「ドクターホワイト」第8話レビュー:白夜に訪れた悲しい別れ。初めて流した涙の重みとは(※ストーリーネタバレあり)

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浜辺美波が主演するドラマ「ドクターホワイト」が2022年1月17日放映スタートした。

樹林伸の小説を原作とする本作は、浜辺演じる豊富な医療知識を持つ正体不明の女性・雪村白夜が、現役医師の誤診を正していく医療ミステリー。共演は柄本佑、瀧本美織、岡崎紗絵、片桐仁、高橋努、高橋光臣、勝地涼、宮田俊哉(Kis-My-Ft2)ら。

本記事では、第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「ドクターホワイト」第8話レビュー

さまざまなできごとが交錯した第8話。

ひとつは高森巌院長(石坂浩二)。末期のスキルス胃がんだと分かり、助けるために奮闘する白夜(浜辺美波)。徹夜をしながらもどうにかして助ける方法がないかと模索する。
真壁(小手伸也)になら手術を依頼できるのではないかと、白夜は打診するが、当然拒否される。それでもあきらめない。

そして、その白夜本人のこと。将貴(柄本佑)を中心になって調べたところ、白夜は2000万人にひとりだというRH nullの血液の持ち主だとわかる。外界との関わりが断たれていたこと、次の誕生日まで生きられないという白夜の言葉。それらから将貴たちは、白夜が血液ビジネスに利用されているのでは、もしくは実験に利用されようとしているのでは、と推測する。それなら、勇気(毎熊克哉)がどうにかして白夜を助け出そうとしたことにも合点がゆく。が、勇気が白夜を管理していた団体とどのような関わりがあったのか気になるところ。RH nullの取り扱いが厳しくなっており、その制度が変わったのは全国医療連盟が関わっていると分かっている。白夜の身柄にも何か関わりがあるのか……。

そして、もうひとつは今回、CDTが関わることになった案件。卵巣がんと子宮外妊娠が同時進行しているという患者との出会いだ。卵巣の全摘出が求められるが、患者自身は自分の命よりも、やっと授かった命を助けたいと言う。そのためには、癌を取り除き、胎児を子宮に移植する手術が必要だった。それができるのは真壁だけ……。

それぞれは別々の案件だが、共通するのは「命」。
助けられる命と、助けられない命がある。その判断を常に迫られている医師たちの苦悩。
出世や病院の評判のほうが大切なように見える真壁にも、実は患者の命を最優先に考えている時期があった。産科医としての彼はとても熱心で、多くの論文も発表していた。その論文全てを読んだ白夜は、真壁の内に秘めた強い意思を感じ取る。しかし、真壁にも過去に助けられなかった命があった。
命を救いたい。しかし、救うには命を失うリスクもあるわけで……。

自分に残された時間を悟った巌は、真壁に胎児子宮移植手術をするように頼み込む。そして、自分が亡くなったあとの病院のことも。
真壁に託されたものは、重く、リスクを伴うものだった。それでも、彼を突き動かしたのは結局、多くの人を救いたいという思いなのかもしれない。移植手術は成功させるが、手術の終了を待たずして巌は息を引き取る。

巌という大切な人を失った白夜と将貴たち。
白夜にとっては、今までで一番大きな別れだろう。感情を知らなかった彼女が流した涙は、大きな意味を持つ。
この別れが白夜の運命をどう動かしていくことになるのだろうか。

(文:ふくだりょうこ)

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–{「ドクターホワイト」第8話ストーリー}–

「ドクターホワイト」第8話ストーリー

巌(石坂浩二)が末期のスキルス胃がんで余命わずかだと知った白夜(浜辺美波)は、寝る間も惜しんで治療法を模索する。積極的治療は行わず、最後まで院長としての責務をまっとうすることが巌の意志だったが、白夜は「命を救うために最後まで全力を尽くすのが医療の仕事だ」と教えてくれた巌を何としても救いたかったのだ。

ある治療法を発見した白夜と麻里亜(瀧本美織)は院内で唯一成功させられる可能性がある真壁(小手伸也)に執刀を依頼する。

そんななか、CDTは産婦人科医の東堂絵馬(華優希)から、ある患者の子宮内にいたはずの胎児が消えたと相談を受ける。考えられるのは自然流産や子宮外妊娠だったが、不可解なのは、いまだ妊娠のサインが残っていること。その状況に、メンバーは妊娠ではなくがんの可能性を疑うが、検査の結果、思わぬ事態が発覚する!

一方、勇気(毎熊克哉)から、白夜の正体を知る手がかりとなる“Rh null(希少血液)”と書かれた紙を受け取った将貴(柄本佑)の脳裏には、ある考えが浮かんでいた。“Rh null”の保有者は国内に数人しかいないといわれ、その情報は国によって厳重に守られている。そこで将貴は、ある人物を訪ねて…。

–{「ドクターホワイト」作品情報}–

「ドクターホワイト」作品情報

「それ、誤診です!!」
社会性が皆無にも関わらず、天才的な診断能力を持ち、現役医師の誤診を正す——
自らの名を「白夜」と告げ、素肌にたった一枚、白衣をまとって現れたナゾの女性。
彼女はいったい何者なのか———

“総合診断協議チーム”(通称CDT)———
患者の症状から正しい病名を協議の上で判別する、いわば“診断専門チーム”。

内科医、皮膚科医、脳神経外科医、精神科医など、
各科を横断し、知識を集結させたCDT。

精鋭を集めるはずが…その実態は、個性的でクセ強めな“はみ出し者”たち!?
白夜は、そんな風変わりな医師たちと共に、
難しい症状でも病名を確定させて患者の命を救っていく。

謎だらけの女性と“クセ者医師たち”が織りなす、クスっと笑える
会話劇&痛快でスカッとする一話完結の医療ドラマ!

純真無垢、感情のない白夜は、徐々に社会性や喜怒哀楽を覚えていく…。
次第に明らかになる、彼女の秘められた過去とは———?


放送日時

2022年1月17日スタート
毎週月曜22:00~ ※初回15分拡大

出演
浜辺美波/柄本佑/瀧本美織/岡崎紗絵/片桐仁/高橋努/高橋文哉/勝地涼/宮田俊哉(Kis-My-Ft2)/毎熊克哉/小手伸也/石坂浩二

原作
樹林 伸
『ドクター・ホワイト千里眼のカルテ』(角川文庫)
『ドクター・ホワイト神の診断』(角川文庫)

脚本
小峯裕之

音楽
福廣秀一朗

主題歌
Ado「心という名の不可解」
作詞作編曲 まふまふ(ユニバーサル ミュージック)

プロデューサー
河西秀幸
小林 宙

演出
城宝秀則
河野圭太
北坊信一

制作
カンテレ
共同テレビ