山口紗弥加主演のドラマ「シジュウカラ」が2022年1月7日深夜にスタートした。
坂井恵理原作、「JOUR」(双葉社)で連載中の同名漫画を実写化した本作は、漫画家の女性が、恋と仕事を通して自身の不確かな人生観と向き合っていくストーリー。人生のセカンドチャンスに戸惑いながらも生きる主人公・忍を山口紗弥加、忍と18歳差の恋に落ちる若きアシスタントを板垣李光人が演じる。
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
アシスタント歴 20 年を超えて夢を諦めた売れない漫画家・綿貫忍(39)は、たくさんの思いを東京に残し地元に戻って筆を置いた。
だが皮肉にもその直後、昔描いた人気薄だった自作が電子書籍でバカ売れする。そして「これが最後」だと、再度本気で漫画と向き合うことに。
そんな中出会ったアシスタントは、橘千秋(22)という美しい青年だった…。
若者にしては妙に落ち着いており、どこかしら人懐っこい好青年である一方で、時に発する意味深な発言と、何より忍への“奇妙な”アプローチを仕掛けてくる千秋に、徐々に忍は違和感を覚え始める。
「彼は、何かがおかしい…」
不穏な空気を忍の家へと持ち込んだ千秋に対して、言いようのない不安と抗いようのない興味に揺れる忍。
さらにそんな千秋と交流する内に、忍の中に積み重なっていたある種の歪みが顕在化してくるのだった…。
第1話レビュー
山口紗弥加主演の「シジュウカラ」が1月7日深夜スタートした。
主人公の忍は売れない漫画家。一回り年上の夫と結婚し、中学生の息子がいる。地元に戻って筆を置いた忍だったが、昔描いた作品が電子書籍で大ヒット。新たな作品を依頼された彼女はアシスタントを募集し、名乗り出た若い青年・橘千秋と出会う。
若い頃からドラマや映画でさまざまな役をこなしてきた山口紗弥加は、さすがの安定感で等身大の女性を好演。長い年月を夫や息子と暮らして酸いも甘いも嚙みわけつつ、でも心の中に無数の傷やささくれを抱えているのが、その姿から痛いほど伝わってきた。
中でも印象的だったのは、地元で旧友と再会した場面。子どもが生まれたばかりの頃夫に浮気されていた……という悲しい思い出を明かして、ひたすら笑い続ける忍の姿がやるせなかった。おそらく当時ずたずたに傷ついただろう。でも今は笑うしかない。たぶん、この忍という女性、ずっとこんなふうに時には不自然に自分を笑い飛ばしてなんとか生きてきたんじゃないだろうか。
そして、もう一人、目が離せなかったのが千秋。瞳の奥に影のある青年を演じる板垣李光人が、とにかく美しくて魅力的だった。
出会ったときから着々と忍との距離を縮めてくる千秋。面接の際、ソフトのセットアップや使い方の指導をしてくれるか?と忍が訊ねると、「これからでも平気ですよ」とその日のうちに綿貫家を訪問。デスクに座る忍の肩越しにパソコンを触ってみせる。その後、洗面所で髪の毛(白髪?)を抜いていた忍。千秋との距離にドキドキしてしまったようだ。
仕事が始まると、綿貫家の夕食を作って人懐こい笑顔なども見せるようになる千秋。そして、原稿を描き終えた忍を打ち上げに誘い、訪れた店でテーブルの下で自分の足を忍のそれに近づけた。手などではなく視界に入ってこない足を寄せてくるというのがなんとも巧妙だ。
極めつけはラスト。打ち上げを終えて雨が降る中で、忍が夫に惹かれたのはカラオケでビリー・ジョエルの「ハートにファイア」をかっこよく歌ったからだと聞いた千秋は、「旦那さんよりかっこよく歌いますよ」と忍の肩のそばに手を伸ばす。雨にぬれた彼の前髪越しの物憂げな瞳と横顔がとてつもなくセクシーだった。あれはさすがにやばい。
明らかに忍に恋を仕掛けている千秋。ただ、彼はそこはかとなく危うさが感じられ、真意は何なのだろうか?と若干疑問も感じる。初めて綿貫家を訪れた際、呼吸を妙に荒くしていたのも気になる点だ。
この第1話で誕生日を迎えた忍。40歳になり美しい青年と出会ってしまった彼女の人生は、この先どのように変わっていくのだろうか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
新作が不評で後が無くなった忍(山口紗弥加)。咄嗟に考えた次回作は“18歳年下の美少年との不倫モノ”。
忍はその取材のために千秋(板垣李光人)を水族館に誘う。浮足立つ忍に対し、挑発的なアプローチと射殺すような視線をよこす千秋。
いよいよ忍は千秋の“目的”を問いただす。そして千秋のある過去が明らかになる…。
第2話のレビュー
一回り年上の夫と息子と暮らしている忍(山口紗弥加)。
彼女の夫の洋平(宮崎吐夢)は決して悪い人間ではないと思うのだが、微妙にイラつかせるというか、何かとちょっとした地雷を踏んでくる感がある。
漫画を描き終えた忍に「最後に描けてよかったじゃん」
忍の年齢の話になったとき、「40の大台、受け入れられないんでしょう?」
洋平はたぶん何気なく口にした言葉。でも心ない言葉でもある。夫と暮らして日常的にこういう言葉を無数に浴びてきた忍は、たぶん無意識のところで心が傷つき続けている。
描き上げた新作が不評だった忍は、次回作として「18歳年下の美少年との不倫モノ」を編集者に提案。その取材に千秋(板垣李光人)を誘う。
二人が訪れたのは水族館。幻想的なアクアリウムに佇む千秋がなんとも美しい。ガラス越しに魚を見つめる透明感のある横顔に吸い込まれるように見とれてしまった。さながら海の国からやってきた人ならぬ美少年のよう。
千秋はこの2話でも絶妙なアプローチを繰り返す。水族館で忍の指に触れつつぎゅっと手を握る。仕事の最中に、笑顔で話していたかと思えば急に近づいて挑発的なそぶりを見せる。しかし、「何が……目的なの?」と忍がたずねると、「面白い漫画を作ることです。先生と」と言い残して去ってしまった。一体、どこまで忍を翻弄するのか。
しかし、日付変わって改めて綿貫家を訪れた千秋は、ある事実を知って驚く。
母子家庭で、「レアキャラ」の父が帰ったときだけかいがいしく働くという情緒不安定な母親のそばで暮らしていた千秋。幸せとは言い難いその少年時代を救ってくれたのが一編の漫画。実はその作品は他ならぬ忍のデビュー作だったのだ。
心の支えにしていた漫画の作者が忍だと知って、「先生の漫画がなかったら死んでました」と明かす千秋。何度も忍の漫画の中に逃げていた、だから、自分も漫画で誰かをここじゃないどこかに連れて行きたい、救いたいと思って描き始めた……と声を震わせる。
そんな千秋を見て忍も泣き出していく。千秋を思いやって泣けてきたのもあったかもしれないが、おそらく、彼女も救われたのだろう。もはや夫がくれることのない自身の仕事や作品に対する心のこもった言葉を彼がくれたのだから。
挑発的に忍に恋を仕掛けていた千秋。しかし、今回二人の間に尊いものが生まれた。出逢ったのは忍の漫画に導かれた運命だったのか……とすら思える。
「泣かないで」という言葉をかけ、思わず忍と唇を重ねた千秋。このまま彼らは許されない恋に踏み出してしまうのだろうか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
夫婦関係に不穏な空気が加速する一方で、千秋(板垣李光人)とは“健全な”関係性を築き、仕事も順調な忍(山口紗弥加)。そんな中、道で並んで歩く千秋と冬子(酒井若菜)の姿を目撃する忍。違和感を覚え、尾行していると、一軒のアパートにたどり着き、忍は千秋の正体に繋がる衝撃の事実に気づく。不安を抱えきれない忍は、おそるおそる千秋にそのことを告げると…。遂に千秋の真の狙いが明らかになる。
第3話のレビュー
前回心を通わせた忍(山口紗弥加)と千秋(板垣李光人)。このまま恋に落ちていくのかと思っていたのだが……それを裏切る衝撃の展開となった。
千秋と彼の母・冬子(酒井若菜)が歩くのを目にした忍。二人が帰宅した家は、かつて忍が尾行して突き止めた夫・洋平(宮崎吐夢)の浮気現場。千秋は洋平の不倫相手の息子だったのだ。
もしや千秋は洋平の子? 恐ろしい疑いに忍は心をかきみだされていく。帰宅した洋平に「あんたの子なんでしょ?」と問いかけてしまうあたり(洋平には聞こえていなかった)、だいぶ精神のバランスを保てなくなっているようだ。
忍の見る目が変わったせいか、この3話の千秋は不思議と今までより子どもらしく見える。忍の息子・悠太(田代輝)とゲームしている姿は本当にまだ少年。そして、「橘くんが本当にお兄ちゃんだったらよかったのに」という悠太の言葉が忍を追い詰めていく。
また、コンビ二の前で偶然千秋と出会った忍は、千秋の友人らしき少女から「おばさんが恥ずかしいと思わないのかよ」と怒鳴られてしまう。漫画家の先生だと千秋から聞かされた少女はすぐ謝ったが、二人のやりとりを見た忍はいたたまれなくなり立ち去る。たて続けにきつい言葉を浴びている彼女がなんとも不憫だ。
その後、出版社のパーティに出席した忍は、浮気夫を追い詰めて別れたという漫画家と会う。さらに寄り道したカラオケ屋で店員として働くバツ一の友人とバッタリ。この彼女の「結婚て最強の生活保障だったわ」という言葉が突き刺さった。結婚とはそういうことでもある。浮気されて離婚したらスッキリするかもしれない。しかし、以降さらに厳しい人生が待ち受けている場合だってある。
夜遅くなって忍が帰宅すると、千秋がやってきていた。そこで忍は思わず「橘くんの父親って私の夫?」と聞いてしまう。
忍の言葉を聞いた千秋は、「父親はちゃんといます」と大笑いしながら否定。安堵する忍だったが、そんな彼女の前で千秋はついに真意を明らかにする。他人の家庭を壊しておきながら普通に暮らしている洋平を見て、自分もこの家を壊してやろうと思ったという千秋。彼が仕掛けようとしていたのは、恋というよりむしろ復讐だった。
洋平の浮気を知りながらなぜ黙っていたのかと忍に問いかける千秋。「一番つらいの先生じゃないですか」「大人の都合にいつもいつも巻き込まれてきたんです……」と泣き崩れていく。自身の苦悩と洋平への怒り、そして、忍に対する情などが入り混じり、心がぐちゃぐちゃになっている姿が悲しい。
千秋に近づく忍。すると後ろで物音がする。そこには洋平が立っていた。彼は「もう来なくていいから」とすげなく千秋に言い放つ。結局、忍も千秋が差し出した手を拒んで帰らせてしまう。
涙で顔をぬらしながら去っていった千秋。彼をあのように追いやってよかったのか。今後、忍、千秋、洋平の関係にさらなる暗雲がたちこめていきそうだ。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
綿貫家を崩壊させることが目的だったと告げた千秋(板垣李光人)。忍(山口紗弥加)と千秋の深刻そうな状況を目撃するも、それを何とも思っていない洋平(宮崎吐夢)に、忍は不倫に気づいていたことを告げる。そして洋平と寝室を離し、千秋とも距離をとることに。
そんな中、とあるきっかけで忍は千秋の抱える闇の正体を知ってしまう。壮絶な悲しみを抱える千秋と、現在進行形で傷ついている忍…二人の心が近づき始める。
第4話のレビュー
これまでたびたび無神経な言葉で視聴者をイラつかせてきた忍(山口紗弥加)の夫・洋平(宮崎吐夢)。今回、彼は今まで以上にありえない発言を繰り返し、見ているこちらの苛立ち度がMAXに達した回だった。
家の前で忍と千秋(板垣李光人)が一緒にいるのを目にした洋平。「あんな若い男がお前みたいなおばさん相手にすると本気で思ってるの?」と忍をなじる。しかし、彼自身の過去の浮気に話が及ぶと「男の浮気と女の浮気は違うんだよ!」と逆切れ。これはさすがにない。しばしあいた口がふさがらなかった筆者である。
夫の暴言に耐えかねたのか、忍は彼と寝室を別にしてしまう。すると、洋平は忍の仕事にケチをつけ始める。
忍が漫画を続けていられるのは自分が稼いでいるおかげだと主張する洋平。家や息子のことは全部自分に丸投げだった……と忍が言い返すと、「それ俺がやっちゃったら、お前は俺のために何してくれるわけ?」と怒鳴った。
彼は忍が自分のために何かするのが当然だと思っているのか。長年家事や子育てをして浮気にも目をつぶってくれた妻への感謝の気持ちはないのだろうか? この4話の洋平については、SNSでも「最低」「モラハラ夫」と非難する声が多数上がっていた。
そんな中、忍は以前自分を怒鳴りつけてきた千秋の幼なじみ・星宙(榊原有那)とまたもコンビニでバッタリ。すると、星宙は衝撃の事実を伝える。千秋は中学生の頃から大人の女性相手に売春をしていて、忍を千秋のお客かと思ってしまった……と。
忍にアプローチする千秋が妙にこなれていたのはそういうことか……とようやく合点がいった。千秋に好意を寄せている星宙、おそらく忍を牽制したかったのだろう。だが、勝ち誇るかのような彼女を忍は「他人の秘密を自分の優越感のために利用しない方がいいと思うよ。相手が大事な人ならなおさら」と一喝した。このあたりは、さすが大人の女性だ。
一方の千秋だが、あの夜涙で目をぬらして帰った後も忍のことばかり考えているよう。洋菓子を買って「先生へ」のメッセージを添えて綿貫家の塀の上に置いた彼。悠太(田代輝)に呼ばれて綿貫家を訪れた際も、忍の仕事部屋まで来て「この間は本当にごめんなさい」と謝る。
「客だと思って誘惑してたの?」「目的はもう十分果たせたと思うよ」と遠ざけようとする忍に、「先生の漫画があるから今も生きていられる」と引き下がらない千秋。触れてくる彼の手を忍は指輪をはめた手で引き離した。
浮かない顔で綿貫家を去る千秋。その後、星宙とカラオケ店に来るが、忍の漫画を見続けてつれない態度の千秋に苛立ちを覚えたのか、星宙は彼を押し倒してしまう。
星宙を拒んで逃げた千秋は忍に電話。「先生、助けて……」という彼の声を聞いた忍が探しに行くと、雨の中ずぶぬれで座り込む千秋がいた。
忍は千秋を家につれていき、仕事部屋に泊まらせる。だが、リビングに寝るつもりだった忍に「俺と一緒に寝ればいい」と洋平が言う。「夫婦なんだから」と笑顔を浮かべる彼がなんとも怖い。
案の定、洋平は寝室で忍に行為を仕掛けてきた。忍が嫌がり続けると途中でやめたが、彼らの声は同じ家にいる千秋の耳にも届いていたようだ。
忍の夫である洋平。千秋の幼なじみの星宙。それぞれ忍と千秋にとってごく身近にいて理解しあえたらいい相手だと思う。けれど、洋平も星宙も支配欲や執着の方がむしろ強くて、何より目の前の相手を大事にしていない。一方、忍と千秋は心の底でお互いを大切に想い合っているのがよくわかる。許されない関係かもしれないが、でもこの二人の絆が引き裂かれてほしくない……と思わずにいられなかった。
次回の予告で、「逃げましょう」という千秋の声が響き、忍が指輪をはずす場面があった。この先彼らはどんな道を選ぶのだろうか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
忍(山口紗弥加)が目を覚ますより先に、千秋(板垣李光人)は家を出ていた。不安が残る忍は千秋の実家を訪ねる。売春していた過去が、千秋にとって今でも大きな傷となっていたのではないかと忍は告げる。もはや愛がわからないと言う千秋。だが自分も傷付きながらも千秋と本音で向き合う忍に、千秋は提案する。二人で逃げましょうと。「行かない」と答える忍だったが…。一方洋平(宮崎吐夢)はある人物と再会し…。
第5話のレビュー
千秋(板垣李光人)を家に泊まらせた忍(山口紗弥加)。しかし、目を覚ますとすでに千秋はいなかった。
電話にも出ない千秋を心配する忍と悠太(田代輝)。一方洋平(宮崎吐夢)は「人騒がせな」と冷たい。いやいや、出ていったのはあてつけるように忍に行為を仕掛けたお前のせいだろ……である。千秋の存在が面白くないのはわかるが、この男にはもはやどうにも同情できない。
気になって千秋の家をたずねた忍。玄関で千秋の母・冬子(酒井若菜)と対面する。息子が過去に売春していたことなどを知ってか知らずなのか、突然忍に「漫画だけ?」と聞く彼女。何か直感で察しているような怖さを感じなくもない。
冬子が出かけた後、家にあがった忍は千秋と向き合っていく。愛や恋がわからない、女性はお金をくれる存在で、それでずっと平気だったのに……と苦悩する千秋に、「本当は嫌だったんじゃない?」と問いかける忍。
子どもはしたたかに大人を利用する。でも、大人はそのしたたかさを共犯のふりをして利用する……と話し、「橘くんも子どもだった」と思いやる忍。それを聞いて心動かされたのか泣き出していく千秋。たぶん、これまでの彼は大人からちゃんと子ども扱いをしてもらえたことがほとんどなかったのだろう。
そして、千秋は忍に「逃げましょう」と提案する。
その後、千秋のもとに星宙(榊原有那)がたずねてくる。彼氏になって……と懇願する幼なじみを千秋は抱きしめながらも「ちゃんと大事にしてくれる人を好きになって」と拒んだ。執着が強いものの洋平と違って千秋への愛情があるのも感じられた星宙。ただ、千秋にとって大切ではあるけれど大切にしあえる相手ではなかったということか。
一方、夜の街を歩き、一軒のスナックに入る洋平。店員と会話を弾ませ「妻には好きなことをして輝いててほしいんだよね」と自慢げに語る彼。いやいや、前回忍の仕事に文句をつけていたくせに、どの口で言ってるんだ……とまたもイラっとさせられる。すると、店のドアから入ってきたのは冬子。彼女はこの店のママだったのだ。洋平は冬子のお店と知ってここに来たのだろうか。
千秋の誘いが心にひっかかりながらも漫画の仕事を続ける忍。そんな中、漫画家のマリ(入山法子)と会って「これから先理想通りに生きるには、過去を捨てなきゃいけない気がする」という言葉を聞く。その後、原稿を仕上げた千秋から「明日駅で待ってます」と電話がかかってきた。
当初「行かない」と拒否していた忍。だが、当日の朝、庭で一羽の鳥(幻想?)が飛び立つのを見た彼女は、指輪をはずして駅へ向かってしまう。
千秋が運転する車で二人がやってきたのは海。大はしゃぎする忍を見て微笑む千秋。こんなに幸せそうな彼らの顔を初めて見た気がする。
観光を楽しんだ後、きれいな景色が見えるホテルに宿泊する二人。その夜、千秋は忍を後ろから抱きしめる。
忍を布団に寝かせる千秋。手をとるしぐさから忍を大切にしようとしているのが伝わってくる。だが、先へ進もうとする彼の手を忍は止めた。実は忍のトランクはほぼ空っぽ。彼女はそもそも逃げる気などなかったのだ。
大切にしてくれない夫といるのはつらい。千秋と出逢ってそれに気づいた忍。でも、だからといって千秋とともに逃げることなどできないとさすがに彼女は理解しているのだろう。
忍には夫だけでなく子どももいる。彼女の息子・悠太はここまで見てきた限り、素直で優しいとてもいい子だ。今回も、忍と連絡がとれず、嘘をついてもいいからLINEしろと取り乱す洋平に対して、「そんなことしたら、お母さん本当に帰ってこなくなるよ」と一喝してくれたのが非常に気持ちがよかった。とはいえ、忍が高校の友達と旅行に行ったと信じて疑わない悠太。千秋のことも兄のように慕っていた彼を傷つけるようなことは、さすがにしてはならないのでは……と見ていて思う。
一線を越えるのは拒んだものの、「本気で好きになっちゃったから」と、千秋への愛情を認め口にした忍。彼女を抱きしめて「かばん空っぽでいいから、帰んないでよ」とつぶやく千秋が切ない。
千秋、洋平、悠太らの狭間で、忍はこの先どのような選択をするのだろうか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
一晩を共にし、激しいキスを交わした忍(山口紗弥加)と千秋(板垣李光人)だが、忍は一線を越えることを拒んだ。しかし二人でいる所を千秋の母・冬子(酒井若菜)が目撃。夫・洋平(宮崎吐夢)と息子・悠太(田代輝)にも、忍と千秋の関係が明らかに…。家族の関係に亀裂が走り、千秋とも距離を取ろうとする中、千秋からのネームが忍に届く。それを見た忍は、母として、妻として、そして…。遂に大きな決断を下す。
第6話のレビュー
キスを交わしながらも千秋(板垣李光人)と一線越えるのを拒んだ忍(山口紗弥加)。「悠太(田代輝)を置いていけないの」が彼女の答えだった。
結局、地元に帰ってきた二人。「一人前になって守れるようになったら一緒に来てください」と言う千秋。今度原稿を見てほしいという彼の申し出に忍はうなずく。
だが……ここから思わぬ悲劇が始まる。駅で別れる二人の姿を千秋の母・冬子(酒井若菜)が見ていたのだ。
再びスナックに来た洋平(宮崎吐夢)に「奥さんの写真ある?」とたずねて忍の顔を確認する冬子。その後、洋平に「これ、息子」と千秋の写真を見せ、さらに「奥さん、最近旅行行かなかった?」と質問する。おかげで洋平はすべてをわかってしまった。
結果、綿貫家は最悪の事態に。洋平が忍と千秋の関係を悠太にばらしてしまったのだ。庭で洋平と話した後、険しい顔で母を睨む悠太。洋平が何を言ったかは不明だが、笑って息子を見ていた彼の人間性を疑わずにいられなかった筆者である。
綿貫家が危機を迎えている中、千秋は家で漫画に打ち込む。冬子はそんな息子の心にも踏み込んでいく。千秋と忍が車に乗っているのを見たと告げ、「まだおばさん相手に身体売ってるわけ?」と売春に気づいていたのを明かした。息子が身体を売っていると知り、しかも千秋が稼いだお金を使っていたという冬子。「あんたが稼いでくれちゃうんだもん」と悪びれず、もはや魔性を通り越して天性の魔女のよう。フラッパーでわがままかつ情緒不安定な感じを酒井若菜が絶妙に演じている。
家を出ていく冬子の背中が千秋の中で他の女性とリンクする。かつて身体を売った相手=隣の家に住む星宙(榊原有那)の母だ。少年の千秋を自分たちの都合で利用した、こんな大人たちに囲まれてきたのかと思うと、つくづく彼が気の毒になる。
一方、綿貫家は静かに修羅場の空気。夕食に降りてこない悠太に苛立つ忍は、洋平からすべてに気づいていたことを聞かされる。「ごめんね。俺のせいだよね」と平然と言いながらエビフライを食べる彼が、申し訳ないがなんとも薄気味悪い。
朝、忍が声をかけても振り向かない悠太。彼は一連の出来事で一番の被害者であり、無理もないといえる。とはいえ、悠太はさすがに父親程愚かではなかった。ここぞとばかりにすりよってくる洋平を「俺のこと味方につけた気でいる?」とぴしゃりとはねつける。
夕方駅まで迎えに来た忍に対して「まじキモイんだけど」と怒りながらも(これぐらい言う資格は十分にある)、「お母さんの好きにしてほしい」と配慮を見せた悠太。彼が理解あるいい子なのが、このドラマでは本当に救いになっている(だからこそ、なおさら彼を傷つけるべきではなかったと思うけれど)。
もはや、洋平との間にはお互いへの好意もないのを痛感していく忍。そんな中、千秋から新作の原稿が届く。
「焦らないで納得のできるものを描いたほうがいい」と助言した忍に「早くデビューして、先生と一緒になるんです」と宣言していた千秋。彼が送ってきた原稿は「となりのおばさんに買われていました」というタイトル。千秋自身の経験を描いた作品だった。
自分がされたこと、してきたこととちゃんと向き合って前に進む、そのために実家を出ることにした……と知らせてきた千秋と会う忍。場所は以前二人で訪れた水族館だ。そして、「先生は僕が守ります」という千秋に「もう会えない」と忍は告げる。40歳の女性、母親、妻として下した決断だった。
千秋と別れた忍が家に戻ると、玄関に漫画雑誌。そこにはかつて忍が泣きながら書いた離婚届が挟まれていた。自身の署名が入った書類を手にする忍。千秋と一緒になることはなくとも、洋平と離婚する道はありなのかもしれない。
しかし、そんな見ている側の予想を裏切るかのようなことが起きる。洋平が倒れたのだ。
これまでもショッキングな展開で何度も視聴者を驚かせてきた「シジュウカラ」。冬子の魔性、綿貫家の危機、忍と千秋の決別など、6話はまた一段と悲しくも衝撃が続く回だった。その極めつけがラストの洋平。「息してない……」と落胆する悠太の声もあったが、一体彼に何が起きたのだろうか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
時は進み、忍(山口紗弥加)は45歳になった。漫画家としては順調にキャリアを積んでいるもののマンネリ感は否めない。一方家では息子が家を出てしまい、どこか空虚な日々。そんな中、漫画編集者で高校時代の元カレ・岡野(池内博之)と再会。何かを抱えた者同士、次第に意識し始める二人だが…。新たな物語が動き始める。
第7話のレビュー
洋平(宮崎吐夢)が倒れる衝撃のラストで終わった前回。これまで、回を重ねるごとにモラハラ夫度が増して視聴者を苛立たせていた彼。正直筆者もいつか罰が当たれと思っていたのだが、「息してない……」はさすがにショックだった。
彼はもしや死んでしまったのか?と気になって、やきもきしつつ待った7話。結局洋平は生きていた。ただし、忍(山口紗弥加)と立場が逆転して。
あれから5年。忍は“純愛不倫の女王”と呼ばれる人気漫画家になり、息子の悠太は関西の大学に進学。そして、洋平は倒れて前のように働けなくなったらしく、稼ぎ手となった忍のために食事を作る主夫になっていた。
薬を服用し以前より体力もなさそうな感のある洋平。とはいえ、夕食を作って「家帰ったら美味しいごはんができてるって、すごい幸せなことなんだよ」「忍ちゃんは幸せ者だね」など尊大な言葉を口にするあたり、本質的な部分は全く変わっていない気がする。
そんな中、忍に新しい出会いが訪れる。相手は高校時代の元彼・岡野(池内博之)だ。漫画編集者の岡野は忍に連載を依頼。久々に再会した二人は飲みに行き、話に花を咲かせる。
岡野を意識してときめいている感もある忍。しかし、その後仕事でシビアな問題と直面することに。作品のランキングが落ちている彼女は、担当編集・荒木(後藤ユウミ)から「ただ、描いているだけじゃないですか?」と辛辣な批判を受ける。
この荒木、1話からずっと見てきているが、作家のよいところを褒めつつ適切なアドバイスもできる非常に優秀な編集者だ。不倫物は限界だから別のテーマで描きたい……と言い、しかし何が描きたいかと聞くと笑ってお茶を濁す忍に「今の佐々木さんは描けないと思います」と真剣に怒った彼女。厳しいけれど、作家を信じてきたからこそ出てきた言葉だろう。
その後、忍は岡野を呼び出して相談。しかし、岡野もまた忍の甘さを見抜いて「俺を呼んだのって編集として?それとも元彼として?編集としてならば失礼だと思うよ」と怒る。
実際、アシスタントにおざなりな指示を出すなど、惰性で仕事をしている感があった忍。忙しい中で漫画への情熱を見失っていたのだろう。しかし、そんな彼女を救ったのは高校時代の友人たちだった。漫研の同窓会に参加した忍は、「漫画、全部読んでるよ」など温かい賞賛を贈られる。なお、友人の一人はカラオケ店で働いていたあの彼女。つらいときに忍の漫画で現実逃避しつつ頑張って今は店長になったという。これはなんとも感慨深い。
自分の漫画が誰かの救いになっていたと知った忍。同じく同窓会に参加した岡野と帰りながら、「求められているものをちゃんと描いてみようと思う」と決心。岡野も「その覚悟、付き合うよ。編集として」うなずく。
編集者としての情熱があり、気さくで優しく女性の扱いも至極スマートな岡野。ここまでかなり好印象だった。しかし、問題はその後だ。
深夜に帰宅した忍。冷蔵庫を開ける彼女の背後に洋平がやってくる。「こんな日にまた浮気してきたでしょ」と襲いかかる彼を「できないくせに!」と拒否した忍だったが、冷蔵庫に入っていたのは「おめでとう」の文字がのったケーキ。この日は忍の誕生日だった。
忍に押し返され、座り込んで泣き出す洋平。かつてのような無理強いを押し通す気力や体力はもはやないらしい。忍への過度な執着だけが残り続けているその姿、怖さが拭いきれない一方あわれにも思える。ケーキを用意したのに帰ってこなかった妻に怒るのはわからなくもない。しかし、彼はたぶん昔同じような仕打ちを忍にしていたはず。それに気づいてはいるのだろうか。
洋平が倒れたため離婚届を使わずにしまったあの日を思い出す忍。するとそこへ岡野から電話。誕生日プレゼントを届けに来た彼は、忍の腕を掴んで唇を奪った。
岡野の行為に戸惑う忍。そんな彼女の目に入ってきたのは本棚の一冊。タイトルは「となりのおばさんに買われていました」。千秋(板垣李光人)の作品だ。
5年前、実家を出ると言っていた千秋。あの頃よりぐっと大人らしくなった彼はレストランで働いていた。作品は出版されたものの漫画一本ではまだ食べていけてない……というところか。そして、彼が帰宅した家には、「おかえり」と迎える若い女性がいた。
今回もまた驚きの連続だった「シジュウカラ」。中でも気になるのは岡野。バツイチだという彼は、元カノである忍への愛情が再燃し、さらには指輪をしていない忍と夫の関係を察したのかもしれない。現状忍が人妻であることに変わりはないのだが、今後、岡野との新たな恋が始まるのだろうか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
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慢心を恥じ、再び漫画と向き合うことを決めた忍(山口紗弥加)。私生活では岡野(池内博之)と恋愛関係に。一見すると、千秋(板垣李光人)のことは既に思い出になっている様子だが―。そんな時、千秋の妻だという女性・みひろ(山口まゆ)から、忍は衝撃の言葉を聞いてしまう。そして偶然にも、忍と千秋は5年ぶりの再会を果たす―。
第8話のレビュー
岡野(池内博之)にキスされて、そのまま関係を持ってしまった忍(山口紗弥加)。
今回、漫画家として取材を受けた彼女。不倫や18歳年下の相手との恋を描いた作品について、赤裸々には言えないものの精一杯本音で語る。しかし、結果的にこの忍のインタビュー記事が波紋を呼んでしまう。
千秋と暮らす若い女性(山口まゆ)。みひろという名の彼女はなんと千秋(板垣李光人)の妻だった。千秋が忍の記事を読んでいるのを目にしたみひろは、忍を呼び出して千秋と結婚したことを話す。
忍に誇示するかのように千秋の話題を並べたて、帰宅した千秋に忍のサイン入り漫画を見せるみひろ。千秋への執着加減がどうにもあの星宙(榊原有那)を彷彿させる。千秋はこういうタイプを惹きつける何かを持っているのか。
忍が好きなのかと言うみひろの質問を否定しなかった千秋。彼女と結婚してるのに?と若干不思議に思えてしまう。千秋とみひろの結婚、もしかすると何か訳アリかもしれない。
千秋の結婚に少なからずショックを受ける忍。そんな彼女に「真剣に付き合ってもらえないか」と申し込んできたのは、目下不倫関係中の岡野だ。
忍といると楽しいし、忍が笑うと嬉しいという岡野。気持ちを伝える一方押し付けようとはせず、「1年でも2年でも待ってる」と忍に迷う余裕をくれた。不倫は褒められないが、彼は自分がしたことの責任をとる覚悟もそれなりにできていそうだ。洋平や千秋とは違う大人の包容力を感じさせ、忍が惹かれるのもわからなくはない。
そんな中、スナックの従業員・涼子 (和田光沙)と再会した洋平(宮崎吐夢)は、久々にあの店を訪れていた。冬子(酒井若菜)は既にやめてしまったという店のキッチンで、見事な卵焼きを作って涼子を感心させる洋平。しかし、涼子が見つけた忍のインタビュー記事を見て顔をこわばらせていく。
離婚に心が揺れる忍は、漫画家仲間のマリ(入山法子)と息子の悠太(田代輝)に相談する。「傷つくかどうかを決めるのは相手であって忍じゃないと思う」と明快なマリと「母さんが決めたことならどっちでもいい」と母を尊重する悠太。大学生になりちょっと大人っぽくなった悠太は、相変わらずいい子のようだ。
心を決めた忍はついに夫に離婚を切りだそうとする。しかし、忍の不倫に感づいていた洋平は彼女を責め、昔の浮気まで忍のせいにしだす。「あの頃の忍ちゃん、いつもイライラして眉間にしわを寄せて、俺はもっと優しくかまってほしかった」と言う彼。当時忍は生まれたばかりの悠太の育児で大変だったに違いないのに……ただただあきれるしかない。
洋平の心ない言葉の数々を思い返す忍。なぜ5年間ずっと怒り続けているのかと憤る洋平に、「5年じゃないよ……20年だよ」と彼女は訴える。
浮気されても傷つけられても言葉を飲み込んできた忍。妻の悲しみを意に介さない夫に、「離婚してください」と彼女は書類を突きつけた。
「離婚するなら死んでやる」と自身の喉に菜箸を突きつける洋平。本当にこの男はどこまでも甘ったれでしかないのか。そんな彼に「洋平さんだけのせいじゃなくて、私もちゃんと向き合うべきだった」と謝りながらも、忍は冷たく突き放した。
「死にたいなら一人で勝手に死んで。迷惑かけないで」
ついにモラハラ夫との別れを決断した忍。しかし、その後の展開は、さらなる混沌の渦を予感させるものでしかなかった。
編集者に電話で呼び出されて出かける千秋。彼が会っていたのはなんと岡野だった。「エッセイ漫画をもう一度考えてみてほしい」と岡野は千秋に働きかける。
そして、洋平はあの涼子と再び出会う。屈託のない彼女の笑顔に安らぎを覚えているようだ。いっそこのまま涼子といい関係を築いて幸せになってくれたら……とも思うのだが、どうなのか。
一方、千秋が外出して一人になったみひろは、ドアを叩く音に怯えて泣き出してしまう。制服姿で男の声を怖がる彼女の過去が映し出され、どうやら何かトラウマを抱えている様子だ。
そして、この8話の最後、忍と千秋が数年ぶりに再会した。
ビルの巨大スクリーンに映る魚を同じように眺めていた二人。かつての水族館デートが思い出される。この先また彼らの間で恋と呼ばれるものが始まることはあるのか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第9話ストーリー&レビュー}–
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
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5年ぶりに再会した忍(山口紗弥加)と千秋(板垣李光人)。そこで千秋は、親密そうな忍と岡野(池内博之)を目にしてしまう。忍のことが気になる千秋だが、同棲中のみひろ(山口まゆ)と目の離せない母・冬子(酒井若菜)との日々に忙殺される。だが、忍が岡野と付き合い始めたことを知った千秋は、漫画を通して忍への強い思いを再びぶつけ始める。しかし、忍はそれを受け入れず…果たして忍の気持ちとは。
第9話のレビュー
思いがけない再会を果たした忍(山口紗弥加)と千秋(板垣李光人)。
「おめでとう」と千秋の結婚を祝福する忍。しかし、千秋は「なんのことでしょうか」ときょとん。身に覚えがないようだ。妻と名乗っていたみひろ(山口まゆ)が一気にあやしくなる。
忍に会ったことを幼なじみの星宙(榊原有那)に話す千秋。「すごっ、運命じゃん」と驚く星宙はママになったらしく子どもと一緒だった。表情も以前より明るく幸せそう。この星宙の笑顔が、今回唯一ホッとさせてくれたものだった。
前回激しく揉めた忍と洋平(宮崎吐夢)はついに離婚。離婚届を前に「今までごめんね」と笑顔で謝る洋平だったが、彼が優しい態度を見せてももはや白々しさしか感じないのは筆者だけではないだろう。
自分の貯金はもらう、息子の学費は任せるなど、都合のいいことを言いだす洋平に、今住んでいるマンションは自分の名義だから2か月以内に出ていってと忍は言い渡した。
物語が進む中、千秋とみひろの関係も明らかになる。結婚はやはり嘘。みひろは千秋の同居人だった。売春の経験を綴った千秋のデビュー作を読んで、「同じ傷を持っている」と連絡してきた彼女を千秋が家に迎え入れて一緒に暮らしてきたのだ。ただ、泣きながらすがったり外で帰りを待ったりと、明らかに千秋に過度な依存をしているみひろ。心がすでに健全ではないようで、千秋もたぶんそれをわかっている。
千秋に依存するという点では、彼の母・冬子(酒井若菜)も相変わらず。電話口で「助けて!」と叫んだ母を迎えに行った千秋が見たのは、酔っぱらって男性に絡んでいる冬子の姿だった。
千秋におんぶされて「あたしさ、演技うまくない?」と悪びれない冬子。憎めない感もあるのだが、身勝手なことに変わりはない。
自立したのに、結局また周りの女性たちに寄りかかられている千秋。しかし、忍との再会や岡野(池内博之)から「そんなんじゃ佐々木先生(忍)と差が開く一方」と叱咤されたことで心が動いたのか、デビュー作の続編にとりかかる。
描き上げたネームを岡野に見せる千秋。忍とのことが描かれたその原稿に「年上女性への憧れか母親を求める子供のようにも見える」という感想を岡野は示す。千秋と忍の再会を目にしていた彼。何か感づいて牽制しているようにも感じられる。
その後家に戻った千秋は、「このままじゃだめだと思う」とみひろに切り出す。なんでもするからここに置いて……と泣き出すみひろ。自分も千秋も汚れている、一緒にいれば誰も自分たちを傷つけられない……と訴える彼女は、千秋よりさらに深刻な傷を抱えているのかもしれない。
結局みひろを残して家を出た千秋は、忍の元をたずねる。かつて忍がしてくれたように自分もみひろを助けたかった……と語る千秋に、忍は「橘くんを助けようなんて思ったことないよ」と答える。彼女は千秋に前を向いて幸せになってほしいと思っていただけ。なぜなら、千秋が好きだったからだ。
実はデビュー作を描き上げた後、出来上がった本を手にして忍の家に行った千秋。しかし、既に忍は引っ越してしまっていた。そのときから千秋の心の時計は止まっていたのかもしれない。忍はともかく、彼の恋はまだ終わっていなかった。忍を抱きしめて思いを告げる千秋。彼の「もうだまってどっか行ったりしないでよ……」という言葉に筆者は胸がつまりそうになった。
離婚はしたが既に岡野という相手がいる忍。千秋の想いをどう受けとめるのか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第10話ストーリー&レビュー}–
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
みひろ(山口まゆ)からの着信を受け、急いで駆けつける忍(山口紗弥加)と千秋(板垣李光人)。取り乱したみひろと千秋は口論に。二人の関係を見かねた忍は、みひろに忍の家で過ごすことを提案する。娘が出来たようで嬉々とする忍に、徐々に違和感を覚える岡野(池内博之)。同時に、忍と千秋の関係に対しても目に見えない絆を感じ、不信感と焦りを抱く。そして、岡野はある行動をとる。
第10話のレビュー
かつて千秋(板垣李光人)はコーヒーが苦手だった。
忍(山口紗弥加)と初めて会ったときはジュースを飲んでいた彼。コーヒーが飲めないのを忍に知られた後、一人缶コーヒーを買って「苦い」と顔をしかめながら飲んでいた。
たぶん、忍に近づきたくて、ちゃんと大人として見てほしくて、背伸びするようにコーヒーに挑んでいた千秋。そのうちに慣れてきたのか、成長した彼はたびたび缶コーヒーを飲むようになっていた。
この10話で、千秋はこれまで以上に何度も缶コーヒーで喉を潤す。たぶん、苦しすぎる現実からほんの少しでも逃れるために。
みひろ(山口まゆ)からの着信を受けて千秋が忍とともに家に戻ると、そこにいたのは失意に暮れたみひろ。みかねた忍は彼女を預かることを申し出た。
みひろとはひとまず距離を置いた千秋。だが、彼にはもう一人依存してくる存在がいた。母親の冬子(酒井若菜)だ。
勤め先で商品を盗んで解雇された母親を迎えに行く千秋。その後も千秋がバイトするレストランに来て泥酔するなど、冬子は息子を困らせ続ける。
一方みひろを預かった忍は、食事を用意したりカップを買ってあげたりと何かと世話を焼く。おかげでみひろも心が和らいだのか、コーヒーを淹れたり忍の寝床をかわいく整えたりするようになる。ただ、みひろに優しく接する忍のそばで穏やかでない顔をするのが岡野(池内博之)。忍と千秋の絆をすでに察しているのだろう。
忍がみひろとともに仕事場で寝泊まりする中、まだマンションに居座っていた元夫・洋平(宮崎吐夢)。彼の元へ涼子(和田光沙)が訪れてくる。彼女は冗談めかしつつ「一緒にマンションでも買っちゃう?」と洋平を誘う。
離婚したとき、妙にサバサバしていた洋平。あれは涼子がいてくれたおかげだったのだろう。だが、この彼女、前話で冬子を追い出すようにスナックのママになりかわったのが明らかになっていた。洋平に近づいたのも何か裏があるのではと思えてしまう。もしかすると、この先洋平は痛い目を見るかもしれない。
今回、荒木(後藤ユウミ)から連載打ち切りを告げられる忍。これに岡野と千秋は異なる反応を示す。自分のところで復讐劇のようなスピンオフを描いたらと提案する岡野。これを忍は「誰かの傷の上に成り立つ作品を今は描きたくない」と拒否。対して千秋は、「新しいものを描くチャンスかも」と言う忍の言葉に顔を輝かせ、「先生の漫画読みたいです。ファンなんで」と伝える。
現・編集者(岡野)と元アシスタント(千秋)で、もちろん立場や事情が違うのだが、それを差し引いても忍を理解しているのは、果たしてどちらなのか。
忍と千秋の間のことに苛立ちを覚えているせいか、岡野は千秋につらく当たる。打ち合わせに遅刻してネームの修正もしてこなかった千秋に、みひろのことを持ち出して「佐々木先生にも仕事や生活があるんですよ」と責め、「漫画、そんなんじゃ続けられないでしょ。やめます?」と厳しい言葉を投げかけた。千秋にも非はあるが、岡野も仕事に個人的感情を持ち込んでいる感ありで若干大人げない気がする。
みひろとの生活が楽しくなってきている忍。二人で過ごしながら「娘ができたみたい」と喜ぶ。
忍の前で、最初は「私のことなんて娘にしないほうがいい」と頑なだったみひろだが、次第に「なんでみんな私のことちゃんと見てくれないの……」とつらさを吐露。忍は思わず彼女を抱きしめる。
かつて千秋にしたように、みひろをちゃんと子ども扱いして大人として包み込んだ忍。彼女は母性が深い優しい女性なのだと改めて気づかされた。これでみひろは少し救われたはずだ。
だが、千秋のほうはそうはいかない。母の泣き声を耳にしたときも缶コーヒーを飲み干して耐えていた彼だが、冬子から「もっと稼げんのに。昔みたいに」と言われてたまらずに実家を出ていく。こういう言葉を息子にかけてしまうあたり、以前も書いたがやはり冬子は天性の魔女なのだと思う。
忍の仕事場であるマンションのベンチで缶コーヒーを飲む千秋。そこへ岡野が現れる。マンションに入る彼を見て笑い出す千秋。まるで報われないおのれの運命を呪っているかのよう。彼の苦しみは一体いつまで続くのか。
忍をたずねた岡野。千秋のネームを「理想の母親像を描いてるだけ。恋愛と錯覚してる」と評する。忍も同調するが、うなずき方に力がない。
その流れで、岡野からプロポーズされる忍。彼女はこれを受けてしまうのだろうか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第11話ストーリー&レビュー}–
第11話ストーリー&レビュー
第11話のストーリー
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岡野(池内博之)からのプロポーズに困惑する忍(山口紗弥加)。考えておいてほしいとその場を後にした岡野は、千秋(板垣李光人)にもプロポーズしたことを告げる。母・冬子(酒井若菜)に振り回され、心すり減る日々を送る千秋だが、忍への想いは消えない。そして忍はそんな千秋に、今まで言葉にしてこなかった気持ちを打ち明ける。一方、新たな人生の門出を迎えたはずの洋平(宮崎吐夢)は、ある事をきっかけに突拍子もない行動に出る。
第11話のレビュー
どうしてこうなってしまったのか。
「シジュウカラ」11話は、大人たちの悲しみが暴走する姿が描かれてますますやるせない物語となった。
まず驚かされたのは忍(山口紗弥加)。みひろ(山口まゆ)との生活を続ける中で、彼女はいささか過保護な傾向が見られてくる。そして、みひろが人形展で出会って親しくなった少女と一緒に暮らすために出ていくと言うと激しくとりみだし、「悠太はここにいればいいの!」と息子と混同させてすがりつく。
これまで、息子の悠太(田代輝)はもちろん、千秋(板垣李光人)やみひろにも大人の思慮深さを失わず接してきた忍。それだけに、ここまで動揺する姿はかなり意外だった。ただ、思い返せば、千秋と別れた後ずっと冷え切った関係の洋平(宮崎吐夢)を養ってきた忍。唯一愛情を注げる対象だった悠太がいないのが相当寂しかったのだろう。だからこそ、隙間を埋めてくれたみひろに依存してしまったのかもしれない。
一方千秋。彼は岡野(池内博之)から忍にプロポーズしたことを聞かされ、さらに「僕の方が佐々木先生を幸せにできると思いません?」と言われてしまう。正直、ここのところ筆者の岡野に対する好感度はガタ落ち。忍と千秋の絆に本気で焦っているにしても、プライベートな問題を仕事場に持ち込み、千秋にマウントをとるのはどうにも大人げないと思う。
アパートを引き払って実家に戻った千秋。一緒に暮らし始めた母親の冬子(酒井若菜)は半年分の家賃を払ってくれと頼んでくるなど、相変わらず身勝手に息子を翻弄する。
そんな中、再び顔を合わせる忍と千秋。そこで忍は次のような言葉を口にする。
「私たち、18も違うんだよ?」
「私と橘くんとじゃ立場が違いすぎる。無理に決まってる」
忍の言葉は確かにそうだと思う。実際、彼女が千秋と一緒になるのは相当勇気がいること。だが、そうだとしてもここまで本当に千秋がいたたまれなさすぎてつらい。彼は「漫画のことも先生のことももう忘れたいです」とつぶやいて立ち去った。
自宅でひたすら自転車を漕ぐ千秋。そこへ星宙(榊原有那)が来て「いいかげん自分を試すのはやめたら」と助言する。星宙いわく、千秋は自分の意志と反対の方を選んでどこまで耐えられるか試そうとするふしがあるという。千秋に建設的な言葉をくれた星宙。負の連鎖の中にいる人物が多い中、彼女だけはすでにそこを抜け出せたようだ。
そして、今回忍に輪をかけて視聴者を驚かせた、というか怖がらせたといっていいのが、洋平だ。
涼子(和田光沙)と親密な関係になった洋平。しかし、やはりという結末を迎えた。一緒にお弁当屋でもやりたいけどお金かかるし……と甘くささやく涼子に「少しなら」と言ってしまう洋平。後日、彼がスナックを訪れると「テナント募集」の文字が貼られ、涼子の電話から「現在使われておりません」の声が響いた。
見事に裏切られた洋平。自身の生い立ちを振り返りつつ「忍、俺そんな悪いことしたかーっ!」と叫ぶ。その後ビリー・ジョエルの「ハートにファイア」を歌いだした。
洋平がこの曲をかっこよく歌う姿に惹かれたと千秋に話していた忍。実際に聞いた彼の歌唱は確かに英語の発音もよく見事ではあった。しかし、歌い続けるうちにヒートアップし、挙句に「忍――!」と絶叫して走りだす。間違いなく今までで一番の壊れっぷり。筆者は彼の姿と歌声がしばらく脳裏に焼きついて離れなかった。
ラストで岡野のプロポーズを承諾する忍。現実的に見れば至極賢明な選択だろう。だが決めた理由には疑問が残る。悠太のいない寂しさやみひろが去った悲しみ、千秋への想いなどを忘れるため、つまり岡野への愛情以外のものが多く混じっているなら、どこかでまたボタンを掛け違えてしまう気がする。
結婚を決めて仲睦まじく帰路につく忍と岡野。しかし、マンションに戻った二人が見たのは、ドアの前に座り込む洋平の姿だった。
次回はついに最終回。愛情や寂しさ、憎しみを抱える大人たちは最後にどのような生き方を選ぶのか。
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{第12話ストーリー&レビュー}–
第12話ストーリー&レビュー
第12話のストーリー
洋平(宮崎吐夢)とケリをつけ、岡野(池内博之)と二人、新たな人生を歩み始めた忍(山口紗弥加)だったが、どこか上の空な様子。そんな中、息子の悠太(田代輝)が久々に帰ってくる。もう子供ではない悠太から、自分の為に幸せになるように言われ…。忍にとっての幸せとは?恋愛、仕事、人生。多くのことに悩み、ぶつかり合ってきた不器用すぎる大人たちが、それぞれの道を歩み始める。そして忍と千秋は―。
第12話のレビュー
「シジュウカラ」最終回。愛情や苦しみを抱える大人たちがそれぞれの結末にたどりついた。
前回突拍子もない行動で視聴者を唖然とさせた洋平(宮崎吐夢)。今回、忍(山口紗弥加)たちを待ち構えていた彼が口にしたのは「慰謝料もらう権利、俺あるよな?」。何しに来たのかと思えば、目的はお金か……。
岡野(池内博之)から数枚のお札を差し出される洋平。財産を騙しとられて忍に頼らざるをえなかったのかとは思うが、お金をもらってそそくさと去る姿がなんとも情けなく悲しい。
その後、「綿貫洋平、自叙伝」というノートを息子の悠太(田代輝)の元に残した洋平。白のブリーフ姿で書いていたのがまたインパクトが強かったが、彼はノートに「俺は一人になる」と記していた。元妻に執着せず生きると決めたようで、ひとまずよかったと思う。
なお、ここまで洋平役の宮崎吐夢は本当に素晴らしかった。モラハラ夫ぶりに恐るべきリアリティがあり、本作を見応えあるものにしてくれた立役者だといえる。見事な怪演に心から敬意を表したい。
この12話では、洋平だけでなく岡野と冬子(酒井若菜)の自叙伝も語られた。
漫画家になる夢が叶わず編集者になった岡野。彼の目には忍と千秋が作り手でない自分を見下しているように映っていたらしい。実は根深いコンプレックスを抱えていた岡野。とはいえ、忍に「賞味期限切れの面倒くさい漫画家」と言ったのはひどい。彼が手にしていた指輪を忍がはめることはおそらくないだろう。
一方冬子の自叙伝は、男たちのそれよりも切なく悲しく響いた。10代のころからモテてかわいらしさを武器に生きてきた彼女。しかし、夫に暴力を振るわれ、息子も気づけば売春に身を落とし、家という場所は冬子にとっていつでも「闇」だった。
千秋が家賃用に準備していたお金を使い込んだらしき冬子。それにあきれたのか再び千秋は実家を出ていくが、別れに際して一緒にタバコをふかす親子二人。その姿になんとも心を揺さぶられた。いい母親とはどうにも言い難いが、それでも自分なりに息子と生きようとしていた冬子。いつかどこかで彼女にも光がさしてくれたら……と思う。
忍と千秋のことを語る前に、みひろ(山口まゆ)と悠太についても触れておこう。
人形作りという生きがいを見つけたみひろは、「先生も千秋も絵をやめられない人だよ」の言葉を残して千秋と別れる。彼女が元気になれたのは本当に喜ばしいこと。そして、久々に東京に帰ってきた悠太は、忍に自分のために幸せになってと伝えた。結局、綿貫家で一番しっかりした大人なのはこの一人息子ではないか。
そして、忍と千秋である。恋や人生に迷ってきた末に忍が選んだのは、やはり漫画を描くこと。彼女は一編の作品を描き上げてSNSにアップ。それはかつて千秋が心を救われた「ウサギなんて追いかけない」の続編だった。
なお、忍の新作を読んで「あたしがこれを佐々木さんと作りたかったのに」と言ったのは荒木(後藤ユウミ)。彼女は「ササキシノブ」名義で連載を目指そうと提案。とどのつまり、忍を理解している編集者は岡野ではなく荒木だった。
千秋の方は、実家を出た後にバイトしていたレストランも退職。(やめる際、いつも失礼な口を叩いていたバイト仲間の学生に「クソガキ」と言い放ったのが見事だった)。一人になった彼が選んだ道は“旅人”。しかし、旅先でスケッチをしていた際に星宙(榊原有那)が送ってきた忍の新作を見て、改めて絵を描きはじめる。
漫画が再び忍と千秋を繋げてくれた。描き上げた新作とともに忍の元へ帰ってくる千秋。彼が伝えた言葉は「漫画が好きです……先生が好きです」。ようやく忍と千秋は結ばれた。
かつて千秋のために泣いた忍。そんな彼女のために生きると決めた千秋。今やっと彼らは幸せだ。愛し合う二人が重ねた手の「ピース」のサインがそれを物語っていた。
翌朝、忍の瞳に一羽の鳥(シジュウカラ)の姿が映る。この先、年の離れた彼らの人生は楽ではないかもしれない。でも二人には漫画と尊い絆があり、鳥のように羽ばたくひとすじの希望がさしている。大丈夫。きっと生きていけるはずだ。
最後になるが、この最終回は本放送と「Paravi」の配信版で音楽が異なる箇所があった。本放送で響いたのはビートルズの「ブラックバード」。忍と千秋を明るくやわらかく包み込むような非常に心にしみいる選曲だった。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「シジュウカラ」の各話を1つにまとめたものです。
–{「シジュウカラ」作品情報}–
「シジュウカラ」作品情報
不倫なのに18歳差の純愛!?
40歳、人生の節目から始まるキャリアと恋。
偏見と固定概念を越えていく、
新たな年の差ラブストーリーが誕生!
番組概要
原作
「シジュウカラ」(坂井恵理)「JOUR」(双葉社)掲載中。
放送時期
2022年1月クール 毎週金曜深夜0時12分
放送局
テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ 九州放送
主演
山口紗弥加
監督
大九明子、成瀬朋一、上田 迅
脚本
開 真理
チーフプロデューサー
祖父江里奈(テレビ東京)
プロデューサー
北川俊樹(テレビ東京)、高橋優子(ザ・ワークス)
制作
ザ・ワークス
公式Twitter
@tx_shijukara