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高畑充希主演の水10ドラマ「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」が2022年1月12日より放送スタート。
ベンチャー企業「リレーション・ゲート」で社長・浅海(松田翔太)の秘書を務める雛子(高畑充希)。いきなり子会社の社長に指名されるという”ムチャブリ”に、彼女はどう対応していくのか? 生意気な部下・大牙(志尊淳)に軽んじられながらも、現実を受け入れていく様が描かれる。
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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高梨雛子(高畑充希)は、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長し続けるベンチャー企業「リレーション・ゲート」の社長秘書。社長の浅海(松田翔太)はカリスマ性のある男だが、直感で動く彼の“ムチャブリ”に、雛子は振り回されてばかり。おかげで6年間彼氏ナシのまま、30歳を迎えてしまった。
そんな雛子にクリスマスイブの夜、いつものように浅海から突然の電話が入る。社内で募っていた新規事業の企画に雛子も応募しろというのだ。いつものムチャブリに雛子はヤケクソで、数年前に出した企画書の年号を平成から令和に書き換えただけで提出する。すると困ったことに企画は採用され、雛子は前ふりもなく、子会社設立の記者会見の場で、突然社長に任命されてしまう!
右も左もわからないまま、浅海が買い取った創業50年の老舗フレンチレストランを、1ヵ月でリニューアルオープンするよう命じられる。部下として配属された野心家でナマイキな若手社員・大牙(志尊淳)は、自分の新規事業の企画が雛子に負けたことを納得していない様子。
そんな大牙たちと共にレストランへ向かった雛子だったが、店が買い取られたことを知らされていなかったシェフの古賀(神保悟志)たちは猛反発!社長就任早々、大ピンチに陥った雛子の運命は…!?
第1話のレビュー
「予算を大幅にカットしろ」と言ってきたり、企画書を白紙に戻せと要求したり。浅海社長(松田翔太)の日々の”ムチャブリ”は相当なもので、担当秘書の雛子(高畑充希)は振り回されっぱなしだった。
帰宅後、自宅でゆっくりゲームをするのが、彼女の唯一の憩い。時間や所構わず飛び出してくる浅海社長のムチャブリに辟易しつつも、30歳女子おひとりさま生活を満喫していた。
そんな矢先、雛子が過去に作った「カジュアルフレンチレストラン」に関する企画書が採用され、外食産業の子会社「リレーション・フーズ」が設立されることに。なんと、その新社長を雛子が務めることになった。
これまでにない最大級のムチャブリ。力量不足を自認している雛子は社長就任を断ろうとするが、浅海社長には聞き入れてもらえない。話はあれよあれよと進んでいき、経営不振に陥っているフレンチレストランを買い上げ、1ヶ月後を目安にリニューアルオープンすることまで決まってしまった。
乗りかかった船と言わんばかりに、自信のないまま社長業に邁進する雛子。これまでは一社員だったが、いきなり社長になったことで、周りには社長扱いしてもらえるようになった。一抹の高揚感を覚えるも、レストランのリニューアル過程において次々と問題が勃発。雛子の自信はまたもや霧散してしまう。
なんとか社長らしく立ち振る舞おうとするも、部下・大牙(志尊淳)には舐められる。「店ごと変わるなんて聞いていない、新メニュー開発なんて協力しない」と突っぱねる頑固なシェフ・古賀(神保悟志)とは上手くいかない。
所詮あの企画書は適当に出しただけだし、もともと私なんて社長になる器じゃないし……と言い訳を重ねる雛子。相次ぐトラブルに心が折れ、ついには浅海社長に「やっぱり無理です」と社長の立場を退きたい旨を進言してしまった。
このまま、外食産業の立ち上げまで白紙に戻ってしまうのか……。その瞬間、古賀の姿勢が変わった。「このまま新メニュー開発を断り続けたら雛子が辞めてしまう、そうなったら後味が悪い」といった理由で、やる気を出してくれたのだ。
その様子を見た雛子も、変わることを決意した。徹夜で新メニュー開発に協力し、なんとか完成にまで漕ぎ着ける。「古賀シェフと共に新しい店を作っていくこと」そして「社長を続けること」を決断した雛子。
社長の仕事は決断すること、と言ったのは浅海社長だ。ようやく雛子は腰を据えて、社長としての仕事を遂行したことになる。
このドラマは「変わることの大切さ」を教えてくれる。そして、変わるためには「考え方」と「行動」を見直すことが大事であることも。
古賀シェフ自身も、レストランの経営状態が悪いことにはずっと前から気づいていた。なんとかしなければならないと思いつつも、30年間フレンチレストランとしてやってきた矜持が、問題点と向き合うことを邪魔していたのだ。その頑なな姿勢が、雛子の存在によって変化した。
雛子もまた、変わることを恐れていた。
ずっと浅海社長の指示に従い、彼の言う通りに事が進むように、それだけを見据えながら仕事をしてきた。雛子だって、入社当時は「こんなことをしたい」と未来を思い描いていた新入社員だったのだろう。それが、目の前の仕事をこなすことに集中しすぎるあまり、自分のやりたいことに目が向かなくなってしまったのだ。
その結果、変わることは怖いし面倒だし、今のままでいたほうが楽である……といった価値観に繋がってしまった。「子会社の新社長に就任」という浅海社長のムチャブリによって、無理やり変わらざるを得なくなった雛子。彼女がこの先どんな変化の道を辿っていくのか、楽しみで仕方がない。
※この記事は「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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ベンチャー企業、リレーション・ゲートの社長・浅海(松田翔太)から子会社の社長を“ムチャブリ”され、老舗フレンチレストランのリニューアルに挑むことになった雛子(高畑充希)。周囲は盛り上がるが、レストランのオープンに向けて決断しなければならないことが多すぎて、雛子はキャパオーバー寸前だ。そんな状態を部下の大牙(志尊淳)から鼻で笑われた雛子は腹を立てるが、結局決断力のある彼にオープンの準備を任せることに。
そして迎えた、レストラン「プチボナール」のオープン当日。雛子は緊張しながら店のドアを開けるが、客はおらず…。知美(夏帆)から近所に話題のイタリア料理店が出店したと聞かされ、焦る雛子と大牙。
そんな2人の前に、大手外食企業「野上フーズホールディングス」の御曹司・野上(笠松将)が現れた!
野上が手掛けたイタリアン「リストランテベーネ」に、すっかり先手を打たれる形になってしまった雛子。その上、店のチラシに不備があったことが判明し、責任を感じた大牙はいつもの冷静さを失ってしまう。大牙を励ますつもりで飲みに誘ったものの、その場で大喧嘩をしてしまう雛子と大牙。
雛子は落ち込むが…。
そんな中、偶然出会った母子を店に誘い、2人が喜んでいる姿にヒントを得た雛子は、子連れ客をターゲットにした週末限定プランを企画。するとその狙いが見事に当たり、「プチボナール」もお客さんで賑わうように。雛子はようやく、社長として最初の一歩を踏み出したのだった。
しかし、そんな雛子の前に経営コンサルタントとして現れた桧山凛々子(優香)。彼女は昔、浅海と何かあったようで…新たな波乱の幕開けの予感!?
第2話のレビュー
社長に就任したばかりの雛子(高畑充希)は、社長としての”決断する仕事”があまりにも多いことに辟易していた。店名、店内の内装、メニュー、チラシのデザイン、使うナッツやワインの種類など……。
しかし、生意気な部下・大牙(志尊淳)にすべてを任せることで、なんとか難を逃れる雛子。仕事がデキる大牙は、ここで成果を上げることで、なんとか本社に戻してもらおうと企んでいた。テキパキと細やかな部分まで仕上げていく様はさすが”デキる男”! しかし、それもすべて本社に返り咲くための仕事なのである。
そんなこんなで、ついに新しいカジュアルフレンチレストラン「プチボナール」が開店! ようやくここまで漕ぎつけたことに安堵する雛子たちだが、一難去ってまた一難。記念すべきオープン日にも関わらず、客足が芳しくないのだ。
なかなか客を呼べない背景には、2つの問題点があった。
ひとつは、チラシに「プチボナール」の地図を入れ忘れたこと。そしてもうひとつは、近所にライバル店がオープンしたこと。
このライバル店、野上フーズの社長子息であり、企画戦略部・部長の野上豪(笠松将)が手がける店だった。メニューも価格も魅力的で、テレビ取材も入り話題になっている人気店である。
チラシのミスも相まって、意気消沈してしまう大牙。彼を慰める飲み会を開く雛子だが、酒の入ったやりとりが加速するにつれ性格の不一致が明確になり、しまいには「アホ! アホ!」と罵り合う形になってしまう。
なんとも前途多難なレストランである。しかし、お互いの恋が燃え上がるのに障害はつきものだ。筆者はこの第2話を見て、本ドラマには”3本”の恋愛フラグが立つだろうと予測している。言わずもがな、1本目のフラグは雛子+大牙。犬猿の仲だったふたりがいつの間にか恋に落ち……といった展開は、恋愛ドラマでは王道だろう。
2本目の恋愛フラグは、雛子+浅海社長(松田翔太)。もともと、浅海社長に信頼されていた秘書だった雛子は、彼との関係性も深い。経営コンサルタント・桧山(優香)を紹介されたときも、どんな関係の女性なのか気にかけている描写が見受けられた。本人は自覚していないようだが、浅海社長への恋心に気づく展開になってもおかしくはない。
そして3本目の恋愛フラグは、ライバル店を手がける野上フーズの野上豪である。
偵察も兼ねてライバル店へ食事に向かった雛子と大牙に対し、一見礼儀正しく挨拶するも「浅海社長の肝入りのレストランだと聞いて戦々恐々としていたが、考えすぎだった」などと煽っている。闘志を燃やす雛子。ライバルとして意識するあまり、いつの間にか……といった展開も期待できる。
「プチボナール」は、小さな子供を連れて外食しづらい悩みを持つ親世代に向け、子供の食事料金を無料にしたり、子供専用のメニューを作ったりなどして、方向転換を図った。それが功を奏したのか、経営は少しずつ上向きに。
お仕事ドラマとしても、恋愛ドラマとしても見応えのある本作。次回も楽しみに見守りたい。
※この記事は「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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レストラン「プチボナール」で、雛子(高畑充希)の高校時代の同窓会が開催された。6年間も恋から遠ざかっていることを友達にたしなめられた雛子は、学生時代に気になっていた同級生の加賀美(浅香航大)と連絡先を交換。久しぶりの恋のはじまりに、雛子は浮かれ気分だ。
そんな中、浅海(松田翔太)からレストランのチェーン展開に備えて準備するよう言われた雛子は、浅海と親しいコンサルタントの凛々子(優香)に相談。凛々子のアドバイスを受けて、「プチボナール」でしか食べられない目玉商品を作り出すことになる。話を聞いた大牙(志尊淳)は、話題作りのためにスイーツコンテストに出品してはどうかと提案。雛子は、パティシエ志望の萩尾(松岡広大)に新作スイーツの開発を託すことを決める。
加賀美とのデートはトントン拍子に進み、仕事と恋の両立を楽しみ始めた雛子。しかし、萩尾の新作スイーツ作りが思いがけない壁にぶち当たり…!
雛子は、膨大な仕事量と加賀美との恋愛を両立することができるのか!?
第3話のレビュー
今回のテーマは「仕事と恋の両立」。
早くもチェーン展開を視野に入れ始めた「プチボナール」の準備を進めながら、見習いシェフ・萩尾(松岡広大)に新作スイーツの試作を依頼する雛子(高畑充希)。まだ見習いだから、と躊躇する彼に「バッターボックスに立たないと!」と背中を押す。
その傍ら、彼女の頭にあるテーマは「仕事と恋の両立」だった。
仕事も恋も頑張りたい。そう思っていた矢先の雛子、なんと同窓会で再会した加賀美(浅香航大)にデートに誘われる。食事を共にした二人の雰囲気は、まさに恋が始まる前のそれ。雛子自身も久々の”予感”に浮かれていた。
社長として仕事もバリバリこなしつつ、パートナーをゲットして幸せな家庭を築く。まさに、雛子が思い描く”幸せな女性”の理想図と言えるが……。事態はそう上手くは転がらない。
加賀美はいわゆる”少し重いタイプ”の男性だったのだ。
連日、仕事で多忙にしている雛子の都合も顧みずデートに誘い、付き合ってもいないうちからプレゼントに指輪を渡してくる加賀美。「結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?」のメッセージ付きだ。
「いきなりあんな手紙、驚かせたよね」と彼は申し訳なさそうに雛子に伝えるが、問題はそこではない! 全視聴者がツッコんだ瞬間ではないだろうか。
たまたまデート先で浅海社長(松田翔太)と出くわした時に、彼が言っていた言葉が金言だった。
「好きだから結婚するの? それとも、結婚したいから好きになるの?」
あんなオシャレなお店でそんな風に言われたら、グッと考え込んでしまうだろう。雛子自身も、加賀美の”重さ”には耐えかねる様子だった。仕事と恋を両立したい。その思いを抑え、ひとまず仕事に集中したほうがいいのだろうか……。
雛子と加賀美は結局、付き合うまでにも至らずに距離を置くこととなった。「明日、親が来るから会ってくれ」だなんて、たとえ好きな相手から言われたとしても急展開すぎるだろう。さすがに人間性を疑ってしまう。
連日の忙しさに加え、恋愛のすったもんだで疲労を溜めていた雛子。発熱し、病院へ担ぎ込まれる騒ぎとなってしまった。冷たくあしらいながらも看病する大牙(志尊淳)の様子に、全視聴者がときめいたのではないだろうか。
浅海社長か、生意気な部下・大牙か、ライバル社の野上(笠松将)か。雛子の言葉を借りるなら、果たして誰を相手に”恋の温泉”が湧くのだろうか?
今回の終盤のシーンで、若干、浅海社長のリードが許された感覚がある。確かに、長い時間をともに過ごした彼との間には、言語化できない信頼関係が築かれていてもおかしくない。
しかし、本音でぶつかり合える大牙や、ダークホース・野上との関係性も無視できない。雛子は果たして「仕事と恋の両立」という永遠のテーマに、どう向き合っていくのだろうか?
※この記事は「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
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「俺が君を選んだ」。浅海(松田翔太)のひと言が気になって仕方ない雛子(高畑充希)は、チェーン店5店舗を1ヵ月後にオープンさせるという浅海の“ムチャブリ”をうっかり引き受けてしまった。急すぎる進行に社員たちも後ろ向きな態度。さらに大牙(志尊淳)も、柚(片山友希)とのデートでは会話が弾まず、同期が先に出世した焦りもあって、雛子への不満を隠さない。
そんな中、「プチボナール」の仕入れ先が、突然、ワインの取り引き停止を宣告してきた。野上フーズと専属契約を結ぶことになったのだという。仕事が増えて不満が高まる社員たちの手前、雛子は新しいワインの仕入れ先は自分で探すと宣言。
凛々子(優香)にも協力してもらいリサーチを進める中、知美(夏帆)から山梨の個人ワイナリーが作った「伝説のワイン」の存在を知らされる。
社員たちもうなるクオリティーの「伝説のワイン」。何としても仕入れようと、大牙と共に醸造元のワイナリーを営む春乃(南野陽子)の元を訪れる雛子。
しかし夫が亡くなってから春乃は新規にワインを作っておらず、貯蔵しているワインも売りたくないと、取り付くシマもない様子。雛子と大牙は、あの手この手で春乃を説得しようとするが…。
第4話のレビュー
浅海社長(松田翔太)への淡い恋心に気付きつつある雛子(高畑充希)。しかし、彼女自身は完全にはその気持ちを受け入れられない。「僕が君を選んだじゃない」といった胸キュンワードにときめきつつも、これまで彼から下される無数の”ムチャブリ”に振り回されてきたのも確かだからだ。
これは恋なのか、そうじゃないのか? 悩む矢先、浅海社長と”ビジネスパートナー”である女性・桧山(優香)と二人で話す機会に恵まれる。
「今も昔も、私を引っ張り上げてくれる恩人」だと彼女は浅海社長を称するが、結婚寸前までいった段階で「私は彼を幸せにできないと悟った」から別れたのだと教えられた。その真意とは……?
雛子の恋模様が気になるところだが、チェーン店×5店舗のオープンを控えるフレンチレストラン「プチ・ボナール」に、また新たな試練が。これまでワインを卸してくれていた湾岸物産が、急に取引停止を申し入れてきたのだ。
なんと、野上フーズと専属契約を結ぶことにしたという。
急いで、店の目玉となる新しいワインを仕入れなければならない。知美(夏帆)からの情報で、山梨に伝説のワインを作っている「島本ワイナリー」があることを知り、部下の大牙(志尊淳)と現地へ向かうことにした雛子。
個人経営のブドウ農園・島本ワイナリーで生産されているワイン「マ・セゾンプレフェレ(私の好きな季節)」は、その希少性から相当なプレミアがついており、なんとネット購入では8万5000円もする(原価は1900円なのに……!)。
島本ワイナリーの責任者・春乃(南野陽子)に、ワインを仕入れてもらうようお願いする雛子と大牙。しかし、春乃は頑なにYESと言わない。
ワインを作っていた夫はすでに他界しており、現在は新しいワインを作ってはいないのだという。貯蔵庫に残っている分はあるが「売らない、売ったら私の分がなくなっちゃうじゃない!」と春乃は譲らない。相当なワイン好きだと窺えるが、彼女自身はワインが嫌いで、一才飲まないそうだ。
ワインは嫌いなのに、売りたくない。
この矛盾を解決できれば、美味しいワインを店に仕入れられるのに……! 頭を悩ませる雛子。
なぜ、春乃はワインを売らないと決めているのだろう?
その背景には、少々複雑な事情があった。
ワインを作っていた春乃の夫は、相当な愛情と労力をワインに注いでいた。妻である春乃のことは半ば放ったらかしで、どれだけ美味しく良いワインを作れるか、それだけに自身の人生を捧げているような夫だった。
そんな彼が残していったワイン。いわば、春乃の手元に残ったワインは「恋敵」とも言える。雛子と大牙が話したように、愛する人が愛情を注いだものは、そばに置いておきたいと思うものだろう。
彼女から、大切なワインを奪うわけにはいかない。
さすがの雛子も諦めかけたその時。ワイン「マ・セゾンプレフェレ」のラベルに、ある特徴があるのを発見する。水に濡れると、とある言葉が浮かび上がるような加工がされているのだ。
「私の好きな季節」と名がつけられたワインラベルに、そっと肩を寄せ合うよう浮かび上がるのは……「私は春が好き」という言葉。
春乃の夫は、ちゃんと彼女を愛していたのだ。むしろ、彼女のために全力を注いでワインを作っていたと言っても過言ではないだろう。このワインは、恋敵なんかじゃなかったのだ。
「口数が少ない人だったから、私には興味がないのかと……」
「口で言えばよかったのに」
ワインに残された愛情を汲み直した春乃。そんな彼女の心を解いたのは、雛子の懸命な姿勢だとも言える。残ったワインを卸すわけにはいかないが、これから新しいワインの生産を始め、それを「プチ・ボナール」に入れると約束してくれた。
論理や損得勘定ではなく、人の気持ちを最優先にして考えられる雛子。少しずつ社長らしくなっていく彼女に対し、傍で見ている大牙は複雑な感情を抱いていた。
同期が出世し、焦っている大牙。自分も本社でバリバリ仕事をしたいのに、現実にいるのは”子会社で燻っている自分”だ。やりたいことを形にできない歯痒さ。論理や効率性が通用しない職場。ヘラヘラしていながら、イザという時の大事な成果はしっかり上げていく雛子に対し、不甲斐なさやライバル心を抱いてもおかしくはない。
しかし、どうも様子が変だ。
「絶対に俺の方が仕事ができるのに」
「あなたのこと、スッゲェ嫌いなのに、俺……」
そう言って、雛子を見つめる大牙。憎さ余って可愛さ100倍というやつか、嫌い嫌いと思っていたら「いつの間にか好きになっていた」という展開だろうか。個人的には、浅海社長に見つめられる以上にドキドキしてもおかしくないのでは? と思ってしまった。
ムチャブリ社長か、生意気部下か?
雛子が最終的に心落ちるのは、いったいどちらなのか?
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–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
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出張中の雛子(高畑充希)と大牙(志尊淳)の前に、浅海(松田翔太)が突然現れた。ワインの契約の件で浅海から褒められた雛子は、「もっといい社長になる」と宣言。大牙は、2人の親密そうな様子がなぜか気にかかる。
知美(夏帆)が雛子の会社の短期契約社員として働き始める一方、凛々子(優香)はレストランのチェーン展開のためには1号店で“圧倒的体験”を与えることが必要だと雛子に助言する。それを受けて、47都道府県の名産品を使った「日本列島フレンチフェア」を思いつき、浅海のようなリーダーシップで社員を牽引しようと張り切る雛子。大牙は、雛子が無茶をするのではないかと心配するが…。
そんな中、宮内(荒川良々)が気がかりな情報を仕入れてきた。野上フーズが、国産食材を使ったイタリアンフェアを計画しているというのだ。野上フーズに対抗するため、雛子はフェアの日程の前倒しを指示するが、大牙をはじめとする社員たちは猛反発。
雛子は浅海に「社長のようになりたかっただけなのに」と弱音を漏らす。しかし浅海は社長として、雛子が想像する以上の孤独を抱えていて…。
第5話のレビュー
無事に島本ワイナリーと契約を結べた雛子(高畑充希)と大牙(志尊淳)。良い雰囲気になりかけていた二人だが、突如、浅海社長(松田翔太)が乱入! 「ワインを飲みたくて」といった理由でわざわざやってきたらしいが、その真意はいかに。
相変わらず何を考えているかわからない浅海社長だが「島本ワイナリーの契約、君なら取れると思ってた」と雛子を絶賛。「頑張ったね」と褒めてくれたことで、彼女の精一杯の頑張りも報われたのではないだろうか。
浅海社長からの言葉を受け、ますます「良い社長になりたい」と本腰を入れる雛子。
次のプチ・ボナールの課題は、お客様に圧倒的体験をしてもらうイベントを企画することだ。日本全国から美味しい食材を集め、それを使ったフルコース料理を振る舞うのはどうだろう、とアイデアが出される。沸き立つ社員たちだが、そこには、またもや暗雲が……。
なんと、野上フーズも同じ趣旨のイベントを企画していると情報が入ったのだ。
野上(笠松将)は以前にも、プチ・ボナールのオープンにぶつけるようにしてキャンペーン付きの出店をするなど、無視できない動きを見せてきた。今回も、イベントの日程が重なってしまうと、プチ・ボナールの印象が薄れてしまうかもしれない。
雛子は苦慮の末、イベントの日程を前倒しすることを提案。しかし、それが社員同士の軋轢を生むきっかけとなってしまう。
「できないことはできない」と正当に主張する社員たちを前に、良い社長になりたいと空回る雛子は「決めるのは私です!」と譲らない。この一言が引き金となり、社員からの信用を失ってしまった。
「社長って、孤独なものなんですね」と浅海社長に本心を吐露する雛子。確かに、決断の連続である社長の立場は孤独に見える。社員たちの意向を汲むのも大切だが、仕事を推し進めるため、そして顧客のことを考えれば考えるほど「一人」を痛感するものなのかもしれない。
社員からの信頼を回復するため、やはり雛子は自分の足を使う。
食材の融通を予定していた卸先に自ら出向き、なんとか早めに用意してもらえないか頼んでまわる雛子。今回びっくりさせられた彼女の行動は、なんとライバル企業である野上フーズにまで頭を下げに行ったことだ。
普通、ライバル企業に頭を下げて助けてもらおうなんて、考えつかないだろう。雛子の発想や行動は、確かに普通の社長らしくはない(食材を融通してあげる野上フーズの底も知れないが)。
この行動に、大牙をはじめとする社員たちは、改めて雛子の行動力に驚く。「普通の社長らしくないとは言ったけど、それは別に悪い社長という意味じゃない」と大牙も言っていたように、雛子には雛子のやり方があり、魅力があるのだ。
この一件で、またもや雛子は成長した。
一匹狼で、何事も一人で背負い込み、決断に全責任を負う。それが雛子にとっての社長像だったのかもしれない。
しかし、社長は「孤独」なものであり、決して「孤立」しているものではない。意見を出し合い、気持ちを共有し合いながら、ともに”良い仕事”を作り上げていく。そんな原点に立ち返ることで、互いの信頼関係を築き直してみせた。
最後に、総務担当である宮内(荒川良々)のセリフを借りて締めたい。
雛子は「こちらが支えたくなる、魅力のある社長です」!
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–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
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勢いで浅海(松田翔太)を抱きしめてしまった雛子(高畑充希)は、激しく自己嫌悪。「プチボナール」の新店舗5店舗オープンに向けて、大牙(志尊淳)の計画に沿って店の物件やシェフの選考を進めることになるが、身が入らない。
そんな中、雛子の母・令子(草刈民代)が突然現れた。
きちんとした性格で、計画通りに物事を進めなければ気がすまない令子は、起床時間からお弁当作りなど1日の過ごし方の完璧な計画を立て、雛子は仕事でも自宅でも追い詰められるハメに。
しかも、ようやくやってきた休日。令子が外出した隙に、雛子がゲーム&ビールのダラけた休日を満喫していると、令子が大牙を連れて帰ってきた!
外出先で大牙と偶然知り合った令子は、彼とすっかり意気投合してしまったのだ。
その後、会社にまで押しかけてきた令子と、浅海、大牙の4人で食事をすることになった雛子は生きた心地がしないが、新店舗の準備でも思いがけないピンチが発生し…!
第6話のレビュー
思いがけず浅海社長(松田翔太)にバックハグしてしまった雛子(高畑充希)。しかし「終電は大丈夫?遅いから気をつけて帰ってね」とそっけなくされてしまい、メンタルはダダ落ち。
視聴者の立場からすると、恋に臆病になっている社長は、ただ雛子を傷つけたくないだけなんだよ……! と言いたくなってしまう。「なんであんなことしちゃったんだろう……」と後悔する彼女に、いますぐ伝えに行きたくてたまらない。
そんな矢先、恋の浮き沈みで一喜一憂してはいられない事態が、雛子を襲う。
一つ目は、プチ・ボナールのチェーン店を5店舗同時オープンするために、計画表に沿って着実に仕事を進めなければならなくなったこと(よくよく考えてみると当然のことで、これまで計画に沿ってなかったことが不思議)。
二つ目は、雛子の母(草刈民代)が突然、雛子の家に来襲したことである。
小さな頃から父親に似て、なんでも大雑把だったという雛子。部屋は散らかり放題で、自炊もまともにしていない。惨憺たる現状が母親にバレてしまった。おまけに、彼女は何日か雛子の家に泊まっていくつもりだという。
母が持参した「人生計画表」を、母娘そろって覗き込むシーンには、思わず笑ってしまった。
大学に入学する際、どうしても一人暮らしがしたかった雛子。母を納得させるため、この人生計画表まで準備して、なんとか一人暮らしの権利を勝ち取ったのだという。
その人生計画表には「30歳に結婚」と書かれていた。結婚どころか、相手もいない雛子。「計画的に、逆算して進めないからよ!」と母に叱られる彼女の様子を見て、どうしても他人事とは思えない筆者がいる。逆算……そうですよね……すみません……。
仕事も恋も計画性が大事。頭ではわかっているけれど、なかなか現実は上手く転がってくれないものだ。
なんとも耳が痛い回だな……と思いながら見ていると、またもや物語は急展開。友人の家に行った帰りに腰を痛めてしまった母、なんと通りすがった大牙(志尊淳)に助けてもらう。喫茶店で意気投合し「うちで夕飯でもどう?」と誘って、雛子宅へ連れてきてしまった。
ラブコメっぽい王道の展開! 生意気だけど恋のフラグが立っている年下部下が、自分の母親と仲良くなり、突然自宅にまで来てしまうって。
雛子としては、THE・休日モードの自分と、散らかった自宅を見られて気が気じゃないだろう。これまで散々、仕事において大牙の手を借りてきた雛子だが、とうとう社長としての面目を失いかけているのではないか。
しかし、当の大牙はどこふく風だ。「社長が段ボールだらけの家に住んでるなんて、会社では絶対に言いませんよ」なんて言いながら、どことなく嬉しそうである。
そう、我々はもう、気づいている。
大牙は、島本ワイナリーに一緒に行ったその日から、雛子の魅力に気づき始めている。なんなら、もうハッキリ好きになっているだろう。大牙は後輩の女の子に気持ちが向いていたはずだが、その彼女に「先輩は雛子さんのことが好きなんですね」と言われ、自分の気持ちを認識したに違いない。
おそらく、今後の大牙は止まらない。
雛子は雛子で、元恋人の桧山(優香)と抱き合う浅海社長の姿を目撃してしまい、心が揺れ動く。自分でもどうしていいかわからない気持ちを抱えながら、たまたま顔を合わせた大牙に「なんで泣いてるんですか」と抱き寄せられる胸キュン展開。
いったい次回からどうなってしまうのか。雛子は浅海社長と大牙、どっちと結ばれる? ことあるごとに妨害してくる野上フーズとは、どう立ち向かう?
回を追うごとに、視聴者の心まで揺れ動かしてくるドラマである。
※この記事は「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
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浅海(松田翔太)と凛々子(優香)が寄り添っているところを目撃してしまった雛子(高畑充希)は、大ショック。
大牙(志尊淳)は傷ついた雛子を抱きしめ「あなたを嫌いなわけじゃない」と不器用に思いを伝えるが、雛子は慰められただけだと大牙の行動をスルーし、誤解を解こうとする浅海の弁明も聞こうとしない。
短期の雇用期間を満了した知美(夏帆)は、雛子の会社の正社員になることが決定。家庭でも職場でも完璧主義者の知美を雛子は心配するが、知美はやる気満々だ。
一方、「プチボナール」のテイクアウト専門店で出している弁当を、総合スーパーで全国展開するという仕事を大牙が請け負ってきた。事業拡大のチャンスと意気込む大牙は、宮内(荒川良々)たちから「好きな人にも積極的にアプローチするべきだ」とけしかけられる。
休日に突然押しかけてきて、ゲームをしたり食事を作ったりする大牙に、困惑する雛子。
凛々子から雛子への思いを指摘され、「恋は自分の人生に必要ない」と雛子と距離を置くことを決意する浅海。そんな中、雛子の会社はスーパーに弁当を出すための調整でますます忙しくなり、家庭と仕事の両立で追い詰められた知美は、夫と口論になってしまう…!
第7話のレビュー
雛子(高畑充希)の会社で共に働くことになった知美(夏帆)。家庭があり、小学生の子どももいる知美にとっては、フルタイムでずっと働き続けるなら、この先大変なことがあるかもしれない。雇用契約が満了し、あらためて正社員契約の提案がなされたタイミングで、雛子と同じく視聴者もそう感じたことだろう。
本来であれば、たとえ家事や育児の必要もあるからといって、それが仕事を諦める直接的な理由にはならないはず。
パートナーや親族、福祉サービスの助けを借りることも選択肢の一つだ。母親といえど、働くことを希望するなら相応の制度を利用する権利がある。
しかし、知美は完璧主義。家事や育児の分担を申し出た夫に対して「皿洗いのやり方が雑」「洗濯物をしまう場所が違う」など独自ルールを持ち出し、それが火種となって喧嘩をしてしまう。
仕事も完璧にこなしたい知美にとって、職場と家庭の板挟みはつらくのしかかってくることだろう。
雛子も、友人の働きぶりを絶賛しつつも、無理をしすぎていないか心配でたまらない様子を見せた。仕事が手に余るなら他の社員にふる、終業時間までに終わらない仕事は分担を考え直すなど、社長として在るべき対応をしたように思う。
しかし、知美はすべてを一人で背負おうとしてしまい、決壊してしまう……。
仕事と家庭の両立。知美の性格上、彼女のキャリアにとって、究極の選択と言えるだろう。
今回、雛子や知美のやりとりを見て感じた。完璧主義は、自分だけではなく他人の首をも締める。責任感が強いのは立派なことだけれど、時には弱さをさらけだし、できないことは「できない!助けて!」と声を上げ、周りに頼って甘えることが大切なのだ。
それも、バランスが難しいのだけれど……。
バランスの難しさといえば、雛子の恋愛模様もいよいよグラグラになってきた。
浅海社長(松田翔太)にほのかな思いを寄せていた雛子。しかし、かつてのパートナーと身を寄せ合う彼の姿を目撃してしまい、潔く諦めようとする。
浅海社長としては「彼女とはそういう関係ではない」と言っており、その言葉に嘘はないのだと思うが……。自分には恋愛は必要ない、と口にしていることから、相当なトラウマを抱え込んでいるようにも思える。
果たして、そのトラウマの重さ、雛子にも背負えるものだろうか……。
そんな矢先、ついに雛子への愛に目覚めた大牙 (志尊淳)の猛プッシュが始まる!
あの生意気な大牙はどこ行った???と不思議に思ってしまうほど、ことあるごとに雛子を食事に誘ったり、休日に彼女の自宅へ押しかけたり、料理を振る舞ったり……。こうと決めれば止まらない暴走機関車のような性質なのだろうか。
挙げ句の果てに、サンドウィッチのクリームが口元についてしまった雛子を見て、ここぞとばかりに長いキスを繰り出す!
筆者は「雛子と大牙がくっつくと良いな〜〜〜」と二人のことを応援しているので、ウェルカムな展開ではあるのだが……。大牙のぐいぐいっぷりにキュン5割&戸惑い5割。雛子も引いてないといいけれど。
※この記事は「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
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大牙(志尊淳)から突然キスされた雛子(高畑充希)。
大牙の真意がわからず仕事も上の空だが、そこに浅海(松田翔太)がやって来た。浅海に言われるままに、「プチボナール」の弁当の総合スーパーでの展開を仲介している会社に連絡した宮内(荒川良々)は、担当者が退社したと言われて絶句。このままでは、「プチボナール」のソースのレシピが盗まれ、本店もテイクアウトの店も大打撃を受ける…!背後で「野上フーズ」が動いていると確信した社員たちは、社内にスパイがいるのではないかと疑心暗鬼に。
そして様子のおかしい大牙がいて…。
雛子は大牙を飲みに誘うが、ついキスのことを思い出してしまい…。そんな中、葛原(坪倉由幸)と野上(笠松将)は浅海を社長から引きずり下ろすために画策。浅海はそれに気付いているようで…?
そして、姿を消してしまった大牙を心配した雛子は、彼の自宅へ向かうが…!?
第8話のレビュー
プチ・ボナールのテイクアウト専門店を開拓するため、新作ソースの開発を進めていた雛子(高畑充希)たち。大牙(志尊淳)が話を持ってきた月浜商事・五十嵐を通して、ヴェールマーケットとの大型契約が控えていた。
順調に進んでいたはずが……またもやトラブル発生。五十嵐が退職し音信不通になったことに加え、本社の専務・葛原(坪倉由幸)と野上(笠松将)が繋がっていたことが発覚!
大牙は、いつか本社勤務に戻ることを希望しながら、良かれと思って葛原に情報を流していたのだ。意図せず、葛原側に有利に動かされていたことになる。葛原を通して情報を得ていた野上は、リレーションフーズよりも一歩先にヴェールマーケットとの契約を進めてしまった。
上手くいきそうになるたびに、野上フーズに行手を塞がれる展開。これまでも同じような形で妨害されてきた。
なぜ、野上はこうも執拗に邪魔を重ねてくるのだろうか? それには、彼の過去が関係していた。
以前は別の会社で、信頼する仲間たちと心血を注げる仕事をしていた野上。しかし、彼らが開発した技術が、なんらかの経緯で浅海社長(松田翔太)に知れてしまう。浅海社長は、そのまま自社で特許を取得してしまったのだ。
そのせいで、野上は自分の会社と仲間を同時に失った。当時のことを恨み、浅海社長に復讐するために数々の妨害を企てているのだ。葛原と利害が一致した野上。二人で共謀しながら動いている理由が、これで明るみになった。
雛子たちが頑張れば頑張るほど、野上フーズに邪魔される。
これから一体どうすればいいのやら……途方に暮れる雛子たちに加え、自分自身が図らずもスパイにされていたことを知り、落ち込む大牙。すっかり”牙”が抜け落ちてしまった。有給を消化しながら回復に努めるが、本人は「自分は会社に必要のない人間」「もう辞める」とすっかり後ろ向きだ。
野上フーズの動向も気になるところだが、契約前だったソースのレシピを取り戻すことはできない。ならば、さらに美味しいソースを開発するだけだ! と粉骨砕身するシェフたち。新たな卸先を探しつつ、雛子は大牙の自宅に通い続ける。
あの手この手で「大牙くんは会社に必要な人間なんだよ」と励ます雛子。しかし、大牙の落ち込みようは半端なものではない。ついに堪忍袋の緒が切れた(?)雛子が、大牙にまくしたてるシーンが爽快だった。
「あんたなんて、ただのタコ! タコタコタコ!」
「私が失敗したら大牙くんがフォローして、大牙くんが失敗したら私がフォローする。それでいいじゃん!」
雛子の決死の思いが届いたのか、会社を好きな気持ちが再熱したのか。新しく仕上がった試作のテイクアウト弁当を食べながら、「うまい」と泣く大牙もよかった。
落ちきった牙が生え変わり、新たに生まれ変わるのも時間の問題。「仕事の失敗は、仕事で挽回します」と会社に復帰した大牙を、仲間全員が快く出迎えた。やっぱり、口が悪く協調性のない大牙じゃないで、座りが悪い。
紆余曲折ありつつも、あらためて新作ソースが開発され、提携先も決まりそうだ。今度こそ、万事上手く進むかと思いきや……まさかの浅海社長が退任、そして行方不明に!?
最終回が見えてきたこのタイミングで、いったい次は何が起こってしまうのか。
※この記事は「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」の各話を1つにまとめたものです。
–{第9話ストーリー&レビュー}–
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
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大牙(志尊淳)に抱きしめられ、彼を抱きしめ返した雛子(高畑充希)。
しかし自分の本当の気持ちがわからず、大牙を全身で受け止めることはできない。一方、葛原(坪倉由幸)の裏工作により社長退任に追い込まれた浅海(松田翔太)は、野上(笠松将)が開発したIT特許技術を盗んだ行為について葛原を諭すが、葛原は聞く耳を持とうとしない。
浅海の退任の一因が自分の会社の業績悪化にあると知った雛子は、姿を消してしまった浅海と連絡を取ろうと右往左往。するとそこに、浅海から連絡が入った。マスコミを避けるために公園にいた浅海を、雛子は自宅に連れ帰ることに。
同じ頃、大牙は葛原に訣別を言い渡し、雛子が提案したショッピングモールのフードコートへの出店に向かって尽力し始める。
浅海と一緒にカレーを作ったり、休日を過ごしたりする中で、彼の本当の姿に触れる雛子。
浅海はそんな雛子に、自分よりいい社長になれるとエールを送るが、そんな中、出張帰りの大牙が雛子の家にやってきた!浅海と大牙の間で、雛子の気持ちは大きく揺れ動くが…!?
第9話のレビュー
浅海社長(松田翔太)が解任され、大牙(志尊淳)に抱きしめられて終わった前回。第9話の幕開けは、雛子(高畑充希)にとって感情揺さぶられるものだった。
仕事も大変、恋愛面でも考えなければならないことが多すぎて、普通ならパニックになってもおかしくない場面である。
浅海社長が解任されてしまったのは、葛原専務(坪倉由幸)のクーデターによるものだった。水面下でコツコツと”専務派”を作り上げ、入念な根回しの末に浅海社長を解任へと追い込んだらしい。新社長の椅子に座ったのは、もちろん葛原だ。
これから一体どうなるのか。浅海社長の独断で進められた外食産業=リレーションフーズは、今後も事業を続けていけるのか?
そんな不安に陥った矢先、音信不通になっていた浅海社長から雛子の元へ連絡が!
さまざまなところから一気に連絡が来て、スマホを見るのがイヤになっていたのだという。いい加減にお腹が空き、どうしようもなくなって雛子へ連絡したらしい。社長でなくなった浅海は、なんとも子供っぽいところがある。
その後、どうしても浅海社長を放っておけない雛子は、自宅へ浅海社長を連れ込む。半ば同棲生活のようになってしまった現状に、戸惑いながらもウキウキした気持ちが隠せない雛子。結局、彼女は浅海社長と大牙のどっちに惹かれているのだろうか?
トラブルは次から次へと起こるもの。厄介者だった浅海社長を無事に追い出せた葛原にとって、もう邪魔するものは何もない。浅海社長の肝入りだった外食産業(リレーションフーズ)は解散させ、野上フーズと提携を組んで新たに事業を始めることにしたという。
リレーションフーズ社員に対し「会社もみんなも、私が守ります」と宣言していた雛子。しかし、頼みの綱である浅海は社長を解任されてしまった。今後どう動くつもりなのかを繰り返し聞いても、彼は掴みどころのない返事をするばかりだ。
このままでは、会社を守ることはできない……。
そんな矢先、浅海社長と雛子が半ば同棲のような状態になっているのを、偶然知ってしまった大牙。やっと自分の本当の気持ちに気づけた彼にとって、どっちつかずで曖昧な雛子の態度は、さぞイライラさせるものだろう。
イライラしすぎて疲れたのか、大牙は最終的にひとつの答えを出し、雛子に突きつけた。「もう、終わりにします」ーー果たして、雛子は仕事と恋を両方とも守ることができるのだろうか?
慣れない社長業で大変なのはわかるが、さすがに大牙がかわいそうでは……と思えてしまう態度ばかりとってきた雛子。リレーションフーズの行方も気になるが、最後くらいは大牙の気持ちを汲んでやってくれ……と思えてならない。
※この記事は「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」の各話を1つにまとめたものです。
–{第10話ストーリー&レビュー}–
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
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「リレーション・フーズ」の解散が言い渡され、自分の無力さに打ちひしがれる雛子(高畑充希)。
家を出て行った浅海(松田翔太)からの連絡も途絶え、大牙(志尊淳)からも「僕は終わりにする」と言われてしまった雛子は、自分の“幸せ”がどこにあるのかわからなくなってしまう。
自分のことはさておき、社員の幸せな未来のために奔走する雛子が会社を辞める覚悟だと察した大牙は、「リレーション・フーズ」を本社から買い取ろうと決意。宮内(荒川良々)をはじめとする社員たちは張り切るが、そう簡単に買収に必要な金額が集まるはずもなく…。
そんな中、柚(片山友希)に連れられて、野上(笠松将)が現れた。「野上フーズ」を辞めた彼は、雛子の熱意に敬意を表し、銀行や投資家を紹介すると申し出る。雛子たちは盛り上がるが、葛原(坪倉由幸)は既に「リレーション・フーズ」の売却先を決定済で…。万事休すの雛子たちは会社の解散を覚悟するが、そこに思いがけない人物から連絡が入る!
第10話のレビュー
葛原専務(坪倉由幸)の画策により、リレーションフーズは解散寸前に追い込まれる。頼みの綱である浅海社長(松田翔太)は姿を消したまま、万事休すの状態。雛子(高畑充希)の恋愛模様にも決着がついていないのに、なんともハラハラさせられる展開である。
「リレーションフーズを会社ごと買い取ればいいのでは?」との妙案が生まれ、なんとか資金をかき集めようとするも、順風満帆とはいかない。あれほど敵対していた野上(笠松将)が「復讐にビジネスを利用するなんて間違っていた」と改心し資金援助を申し出てくれた展開には熱くなったが、当の葛原専務は「君たちに会社を売る気はない」と実に塩対応だ……。
このままでは、大切な会社がなくなってしまう。プチボナールの存続も危うい。
社員たちはなんとか本社に戻れるかもしれないが、リレーションフーズとして採用されていた知美(夏帆)はまたもや就活のやり直しだ。そして、雛子自身の進退は……。
なんとも言えない暗雲が立ち込めていたところ、一筋の光が差してきた。
なんと、浅海社長が戻ってきたのだ!
雛子に冷たくされたショックから傷心旅行にでも出ていたのでは……とコッソリ心配していたが、なんと彼は自分の会社を取り戻すため、株を集めて回っていたのだという。社長を解任され、なんとなくやる気も見えず、このままフラフラと暮らしていくのかと思っていたが、やる時はやる男だ。
無事に社長へと返り咲いた浅海。「やはりお前には勝てないってことか」とぼやく葛原と最後に酒を交わすシーンも感傷的にさせられるが、会社が無事に立て直ったということは……また、新たな問題が浮上してくることになる。
そう。雛子は一体、浅海社長と大牙(志尊淳)のどちらを選ぶのか問題!
最終回らしく、雛子にはわかりやすい選択肢が提示された。なんと浅海社長、せっかく戻ってきたにも関わらず社長を再び退任し、アフリカに学校を作るため飛び立つというのだ。
「もう会えなくなるなんて嫌です」と訴える雛子に対し、浅海社長は言う。「それなら一緒に来てほしい」と……。
浅海社長に対して並々ならぬ思いがある雛子。彼は特別な存在で、元々は秘書として彼を支えることに生きがいも喜びも感じていた。かと言って、共にアフリカに行くのが”愛”なのかと問われると……。
雛子は、もう以前の彼女とは違う。一会社の長であり、抱える社員もいる。置いていくにはあまりにも惜しい大切なものを、たくさん手にしてしまっているのだ。
最終的に、雛子はアフリカ行きを断った。
この物語の結末について、見方によっては「雛子は仕方なく大牙を選んだ」といった捉え方もあるかもしれない。浅海社長がアフリカ行きを決断しなければ、きっと今後も雛子は彼の存在を心に置き続けただろうから。
しかし、人生の選択とは、時として”偶然”に支配されるものだとも感じる。
またもや浅海社長のムチャブリによって、本社・リレーションゲートの社長に就任した雛子。子会社の社長になっただけでもアタフタしていた1話の彼女を思い返すと、なんとも頼もしく映る。彼女はまた大切なものを手にし、それらを守るために1秒1秒を尽くしていくのだろう。
雛子を支える大牙の心労も相当なものになりそうだが……そこは、惚れた弱みということで。ぜひともアナザーストーリーをHuluで配信してくれと願いつつ、未来の彼らの幸せを祈りたい。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」の各話を1つにまとめたものです。
–{「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」作品情報}–
「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」作品情報
出演:
高畑充希
松田翔太
志尊淳
夏帆
笠松将
山田真歩
忍成修吾
片山友希
坂本慶介
松岡広大
優香
坪倉由幸
神保悟志
荒川良々
脚本:
渡邉真子
音楽:
河野 伸
チーフプロデュース:
加藤正俊
プロデュース:
鈴木亜希乃
柳内久仁子(AX-ON)
演出:
猪股隆一
狩山俊輔 ほか
制作・著作:
日本テレビ
制作協力:
AX-ON