編集部のお題に沿ったコラムを書く「月刊シネマズ」、今月のお題は「私の推し〇〇」。推している人や作品など、なんでも良いので“推し”について語って良いのだという。
推し、推し……けっこう悩んだ。推しってなんだろう。どんなときも自分を元気付けてくれて、笑顔にしてくれるような存在のことかな。独り占めするのではなく、ひとりでも多くの人にその素晴らしさを知ってもらいたい存在のことかな……。と仮定したとき、思い浮かんだのが「お笑いライブ」だった。特定の人や作品ではなくて、「お笑いライブ」そのもの。ちょっと編集部の意図とは違うかも、と思いつつ、私が1番推したいのってこれだな、と思った。だから「お笑いライブ」について書いてみることにした。
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お笑いライブにハマった理由
私がライブに通い始めたのは、2017年。その年のゴールデンウィーク、たまたま誘われて観に行ったお笑いライブで、初めて「生」で芸人のネタを観た。バラエティで観ていたのとは全然違う生の迫力に圧倒され、それを機に“お笑い”が特別なものになった。様々なライブに足を運ぶ中で、知ったのは「テレビに出ていなくとも面白い芸人はたくさんいるのだ」ということ。お笑いライブの楽しさにのめり込み、週に何度も劇場に通う日々が始まった。当時の私は会社員である。平日は朝から晩まで働いていたので、週末のほとんどをお笑いライブを観ることに費やしていた。
そして、2018年『キングオブコント』でハナコが優勝したときに確信した。面白い芸人は、やっぱり劇場にいるんだ!と。優勝前のハナコはメディア出演がほぼなかったため、ダークホースとして話題になった。当時彼らは頻繁にライブ出演しており、お笑いファンの中で「ハナコが面白い」ことは当たり前のこと。優勝の数日前まで、私もハナコのネタを数mの距離から観ていた。お客さんが100人入れば満員の、小さな劇場で。無名状態から賞レースで優勝したハナコは、今や老若男女に知られるコント師。ネタ番組やバラエティはもちろん、ドラマやCMなど幅広く活躍している。
配信時代の幕開け
2020年、新型コロナウイルス感染症の流行が始まった。この感染症により、お笑いライブをはじめとする劇場エンタメは大打撃をくらった。延期や中止が相次ぎ、“不要不急の”外出を避けるよう何度も要請があった。コロナ禍でお笑いライブから足が遠のいてしまった人も多いだろう。
当初に比べ、規制が緩和されたとはいえ、現在も劇場エンタメは大きな影響を受け続けている。しかしコロナ禍で新たに生まれたのが、ライブの配信文化だ。結果、それまで劇場でしか観られなかったお笑いライブを家から観られるようになった。
劇場で観る生のお笑いが1番面白い!という想いは、揺るがず変わらない。でも、配信が増えたことで、お笑いライブを観る人の裾野は広がったはず。劇場まで足を運ぶハードルより、配信を購入するハードルのほうが低いだろう。
お笑いライブ(配信)の探し方
私がお笑いライブに興味を持ったとき、最初に困ったのが「探し方が分からない」ことだった。芸人によってはSNSで細かく情報発信をしてくれるが、ほとんど発信しない人もいる。運良く詳しい友人がいたため“探し方”を知ったが、そうでなかったらここまでライブにハマることはなかったかもしれない。
さらに、終わりが見えないコロナ禍。劇場に足を運ぶことに抵抗がある人も多いだろうし、地方在住の方は特に劇場に行きにくいと思う。……ということで、配信で観られるお笑いライブの探し方を紹介したい。最初はネタライブを観て、気になる芸人さんがいたら企画(大喜利やトークなど)ライブに触手を伸ばしてみるのがおすすめ。気付いたときには、お笑いライブを観ることが日常になっているはずだ。
気になる芸人さんがいる方向け
賞レースなどをきっかけに、明確に「この芸人さんをもっと知りたい!」と思っている方におすすめしたいのが『ワラリー!』。日付やキーワード、都道府県などからライブを探すことができる“お笑いライブ検索”に特化したサイトだ。キーワード欄に気になる芸人の名前を入れると、直近のライブ情報を一覧で確認することができる。配信情報だけでなく「もうすぐ公開終了のライブ配信」まで分かるので、好きな芸人さんのライブを見逃さずに済む。
※すべてのライブ情報が網羅されているとは限らないためご注意を。
また、気になる芸人が「吉本興業」所属の場合は、吉本公式の『FANY Online Ticket』を確認するのがおすすめ。検索欄に芸人名を入力すると現時点で決まっているライブ情報が一覧で表示され、そのまま購入可能。(要会員登録)
–{とにかく面白いお笑いライブを観たい方向け}–
とにかく面白いお笑いライブを観たい方向け
「好きな芸人がいるわけではないが、お笑いライブに興味がある」という方にチェックしていただきたいのがこちら。(個人的に、「初めてお笑いライブに行く」という友人を連れて行く場合は下記から選ぶ)
ワラムゲ!SP
ヨシモト∞ホールで週末に開催されているネタ&トークの90分ライブ。∞ホールは、9年目以上の東京吉本芸人が所属する劇場だ。空気階段やオズワルド、ゆにばーす、蛙亭など賞レースのファイナリストをはじめ、ダイタクやコットン、ダイヤモンドなど、「今知っておくべき」芸人が多数在籍している。『ワラムゲ!SP』には、テレビでお馴染みの芸人はもちろん、劇場中心に活躍する芸人まで幅広く出演。お笑いライブ初心者も、必ず楽しめる贅沢なライブだ。
※空気階段とうるとらブギーズは、2022年3月で∞ホールを卒業予定です。
【明日の公演】
11:30~無限大芸人が滝音をもてなすライブ、但し60分間全員が頭に付けれられたNGワードを避けながら。
13:45~漫才交流会~会長・滝音編~⚠️完売
16:00~『俺、俺、あたし、佐伯』⚠️残り僅か
18:30~ワラムゲ!SP⚠️完売ご来場時は感染防止の為
必ずマスクのご着用お願いいたします? pic.twitter.com/8WAsctjYSK— ヨシモト∞ホール【公式】 (@Y_mugendai_hall) January 29, 2022
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K-PRO主催ライブ
ライブシーンで面白い芸人を観るなら絶対に知っておきたいのが、お笑いライブ制作『K-PRO』。毎日たくさんの公演が打たれている中でも、特にライブ初心者の方におすすめなのが下記タイトルだ。
ナルゲキロックス……『K-PRO』が運営する劇場・ナルゲキを代表するメンバーが出演する定期開催ライブ。ママタルトやストレッチーズなど、最近テレビやラジオ等メディア出演が増えているメンバーも。
オールスタート……お笑いライブシーンを牽引するメンバーが揃う、豪華公演(開催は不定期)。次回は1月30日に予定されており、真空ジェシカやキュウ、ウエストランドなど『M-1グランプリ』で活躍したメンバーのほか、カナメストーン、ヤーレンズ、金の国など今年の賞レースで注目したい芸人が多数出演予定。
※出演者は変更になる可能性もあるため、最新情報は公式Twitterやサイトでご確認を。
\配信チケット販売中❗/https://t.co/GAuXuts5Un
明日開催❗16:00〜
✨オールスタート✨ザ・ギース/ラブレターズ/ウエストランド/キュウ/真空ジェシカ/ヤーレンズ/カナメストーン/ストレッチーズ/サツマカワRPG/まんじゅう大帝国/ゼンモンキー/金の国
心躍るスペシャルライブ? pic.twitter.com/OGHE7I3sgw
— K-PROお笑いライブ (@kproa) January 29, 2022
K-PROプレミアムLIVE……休日に開催している公演で、若手からベテランまで豪華メンバーが出演する。「絶対に面白い」という確約がありながら、初めて見る若手芸人に出会えるため満足度が高い。
テレビも良いけど、ライブも
2021年『M-1グランプリ』で優勝した錦鯉も、長らく劇場中心に活動していた芸人だ。決勝で披露したのは、いずれも「数年前に作ったネタを磨いた」ものだったことは様々なメディアで語っているため、知っている人も多いだろう。私自身、錦鯉が決勝で披露したネタはどちらも劇場で観た記憶がある。
錦鯉が優勝を手にして、「面白い芸人は劇場にいる」という確信はより深まった。細部は変わっているとはいえ、『M-1』で優勝するほどのネタを劇場で観れていたのだ。もちろんテレビも面白いけど、テレビ>ライブでは、決してない。
コロナ禍で生まれた配信文化により、今まで以上に気軽にライブを観られるようになった。ベッドの中でも、食事しながらでも、湯船に浸かりながらでも……。気になる人は、まず1度観てみてほしい。テレビとは違う、お笑いの面白さを知ることができるはずだ。
そして、いずれ劇場で生のライブを観てほしい。映像には無い独特の迫力があり、ライブの数時間だけは頭を空っぽにして楽しめる。オンオフを付けるのが大の苦手な私でも、劇場にいるときだけは“仕事はオフ”で舞台に集中できるから助かっている。
どんなときでも元気に、笑顔になれるもの・いろんな人にその楽しさを知ってもらいたいものが「推し」だとするならば、私にとってそれは「お笑いライブ」一択だ。
(文:堀越愛)
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