株式会社ポインティが運営する、「誰もが登場人物になったかもしれない、誰かの性愛にまつわる体験談」を投稿するサービス「純猥談」。
体験談を元にした原作をYP監督が映像化した短編映画シリーズ「触れた、だけだった。」「私たちの過ごした8年間は何だったんだろうね」「私もただの女の子なんだ」に続いて、第4弾「いつか回り回って恋人に戻れたら幸せです」が5月7日に公開された。
ヒロインを務めるのは、ポートレートモデル出身で近年は女優としての活動も精力的に行う雪見みと。そんな雪見と、再生回数1,100万超えを記録し、YouTubeドラマの代表格となっている「触れた、だけだった。」の第1弾ヒロイン・まつきりなの、新旧ヒロイン対談が実現した。
新旧ヒロインが語る、ヒロイン抜擢
――まつきさんの「純猥談」初代ヒロインに続き、同事務所の雪見さんが第4弾ヒロインを務められることに。お話があった際、率直にどう思われましたか?
雪見みと(以下、雪見):一作目にまつきさんが出ていたこともあり、全シリーズ見ていてすごく好きな作品だったので、本当に嬉しかったです! 「純猥談」というコンテンツを一番最初に大きくしてくれたのがまつきさんの作品だったと思うので、そこからさらに発展した第4弾のヒロインとして出させてもらえることはとても光栄です。
――まつきさんとしても、雪見さんが「純猥談」ヒロインを演じられること、感慨深いものがあったのではないかと思います。いかがでしたか?
まつきりな(以下、まつき):いやーもう本当に! 後輩が選ばれるってことはやっぱり嬉しいですね!
新旧ヒロインが語る、”強さ”の定義
――「純猥談」のヒロインは全員”強さ”という共通点を持っているように思います。お二人はそれぞれ、自分自身がどんな強さを持っていると思いますか?
雪見:「純猥談」のヒロインもそうですが、私自身、軸がしっかりしていることが強さなのかなと思っていて。私の場合は”仕事を一番大事にする”という軸に従って物事の取捨選択しているのですが、「純猥談」のヒロインも”今大切にしたいもの”という軸があるからこそ別れという決断ができたんじゃないかなと思います。
――雪見さんとヒロインには”軸”という共通点があるんですね。まつきさんはどうですか?
まつき:年を重ねるごとに、自分の弱さって見せられた方がいいんだなということに最近気付きまして。口では大きいことや強いことを言えるんですけど、本当に私は生活力もなければ賢くもないので……。ダメなところをもうちょっと言っていかなきゃな〜と思いながらも、SNSでは”強い女性ブランディング”をしちゃってます(笑)。
――InstagramのストーリーズやYouTubeなどでされている恋愛相談コーナーの回答も強いと言うか、スパッとぶった切ってて気持ちいいですもんね。男に媚びるんじゃないぞ!みたいな(笑)。
まつき:多分、自分に言い聞かせてる部分もあるんですよね。みんなに言ってる感じだけど、そうあらなきゃダメだよって。
雪見:そうだったんだ(笑)!!
――雪見さんは軸としての強さが備わっていて、まつきさんはあるにはあるけどあえて公言することで頑張ってるってところも実はあるんですね。
まつき:そうですね。質問コーナーをしてるのも、家で一人でじっとしたくないし寂しいからやってるというだけなんですよ(笑)。みんなに自己肯定感を上げてもらおう、と。
新旧ヒロインが語る、赤裸々な恋愛観
――「純猥談」ヒロインのように、お二人にとって”忘れられない男性”はいますか?
雪見:今回の作品の初恋の”彼”みたいに特定の人はいないですね。過去にかかわってくれた人みんなのことをちゃんと覚えてるけど、もう一度会いたい、忘れられなくてつらい、みたいなことはあんまりないですね。
――全部過去の思い出として存在してるんですね。まつきさんは?
まつき:忘れられない人になるまでの恋をしたことがない。浅い恋愛しかしてないです(笑)。恋愛体質な方がうらやましいですね、すごく。
雪見:めっちゃ好きだったなーみたいな人もいないですか?
まつき:いやー! いつも冷静になっちゃうんだよね。「あ、こんな考えてんのやべぇわ」って(笑)。恋愛の気持ちに浸っておいたほうがいいかなと妄想を膨らまして音楽を聞いたりするんですけど、それに当てはまる人が今まではいないですね。
――わりと自分のことを客観的に見られてるんですね。
まつき:客観的に見すぎてうまく恋愛できてないことがコンプレックスです(笑)。
雪見:盲目になる、みたいなこともないんですか?
まつき:なりたいよー! そんなことができたらその人と結婚します(笑)!
――今作の漫画の冒頭に”「女の恋愛は上書き保存」なんて嘘だ”という台詞がありますが、お話を伺っている限り雪見さんはフォルダ保存派なんですかね?
まつき:男っぽいのかもね、意外と!
雪見:そうかもしれないです、こう見えて。どう見えてるかわかんないですけど(笑)。
――お二人が思う”魅力的な男性”ってどんな方ですか?
まつき:どんな職業でもいいんですけど、自分のやってる仕事に対してキラキラ楽しそうに話してる人がめちゃめちゃ好きです。お金や職種で選んでるんじゃなくて、その仕事をしている自分が楽しい!みたいな人が大好き。
雪見:笑顔が多い人が好きですね。まつきさんと少し似てるけど、楽しそうにしてる人、笑顔が多い人って魅力的に見えるし、一緒にいて幸せになれるなって。あとは、周りを見られる人。細かい気配りができる方は素敵だなと感じます。
–{新旧ヒロインが語る、ここでしか聞けない裏話}–
新旧ヒロインが語る、ここでしか聞けない裏話
――近年お芝居にも積極的にチャレンジされている雪見さんですが、今回ヒロインを演じるにあたり、苦労したことや悩んだこと、裏話などはありますか?
まつき:キスシーン、あったんだよね?
雪見:4回くらいありました(笑)。
まつき:4回!? うわーすごー! 見たい! 映像では初めて?
雪見:初ですね……!
まつき:うわー、聞きたい! どうなのキスシーンって? 私したことない!
雪見:あ、「純猥談」のときって、してなかったんですか?
まつき:私のときはしてない! 耳ハムはされたけど(笑)。
――え、でも耳ハムのほうがエロくないですか(笑)?
まつき:まじで耳弱いから、あれ正面から撮ってたらやばかったです(笑)。
――雪見さん、キスシーンはどうでしたか?
雪見:事前にわかってるじゃないですか、そういうシーンがあるって。数日前から食べるものとかめっちゃ気遣いました(笑)。キスシーンの直前に一斉に歯磨きしたり、やたらタブレット食べたり(笑)。
まつき:やっぱそうなるんだ! え、緊張はした?
雪見:キス自体に緊張するというよりかは、高校生の”私”がファーストキスという設定だったので、そのことに緊張しましたね。そのほかのキスは緊張しなかったです(笑)。
まつき:すごい! 女優だわ。
雪見:いやいや全然……! 現場の空気感がすごくやりやすかったんです! 監督のYPさんが、キスシーンを撮った直後の声掛けで、普通のテンションでの「はいOK」じゃなくて「おっけーーーーーい!」ってめっちゃテンション高く締めるんですよ(笑)。
まつき:たしかに私のときもそんな感じだったわ! テンションめっちゃ上げるよね!
雪見:センシティブなシーンだからこそ、現場をみんなで盛り上げるっていう空気があったので、緊張せず楽しく演じることができましたね。
――あえて盛り上げてもらうほうが演者さんとしてもやりやすいんですかね?
雪見:そうですね! はじまる前はいい感じの雰囲気を作ってくださるんですけど、終わった後は盛り上げてくださっていて、すごくありがたかったです。
まつき:しかも今回って、一人とじゃなくて何人もとキスシーンがあったってことだよね?
雪見:キスシーンがあったのは”彼”含めて4人ですね。
まつき:えーじゃあ、今までの作品で一番多かったんじゃない?
雪見:そうみたいです! 一途な高校時代から適当な男と遊びまくる大学時代までを演じる役柄だったので……。
まつき:でもピュアなシリーズなんでしょ? すごいなーギャップやなー!
雪見:たしかに一番ピュアなシリーズなのに、一番キスシーンあった(笑)!
新旧ヒロインが語る、女優としての覚悟
――センシティブな描写の多い「純猥談」ですが、演じることに抵抗などはなかったですか?
雪見:まつきさん、ありました?
まつき:私は正直、「純猥談」が今ほど大きくなってたら「やるかー!」ってなってたと思うんですけど、当時は「純猥談」というものがどうなっていくかも未知な状態だったので、事務所の判断でキスシーンはあくまでもしてる風でやらせてもらったんですよね。今だったらめちゃめちゃキスしてるのかなって(笑)。
雪見:たしかに私も今の「純猥談」という存在があるからこそ、安心して臨めた部分はあるかもしれません……!
まつき:だから、抵抗というよりかは不安が大きかったですね。
――女優としての覚悟、必要ですよね。
まつき:女優として生きていくという覚悟があったら違ってたと思うんですけど、当時はまだそこまで肝が座ってなかったので……今思えば覚悟が足りてなかったですね。
――「触れた、だけだった。」、再生回数は1,100万回を超えて、YouTubeドラマの代表格的な存在になっていますね。まつきさんにとっても特別な作品なのでしょうか?
まつき:そうですね。「触れた、だけだった。」を超える作品を生み出さないといけないねってYP監督には言われてます。あれで終わったらダメだよって(笑)。
雪見:伸びたからこそ超えなきゃいけないみたいなプレッシャー、ありますよね……!
まつき:そうそう! 今年から本格的に演技をはじめたんですけど、これまでしてこなかったのも、あれが跳ねすぎてっていうプレッシャーも正直ありました。
――雪見さんも「純猥談」が初主演作品となりますね。役柄的に雪見さんの新境地というか、ギャップに期待できる作品になるのではないかと思っているのですが、いかがですか?
雪見:自分がどう見られてるかわからない部分もありますが……。
まつき:いい意味で、雪見ちゃんには性愛という部分があまり見えないもんね。
雪見:それで言うと、歴代シリーズで一番ピュアな作品なので、イメージに合っているというところでお声がけいただいたのかな、とは思っています。だからこそ見ていただける方には、ピュアな高校生が大学生になって都会で落ちぶれていく変遷を観て「うっ」となってくれたら嬉しいなと思います。
――ちなみに、原作と台本は結構違いがあるんですか?
雪見:原型、ほとんどないんですよ。読み合わせを何度かしたんですけど、ちょっとずつ変わっていって、直前にストーリーやキャラクター設定もガラッと変わって。アドリブの部分も多かったです。原作があるということ、読み合わせの時点で監督や相手役の人との関係性が作られていたからこそ、アドリブでも臨めたのかなと思っています。
――原作を知っている人にも一味違う形で楽しんでいただけそうですね。
雪見:そうですね。原作は原作として、映像化ならではの作品にしようって監督もおっしゃってたので、原作とは全く違う楽しみ方をしていただけるんじゃないかと思います。
新旧ヒロインが語る、「純猥談」の魅力
――「純猥談」って、”誰にも話せない共感性”が魅力なのかなと思っているのですが、お二人が思う純猥談の魅力ってなんだと思いますか?
雪見:やっぱ共感ってところじゃないですかね?
まつき:うん。リアル。生々しい。
雪見:本当に「あ、あったな」って思うところもあるし、もしかしたらどこかの世界線で、何かを間違えていたらこういうこともあったかもしれないなって思えるというか。
まつき:ちなみに、歴代の「純猥談」の中でどの作品に一番共感した? 私、2作目なんだよね。
雪見:あー! 「私たちの過ごした8年間は何だったんだろうね」!
まつき:そうそう! 私も過去に長く付き合った人と下高井戸に住んでたなぁとか、重なることが多すぎて。
雪見:街って、めっちゃ思い出しますよね。
まつき:ね! 作品内では明大前が舞台になってたから、「えーその場所知ってるんですけど!」みたいな。生々しいんだよね。
雪見:現場でも、作りながら「うわーこんなことあったなー」ってみんなで言いながらやってましたね。女子高生パートはとにかくキラキラしようと思って、みんなの中にある美化された思い出みたいなものを再現しようと思って挑んだので、共感してもらえたら嬉しいなと思います。
――やっぱり”生々しい”っていうところでの共感性が高いんですね。
まつき:あと、制作のポインティさんのギャップも刺さるポイントなんじゃないかなと思います。あんなおもろいキャラクターでこんなガチガチの短編映画をプロデュースするの!? っていう(笑)。
雪見:体験談が映像になってるっていうのもリアリティありますよね。
――最後に、最新作「いつか回り回って恋人に戻れたら幸せです」を見る視聴者の方に向けて雪見さんから一言おねがいします!
雪見:どうやったら見てる人が共感してくれるかなとか、昔の恋愛を思い出して嬉しくなったり悲しくなったりしてくれるかなとか、作りながら考えながら精一杯演じさせていただきました。一人で見て感傷に浸るのもいいし、友達と一緒に見て思い出話に花を咲かせるのもいいし……何回も観ていろんな楽しみ方をしてほしいです。あと、観てくれる人みんながいろんな恋愛を乗り越えて幸せになってもらえたら嬉しいなと思います。
(撮影:大塚秀美/取材・文=桐本絵梨花)
–{純猥談「いつか回り回って恋人に戻れたら幸せです」本編&作品情報}–
■純猥談「いつか回り回って恋人に戻れたら幸せです」作品情報
「いつか回り回って恋人に戻れたら幸せです」
そのメッセージを最後に、それきりになった。
誰を好きになっても、私の心の中には彼がいて、
誰を好きになっても、彼がすべての基準になっていた。
7年後の同窓会、再会する私たち。
「俺たち、今、回り回ったその先にいるんだと思う。」
出演
雪見みと、南北斗
企画・監督
YP
脚本
伊勢田世山
プロデューサー
tete
製作
株式会社ポインティ
制作プロダクション
YURUPPE inc.