さんを褒め称えるが……。白川さん自身も「私が男性だったら、ああいう人にメロメロになっちゃいます!」と言っているのを聞くや否や、とたんに羽柴さんに矛先を向け始める。
さっきまで羽柴さんのことを褒めていたのに、いきなり「あのスーツは気合入りすぎでしょ」などと陰口を言う女性陣……。これはまさにリバーシブルトーク。梅本さん(秋元才加)が言う「リバーシブルマウントお化け」といった名付けが、ピッタリである。
41歳の羽柴さんは、年齢を感じさせない。肌も髪もキレイで、身のこなしもしなやかだ。
20代の頃からコラーゲンサプリを摂取し、有機野菜のスムージーや海外製のプロテインを愛飲している。基本的に甘いものは食べず、どうしても困ったときは美容医療頼みだという。
梅本さんが「ああいう人を見ると凹む、自分が40歳を超えたらどうなってるんだろう」と悩む気持ちも、わかる気がする。年齢を重ねるのは止められないけれど、せめて年相応にキレイでいたい願望は、人類共通ではないだろうか。
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「40歳になった梅本さんは、もっと素敵になってますよ!」と言える白川さん、さすが。「コツコツと、今の自分にできることをする。美に競争は持ち込まないタイプなので!」と割り切れたら、どんなに楽だろう……!
白川さんの眩しさに目を細めつつも、いつか心からそう思える日がくればいいな、と思わせてくれるから不思議だ。
そんな羽柴さんについての、とある噂を聞いてしまった梅本さん。本社から異動してきた理由について「何かにおう」と勘繰っていた梅本さんは、予感的中だとばかりに白川さんたちに報告する。
その噂とは、羽柴さんに付いたあだ名「上から猛毒ヘビ女」だ。
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第一印象はすこぶる良いにも関わらず、少し関係が深まってくると、美についてのマウントやアドバイスが止まらなくなるのだという。いち早くその標的になってしまったのが、林檎ちゃん(東野絢香)だ。
林檎ちゃんの癖毛を見るや否や「ストレートパーマをかけたら一発よ」と美容室を紹介する羽柴さん。それだけならまだしも、林檎ちゃんの”頬の赤み”についても言及。レーザーで消してみたら? と美容クリニックを紹介しようとさえしてくる。
「どこか一箇所だけ綺麗になっても、他のアラが目立つだけなんですね」と落ち込む林檎ちゃんに、白川さんは「軽い気持ちでやかれたお節介は、軽くスルーしていいってルールがあるんだよ」と励ますが……。なかなかいつものように元気になってはくれない。
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羽柴さんにまつわる噂を聞いて「人のフィルターよりも、自分の心と視力が大事」と言っていた白川さんも、だんだん垣間見える羽柴さんの本性を見るにつれ、モヤモヤが増してきて……。
ついに「みんな人それぞれ、綺麗になる手段も努力も違うだけなんです」「羽柴さんは、何に怯えてるんですか?」と口に出してしまった。
一触即発状態の、白川さんと羽柴さん。これまで1話完結だった本ドラマだが、初めて次週に持ち越しとなった。
おそらく羽柴さんにも、根深く残ったトラウマがあるに違いない。そんな彼女が白川さんの言葉を正面から聞いても、なかなか受け入れられないだろう。
2人が相容れる瞬間は訪れるのだろうか?
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
メンタル強めな美女・白川さん(井桁弘恵)…の上をいく、メンタル最強美女・羽柴美雪(遊井亮子)は、女性社員に美のアドバイスをして回っていた。羽柴さんの毒牙にかかった社員たちは萎縮してしまい、白川さんのアドバイスで前向きになった朝比奈林檎(東野絢香)もすっかり萎縮してしまう。
そんな羽柴さんは「負けるわけにはいかない」といつも何かと闘っていて……彼女の闇が明らかに。果たして白川さんは羽柴さんの呪いを解くことができるのか?
第8話のレビュー
美容に関する上から目線のアドバイスを疎まれ、避けられに避けられまくっている羽柴さん(遊井亮子)。なにせ、本社時代についた彼女のあだ名は「上から猛毒ヘビ女」である。髪型や肌のことをアレコレ言われてしまった朝比奈さん(東野絢香)も、すっかり萎縮してしまった。
「私は羽柴さんや白川さん(井桁弘恵)みたいに、美人じゃないし……。コスメとか買っても、もったいないっていうか」なんて言ってしまう朝比奈さん。悲しい。悲しすぎる。これは白川さんじゃなくとも、思わず慰めたくなってしまう。
白川さんが思うに、羽柴さんは「何か」と戦っているようだ。「悪意」や「自分」ではなく、もっと別の何かと……。
彼女はいったい、何と戦っているのだろうか?
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
他人にアドバイスしたくなる心理は、複雑である。
「自分はこんなに頑張ってるのに!」と歯痒く思う気持ちから。「もっとこうすれば良くなるよ?」といった親切心から。なかには、てんで的外れなアドバイスをして、相手を陥れようとする人もいるかもしれない(いないと信じたいけれど……)。
羽柴さん自身、外見について言われのない”アドバイス”をぶつけられてきた過去がある。
ニキビだらけの肌、剛毛、垢抜けない自分。
「眉毛の手入れしないの? 真面目〜!」
「羽柴さんの髪、すっごい剛毛!」
そんな悪意が羽柴さんの心に積み重なっていき、そのせいで、彼女は縛られた。呪いにかけられたのだ。彼女なりにお金と時間をかけ、美を手に入れてきた。常に自身をアップデートしてきたのだ。
そうやって手に入れた、羽柴さんだけの魅力を、誰にも否定はできない。
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羽柴さんが「負けたくない」と強く願うのは、あの頃、人の気持ちを考えず言いたい放題に悪意をぶつけてきた”アイツら”なのかもしれない。
そして、まんまと呪いにかかり、がむしゃらに美しさを追求してきた”自分自身”なのかもしれない。
呪いをかけられているのは、羽柴さんだけではない。このドラマを見ている視聴者のなかにだって、解けない呪いを抱えている方はたくさんいるはず。
あの頃に戻って、言い返してやれたらどんなにいいだろう。しかし、それはかなわない。それならせめて、自分で自分を否定しないであげる。自分の頑張りを認め、呪いから解放してあげる。
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
白川さんに対し「自分勝手で気持ち悪い正論を押し付けないで!」と頑なだった羽柴さん。しかし、彼女も白川さんと接することで、少しずつ、考えや態度を改め始めている。
すぐに笑顔満点! とはいかないけれど「ビールを飲むなら枝豆と一緒に。肝臓の働きを助けてくれるから。美は内蔵からよ」と、アドバイスの質も変わってきた。
綺麗になろうと思う気持ちも、綺麗で居続けたいと願うのも、みんなに認められた自由のカタチ。
昨日の自分よりも、ほんの少しだけ頑張れたらいい。明日が来るのが、少しだけ楽しみになる回だった。
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第9話ストーリー&レビュー}–
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
白川さん(井桁弘恵)の先輩・町田杏花(野呂佳代)は、最近心の中で、小さな白川さんを育ててる。そんな町田さんを見習って梅本カンナ(秋元才加)もポジティブマインドになろうと決意。
しかしある日、独身の梅本さんは既婚の社員にマウントを取られたと感じ……卑屈な心と戦っていた。そんな中、産休に入る女性社員の幸せそうな姿に、またもや僻んでしまい……。
いったい、梅本さんは白川さんマインドになることができるのか? 白川さんが考える「幸せ」とは?
第9話のレビュー
20代後半から30代の女性にとって、結婚・妊娠・出産の話題は付き物かつデリケートだ。もちろん男性にとっても欠かせない話題かもしれないけれど、女性が受ける「社会からの圧」はとんでもない。下手したら「結婚しないなんて変わり者」くらいの扱いを受けることもある。
白川さん(井桁弘恵)や梅本さん(秋元才加)たちが作中で話している「女はクリスマスケーキ理論」も、それを象徴した言葉だろう。
女は売れ残ったら終わり、くらいのイメージで捉えている方も多いだろうが、この言葉の本意は「25日(25歳)を過ぎたら賞味期限切れ」だというのだから……。なんと世知辛い。いまなら炎上してもおかしくない表現である。
そんな社会からの圧と、自身の「結婚したい願望」に潰されそうになっているのが、梅本さんだ。
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
高給取りの旦那をゲットし、結婚を機にマンションを購入、不妊治療のすえ無事に懐妊したアラサーの後輩が育休に入ると知った梅本さん。もう少しで嫉妬に変わりそうな”羨ましさ”と”自分も早く結婚したい欲”がない混ぜになり、爆発寸前になっている。
シンプルに、人の幸せを素直に喜べない自分に対しても、イライラしているのだろう。
今回の例に限らず、大きな幸せを手にした人(または、そのように見える人)を目にするたびに、複雑な気持ちを覚えるケースは多いかもしれない。
よくよく考えれば、その人が幸せになったからといって、自分が不幸になることはないのだけれど。世の中には、幸福と不幸の帳尻を合わせる天秤のようなものがあるのではないかと、どうしても考えてしまう。
たまらなくなった梅本さんは、白川さんを問い詰める。
「あんただって、幸福を手にした相手を羨ましいと思うことくらいあるでしょ?」と。
それに対して白川さんは、こう答えるのだ。
「そういうときは、忍法を使います。忍法・自我消滅!」
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
幸せそうな人を見て「羨ましい」と思うのは、自分のフィルターを通して相手を見ているから。
自分のフィルターを通すと、どうしても、自分の状況と相手を比べてしまう。落ち込んだり羨ましいと思ったりするメカニズムは、大体が「自分との比較」によって起こるのである。
そこで、自我を消し、シンプルに相手だけを見る。
結婚し、出産する相手に対しては「おめでたい!」。
出世した相手に対しては「やったね!」。
受験や資格に合格した相手には「頑張ったね!」。
そうすれば、自分の状況と相手を比較したことによって生まれる「嫉妬」や「羨ましさ」は消え、単純に祝福したい気持ちだけが残るのだ。
……まあ、とはいえ、作中でも梅本さんが言っていたように「そんな仏のような悟り」は、なかなか開けないのだけれど。それでも、訓練する価値は十分にある。
人に対し「羨ましい!」気持ちが募り、それがモヤモヤの種になっているあなたへ。
白川さん直伝の忍法・自我消滅を、ぜひ今日から実践してみてはどうだろう?
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第10話ストーリー&レビュー}–
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
マウントという単語がこの世に浸透しウン10年…。日々巧妙に進化しているマウント。誰もがイラッとしてしまう言葉を、白川さん(井桁弘恵)は感謝ではねのけてしまう。そんな、誰にでもいい子ちゃんの白川さんだが、高校時代に姫子(黒木ひかり)にいじめられていた過去がある。さらに同期の谷口さくら(藤野涼子)からは露骨に無視をされ続けており…。それでもなぜ、白川さんはポジティブな白川マインドを持ち続けるのか…?
第10話のレビュー
冒頭から梅本さん(秋元才加)が朗々と「マウントは日々、巧妙に進化しています!」と演説を始める。それを聞きながら、確かに……と頷いてしまったのは、私だけではないはずだ。
明らかにマウントだとわかるものから、後になって振り返ってみると「もしやあれはマウントだったのか……?」と気づくものまで、まさにその種類はさまざま。
作中で紹介されている、靴の値段についてのマウントなんて可愛いもの。悩み相談にマウントと自慢を織り交ぜた代物まで出てくるのだから、マウント博物館のバリエーションは多岐にわたる。
今日も強く可愛く生きる白川さん(井桁弘恵)は、マウントだって笑顔と感謝ではねのけてしまう。……しかし、もちろん白川さんだって、生まれた頃から「白川マインド」を身につけていたわけではない。
自分で自分の心を守るため、くらい過去に蓋をしてしまう夜だってあるのだ。
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
学生時代に”イジメ”を受けていた白川さんのエピソードは、第6話にて描かれている。「悪口を言わない良い子ちゃん」とクラスのヒエラルキー頂点女子に目をつけられ、お弁当を捨てられてしまうなど、かなり過酷な目に遭っていた白川さん。少しずつ白川マインドを身につけてきた背景には、つらい過去があるようだ。
そんな白川さんの趣味は、なんと「ほめ活」!
社内の人の可愛い服やメイク、ネイルや肌の綺麗さを褒めるのはもちろん、飲食店のアンケートなどにお礼のメッセージを書いたり、企業へ感謝のメールを送ったりする白川さん。
梅本さんが「あれってクレームを書くためのものじゃないの?」と言っていて、少し笑ってしまった。確かに、わざわざお礼のメッセージを書いている人は少数派だろう。
1. 0円でできる!
2. 褒められた人ハッピー!
3. 褒めた人もハッピー!
確かに、なんだか大変そうではあるけれど、やることはシンプルだしみんながハッピーになれそうだ。巧妙なマウントに、笑顔と感謝と褒めで返せるようになれば、マウントなんて関係のない世界線に行けるのかもしれない。
そんなポジティブマインドな白川さん。これまでいろいろな人のメンタルに向き合ってきたけれど、唯一”解決”できていない人物がひとり。そう、谷口さん(藤野涼子)だ。
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
白川さんが挨拶をしても、相変わらずガン無視する谷口さん。
どうやら、白川さんだけが優遇されている(ように見える)現状に、どうしても満足がいかないようだ。白川さんがあらゆる面で認められているのは、彼女の努力あってこそのこと。それに、白川さんにだって眠れない夜があることを、谷口さんは想像できていないのかもしれない。
誰しも、ないものねだりをしてしまう。
隣の芝生だって、青く見えてしまう。
谷口さんが救われる日は、いつやってくるのだろうか?
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第11話ストーリー&レビュー}–
第11話ストーリー&レビュー
第11話のストーリー
どんな時でも挨拶は必ずするという白川さん(井桁弘恵)だが、同期の谷口さくら(藤野涼子)に無視をされ続けていた。ある日、白川さんの出した提案書が採用され、メインで働くことに。みんなに応援される白川さんを谷口さんは妬んでいた。
そんな中、取引先から預かっていた重要な資料を紛失してしまう。必死に探す白川さんだったが見つからず、盗まれたのでは?と言う疑惑も生じ始め…。昔は仲の良かった同期2人の間に、一体何があったのか!?
第11話のレビュー
今日も強く可愛く生きている白川さん(井桁弘恵)だが、そのメンタル崩壊の危機が訪れている。原因は、仲違いしたままになっている谷口さん(藤野涼子)だ。
仲違いといっても、谷口さんが一方的に白川さんを避けているだけ。同期のふたりは、最初こそお互いを励まし合う間柄だったものの、一度離れ始めた距離を近づけることはできていない。原因のひとつは、谷口さんによる”嫉妬”である。
「私たちが一人一人違うのは、助け合うため」と白川さんは言う。しかし、谷口さんにとっては受け入れ難い考え方なのだろう。白川さんが周りからチヤホヤされたり、仕事で認められたりするたびに、深まっていく妬みの気持ち。もはや、谷口さん自身にも止められない。
ふたりが「仲の良い同期」に戻れる日は、来るのだろうか?
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
白川さんが提案した企画書がとおったことで、谷口さんのモヤモヤはさらに増してしまう。白川さんの仕事が上手くいったからといって、谷口さんが損をするわけではないはず。
谷口さんが、幸せそうな白川さんを見て「ずるい」と思ってしまうのは、なぜなのだろう。
時を同じくして、朝比奈さん(東野絢香)もモヤモヤを募らせていた。彼女も彼女で、要領よく立ち回る同期たちを見て「自分が損をしている気がする」と悩み始める。
「少しはずる賢く生きた方がいいのか?」と逡巡する朝比奈さんに、白川さんは告げる。
「ずるいのは美しくない。私たちには必要ないもの」
「ずる賢く立ち回って得たものは、玉手箱の中身と同じ。消えちゃうものより、一生残る財産が欲しい」
なんと神々しい美学! それを聞いた朝比奈さんもスッキリしたようだ。素直な彼女はスポンジのように考えを柔軟に受け入れるが……同じことを谷口さんが聞いたとしたら、どうだろう。
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
企画書がとおり、重要な仕事を任されることになった白川さん。彼女への嫉妬がピークに達した谷口さんは、白川さんが大切に保管していた他社の重要資料を盗み出してしまう。
谷口さん、それだけはしちゃダメだ……! 全視聴者がそう思ったことだろう。そもそも、いくら嫌いな相手だからといって、社会人が挨拶をわざと無視するのも論外ではないだろうか。
決定的なことをしてしまった谷口さん。ついに、あれだけめげずに谷口さんへ挨拶をしていた白川さんも、心が折れてしまったようである。谷口さんの横を無言で通り過ぎていく白川さんーー名付けて、白川さんのメンタル崩壊事件だ。
どう考えても白川さんに落ち度はない。これからどれだけ谷口さんが心を配っても、仲を復旧するのは至難の業に思える。
次回、最終回。果たして、白川さんの笑顔は戻ってくるのだろうか?
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{第12話ストーリー&レビュー}–
第12話ストーリー&レビュー
第12話のストーリー
「自分がされて嫌なことはしない」白川さん(井桁弘恵)だが…、同期の谷口さくら(藤野涼子)に嫌な態度をとってしまい、うまく笑えなくなっていた。そんな中、自分の知らないところで谷口さんがフォローしてくれていたことを知る。
そこで、改めて今まで書き留めていたノートを読み返すと、新人の頃に谷口さんから言われた「未来の自分の為に」の文字が…。一体、白川さんと谷口さんの仲はいかに…? そして白川さんの笑顔は取り戻せるのか!? ついに最終回!
第12話のレビュー
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
前回、谷口さん(藤野涼子)に冷たい態度をとってしまった白川さん(井桁弘恵)。「自分がされて嫌なことはしない」をモットーにしてきた彼女にとって、これは異例すぎること。案の定、自分らしくない行動に対して後悔を隠せないでいる。
……筆者としては、あそこまで頑なに挨拶を無視し、大切な資料まで盗んだ相手を許す必要はないのでは? と思ってしまう。しかし、白川さんの考え方は違うのだ。どうにか谷口さんと歩み寄れないか……と思案する日々が続く。
谷口さんも谷口さんで、悩んでいた。盗ってしまった資料をどうしたらいいか、持て余していたのだ。そんなとき、すでに「資料を盗ったのは谷口さん」と承知していた上司と、二人で話す機会が訪れる。
「谷口さんなら、その資料をどうしたらいいか、わかってるはずだよ」とさりげなく促す上司の優しさ、そして「こっそり残業をするのはよくないよ」と谷口さんの頑張りを認めるスマートさが感じられた。
上司の言葉に背中を押されたのか、ようやく谷口さんは白川さんへ資料を返却。このとき、ついに最後まで谷口さんから謝罪の言葉を聞けなかったのが、惜しいと思ってしまう。けれど、ぽっかりと穴が空いたような二人の間に、歩み寄る”余白”が生まれたのは確かだ。
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
白川さんは、自分の”心の美容ノート”を読み返した。
そこには、入社した当時、谷口さんからもらった言葉が書かれていた。
「真面目にいこう。それは、未来の自分のためになる」
私は私のままでいいんだ、と思うきっかけになった言葉を、あらためて味わい直した白川さん。学生時代のつらい思い出や社内で叩かれる陰口に、めげそうになった日もあった。それでも頑張ってこられたのは、この言葉を胸にしまっていたからかもしれない。
悪意は急にはなくならない。
だけど、自分を好きでいてくれる人、心を寄せてくれる人はいる。
Ⓒ「メンタル強め美女白川さん」製作委員会
大切な人たちのために、そして、未来の自分のために。悪意に押しつぶされず、自分らしく頑張る心構えを、谷口さんは教えてくれていたのだ。
白川さんと谷口さんは、元の仲良し同期に戻れたわけではない。けれど、あれだけ頑なに無視していた「おはよう」の挨拶が、やっと返ってくるようになった。
自分の視点を少しズラしてみるだけで、世界の見え方は変わってくるかもしれない。
そんな”人生を楽しむコツ”を、強く可愛く生きる白川さんに教えてもらえるドラマだった。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「メンタル強め美女白川さん」の各話を1つにまとめたものです。
–{「メンタル強め美女白川さん」作品情報}–
「メンタル強め美女白川さん」作品情報
出演
井桁弘恵
野呂佳代
秋元才加
原作
獅子『メンタル強め美女白川さん』(KADOKAWA刊)
脚本
狗飼恭子、下田悠子
監督
池田千尋
ナレーション
小林星蘭
音楽
羽深由理
オープニングテーマ
こはならむ「私の幸せは私が決めるの!」(avex trax)
エンディングテーマ
Anna「私の道」(UNIVERSAL J)
チーフプロデューサー
山鹿達也(テレビ東京)
プロデューサー
木下真梨子(テレビ東京)、鈴木麻央、藤掛匡史
制作
テレビ東京、テレビ東京制作
製作著作
「メンタル強め美女白川さん」製作委員会