三森すずこ・佐久間大介(Snow Man)がW主演し話題となったアニメ映画『白蛇:縁起』が、2022年1月21日より全国60館のイオンシネマで再上映される。
中国で歴史的な大ヒットを記録したアニメ映画の日本語吹替版であるこの作品。中国アニメということでなじみがない人・敬遠してしまう人もいるかもしれない。
そのうえでも、日本でも人気なアニメ作品の要素に中国アニメならではの魅力・声優陣の演技が加わった素晴らしい作品になっているため、この機会にぜひ観てほしい。
本記事では、前半でまだ観ていない方におすすめしたいポイント、後半で観た方と共有したい見どころをお伝えしたい。
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こんな要素が好きな人は観てほしい!『白蛇:縁起』おすすめポイント
アニメが好きな方、特に同じチームジョイが関わった『羅小黒戦記』がお好きな人やSnow Man佐久間さんを含む各声優さんのファンの方は観たかと思う。また鑑賞してそれ以外のさまざまな要素がお好きな方もきっと楽しめる作品だと思ったので、魅力的な要素について紹介したい。
1:中国アニメならではの美しい映像
まず特長としてあげられるのが、映像の美しさ。空、花、森、氷、炎などさまざまな風景が出てくるのだが、そのどれもが息を呑むほど美しい。水墨画のような中国アニメならではの表現も出てくるので、ぜひ大画面で観ていただきたい。
2:ジブリのような風景・ボーイミーツガールなストーリー
ジブリ映画が好きという方も楽しめる作品だと思う。特に前半、男の子と女の子が出会って冒険するストーリーや広がる美しい風景にジブリっぽさを感じた。また、個人的に主人公・宣が天空の城ラピュタのパズーらしさがある。前向きで勇気があって優しくて明るくて力持ちな男の子……!
3:宮崎駿も影響を受けた「白蛇伝」がベース
本作は宮崎駿も影響を受けた、中国の民間伝説「白蛇伝」をベースに物語が作られている。主人公の宣(せん)と白(はく)という名前から、『千と千尋の神隠し』の千(千尋)とハクを連想する方もいるかもしれない。
また、『千と千尋の神隠し』と同じ光景が出てくるシーンがあるので、観に行く方はぜひ探してみてほしい。
4:ディズニー映画のようなクオリティ+繊細な描写で描かれる人物
人物の動きはディズニーのプリンセス映画を彷彿とさせるクオリティがある。一方で、それぞれのキャラクターにこのアニメならではのしっとりとした魅力もあり、髪の毛一本一本の質感まで感じられる、この作品ならではの良さもある。
観た方が好きになるキャラがきっと1人はいると思う。
5:モンハンを彷彿とさせる「大きな生き物」がたくさん出てくる
白・青をはじめとした蛇の妖怪が出てくる物語なので、戦闘シーンでは蛇の姿で戦う。「モンハンみたいだった」という感想を持つ人も多かった。大きな生き物が活躍するアニメやゲームが好きな方も楽しめるポイントがあると思う。
6:ワンコ好きな人にはたまらない「はらまき」
宣の飼い犬である親友のはらまきがかわいすぎる。いつもちょっと困った顔をしているところがまたかわいい。物語の途中からある理由により人間の言葉を話せるようになるのだが、苦労人(犬だけど)っぽい感じがなんとも愛おしい。声優は杉田智和が担当している。
7:シスコンな妹が出てくる
本作のヒロイン・白には青という妹が出てくる。厳密にいうと「姉のように慕っている」なので血の繋がった姉妹というわけではないのだが(そもそも蛇の妖怪なので実際に姉妹ということがあるのかはわからないが)、姉さん(白)大好きで特別な感情を抱いているという役柄だ。
姉が大好きすぎ&人間が嫌いすぎて宣に敵意むき出しなところもいいし、かっこいい系だが妹という点もいい。姉妹の関係性が好きな人もきっと楽しめると思う。
8:声優陣の演技が素晴らしい
そして何といっても素晴らしいのが声優陣の演技だ。三森すずこ演じる白の芯の強さ、杉田智和演じるはらまきのちょっと情けない愛らしい感じ、佐倉綾音の気が強いヤンデレっぽい妹感、そして佐久間大介が宣にハマっていた。彼が演じていることがわかる一方で、彼が演じていることを忘れてしまう瞬間があるほど自然な演技だった。
Snow Manの佐久間大介は声優としての活動はゲストとして参加した「ブラッククローバー」に続き二度目だが、作品を観れば「ただジャニーズのタレントがゲストで呼ばれただけ」ではないことはわかるはずだ。主役を張るような人たちとの共演で、さらに自分が主演ということに本人も驚いたというが、舞台挨拶で杉田智和は「ゲスト声優ではなく共演者」と絶賛していたし、佐倉綾音も「いつでも声優界に来てください」と言っていたほど。
また忘れてはならないのが悠木碧演じる宝青房の主。見た目は若い女の子だが、実際はすごく長い間生きている妖怪という設定、色気があって怖い、でもたまらなく惹かれてしまう感じがクセになる。
悠木碧は個人的に魔法少女まどか☆マギカのまどかのイメージが強かったので、全然違う妖艶さにびっくりした。
9:佐久間大介と宣がリンクしていた
またこれはファン目線になるが、宣が佐久間くんの人柄とリンクしていたように感じた。興味があることを突き詰めて実際に活かしていること、自分のことより人のことを気遣うところ、よりよい未来を目指して前向きに生きているところなどなど……。(宣も佐久間くんも)それぞれ魅力的なキャラだけど、より好きになってしまった人は多かったんじゃないだろうか。
前半の魅力的な要素はここまで。ひとつでも気になるポイントがあった人は、ぜひこの機会に劇場に足を運んでほしい。
※次ページ以降、本作品に関わるネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
–{もう一度観返したい『白蛇:縁起』名シーン}–
もう一度観返したい『白蛇:縁起』名シーン
※以降はネタバレを含むので、未鑑賞の方はご注意ください。
ここから先は、実際に観てよかったシーンをいくつかご紹介したい。もう作品を観た方は、ぜひ一緒に名場面を振り返っていただけたらうれしい。
1:冒頭、白と青が水に浸かっているシーン
何やら悲し気な二人の様子がきにかかるものの、水や花びらの表現、そして水面に墨汁が広がるような形で現れるタイトルが美しくて引き込まれる。
2:宣と白が傘で空を飛ぶシーン
宣と白がひとつの傘にぶらさがって空を飛ぶシーン、とてもよかった! 景色が綺麗すぎたし、舞い上がる花びら、疾走感、これは最高のボーイミーツガール……! 人間なのに驚きより楽しんじゃう宣、すてき。
3:宣が船の上で歌うシーン
宣が船の上で歌う歌がいい。うまい。一緒に歌おうよと言われて戸惑いつつ歌う白もかわいい。
4:宣が白をあたためるシーン
白が蛇になった姿を見て、彼女が蛇の妖怪だったと知った宣。そんなことは構わず凍え出した白を温めます。宣の人柄があらためてわかるシーン。
5:はらまき、宣のことをもう知らない!と言ったのに結局協力しちゃうシーン
宣の飼い犬のはらまき、白が妖怪だとわかったのに冷えた白を必死で温める宣にもう知らない! って言うのに、結局宣と一緒に白を温めるのを手伝うところが何ともかわいい。人間より人間っぽい。
6:塔の屋根で夕日を観ながら宣と白が話すシーン
白に「あなたお人好しね」て言われてちょっと頬が赤くなる宣といい、白がどんな気持ちでこのセリフを言ったのかといい、なんだか泣けてしまう。
7:宝青房のシーン
かんざしの秘密を知るために宣と白が訪れた宝青房。この場所自体の作りも不思議だし、何より宝青房の主に圧倒されてしまう。
8:青がヤンデレなシスコンすぎるシーン
青が白に近づく宣が許せなくて吊り上げるシーン、全体的に姉さんが大好きすぎる妹でいい。逆バージョンはよく見るけど、妖怪界では人間は嘘つきって言われているのが新鮮。
9:宣と白が身体を重ねるシーン
こういうシーンあるんだ、とちょっとびっくりするけどひたすら切なくて美しくて、二人の気持ちが伝わってきていい。
10:大きな白蛇になった白と宣が話すシーン
怒りで暴走する白を止める宣。「妖怪だからって大きさが違うからって何だよ」と話しかける宣の心の強さが改めて伝わってくるし、場所が二人で飛んだ草原なのもまたくるものがある。
11:最後の戦いのシーン
蛇の妖怪たちと国士による戦い、迫力がすさまじい。ところで国士、一応人間なのに何ならいちばん妖怪っぽいんだが……。
12:宣と白が抱き合うシーン
宣の「覚えてる?」「よかった……」がもうだめ……。
13:宣が死んでしまうシーン
白を守って凍ってしまった宣がどこかへ行ってしまいそうになり、今までのいろんな出来事がよみがえるシーンは涙なしには見られない。泣きながら宣に教えてもらった歌を歌う白にまた涙してしまう。
14:宣と白が再び巡り合うシーン
ラスト、姿が変わった宣と白が再び出会うシーンがとてもいい。はらまきの新しい姿に何だか納得。そしてあの人(?)が出てきたのにもびっくり。
15:エンドロールの3曲
エンドロールでは、中国語の2曲とSnow Man「縁 -YUÁN-」の3曲が流れる。中国語の2曲も日本語訳が出るし、物語を観た後の「縁 -YUÁN-」はすごく胸に刺さって素晴らしいので、ぜひ最後まで席を立たずに見届けてほしい。
観る人に損はさせない、大画面で観てほしい作品
『白蛇:縁起』の魅力について、2つのポイントからお伝えした。観た人に損をさせない名作だと思うし、劇場で観ることでより魅力が増す作品だと思うので、気になった方はぜひ劇場の大画面で観ることをおすすめする。
観に行くのが難しそうな方も、配信や円盤などでぜひチェックしてほしい。
(文:ぐみ)
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–{『白蛇:縁起』作品情報}–
『白蛇:縁起』作品情報
ストーリー
「白蛇:縁起」は中国の四大民間説話の1つ『白蛇伝』の前世の話。時は9世紀から10世紀、晩唐の時代。国師が民間人に蛇を大量に捕獲させていた。白蛇の妖怪「白」(見た目は人間の美少女)が国師を刺殺しようとしたが失敗。少女は逃亡の末、記憶をなくしてしまったが、捕蛇村の少年「宣」に救われる。「白」の記憶を取り戻すため二人は冒険の旅に出る。旅路を供にするなかで、二人は恋に落ちるが、少女が白蛇の妖怪ということが明らかになってしまう。一方、国師と蛇族との間に激しい戦いが始まろうとしていた。2人の恋に大きな試練が待ち受ける。
基本情報
声の出演:三森すずこ/佐久間大介(Snow Man)/杉田智和/悠木碧/佐倉綾音/石川界人/本田貴子/柴田秀勝
監督:黄家康/趙霽
公開日:2021年7月30日(金)/2022年1月21日(金)〜イオンシネマにて再上映