堤真一が主演するTBSの金曜ドラマ「妻、小学生になる。」が、2022年1月21日放送スタートした。
累計発行部数(紙+電子)が130万部を超える村田椰融(むらた・やゆう)の同名漫画を原作とする本作は、最愛の妻を亡くした男性が小学生に生まれ変わった妻と再会し、戸惑いながらも生きることに向き合っていくストーリー。主人公・新島圭介役はTBSドラマに16年ぶりの出演となる堤真一。他、圭介の妻・貴恵を石田ゆり子、圭介と貴恵の娘・麻衣を蒔田彩珠、貴恵の生まれ変わりである10歳の少女・白石万理華を毎田暖乃が演じる。
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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新島圭介(堤真一)は、10年前に最愛の妻・貴恵(石田ゆり子)を亡くしてから、妻のいない残りの人生を“余生”だと思って生きている元愛妻家。全く生気が感じられないため、周囲からは陰鬱な男に見られている。たった一人の家族である一人娘の麻衣(蒔田彩珠)の幸せを誰よりも願っているものの、生活費を稼ぐ以外何もしてやれていないことが心苦しく、コミュニケーションすらうまく取れていない。
二人の時間は、10年間止まってしまっていたのだ。同じ家に住みながらもバラバラな父と娘。
そんなある日、ランドセルを背負った見知らぬ女の子(毎田暖乃)がこの親子を訪れる。
「わたしは10年前に他界したあなたの妻よ」
―まだ信じられないが、妻のようだ。
突然の別れから10年。
妻はこの世に生まれ変わっていた。
止まったままの家族の時間が、再び動き出す―
しかし・・・愛する妻はいま、小学生の姿! 同居することもできず門限は夕方6時!! 一緒にいると怪しまれ、喜び余って抱きしめたら警察を呼ばれる始末・・・。
突然の別れから10年。元愛妻家の男と、妻(外見は小学生)、そして大人になりきれない娘の、ちょっと変わった3人による家族再生の物語が始まる!
第1話のレビュー
10年前に亡くなった妻が、母が、ある日突然、小学生の姿になって戻ってきたら……。
そんな信じられないようなことが起こる「妻、小学生になる。」。
妻の貴恵を心から愛していた新島圭介。事故で貴恵が亡くなってから、生きる気力を失ってしまっていた。娘の麻衣も母が亡くなってから似たような状況だった。
そんなある日、小学生の女の子が家を訪ねてくる。
白石万理華、10歳小学4年生。10歳の誕生日目前に、自分が「新島貴恵」だと思い出す。娘と、夫がどうしているか気になるのは当然のこと。新島家を訪れると、時が止まったままの自宅に驚きを隠せない。
もちろん、万理華が貴恵であることなんて圭介も麻衣も信じない。反発もする。しかし、貴恵しか知らないことを知っている万理華。疑心暗鬼だった圭介たちだったがやがて「万理華=貴恵」だと確信を持ち……というのが1話である。
貴恵が生きていたころ、10年前の圭介と、今の圭介の差。
貴恵に向かって「僕の人生の主人公は君だ!」と言い切っていた圭介は、未だに貴恵が死んだことを受け入れられていなかった。前に進むこともできなかった。どうにか生きて、働き、麻衣を育てているだけ。自分が死んだほうがよかった、と思ったこともあっただろう。今も変わらず、好きで好きでたまらない。
そんな妻が、小学生という姿だけど、帰ってきたら……圭介の喜びようと言ったら想像に難くない。完全に舞い上がっている。なにせ、「君が18歳になったら結婚しよう!」と10歳の万理華に言うぐらいなのだから。
難しいのは、万理華が圭介たちのそばにずっといることが正解なのか? というところはある。万理華の体に貴恵の霊が乗り移った、というのなら、万理華の人生もあるのだから、貴恵の想いだけではどうにもならない。しかし、生まれ変わりとなると、貴恵は万理華で、万理華は貴恵であり……。ずっと一緒にいても問題なさそうだが、まあ、世間の目もある。万理華と圭介が抱き合うシーンでは、周りの小学生が一斉に防犯ブザーを鳴らす。そう、圭介が危険な人物に見えるのだ。
今後、圭介と万理華のことももちろんだが、麻衣の就職活動など、問題は多くありそうだ。でも、第1話はただただ、圭介と貴恵が自転車を2人乗りしているシーンが切なくて暖かくて、涙が止まらなくなった。最愛の夫と娘を置いていくことになった貴恵の心を想っても辛くなる。
それにしても、万理華役の毎田暖乃さんがすごい。貴恵というか、石田ゆり子さんにしか見えない。ドラマだと分かっているのに、万理華に貴恵が重なって、目を瞬かせてしまう……。
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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貴恵(石田ゆり子)を亡くしてから止まっていた新島家の時間が、再び動き始めた。圭介(堤真一)は、小学4年生の万理華(毎田暖乃)が貴恵の生まれ変わりであると確信。人生に張り合いが生まれ、職場でもついニヤニヤしてしまう。そんな圭介を周囲は怪訝に思うが、異動してきたばかりの上司・守屋(森田望智)は、親切で誰にでも分け隔てなく接する圭介に好感をもつ。ただ、圭介のスマホの待ち受け画像が小学生の女の子だったことが気にかかる。
「18歳になったら結婚しよう」と万理華にプロポーズした圭介は、その日の会社帰りに彼女が同級生のタケル(川口和空)から告白されているところに遭遇し、動揺する。そして、圭介がプロポーズしている姿をある男に目撃されていて…。
そんな中、圭介の娘・麻衣(蒔田彩珠)は就職活動を始める。さらに、幼馴染の弥子(小椋梨央)に誘われて人生初の合コンに参加することに…。圭介と万理華は麻衣の就職祝いを買いに出かけるが、街で守屋とばったり会い、2人の関係を聞かれ…。
第2話のレビュー
生まれ変わって、妻が自分たちのところに戻ってきた。娘の麻衣はともかく、圭介は浮かれまくりだ。万理華に「18歳になったら結婚しよう」とプロポーズ。万里華の写真を撮って、スマホの待ち受けにする。嬉しくて仕方がない。自然と顔がニヤけてしまい、会社の同僚たちには訝しげな目を向けられる。
いくら生まれ変わりだと言っても、相手は小学生。それなのに、そんなに浮かれる? とも思うかもしれない。でも圭介は本当に妻・貴恵のことが好きなのだ。見た目とか年齢とか、きっとどうでもいい。貴恵の魂が好きなのだ。
万里華が同級生の男の子に告白されているのを見て動揺する。デートに行ってあげると大喜びする。映画でも観る? と聞かれて、「映画だと話せない、もっと貴恵と話したい」と言う。圭介と貴恵の回想シーンよりも、圭介と万里華のシーンに胸が痛くなるのは、ふたりが本当に愛し合っていること、そしてふたりで過ごす時間は奪われてしまったものだと気がつく。生まれ変わった妻と出会えても、前のような家族には戻れないのだ。
どういう形がベストなのかを、考えてしまう。このまま、万里華を迎えて3人で過ごすのが幸せなのか。万里華の母親は? 圭介と麻衣がこの出来事をきっかけに前を向いて進めるようになれればいいんだけれど、現状では難しいだろう。ただ二度目の別れを味わうだけになる。本当は、あんな事故さえなければ……と思う。
とは言え、万里華の登場で麻衣は前に進み始めた。就活がうまく行き、就職先が決まった。幼馴染の弥子に誘われ、合コンにまで! 貴恵が戻ってこなければ、こうはならなかっただろう。合コンはうまくいかなかったけれど、嫌なことは嫌だと拒否できる麻衣はエライ。ずっと家に閉じこもっていたけれど、就職して、接する人が増えることによって、少しずつ変わっていけそうだ。
そして、新しく貴恵の弟の友利が登場。義理の兄の圭介とはそうでもないが、姪にあたる麻衣とは仲が良いのか、普段から連絡をとりあっているようだ。でも、友利もまた、貴恵が亡くなったことによって人生が変わってしまったのかもしれない。万里華が活を入れるが、当然、万里華が貴恵の生まれ変わりなどとは信じず……。
万里華の母親についても気になる。あまり、母と娘の仲が良いようには見えないし、ふたりの間に距離がある。そんな状況を貴恵はどう思っているのか。
……という山積みの課題を万里華に生まれ変わった貴恵が解決するのだとしたら、かなりの重荷では!? と思ってしまうが、そんなバイタリティを貴恵から感じてしまうのだから仕方がない。
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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圭介(堤真一)はスマホのメッセージに反応がない万理華(毎田暖乃)のことが気になり、仕事が手につかない。昼休み、圭介の様子を心配した守屋(森田望智)が声をかけるが、心ここにあらずだ。お弁当も持っていない圭介に、守屋は自分の玉子焼きを分けてあげる。
ホームページ制作会社に就職した麻衣(蒔田彩珠)は、先輩社員について初めて取引先の元へ。小さな工務店を営む社長の息子・蓮司(杉野遥亮)にパソコン操作を説明することになるも、緊張のあまりうまくできない。しかし、一生懸命な麻衣に蓮司は好感を持つ。
圭介はようやく万理華と連絡がついて安心したものの、彼女にも家庭の事情がある様子。万理華の両親のことを思い、圭介と麻衣は複雑な心境に…。
一方、万理華は友利(神木隆之介)のことが気になっていた。友利のアパートを訪ねると、10年前と変わらない怠惰な生活ぶり。万理華は“姉”として友利の尻を叩く。
そんな中、圭介は家族3人での日帰り旅行を提案。貴恵(石田ゆり子)と麻衣との思い出の水族館へ行くことになり…。
第3話のレビュー
休日に万里華が黙って外出していたことを咎める母の千嘉。確かに、小学生の娘が行先も告げずにいなくなったら心配するのは当然だ。でも、少し様子がおかしい。あまりコミュニケーションがとられている様子もないし、万里華が怯えているようにも見える。
今回は、万里華と千嘉の関係が少しずつ見えてきた。暗くなってから家に帰っても大抵、千嘉の姿はない。仕事なんだろうが、食事のときも、別々のテーブルで食べている。食事は買ってきたお弁当。貴恵のころの記憶がある万里華はおいしい料理が作れるわけで……一体、どんな気持ちで食べているのか。
圭介、麻衣とは今は血の繋がりはない。でも、新島家にいるときのほうが幸せそうだ。とは言え、千嘉も万里華に愛情がないようにも見えなくて……複雑である。
圭介はというと、相変わらず貴恵中心の思考回路だ。LINEの返事がなければあたふたし、既読にもならないと、何があったのではないかとうろたえる。もともと貴恵のことになると心配性な部分はあったのだろうが、一度失っているという事実が余計に圭介を過敏にさせているのかもしれない。
そんな中、圭介は家族3人で日帰り旅行を思いつく。行先は、昔行った水族館。当時は圭介と貴恵たちがはぐれてしまい、シャチショーが観られなかった。圭介はそのときのことをばん回しようかとするように一生懸命だ。しかし、今度は万理華が迷子になってしまい……。
常に3人の中にまとわりつくのは、楽しい今の時間がある日突然消えてしまうのではないかという不安感。みんな元気で笑っている。それでも、もしものことを考えてしまうのは、その一度の喪失がどれだけ大きなものだったかを物語っていて悲しい。
万里華の登場で、圭介と麻衣はようやく前に進みだした。麻衣は就職し、初仕事でも好感触を得て充実しているようだ。でも、万が一万里華がいなくなってもまた立ち止まらないでいられるだろうか。ある日、突然貴恵の記憶を思い出したのだから、また失う可能性だってある。
貴恵の誕生日に、圭介と麻衣は万里華を呼んで誕生日祝いをする。本当に仲が良い家族だ。いまの状況がイレギュラーだから、ではなく、きっと貴恵が生きていたらこうやって毎年祝っていたであろうことは想像がつく。それが、今の万里華にとっては泣いてしまうほど嬉しい。
しかし、万里華を送った帰りに、千嘉にその姿を見られてしまう。
圭介と麻衣が乗るタクシーの前に立ちはだかり、強引に止める千嘉(やり方が大胆すぎる)。初めての対面は一体どうなるのか……。
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
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圭介(堤真一)と麻衣(蒔田彩珠)は、貴恵(石田ゆり子)の生まれ変わりである万理華(毎田暖乃)の母親の千嘉(吉田羊)と偶然会ってしまう。
想像と違い、圭介たちは「娘」としての今の家族のことが気にかかる。
翌日、圭介は万理華の小学校で球技大会があることを知り、千嘉も応援に行くに違いないと考えた圭介は、彼女と一度ゆっくり話をしようと、自分も球技大会へ行くことに。「お弁当友達」である守屋(森田望智)に弁当作りを手伝ってもらう約束をする。
一方、万理華は同級生のヒマリ(飯田晴音)から漫画の交換ノートをしていたことを知るも、“以前の”万理華のように漫画が描けなくなっていることに気づき、弟の友利(神木隆之介)に相談するが…。
そして、球技大会当日。突然やって来た圭介と麻衣に驚きながらもうれしそうな万理華。しかし、圭介が待っていた千嘉の姿は…。
第4話のレビュー
今回、フューチャーされたのは万理華の今の家族について。
偶然、万理華の母親・千嘉に会ってしまった圭介と麻衣。苛烈な千嘉だが、自分の娘が知らない大人といたら、動揺するのは当たり前だ。冷たい印象のある千嘉だが、万理華に愛情があることは端々から感じられる。その愛情を伝えるのが下手なのだろうか。
そんなとき、万理華の小学校では球技大会が行われることに。圭介たちは千嘉と会えるかもしれないと思い、見学に行くことに。まあ、圭介は万理華の学校での様子を見たかっただけ、というのもあるだろうけれど……。圭介が怪しさ全開で毎度ハラハラする。我を失うと、すぐに万理華のことを「僕の妻です」と言ってしまいそうだし。比較的、冷静な麻衣が一緒でよかった。
球技大会を楽しむ圭介たちだったが、待てど暮らせど母親の千嘉の姿は見えない。
千嘉も、球技大会を観に行くつもりだった。お弁当持参が必須だからと、万理華に「お弁当何がいいの」と尋ねる。万理華は嬉しそうにするが、貴恵としてはどんな気持ちなんだろう。
しかし、千嘉は球技大会には行かなかった。恋人から連絡が来たからだ。お昼の時間までに小学校に行けばいいと思っていたのだろう。ただ、恋人が大阪に異動になったという話を切り出したため、帰るタイミングを逃し……。
うーん……母親としての自覚はあるけれど、娘より恋人を優先してしまうのだな、と少し悲しい気持ちになる。母親だからって、いつでも子どもを優先させなきゃいけないのか? 恋人との時間を大事にしてもいいじゃないか、というのもわかるのだけれど、今日は子どもにとって特別な日だ。千嘉がお弁当を届けなければ、万理華のお昼はないわけで。
みんながお弁当を広げて楽しそうにしている中で、ぽつんと何も食べずにいる娘。どれだけ寂しいか、いたたまれないか、ちょっと想像すれば、わかることだ。今は意識が貴恵だからいいけれど、万理華自身だったらどれだけ辛かっただろう。
おまけに、千嘉の恋人には妻子がいることが発覚。千嘉は強い口調で恋人を責める。
今の家族の話になると、万理華はいつも表情を陰らせ、圭介の介入を嫌がった。もしかしたら、万理華としての、娘の気持ちもわかるけれど、母親としての千嘉の気持ちも分かるのかもしれない。いま、貴恵の記憶と意識で万理華は動いていて、万理華としての記憶はほぼないような描写があった。万理華の中で、万理華と貴恵の意識が共存しているわけではない。どうしてそのような状態になったのか。
ラスト、圭介が万理華の家に乗り込んだが、今の状況を圭介はどのように説明するのだろうか。
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
ついに小学生妻の母親である千嘉(吉田羊)と対立してしまった圭介(堤真一)は、万理華(毎田暖乃)を助けようと二人の間に割って入るが、さらに千嘉の怒りを買う結果に。家から追い出されてしまう万理華は孤立してしまうが…。
翌日、麻衣(蒔田彩珠)のもとに愛川工務店の蓮司(杉野遥亮)から連絡があり、パソコンを買うので付き合ってほしいと頼まれる。寺カフェには守屋(森田望智)と詩織(水谷果穂)が来て、ひょんなことから麻衣と守屋は、互いに圭介の娘と会社の人間であることを知る。
一方、千嘉のことで悩んでいた万理華は、きちんと話がしたいと千嘉に伝えるために圭介に相談する。
第5話のレビュー
白石家に乗り込み、万理華(毎田暖乃)を家に連れ帰った圭介(堤真一)。
万理華は圭介の行動を責めるが、麻衣は(蒔田彩珠)は万理華が泊まっていくと聞き、大喜び。麻衣かわいい……。ゲームをして夜更かしして、川の字で3人並んで寝て。そりゃあそうだよな、と思う。10歳のときに母を亡くして寂しかった分を今取り返している。
翌朝は万理華が作った料理を嬉しそうに食べる。よく考えたら、圭介のほうが圧倒的に万理華と会っている機会が多い。自分だけお弁当を作ってもらっているし! そこは圭介、麻衣にも……と思うが、圭介は万理華、というか貴恵(石田ゆり子)が好きで仕方がないんだから。
しかし、問題は何も解決していない。万理華は母である千嘉(吉田羊)に真実を伝えることを決意する。が、信じるはずがない。自分の娘が、誰かの生まれ変わりだなんて。怪しい宗教か、悪ふざけか。逆に千嘉の怒りを買うことになる。わかる……わかるよ……。
恋人とも別れたばかりで、娘がそんなふざけたことを言い出したら怒るだろう。耳を傾けようともしない千嘉。そして、万理華に「邪魔」と言い放つ。万理華を装うのをやめた貴恵は新島貴恵として千嘉に語り掛ける。
万理華から貴恵のスイッチングがすごい。明らかに違う人物だ。さらに千嘉は万理華に貴恵の姿を見て思わず驚き立ち上がり、距離をとる。圭介が貴恵の姿を見ているのは好きなあまり妄想してしまっているのかと思っていたが、実際に具現化しているのだろうか。
千嘉は混乱しながらも、これまでの万理華の姿を振り返る。そして、確かに「自分が知っている万理華ではない」と気がつく。万理華は「お母さん」とは呼ばない。真っすぐに自分を見ない。自分を伺うように見る万理華。それは、千嘉の態度のせいなわけだけれど。
千嘉はたぶん、怖がりで、寂しがりなんだろう。そして素直になれない。万理華がいなくなってしまうことに怯えている。邪魔なんて本当は思っていないのに。
最終的に、万理華が貴恵の生まれ変わりだと受け入れざるを得なくなる。これからどのように関係性がかわっていくのか。
そして気になるのが、麻衣と、麻衣が担当する取引先の蓮司(杉野遥亮)の関係。麻衣に初めての恋? 蓮司、不器用だけど優しそうで麻衣にはいいと思うぞ! と勝手に応援したくなる。そして身長差にときめくことを追記しておきたい。
更に、「生まれ変わり」に関してヒントになりそうなシーンがラストに……?(突然の水川かたまり……) 本当に「生まれ変わり」なのか。それとも、ただ、魂が別の体に入り込んでいるだけなのか。だとしたら、いずれ、貴恵と圭介たちは再び別れることになるわけだが……うーん、それはそれで切ないぞ。
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
千嘉(吉田羊)は今の万理華(毎田暖乃)が娘の万理華ではないと受け入れる一方で、一つ屋根の下で暮らしながら、どう接していいかわからない。万理華自身も、貴恵(石田ゆり子)としての記憶を思い出した反動で万理華の記憶が薄れていることが心苦しい。圭介(堤真一)もなんとか千嘉の力になりたいが、いい解決策は見つからないでいた。
一方、圭介の会社では、守屋(森田望智)が企画した新商品のPRイベントが大成功。ところが、発売前のトマト缶の商品画像がイベント参加者によってSNS上にフライング投稿されてしまい、計画していたプロモーションが台無しになり…。
さらに、麻衣(蒔田彩珠)が恋をしていると万理華から聞かされた圭介は複雑な心境に。問題山積で弱音を吐く圭介に、万理華はバーベキュー大会を開いて、みんなで気晴らししてはどうかと提案し…。
第6話のレビュー
母である千嘉(吉田羊)に、自分が貴恵(石田ゆり子)の生まれ変わりだと信じてもらえた万理華(毎田暖乃)。だからといって、ふたりの関係が改善されたわけではない。万理華としての記憶はなく、千嘉からすれば知らない女性と暮らしていることになる。朝から圭介(堤真一)が乗り込んでくるし、どうすればいいか分からないことばかりだろう。
おまけに千嘉は万理華(というか貴恵)に人見知り中だ。どこまでも不器用な人である……。ママ友がいないと言っていたけれど、最も苦手なことのひとつじゃないだろうか。子どもの友達のママに話しかけるだなんて。自分なりにがんばろうとしているけれど、たぶん勇気が出なくて、もう勇気を出すことも諦めてしまっている気がする。
それ以外にも圭介の周りには問題が山積。
会社では、守屋(森田望智)が企画した新商品のPRイベントが行われ、成功を収める。が、後日、イベント参加者が情報をフライング投稿してしまう。結果、プロモーションも中止に追い込まれる。
また、麻衣(蒔田彩珠)は初恋に心を乱されているようで……。
そんな状態を打開するために、圭介は万理華にけしかけられてバーベキュー大会を開く。
それぞれが楽しい時間を過ごすが、バーベキュー後、更なる問題を呼び寄せることになる。
麻衣は蓮司(杉野遥亮)に勇気を出して「大切な人はいますか」と聞く。蓮司からは「いるよ。海の向こうにいる」という返事。蓮司には彼女がいるんだ……と麻衣は失恋を確信し、ショックを受ける。でも、「大切な人」の枠組みって大きいと思うんだ、麻衣よ……でも好きな人がいるんですか、とは聞けないのもわかる……。
そして、守屋は圭介への想いを募らせる。新商品のPRイベントも圭介の尽力のおかげで続行が決定した。そばで支えてくれて、ピンチを救ってくれて、麻衣にとって圭介はヒーローだ。そして、病気の姉がいたことで、両親に甘えられなかった麻衣にとって安心できる人。
勢いそのままに麻衣は守屋に想いを告げる。全く信じない圭介の頬にキスをして、立ち去る守屋(大胆……!)。更にはその場面を万理華に見られてしまい……。
貴恵は亡くなっているわけで、圭介が誰かに想いを寄せられること自体は問題ないけれど、大事なのは、それぞれの気持ちの問題で……。貴恵は明るくさっぱりとした性格だけれど、自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先するようなところがある。圭介と守屋の関係に対して、貴恵はどういう対応をするのか。
時を同じくして、圭介たち行きつけの寺カフェ「喫茶タイム」のマスター(柳家喬太郎)は万理華の霊体(?)を目撃し……。
物語は最終章へと入っていく。
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
圭介(堤真一)と麻衣(蒔田彩珠)は、友利(神木隆之介)から一緒に実家に帰ってほしいと頼まれる。家族の入院で一人になってしまった母親の面倒を見るためだ。圭介はそのことを万理華(毎田暖乃)にも伝え、万理華を圭介の親戚の子ということにして4人で実家に向かう。
出迎えてくれたのは、貴恵(石田ゆり子)と友利の従姉妹たち。仲良しだった貴恵の思い出話をする萌子に、万理華は複雑な心境だ。そこに母・礼子がデイサービスから戻ってきて、万理華は久しぶりに母に会う。
一方、麻衣のもとに蓮司(杉野遥亮)から連絡があり…。
第7話のレビュー
貴恵はどうして家族の元へ戻ってきたのだろう。
友利(神木隆之介)に頼まれて、一緒に実家に帰ることになった圭介(堤真一)と麻衣(蒔田彩珠)。というのも、父親が入院してしまったので、ひとりになってしまう母親の面倒を見るためだ。圭介は万理華(毎田暖乃)にも事情を話し、実家へと誘う。
貴恵(石田ゆり子)にも心配ばかりされていた友利。実家でも親戚たちから説教の嵐。確かに、今の友利は定職のもつかず、「昼からビールを飲んで暇を潰している」ような生活なので、心配されるのも無理はない。
圭介も麻衣も、貴恵がいなくなって抜け殻のようになっていた。それは友利も一緒だった。更に、万理華が貴恵の生まれ変わりだということを信じ切れていない。そのせいで圭介たちのように前向きにはなれないのだ。
生きていてほしい、どうして死んでしまったのか。頭ではわかっているけど、納得ができないまま、友利も時を過ごしてきてしまったのだ。
どれだけ、貴恵の存在が大きかったのかがよくわかる。実家でもそうだ。貴恵はさまざまな場所で要の存在だったのだろう。それが重荷に感じる人もいるかもしれない。しかし、貴恵はずっとそうやって生きてきたから、当たり前だった。むしろ、自分が死ぬことで、その要がなくなり、たくさんの人の人生を変えてしまった……なんていう後悔を知らず知らずのうちに抱いていたとしても不思議ではない。
実家を訪れ、これまでの押し殺していた気持ちを爆発させた友利。そして、万理華とも正面からぶつかり合い、万理華=貴恵であることを受け入れる。そこでようやく、友利も前に進み始める。
また、実家を訪れたことは、万理華にとっても大きな出来事だった。それは、実の母親との再会だ。貴恵の葬式に来なかったという母親。最寄り駅までは来たものの、出席せずに帰ってしまった。貴恵の母もまた、その死を受け入れられてなかった。
ただ、母親に対して、詳しい説明はいらなかった。母と娘の繋がり、というものがあるのだろうか。ただ、目を合わせ、言葉を交わすだけで、通じ合っているようにも見える様子には胸を打たれるものがあった。
こじれてしまっていた家族の心を、ひとつひとつ、丁寧にほどいていっているようにも見えた万理華。それぞれが新たな幸せを感じていたが……別れは突然やってくる。
新しい年へのカウントダウン。新年を迎えたその瞬間、万理華は万理華に戻った。
圭介に向かって怯えた表情で「おじさん、誰?」という。そこに貴恵はいない。
なぜ、突然、貴恵は“消えて”しまったのか。
圭介たちの新たな苦悩がはじまるのだろうか。
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
>>>「妻、小学生になる。」の画像をすべて見る
大みそかの夜に突然倒れた万理華(毎田暖乃)は貴恵(石田ゆり子)としての記憶を失くしそのまま意識を失った。圭介(堤真一)と麻衣(蒔田彩珠)、千嘉(吉田羊)は、圭介や麻衣の記憶を失くしたことに誰もが不安を感じていた。
万理華の身に起きた異変を聞いた友利(神木隆之介)は、生まれ変わりの小説「君と再び」を書いている出雲(當真あみ)なら何かわかるかもしれないと考える。
圭介が会社の休憩室で「君と再び」を読んでいると、守屋(森田望智)が圭介の本を見て、週末に最終巻が発売されることを伝える。
圭介は、最終巻の発売記念イベントで出雲のサイン会があると知り、万理華たちと行ってみることに。そして、彼女の口から衝撃の事実を聞く…。
第8話のレビュー
一瞬、本来の人格を取り戻した万理華(毎田暖乃)。しかし、朝目覚めると、万理華の中にいたのは貴恵(石田ゆり子)だった。
このことがきっかけで、貴恵が消えてしまうのではないかと圭介(堤真一)、麻衣(蒔田彩珠)、友利(神木隆之介)。ヒントを得るために、圭介たちは貴恵と似た境遇にある中学生小説家の出雲(當真あみ)に話を聞きに行く。
出雲から得られたのは、「生まれ変わり」ではなく、「憑依」であるということ。出雲に憑依しているのは小説家を夢みていた高校教師の吉原(水川かたまり)。事故死したが、吉原はこの世に未練があり、そこに怪我をして「消えたい」と絶望していた出雲と出会い、その体に偶然にも憑依してしまったのだ。
吉原は万理華に「借りたものはいつか返さなきゃいけない」と伝える。
吉原の言葉をきっかけに、貴恵はこれまでのことを振り返り始める。思い出したのは、「消えたい」と泣いていた万理華に出会い、そんな彼女を慰めようとしたこと。そして触れたことで万理華に憑依したのだ。
生まれ変わりだと思っていたけれど、実は、万理華の体を借りているだけだった。そう気がついた貴恵がそのまま万理華の体に居座り続けるはずがない。それに、「消えたい」と言っていた万理華が一瞬でも戻ってきたことは、心が変わり始めているということだ。母の元に戻りたい、と。
決心した貴恵は、圭介たちに体を万理華に返すことを告げる。もちろん、圭介たちはその考えに反対する。貴恵と万理華が共存できる方法をどうにか探したいと粘る圭介。麻衣も再びの母との別れを嫌がる。
でも、そこには万理華の母・千嘉(吉田羊)もいる。千嘉からすれば、自分の娘の人生を奪っておいて、よくそんな勝手なことが言えるものだと怒ったっておかしくない。でも、万理華がこうなってしまったのは千嘉が発した言葉が原因となっている。そして、千嘉自身も大切な人を失った気持ちを知っている。圭介たちから貴恵を奪うようなことを、もう言えないのだ。
冷静になれば、万理華と貴恵が共存するのは不可能だとわかる。どうしたって、万理華は自分らしい人生を歩めない。でも、10年、成仏もできずにさまよっていた貴恵のことを考えると……。
悲しいけれど、圭介たちがやらなければいけないのは、貴恵がいなくても前を向くことなのかもしれない。そうでなければ、貴恵の魂はいつまでも解放されない。ただ頭ではわかっていてもできるかどうかは難しい。
再び、貴恵を失った新島家。圭介は、麻衣は、新たな一歩を踏み出せるのだろうか。
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
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–{第9話ストーリー&レビュー}–
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
貴恵(石田ゆり子)が消えた。
体に憑依していた貴恵が消えたことで、万理華(毎田暖乃)は自分の人格を取り戻し、母・千嘉(吉田羊)との新たな生活が始まる。
一方、出社した圭介(堤真一)は心ここにあらずの状態で、そんな圭介を守屋(森田望智)が心配する。麻衣(蒔田彩珠)は自分の殻にこもる中で、蓮司(杉野遥亮)も心配して訪ねて来る。
友利(神木隆之介)もまた、春から高校生になるという出雲(當真あみ)を応援しながら、自分は心にぽっかりと穴があいたようだった。
新島家の時間は再び止まってしまった…。
第9話のレビュー
そうじゃないんだ! 貴恵(石田ゆり子)は圭介(堤真一)と麻衣(蒔田彩珠)にしてあげたかったことは、そういうことじゃないはずなんだ!
貴恵が万理華(毎田暖乃)に体を返し、圭介たちの前から貴恵は「消えた」。貴恵の存在に励まされて元気になったかと思いきや、前の状態に戻ってしまう。
しかし、圭介は、戻ってきてからの貴恵の言葉を思い出し、気合いを入れ直す。守屋(森田望智)のために仕事がスムーズに進むように調整役を買って出る。圭介が自信なさげにしているから忘れてしまうが、仕事ができる人なのだ……。
友利(神木隆之介)はというと、前を向いてまた漫画を描き始める。貴恵もその様子に笑顔を見せた。そんな貴恵の隣に吉原(水川かたまり)もいた。成仏する前に、最後気になったのが友利のことだなんて泣かせる。
甘えたい時期にいなくて、反抗したい時期にもいなくて、素直な気持ちを現せるときになってきて戻ってきてくれた、大好きな母親。2度目の別れが一番つらかったのは麻衣なのかもしれない。
「10年前、あのときママと一緒に消えちゃえばよかったんだ」
その言葉は、父親である圭介にだって、絶対に辛い。
しかし、圭介はちゃんと麻衣と向き合う。
「麻衣を励ますより、哀しみに浸ることを優先させた。
ただ生きているだけの生活に麻衣を巻き込んだ」
麻衣に懺悔する圭介。ようやく貴恵が戻ってきてくれた理由を考えられたのかもしれない。
「ママがくれたものを見つめて生きていかないか」と父と娘で生きていこう、と語りかける。圭介は10年前にやらなければならなかったことだ。でも、できなかった。こうして麻衣と向かい合えただけでも、貴恵が帰ってきた意味はある。
そして、ふたりで「焦げた唐揚げ」と「しょっぱいオムライス」を食べるのがなんとももう……。ふたりにとって忘れられない味になりそうだ。
あと、麻衣は蓮司(杉野遥亮)に早く連絡をしてあげてほしいんだが……。連絡がつかない麻衣を心配して、家まで会いに来てくれたにも関わらず「言ってもわからないよ」の言葉を投げつけてしまっていた。蓮司は麻衣の話を笑い飛ばしたりもしないだろうし、一緒にいろいろ考えようとしてくれると思うんだけれど。
一方、貴恵は、成仏しようと思っているのにできずに公園で困り顔を浮かべていた。そこにやってきたのは幽体離脱したのだろうか、万理華の姿が。
貴恵に向かって、「会いたいと思うのはワガママじゃない」という万理華。そして、貴恵の頬に触れて……。
来週、最終回。圭介と麻衣は前に進み始めた。貴恵はどのようにして本当の別れを告げるのだろうか。
ところで、途中で『凪のお暇』のママ(武田真治)が出てきたのがサプライズすぎたんですが!
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— 【公式】妻、小学生になる。-TBS金曜ドラマ- (@tsumasho_TBS) March 18, 2022
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第10話ストーリー&レビュー}–
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
妻・貴恵(石田ゆり子)が、「生まれ変わった」と白石万理華(毎田暖乃)の体を借りて戻ってきた奇跡を経た圭介(堤真一)と麻衣(蒔田彩珠)。
これからの人生は貴恵がくれたものを見て、前を向いて歩いて行こうと決めた2人だったが…。
第10話のレビュー
貴恵(石田ゆり子)が亡くなって10年目の結婚記念日。
万理華(毎田暖乃)の体を借りて、圭介(堤真一)と麻衣(蒔田彩珠)の元に戻ってくる。
今日はやりたいことやろう。そう言って麻衣の春物の服を買いに行き、仲直りするために蓮司(杉野遥亮)のもとに行く。貴恵らしいチョイスだ。麻衣と蓮司の関係が気になっていないわけがない。
更には「実家のご挨拶ごっこ」をしたいと言い出す万理華。確かに、実際に麻衣が結婚するときに貴恵はいないんだ……と思ってグッと来る。
そんなところで「ごっこじゃなくて言いますけど」と本気のご挨拶をする蓮司~~!!! 言葉数は少ないけど、誠実で、真っすぐで娘の彼氏になってほしすぎるな……。
圭介としては貴恵になにかしてあげたい。そこで思いついたのが、貴恵の夢だった、レストランを開くこと。
守屋(森田望智)に正直に全てを話して、頼み込んで、段取りをつける。守屋としては突然「妻が帰ってきた!」「小学生の姿で!」「今日しかないから協力して!」と言われてもきょとんとしそうなものだけれど、圭介がどんな人間か知っているから、守屋は信じる選択肢しかない。
そうして、開店したレストランは圭介や、麻衣、そして貴恵に所縁のある人たちが集まり大盛況。
貴恵は守屋に向かって、「これからも圭介をよろしくね」と伝え、全ての心残りはなくなった。
……と思いきや、「悔いあった!めちゃくちゃあった!」と自分たちの農園が荒れ放題なことを思い出し、いつかはきちんと整えてほしいと頼む。
圭介は「いつかじゃダメだ」とそのまま農園へ直行。駆り出される蓮司……おつかれさま……きっと、しょっちゅうあることではないから……今日だけだから……。
荒れた農園に、新しい苗(ハバネロだろうか)を植える3人。
夜明けが近づき、別れのときも近づいているのがわかる。それは麻衣も、圭介も分かっているから、心を込めた言葉を贈る。
「大好き。会いに来てくれてありがとう」
「ありがとう。帰ってきてくれて。ありがとう。僕の妻でいてくれて」
そして「おやすみ」と麻衣たちに言われて、眠る万理華。
まもなく目が覚めた万理華。もう貴恵はいない。そんな万理華に向かって、圭介は「おはよう、万理華ちゃん」と言う。
「さよなら」ではなくて、「おやすみ」。そして「おはよう」。関わる人たち全てにとって、始まりの日だったのだろう。
貴恵はいなくなった。でも、圭介も、麻衣も前を向いて歩いていく。友利(神木隆之介)も漫画家として再スタートを切った。万理華と千嘉(吉田羊)も以前と関係が変わっていくだろう。
たくさんの人の人生をほんの少しだけ変えた貴恵が、もうどこにもいないのだと思うと、少し寂しくなる。
たくさんの人を幸せにした貴恵がまた幸せと出会えるように、と願わずにはいられない。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「妻、小学生になる。」の各話を1つにまとめたものです。
–{「妻、小学生になる。」作品情報}–
「妻、小学生になる。」作品情報
堤真一主演のちょっと不思議な家族の物語
妻を亡くしてから10年間…失意とともに生きてきた夫が、妻と奇跡の再会!
なんと妻は・・・小学生になっていた!
元愛妻家の夫、生まれ変わった妻(外見は小学生)、そして大人になりきれない娘…
ちょっと変わった3人による心温まる家族再生の物語
放送
2022年1月21日スタート
毎週金曜夜10:00~10:54
出演
堤 真一/石田ゆり子/蒔田彩珠/森田望智/毎田暖乃/柳家喬太郎/飯塚悟志(東京03)/馬場 徹/田中俊介/水谷果穂/小椋梨央/當真あみ/杉野遥亮/吉田 羊
原作
村田椰融
「妻、小学生になる。」
(芳文社「週刊漫画 TIMES」連載中)
脚本
大島里美
プロデュース
中井芳彦
益田千愛
演出
坪井敏雄
山本剛義
大内舞子
加藤尚樹
音楽
パスカルズ
製作著作
TBS