3Dアニメが可愛すぎ!アマプラ「ユミの細胞たち」は共感たっぷりの韓国ラブコメ

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2022年3月4日、Amazonプライムビデオにて全14話が配信された「ユミの細胞たち」。
少し不思議でたまらなく可愛くて、ビックリするほど共感できるこの物語の魅力について、筆者が完全にハマってしまった細胞たちの存在を中心に4つのポイントから紹介しよう。

Point1:とにかく可愛い!だけじゃない!?個性豊かな細胞たち

実写でストーリーが進んでいく人間側のドラマと並行して、3Dで描かれているのが人間の中で働く細胞たちだ。
細胞たちはひとりひとりに特性があり、その特性に従って行動している。

例えば「理性細胞」。理性細胞はすべての細胞たちのまとめ役だ。すぐに怒ったり泣いたりする「感性細胞」をなだめたり、お腹が空いて暴走する「腹ペコ細胞」を止めようとしたり、常にサボろうとする「家事細胞」を叱ったりする。

この理性細胞がいるおかげで他の細胞たちの自分勝手な発言や行動を抑制し、人間らしく生きていられるというわけだ。 

そして、さまざまな細胞たちの中でも、主人公ユミ(キム・ゴウン)の代表ともいえる主要な細胞が「愛細胞」である。

ユミの愛細胞はとても優秀で、ユミの恋愛を邪魔するような細胞をきちんと抑え込むことができたし、はたから見たら相手の都合のいい存在となっている悲惨な状況も幸せな記憶として残すことができた。

実は3年前の失恋をきっかけに昏睡状態となっていたのだが、久しぶりに恋の訪れを感じ、無事に目覚めることとなる。

“細胞の擬人化”というと「はたらく細胞」を真っ先に思い浮かべた筆者だが、「ユミの細胞たち」に出てくる彼らはそこまで生物学的ではなく、非常にざっくりと特性だけを分けている。ケンカをしながらも話し合って解決し、人間のために働く個性豊かな小人たち、という感覚だ。

ちょっと迷惑な問題を起こす細胞も、みんな人間の心の声を代弁して行動している。だから理解できるし、こんなにも共感できる。

ちなみに、ユミは食いしん坊なので「腹ペコ細胞」が他の細胞よりも大きい。

空腹時にはさらに巨大化して暴れだすし、限界が近づくと笛を吹く。吹くとどうなるか。そう、お腹が鳴るのだ。

その音色がまたなんとも言えない力の抜けるような旋律で、グーグー鳴ってる方とのギャップが可笑しい。

このドラマに登場する細胞たちは、ただ動いている様子を永遠に見ていたくなるような中毒性の高い可愛さを持ち合わせている。

Point2:喜怒哀楽、感情のひとつひとつに大きな変化を見せる細胞村

細胞たちはひとつの村で生活している。そして、村の環境は人間の感情に大きく左右される。

嬉しいことが起こると、どこからともなく花びらが舞い降りて細胞たちも目を輝かせ、悲しみで涙を流すと村では洪水が起きる。

先の愛細胞が昏睡状態となった原因も、失恋の悲しみでユミが流した涙の大洪水に飲み込まれたためだった。

特に、人間側の性格の違いが良く表れていると感じたのが“怒り”の表現だ。
ユミが怒ると村の至るところからマグマが吹き出す。まさにはらわたが煮えくり返っている状態だ。

一方、ユミの恋人のウン(アン・ボヒョン)は、怒りで村を凍らせてしまう。怒った時に冷たくなるタイプなのだ。

他にも、頭が真っ白になると村が白いモヤで覆われる「白紙化」や、笑いたくないけど笑顔を作らなければならないときに活用される「表情管理バー」など心の状態を可視化しているのがおもしろく、ストレスを発散させるときに開催される3ピースバンド「エンドルフィン」のロックライブは、ノリノリな細胞たちと一緒に楽しめるオススメの瞬間だ。

意外な施設として、村には刑務所や墓地も存在する。

刑務所は人間に悪影響を与える細胞を収監しており、墓地には諦めてしまったり興味を失ったりした才能や趣味が埋葬されている。

細かい設定があるようで実はかなりざっくりとした、ゆる~い細胞たちの村。

これを観たら、自分の中には一体どんな村が形成されているんだろうと、ついつい思いを巡らせてしまうことだろう。

–{Point3:細胞たちの行動に見る、ユミとウンの考え方の違い}–

Point3:細胞たちの行動に見る、ユミとウンの考え方の違い

ユミの中心的な細胞のひとりに、感性細胞がいる。非常に感受性が豊かで、ものすごく素直に笑ったり泣いたり怒ったり、表情の変化や身振り手振りが一番大きい細胞だ。

ユミの意思決定にはこの感性細胞の気持ちが大きく影響する。

一方で、ウンの意思決定は常に独自のアルゴリズムによって下される。

ウンの村には巨大な司令室が存在しており、人工知能のようなコンピュータが導き出した結果をもとに、理性細胞が判断しているのである。

さらに、それぞれが人やモノに対して付けている優先順位にも決定的な違いがあった。お互いの順位だ。

ユミは恋人を1位に置くのが通常であるのに対し、ウンは今まで1位を自分以外に譲ったことがない。そのせいで生じる認識のすれ違いや、相手の要望を素直に受け入れられず誤解を招く2人の様子は本当にもどかしい。

でも不思議とどっちの言い分もわかる。「わかる~!!」と思わず声を上げてしまうくらい、わかる。

印象的だったのは、ウンの優先順位が常に自分をトップに据えていることを知ったユミの愛細胞たちが「ユミはいつも恋人に1位を譲るけど、これって変なのかな?」と不安気に言ったことだ。

まず自分の常識から疑って物事をみるのって、簡単じゃないけどすごく大事な視点だと思う。そういうところに、ユミの周りからの信頼度が表れているように感じた。

Point4:こんなカップルに憧れる!ユミとウンのラブストーリー

このドラマ、細胞たちの可愛さもさることながら、人間サイドも最高のカップルで魅せてくれるのが素晴らしいところ。

ユミの、感情がすぐ顔に出ちゃう素直さや自分の気持ちと食欲に正直なところはめちゃくちゃ可愛いし、ウンの前ではさらに愛情も惜しみなく伝えることができる優秀さ。

また、ウンはユミに一目惚れしてからというもの、周りに何を言われても頑として自分のアルゴリズムに従って行動し、そのすべてにユミへの愛を感じさせる。

中盤で、彼氏の周りにいてほしくないタイプの代表格“距離感の近い女友達(彼氏に対する好意アリ)”との闘いが繰り広げられるのだが、この時に見せたユミの決意、からのウンの選択は確実に2人の関係をより強いものにしたと同時に、ユミはユミ自身をもっと自由に、大切にすることができるようになった。

他にも、彼女の家に2人きりでいるときにお腹を壊してしまう事件や、元カレに見栄を張ってデタラメな結婚話を口走ってしまう事件など、当事者からしたら終わりを覚悟するほどの危機的状況も細胞たちを通してコミカルに描かれる。

そして見事に乗り越えていくのだ。

2人の日常には、こうした超現実的な出来事のなかに理想的なパートナー像が垣間見える。
本当にお似合いで、見ていて幸せになれるカップルだった。

期待しかないシーズン2

韓国で放送されてから、およそ半年後に日本での配信が始まった「ユミの細胞たち」。実は既にシーズン2の制作が決まっている。放送日など詳細はまだ発表されていないが、その時は是非日本でも同日配信があることを願ってやまない。

あらすじ

このドラマは1人の女性、キム・ユミのラブストーリーであり、現代を生きる青春たちの自画像であり、細胞とホルモンの支配から抜け出すことのできない人間の存在に対する洞察でもある。「ユミの細胞たち」は実写と3Dアニメーションを融合させたフォーマットで原作であるウェブトーンの面白さを生かし、誰もが共感できる日常を描いている。(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

Amazonプライムビデオ ユミの細胞たちページより引用

(文・加部)