「となりのチカラ」第2話レビュー:「いい子になるからいなくならないでね」涙だけでは終われない孫と祖母の関係を描く(※ストーリーネタバレあり)

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松本潤主演、木曜ドラマ「となりのチカラ」が2022年1月20日より放送スタート。

東京のとあるマンションに引っ越してきた家族。夫のチカラ(松本潤)、妻の灯(上戸彩)、娘の愛理(鎌田英怜奈)、息子の高太郎(大平洋介)が、ちょっと不思議な隣人が住むマンションにおいて、さまざまなドタバタ劇に巻き込まれていく。

本記事では、第2話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「となりのチカラ」第2話レビュー

今回、チカラが首を突っ込むのは中越家の上の部屋に住む柏木家。柏木家は祖母の清江と高校生の託也のふたり暮らしだ。託也の両親が震災で亡くなって以来、ずっとふたりで協力してがんばってきた。

しかし、実は清江が認知症に……。託也を強盗だと思って助けを求めたり(この声がきっかけでチカラは柏木家に関わることになる)、スリッパを天ぷらにしようとしたり。そんな清江の面倒を託也はひとりで見ていた。
……これはまたいろいろ課題をはらんでいそうだ。

チカラは、託也が強盗だと間違えられた騒動について、清江に黙っていてくれ、と頼み込みこまれる。
清江からは「自分が何かしてしまったのではないか」と相談される。
となってくると、チカラが放っておけるはずがない。何か力になれないか、そうだ、うちでホームパーティーを開いてふたりを招待しよう! と思いつく。結局、灯に頼って灯が大変なやつ! 灯はもちろん却下するが、偶然清江と会ってしまい、家にお招きする流れに……。

チカラは何かアドバイスするときや声をかけるときにさんざん悩む割に、意外と大胆なことをする。
今回は、清江たちに介護施設のパンフレットを差し出してしまう。うーん、踏み込みすぎだよ、チカラ……。ただ、今回はそんなチカラのおせっかいが功を奏したとも言えるかもしれない。

迷惑をかけないように、ふたりで寄り添って生きてきたというと聞こえは良い。
一方で、問題を抱え込んでしまい、逃げ場がなくなることもある。実際、託也は清江の面倒を見るために大学受験をやめようとしていた。

しっかりしているけれど、まだ高校生。わからないことだってたくさんある。そんな中で、頼りなくても手を差し伸べようとしてくれる、それも必要以上に親身になって話を聞いてくれる大人がいることは託也にとっては心強いはずだ。

託也はいい子だ。ラスト、自分の想いをチカラに向かって吐露するシーンがある。
中越家の家族団らんを見て腹が立ったこと、子どもたちが当たり前のようにこの日常が続くと思っていること、どうしておばあちゃんが認知症に? なんで俺ばっかり……おばあちゃんが死んでくれたら俺は自由になれるのに。

そんなふうに思うことだってあるだろう。人間なんだから、綺麗な心のままでずっといられるわけがない。むしろ、そんな気持ちを吐露できる託也はやっぱりいい子だ。

「僕が悪い子だからお父さんとお母さんは流されちゃったの?これからいい子になるからばあちゃんいなくならないでね」

そう言っていい子であり続けようとした託也は、やっぱりおばあちゃんのことが大切で、かけがえのない家族なのだ。今の託也の在り方が証明している。

そんなにグイグイとよそさまの事情に首を突っ込むのはどうなの? と思うが、第三者が介入したことで、よい方向に進む場合もある。
毎回、うまくいくとは限らない。それもチカラっぽい。
何より、柏木家が「困ったときにはチカラさんに連絡する」ことにしたのが嬉しい。
とは言え、カフェからマンションの住人たちを覗き見るのはどうかと思うぞ!

(文:ふくだりょうこ)

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–{「となりのチカラ」2話ストーリー}–

「となりのチカラ」2話のストーリー

ある朝、のんびり朝食をとっていた中越チカラ(松本潤)一家は、上の部屋から「助けて!」という声を聞く。

様子を見に行こうかどうしようか…とチカラが中腰になって悩んでいたところ、「どうせ行くんでしょ」と灯(上戸彩)に背中を押され、チカラは上の階へ駆けつける。すると、廊下に出てきた503号室の柏木清江(風吹ジュン)が「うちに知らない男がいるの。きっと強盗よ」と訴えてくる。恐る恐る部屋に入ったチカラだったが、そこにいたのは清江の孫の託也(長尾謙杜)のみ…。チカラがその状況に戸惑っていると、託也は突然強盗のフリをし始め、そのまま部屋を出ていってしまう!

その後、託也から清江が認知症であることを聞き、ようやく腑に落ちたチカラ。託也が受験を控えた高校生でありながら1人で清江の面倒を見ていることに感心しつつ、同時に手の震えを必死で抑えようとしている様子が、チカラは気になっていた…。

託也から「祖母には今日起きたことは言わないでください」と言われていたものの、「孫に何かしてしまったのでしょうか」と思い悩む清江を見かけたチカラは、またしても放っておくことができず、週末にホームパーティーを開き、清江と託也を招待することを灯に提案する。その提案は即刻却下されるが、買い物を忘れてしまった清江と灯が偶然会い、そのまま中越家で夕食をとることに…。その席で、清江の介護に関する資料を手渡そうとしたチカラだったが、清江にも託也にも「余計なお世話」だと言われてしまう!

もう清江たちのことに首を突っ込むのはやめようと、チカラが心に決めた矢先、清江が姿を消してしまい…!?

–{「となりのチカラ」作品情報}–

【作品情報】

出演:
松本潤
上戸彩
小澤征悦
映美くらら
古川凛
ソニン
清水尋也
長尾謙杜(なにわ男子)
鎌田英怜奈
大平洋介
浅野和之
夙川アトム
勝地涼(友情出演)
風吹ジュン
松嶋菜々子

脚本:
遊川和彦

音楽:
平井真美子

主題歌:
上原ひろみ

ゼネラルプロデューサー:
三輪祐見子(テレビ朝日)
服部宣之(テレビ朝日)

チーフプロデューサー:
黒田徹也(テレビ朝日)

プロデューサー:
秋山貴人(テレビ朝日)
松野千鶴子(アズバーズ)

演出:
遊川和彦
本橋圭太
竹園 元
松川嵩史

制作協力:
アズバーズ

制作:
テレビ朝日