「科捜研の女」第17話レビュー:事件のカギは“ジビエ”!マリコと土門が夫婦(?)で潜入捜査に(※ストーリーネタバレあり)

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沢口靖子主演の木曜ミステリー「科捜研の女 season21」が、2021年10月14日(木)より放送スタート。

画像分析やDNA鑑定などの科学技術を駆使し、難解な犯罪捜査に立ち向かう様を描いた本シリーズ。榊マリコ(沢口靖子)の活躍もさることながら、ともに捜査に精を出す刑事・土門薫(内藤剛志)の熱血ぶりも魅力だ。

本記事では、その第17話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

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「科捜研の女 season21」第17話レビュー

今回のメインゲストは藤井隆。彼が演じるのは小さな町の診療所で働く医師・椿木陽だ。

厚労省の医系技官・澤部保(小松利昌)の遺体が発見され、現場に赴いたマリコ(沢口靖子)や土門(内藤剛志)たち。藤倉刑事部長(金田明夫)から、遺体の解剖は街の診療所の医師に頼むよう指示が入り、椿木に解剖してもらう。

法医認定医の資格を持ち、解剖の腕も見事な椿木。町でも救世主として慕われているようだ。ただ、この町では隣の市との合併などの課題が持ち上がっており、彼が働く診療所も病院と統合する可能性があるという。

捜査を進める中で、この椿木が澤部とつながりがあることがわかった。かつて椿木も技官を目指しており、澤部とともに最終面接に残ったのだ。しかし、椿木は「採用試験で一緒になっただけの人なので忘れていた」と答えるのみだった。

そんな中、殺人事件の犯人を探すカギとなったのは、“ジビエ”だ。

この町はジビエ料理に力を入れていた。そして、澤部の体内から鹿肉やアプリコットが見つかる。しかし、ジビエを出す店3軒はいずれも澤部の来店を否定した。

どこかの店が嘘をついている……と睨んだマリコたち。お客のふりをして潜入捜査を開始するが、行く先々で(おもにマリコが)珍道中を巻き起こす。

まず、1つ目の店を訪れたのは呂太(渡部秀)と亜美(山本ひかる)。鹿好きな客を装いつつ鑑定道具を出す二人の姿はどう見てもあやしく、なんともおかしかった。

そして、2軒目の店に来たのはマリコと蒲原(石井一彰)。鹿肉を神妙に味わうマリコだったが、アプリコットが入っているかと聞かれて出した答えは「わからない」。……だろうなと思う。そもそも彼女は食べ物にこだわるタイプではない。そして、マリコは「鑑定すればわかる」と持参したタッパーに鹿肉を詰めようとして従業員に止められてしまう。

最後、ジビエの食事を出している旅館をマリコが訪ねていくと、「旦那様がお待ちですよ」と案内される。部屋にいたのは土門。「面倒だから夫婦ってことにした」という。え、旅館でさすがにそれはどうなの?とドキドキしたが、泊まるのではなく食事するだけだった。

とはいえ、いつでもどこでもムチャをするのがマリコ。鑑定するために押し入れの布団まで出してしまう。おかげで、お茶を運んできた女将(安澤千草)がびっくり。なんともいえない空気になる中、マリコは「泊まりたいわ。あなた」と芝居を始め、布団をかぶり「今すぐ寝たいわ」と言い出す。ごまかすためとはいえ、いろいろどうかと思うぞ……

このひと騒ぎで「完全に変な奴と思われたぞ」と怒る土門だったが、当のマリコは「(警察だとばれてないなら)どう思われたっていいわ」。この潔さはさすがである。

捜査の結果、事件当日、澤部が旅館でジビエを食べていたのが判明。そして、一緒に食事した相手は椿木。当初看護師の境(梶原ひかり)が彼のアリバイを証言していたが、それは庇うための嘘。旅館の女将も境に協力していた。アリバイがなくなって連行された椿木は澤部と面識があることをようやく認めた。

ただ、結局椿木は犯人ではなかった。マリコたちがさらなる捜査と鑑定を行った結果、町の周辺には生息していないエゾシカの骨が凶器だとわかる。そして、その骨には旅館の女将・留福真由美の指紋が付いていた。

留福の旅館ではジビエ料理を売り物にして補助金を受けていた。しかし、ジビエの肉が安定して手に入らないため、ネットで取り寄せた肉を地元ジビエと偽っていたのだ。そして、肉の件で近々に視察が入ると知らされて、ちょうど旅館に来た澤部を視察担当者と勘違いして殺害してしまったのだった。

事件解決後、椿木はマリコたちに本心を明かす。かつて技官になれなかった彼。ライバルの澤部にコネがあったせいだと思っていたが、あの日、澤部と話して彼の仕事に対する覚悟を知り、彼ほどの熱意がなかったからこそ技官になれなかったのだと気づいたのだった。

澤部は椿木に病院に来るよう頭を下げていた。だが、椿木はこの町で医者として働くことにやりがいを見出しており、「自分を純粋な医者にしてくれたこの町で医者を続ける」とマリコたちに宣言した。

帰り道、町民たちから怪訝な顔で振り返られるマリコと土門。「町の人を逮捕した私たちは敵よね」と考えるマリコだったが、「たぶん違うだろう」と土門は否定。彼いわく、蒲原と食事をした後に土門と旅館で布団をしいていたマリコを二股かけている悪女だと皆思ったらしい。

「どう思われたっていい」と言っていたマリコ。しかし、悪女呼ばわりはさすがにちょっと不本意のようだった。ちなみに次回の最終回は、8話に登場したAI研究者の“悪女”とおぼしき宮越優真(美村里江)が再び登場。マリコは彼女と果たしてどんな戦いを繰り広げるのだろうか。

(文:田下愛)

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–{「科捜研の女 season21」第17話ストーリー}–

 「科捜研の女 season21」第17話ストーリー

ある小さな町で、山の斜面から転がり落ちて息絶えた厚労省の医系技官・澤部保(小松利昌)の遺体が発見される。榊マリコ(沢口靖子)らが現場に駆け付けるが、藤倉刑事部長(金田明夫)から、遺体の解剖は、この町の診療所の先生に行ってもらうよう指示が。マリコは、過疎化の進んだ町に、法医認定医がいることに驚く。
 医師の名前は4年前にこの町にやってきた、町唯一のドクターである椿木陽(藤井隆)。法医認定医の資格を5年前に大阪の名門医大で取得したエリートだが、気弱な性格で、自信がないと渋って…。やがて、集まった村人たちから背中を押されて、しぶしぶ請け負うことになるが――?
 また、この町には産廃処分場誘致の計画があり、椿木の働く診察所が処分場の予定地となっていた。町と隣接する市を合併させ、診療所も遠く離れた大病院と統合するという話も持ち上がっているが、はたして厚労省の男の死となにか関係しているのだろうか…?
 さらには土門刑事(内藤剛志)らの聞き込みで、町おこしの一環で《ジビエ料理》を有名にしようという動きがあるとの情報を、町唯一の猟師・我妻浩二(山田明郷)から得るが、我妻は遺体の第一発見者でもあり…。
 やがて、マリコ、椿木らが行った遺体解剖の結果、前頭部の傷が死因の可能性があることが発覚。マリコはあることをひらめき、椿木にひとつお願いをするが…。
 ブランクを感じさせないほどの解剖の腕を見せたほど優秀な椿木がこの小さな町にやってきた真相とは? 町と市を合併し、町民を移住させて『コンパクトシティ』にする計画と事件の関係は――!?
 なんと、マリコと土門が“夫婦”を装って潜入捜査!? マリコが《ジビエ料理》に舌鼓を打ちつつ、真相に迫る!!

–{「科捜研の女 season21」作品情報}–

「科捜研の女 season21」作品情報

出演
沢口靖子/内藤剛志/若村麻由美/風間トオル/金田明夫/齋藤暁/西田健/渡部秀/山本ひかる/石井一彰

脚本
戸田山雅司、櫻井武晴 ほか

主題歌
Tielle『花火』(TL RECORDS)

プロデュース
関 拓也(テレビ朝日)
藤崎絵三(テレビ朝日)、中尾亜由子(東映)、谷中寿成(東映)

監督
田﨑竜太、兼﨑涼介 ほか

制作著作
テレビ朝日