『仮面ライダーリバイス』で注目のキャラを熱演中!奥智哉インタビュー|芸能界入りは「真に受けた父が履歴書を書いて…」

デフォルト

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

蜷川実花監督NETFLIXオリジナルドラマ『FOLLOWERS』で俳優デビューを飾り、美少年としてSNSでも話題になった俳優・奥智哉。現在は『仮面ライダーリバイス』に出演している。演じるのは、主人公一家が経営する銭湯の常連客である牛島家の息子・牛島光(ひかる)。

本作で怪しい動きをしていた牛島家が実はとある組織の一員であったことが明かされ、光の動向からも目が離せない展開となっている。

そんな『仮面ライダーリバイス』の話を中心に、俳優になったきっかけや特撮の現場での様子、今後の展望など今の自身について語ってもらった。

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

仮面ライダーシリーズへの出演に「50周年の重みがのしかかってます」

——俳優になろうと思ったきっかけや目標にしている俳優さんがいれば教えてください。

目標でいうと、山田孝之さん、堤真一さん、松坂桃李さん、佐藤健さんです。実は、僕がこの世界に入るきっかけになったのは佐藤健さんなんです。

小学6年生の頃に何気ない日常会話の中で父に「将来何になりたい?」って聞かれたことがあって。ちょうどテレビで映画『るろうに剣心』の番宣をやっていて、冗談半分に「自分もこんなお仕事ができるのかな」みたいな感じで答えたら、父が真に受けてしまったみたいで。父が履歴書を書いて事務所に送ったのが、この世界に入るきっかけでした(笑)。

——最初は軽い気持ちだったということですが、事務所に所属することになって本気で俳優をやっていこうと決心したんですか?

いえ、最初は本当に軽い気持ちだったので、俳優という仕事をやっていくんだと自覚したのは『FOLLOWERS』の撮影に参加させていただいてからで、中学3年のときですね。

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

——2004年生まれの17歳ということで、オンタイムで見ていた仮面ライダーはどのあたりの作品になりますか?

記憶が残っているものだと『仮面ライダー電王』からですね。当時は幼稚園ぐらいで、よく観ていました。そのほかには「キバ」、「ディケイド」、「W」、「オーズ」、「フォーゼ」辺りまではオンタイムで見ていたと思います。

——幼少期にご覧になっていたということで親しみのあるシリーズかと思いますが、ご出演されてのお気持ちはいかがですか?

本当に感慨深いです。しかも、仮面ライダー生誕50周年記念作品ですから、50周年の重みがのしかかってますね(笑)。出演が決まったと聞いたときは、すごくうれしかったんですが、すぐに50周年の重みがどっと来ました。

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

——役を演じている上に裏の顔を隠して幸せそうな家族を演じるというのは、難しくなかったですか?

裏の顔があることは出演が決まった時点で聞いていたんですが、つい最近、光は人間の感情が欠落しているという設定を聞いたんです。それまでは、誰が見ても印象の良い好青年という気持ちで演じていたので、苦ではなかったですね。ただ、これから光本来の姿を見せていくことになるので、難しい場面があるかもしれないとは思っています。

視野が狭かったと気付かされた上堀内監督の演出

——演技の上で、特に意識していることなどはありますか?

たまに、どうしても集中できない時があるんですが、そういう時には役が今いる状況とかバックグランドとかをもう一度頭に入れ直して、テストや本番に臨むように意識しています。

——セリフ覚えはいい方ですか?

セリフを覚えるのは得意ですね。台本を1回読むとキーワードが頭に入って、準備の段階でキーワードをつなげてセリフを組み立てるような感じで言葉が出てきます。ただ、そういうやり方なので、たまに細かい部分を間違えてしまってNGになったこともあります(笑)

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

——監督によって演出に違いがあると思いますが、特に印象に残っている監督とのエピソードはありますか?

光がウィークエンド構成員として登場して喋るシーンの撮影があって、光は人間の感情が欠落していると聞いていたので、僕は無表情な感じでやってみようかなと思っていたんです。

そのときに上堀内佳寿也監督から「感情がないからといって、表情が“無”になるかは使い所によって違ってくると思うよ。このシーンでは“偽物の笑顔”を作った方が見ている人も怖いと思うから、それでやってみよう」と言われたのが強く印象に残っていますね。視野が狭かったなぁと気付かされましたし、役作りにももっと真剣に向き合えて、とても勉強になりました。

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

——では、共演している先輩方に演技や役作りなどについて相談したり、アドバイスを受けたりということはありますか?

直接演技指導とかアドバイスをもらうことはまだないんですが、初めて前田拳太郎さん(五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ役)とアフレコでご一緒したときにはすごく勉強になりました。

セリフを発するだけじゃなく、そのシーンのアクションに合わせて体も動かしているんです。きっとそれでセリフに気持ちを乗せることで、映像にも合っていて迫力も出るんだろうなと思ったので、自分もお手本にしてやってみようと思いました。

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

——『仮面ライダーリバイス』で初めて特撮の現場を経験されているわけですが、現場に入ってみての印象はどうでしたか?

一番に感じたのは、すごく俳優に寄り添った現場だなということですね。監督さんもスタッフさんもとても優しくアットホームな感じで、キャストの皆さんもフレンドリーに接してくれるので、すごくいい環境でお仕事をさせてもらっているなぁと思っています。最初は1年間やっていけるか心配でしたが、このスタッフさんたちとキャストたちがいれば大丈夫だって思えて安心しました。

–{「リバイス」で驚きの展開だったことこととは?}–

想像を超える展開続きの「リバイス」でのうれしい驚き

——撮影の合間などはどのように過ごしていますか?

普段はキャストの方々とお話ししたり、スタッフさんとお話ししたり、というのがほとんどですね。

あとは、手作りのレモネードを飲んで気持ちを落ち着かせたりしています。僕、タッパーに輪切りにしたレモンとはちみつを入れて2〜3日寝かせた、はちみつレモンをよく作るんです。変に緊張しちゃっているときには、それを炭酸水で割ったレモネードを飲むんです。

酸っぱいものが好きでレモンも大好きだったので、ちょっと作ってみようといった感じで始めたんですが、今はそれがあると安心できるので続けています。「今日は持って行った方がいいな」と思うようなシーンの撮影があるときには、必ず持っていくようにしています。

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

——牛島家の正体が明かされて、視聴者も驚いたと思いますが、これまでの展開でご自身が驚いたことや視聴者が驚きそうな展開などはありますか?

驚きの展開は今後もたくさんあると思います。光のアクションのシーンが増えると言われたので、終盤に向けての展開と光が活躍する姿にも期待して欲しいです。

僕自身が驚いたことといえば、ラブコフ(五十嵐さくらに宿る悪魔)の登場ですね。最初は役者さんが演じるのだと思っていたんです。でも、ラブコフらしき影が出てきたシーン(第12話)を見たらそうでもなさそうで。じゃあ、バイスのようなキャクターなのかと思っていたら、まさかのゆるキャラ系だったので「そう来たかー」って(笑)。

あと、ラブコフの声優さんが伊藤美来さんだということにも驚きました。僕、『五等分の花嫁』っていうアニメが好きで、その中でも伊藤美来さんが演じている三玖(みく)というキャラクターが好きだったので、「まさか伊藤美来さんとご一緒できるなんて!」といううれしい驚きでした。

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

——アクションシーンが増えるということですが、特技の空手が活かされそうですね。 

そうですね。すでに空手経験が活きているシーンもありますね。空手は元々4つ上の兄がやっていたんですが、その影響で自分も始めて小学1年から6年まで6年間やっていました。

先日、稽古をしながら玉置(演・八条院蔵人)とさくらの話しに聞き耳を立てるというシーン(第19話)がありましたが、そのときの稽古は実際に小学生当時に自分がやっていたものなんです。

——ちなみに前田さんも空手をやってらっしゃって、真剣勝負の場を知っていることが敵と対峙する空気を作るうえで活かされているとインタビューで答えていました。

確かに!あの緊張感は真剣勝負を経験している人にしかわからないものだと思うので、確かにそこは大きいかもしれないですね。そういった部分でも空手の経験を活かせたらいいなぁと思います。

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

今後の展望は「代表作となるようなアクション映画に出演したい」

——初めての経験することも多い『仮面ライダーリバイス』という作品に携わるこの1年は、俳優人生の中でどのような位置付けになっていくと思いますか?

学びの場だと思います。1年間という長い期間なので、自分の中でお芝居に対するスタンスややり方だったり、アプローチだったり、そうしたものもまったく変わってくると思います。キャストや監督の意見なども聞いて、人のお芝居を見て吸収して、自分のものにしていきたいです。

それに、これから物語が進むにつれて、牛島光にも心の変化や成長があると思います。それと共に、自分自身も人間として成長していく1年にしたいです。これから出番や見せ場も増えてきて学ぶことも多くなると思うので、楽しみの年でもあります。

>>>本記事の画像を全て見る(独占写真11点)

——俳優人生の中で大きな1年になりそうですが、今後どのような俳優になっていきたいかなど将来のビジョンを教えてください。

今回、“牛島光”という影のある役を経験させていただいているので、それを活かしてもっとシリアスなものやホラー作品もやってみたいです。

特にアクションに関しては今後も続けていきたいと思っていますし、将来的にはアクション映画などにも出られたらと思います。この世界に入るきっかけが佐藤健さんの『るろうに剣心』だったので、代表作となるようなアクション映画に出演できたらうれしいです。

(撮影:HITOMI KAMATA、取材・文:いぢま)